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特集 橋下・松井府政が4年半でやってきたこと




全壊の危険のある旧WTCへの全面移転に固執

日本共産党大阪府議会議員団団長 宮原 たけし

「最悪『全壊』も」との見出しが躍った咲洲庁舎

 「咲洲庁舎は最悪『全壊』も」。10月15日付の週刊誌「AERA」に、こんな見出しがおどった。
 咲洲庁舎とは、もちろん橋下前知事時代に大阪府が買収した旧WTCビルで、つい先日までは西日本一の高さを誇った超高層ビルである。
 ビルの建設者は大阪市や関西の銀行団などがつくった第3セクターだったが、2008年7月に平松邦夫大阪市長(当時)が、この三セク会社の再建断念を公表していた。
 1100億円を超える巨額の建設費がかかっていただけに、一時は銀行団も一定の損失を覚悟していた。
 そこに「救世主」のように登場したのが橋下知事(当時)である。彼は、「明石の方向に、大阪再生の光が見えた」と、旧WTCビルへの大阪府庁舎の全面移転を計画した。府議会では2008年9月、09年2月の2回にわたって反対の意見が強く、09年2月府議会では、府庁舎移転・ビル買収の両議案とも否決された。
 当時、銀行団の中心は三井住友であった。三井住友の副頭取の中野健二郎氏は関西経済同友会の代表幹事に就いていたが、関西経済同友会名で全府会議員に、WTCビルへの府庁移転に賛成か反対かを問うアンケートを送った。

震度3で360カ所損傷し支出はすでに132億円

 府議会内部では、自民党が分裂し、「白民党維新の会」という新しい会派がつくられ、地方選での報復をちらつかせる橋下氏の脅しに自民・民主・公明の各党が屈した形で、09年10月、大阪府庁舎の移転は否決されたがビルの買収は可決されるという"ねじれ現象"が起こった。当時、橋下氏はWTCビルを中心とした咲洲地区を、「関西の宝石箱」と言ったが、大阪府職員2千人が入ったのに一般のテナントは撤退し、空床面積は1万6700平方メートルも増加した(表1)。
 その後、3・11の東日本大震災では、震度3にもかかわらず、最大2.7メートルの揺れが10分以上続いた。天井や床など360カ所が損傷した。この補修も含め、大阪府の支出はすでに132億円にのぼっている。
 ビルの揺れは、周期がゆっくりした長周期地震動によるものだが、これは、日本共産党府議団が当初から指摘していた。
 ビルの耐震性について、つくられた専門家会議の委員をつとめた福和伸夫・名古屋大学院教授は、昨年8月、「最悪の場合、全壊する可能性」を指摘し、一時は橋下氏も「全面撤退も考える」と言わざるを得なかったが、その後、選言は撒回され、庁舎全面移転の意図を松井知事も引き継いでいる。

国の補助金に頼り、借金増やして「黒字」に

 橋下氏は、「大阪府を黒字にした」と思われている。確かに、08年度104億円、09年度311億円、10年度257億円、11年度105億円と、4年間で777億円の黒字になっている。
 しかし、表2を見ていただきたい。橋下・松井府政の4年間と、前太田府政の4年間を比較すると、年平均647億円、4年間で2588億円も収入は増えている。特に、国からの交付税と国庫支出金は、4年間でなんと、6560億円も増えている。
 橋下氏が、「財政非常事態宣言」をして、第3次救命救急の予算、小学校警備員の予算など、府民施策を削減したのが、4年間で約1125億円である。その上に、国からの地方交付税と国庫支出(補助)金が6500億円以上増えて、777億円の黒字を出して、どこが自慢できるだろうか。
 表3で見るように、リーマンショック前は大阪の総生産の伸び率は全国より低く、リーマンショック後の落ち込みは全国より大きい。これが表2の実質税収の8%の落ち込みとなって現われている。
 この連載のA(11月4日付)、B(同18日付)で書いたように、大型開発や大企業誘致では、大阪経済は活性化しないし、府財政も好転しない。
 大阪府の借金は、太田府政最終年の5兆8288億円(2007年度末)から6兆378億円(11年度末)へと、2090億円増えている。
 橋下・「維新の会」が国政のっとりを狙っている今、この4年間の橋下・松井府政の罪を、国民に知らせるのは急務である。

 表1 大阪府が入っても稼働率が下がった咲洲庁舎
  09年12月 12年3月
大阪府関連 0u 34,300u
大阪市関連 33,400u  
一般テナント 22,300u 15,200u
旧WTC社使用 10,500u  
共用部 61,700u 61,700u
空床面積 21,400u 38,100u
合計延床面積 149,300u 149,300u
稼働率 75.6% 56.5%


 衷2 国補助金と府実質税収入・借金の推移 (太田府政4年と橋下府政4年の年平均の比較:単位億円)
  04〜07年度平均 08〜11年度平均 増減
国からの地方交付税 3,272 4,771 +1,499
国庫支出金 2,791 2,932 +141
府の実質税収 10,536 9,693 -843
銀行などからの借金 1,617 1,467 -150
合計 18,216 18,863 +647


 表3 総生産(実質)の大阪と全国の比較
  府内総生産 国内総生産
05年(太田府政) 40兆5,150億円 507兆1,580億円
07年(太田府政) 41兆6,714億円 525兆4,699億円
05年と07年の比較 102.9% 103.6%
09年(橋下府政) 38兆8,122億円 495兆4,172億円
07年と09年の比較 93.1% 94.3%
※10年度以降は大阪の数字がないため比較できず




「大阪民主新報」2012年11月25日付より



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