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シリーズ 橋下「行革」の現場を行く



第4回 府営住宅半減 ついの住み家を壊す

 大阪市淀川区の地下鉄東三国駅から10分ほど歩くと、国道423号沿いに11階建ての東三国住宅(366戸)が夕闇に浮かび上がってきました。

明かりまばら

 「半分以上出ていったから暗いでしょ」
 案内してくれた日本共産党の宮島正府議候補の言葉通り、部屋の明かりはまばらでした。
 東三国住宅は築40年。耐震強度不足が指摘され、建て替えまたは耐震補強で対応するのが府の方針でした。
 橋下知事の就任後「高コスト」などを理由に2009年春に廃止。取り壊しを決定。住民には2年をめどに退去するよう求めています。これほど大規模な府営住宅の廃止は初めてです。
 残っている居住者には、高齢者や家族に介護が必要な人が多く、不安がまん延しています。団地に住む迫田美枝子さん(71)は、「いままでそんなに親しくなかった人が、奥さんいつ出るの、寂しいから1日でも長くおってって言うの。エレベーターで倒れるように抱きついてきた女性もいた」と話します。
 「先に引っ越した年配の男性が、知り合いがいなくなって寂しいと団地の前をうろうろしてた。自然と足が向いちゃうって」(迫田さん)。東三国住宅の廃止決定後、自殺者や孤独死も出ています。
 子育てや、国道の騒音公害に反対した思い出が詰まった団地。伊東満子さん(85)は「荷
物を整理していると昔の写真や文章がでてくる。ここで死ぬつもりだったのに涙がでてくる」と悔しがります。

民間売却狙う

 さらに、府が昨年だした「財政構造改革プラン」は、府営住宅の入居者と入居できない人との不公平感などを理由に、現在の府営住宅約13万6000戸を将来的に半分にすると明記しました。
 全大阪借地借家人組合連合会の船越康亘さん(68)は、府営住宅の入居資格者が60万世帯に上ることや、09年の平均応募倍率が13倍になることをあげ、「不公平というなら、安くて住みよい公営住宅を60万戸つくるのが正論だ」と批判。「府営住宅は08年度は81億円の黒字だし、耐震化は段階的にやっても間に合う。狙いは民間不動産への売却だ」と語ります。
 「大阪維新の会」が政治指針としている上山信一著『大阪維新』(角川SSC新書)は、全国の公営住宅を民間に払い下げることや、府営住宅跡地を「企業に貸して、あとはすべて任せる」ことを提言しています。
 「低所得の入居者が増えると、滞納や減免で自治体の持ち出しが増える。都市間で資本や生産人口を奪い合うなか、低所得者を呼び込む公営住宅の削減競争が全国で起こる可能性がある。大阪府が半減をぶち上げた影響は大きい」
 住宅問題に詳しい神戸大学の平山洋介教授は、府営住宅半減の背景に自公政権の「地方分権」、民主政権の「地域主権」のもとで進んだ都市間競争の原理が働いていると指摘します。
 さらに「公営住宅は福祉コストを増大させるというが、償還が終われば自治体の安定収入になるし、年金など福祉の代替機能も果たす。公営住宅を減らしてホームレスが増えれば、逆にコストが増える可能性だってある」と語りました。


「しんぶん赤旗」2011年1月15日付より


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