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シリーズ 橋下「行革」の現場を行く



第7回 大阪都構想(下) 市町村には負担のみ

 昨年暮れの府議会で日本共産党の宮原威府議団長は、「大阪都構想」の行く末を暗示する調査を示し、府政の転換を迫りました。
 一つは、大阪市が大阪湾岸開発の目玉として約1200億円かけて建設したワールドトレードセンター(WTC)の入居状況です。
 橋下徹府知事は昨年、府庁をWTCに移せば湾岸開発が進むと、赤字に苦しむWTCを117億円で購入しましたが、2009年12月に43軒あった入居テナントは、購入後の10年12月には32軒まで減少。府庁移転を歓迎していた関西経済3団体も、事務所をWTCに移転してほしいとの大阪市と府の要講を拒否する始末です。

失政は明らか
大阪経済の07年度と09年度の比較
完全失業率 大阪 6.6%(1.3ポイント増)
全国 5.1%(1.2ポイント増)
企業倒産 大阪 130件増(6.0%増)
全国 366件増(2.5%増)
雇用者報酬 大阪 1,040億円減(5.3%減)
全国 8,039億円減(0.3%減)
※雇用者報酬は07年度と08年度の比較。
日本共産党府議団調べ

 府庁移転と一体で進められている、現府庁跡地など大阪城周辺に企業を誘致する市街地の再開発計画も、昨年8〜11月に実施した市場調査で「積極的に検討」と回答したのは94の大学・専門学校法人、医療関係企業のうち1社のみ。地価も下落し続けています。
 宮原団長は、橋下知事就任前の07年と就任2年目の09年を比較した経済指標が、いずれも全国平均を上回る規模で悪化していることを示し「開発行政という点でも、経済の活性化という点でも橋下知事の失政は明らかだ」と力説します。(表)
 橋下知事は、「大阪都構想」について、大阪市と周辺自治体を大阪都と特別区に再編するということ以外、詳しい内容はほとんど明らかにしていません。
 関西大学の鶴田廣巳教授(大阪自治体問題研究所理事長)は、「大阪都構想」の狙いは、大阪市が持っている開発の権限・財源を大阪都に吸い上げ、開発をより効率的に進めることにあると指摘。市町村は権限も財源も奪われ、負担だけ押し付けられると語ります。
 「大阪都」のモデルとされている東京23区は、本来市町村の税財源である固定資産税や市町村民税法人分の徴税権がなく、都がいったん集めた上で税収の55%を区に交付しています(都区財政調整)。大阪にあてはめると大阪市の税収の3割以上が「都」に吸い上げられる計算です。
 鶴田教授は「都区財政調整は豊かな財政力を持つ東京だからこそ成り立つ制度で、毎年3000億円近い地方交付税を受け取っている大阪に持ち込めば、特別区は財源を奪われ、住民施策に深刻な問題を引き起こす」と語ります。

狙いは関西州

 橋下知事はまた、市町村への大幅な権限移譲や、府内市町村すべてを人口30万人以上の中核市にすることを掲げています。
 鶴田教授は、財源が伴わない権限移譲は府民施策の縮小・廃止を招くだけで、市町村の中核市化も現在の41市町村(政令市除く)を3分の1に強制合併しないとできないため、住民生活の破壊は避けられないと指摘。「橋下知事は分権改革だというが、分権の名による集権だ。その先にあるのは関西州だ」と批判します。


「しんぶん赤旗」2011年1月19日付より


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