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議事録


総務常任委員会(2019年10月10日) 石川たえ府議の質問

・SDGsについて

◆(石川たえ君) 日本共産党の石川たえです。
 まず初めに、SDGsについてお聞きをいたします。
 SDGsは、二〇一五年に国連総会が採択した持続可能な開発目標です。二〇三〇年までに貧困の解決、飢餓の解決、教育などの社会目標、気候変動、エネルギー、生物多様性など環境目標、雇用、インフラ、生産と消費など経済目標に加え、不平等の解決、ジェンダーの平等、平和など十七の目標とし設定され、地球上の誰ひとりとして取り残さないことを誓っています。
 大阪府の中間整理案の到達点を見ていると、貧困、健康と福祉、教育、平和については、国際的な日本の評価は高いものの、国内の自治体指標から見た大阪の評価は低い。これらは、府民の命や暮らしに直結する課題であると考えます。
 なぜ、これらの評価が低いのか、要因をお聞かせください。

◎企画室副理事(西島亨君) お答えいたします。
 今回の中間整理案におきましては、現時点でSDGsの進捗を把握するデータに限りがございますことから、内外のSDGs関連機関が独自に公表しております指標を一つのよりどころにいたしまして、今後、さまざまなステークホルダーと議論を深めるたたき台として、大阪のSDGs十七ゴールの到達点を独自に分析したものでございます。
 その結果、お示しの四つのゴールにつきましては、いずれも国際比較では日本の評価が高く、大阪も国際的な水準としては高い位置にございますものの、他府県と比べると、低い指標があるという状況でございます。
 具体的には、ゴール一、貧困は、絶対的貧困率で国際評価は高いものの、国内比較では相対的貧困世帯や生活保護の割合などの評価が低い。三、健康福祉は、妊産婦や新生児の死亡率など、国際的にも国内比較でも評価が高い指標がある一方、心血管疾患、がん、糖尿病の死亡率などで国内評価が低い。四、教育は、学習到達度など全ての指標で国際評価が高い一方、国内比較では、小学生の国語、算数、理科の平均正答率などの評価が低い。十六、平和は、殺人など安全安心に関する国際評価は高い一方で、国内比較では、刑法犯認知件数などの評価が低くなっているという状況でございます。

◆(石川たえ君) 教育にしても、生活保護の問題にしても、結局本当に府民の皆さんの暮らしに直結するものが非常に評価が低いということになっていますので、ぜひ優先課題として第一義的に取り組んでいただきたいなと思っているんです。
 今教えていただいた幾つかの指標だけではなくて、例えば梅毒の罹患率がこの間上がってきてしまっているという話であるとか、認知症の数がやっぱり他国に比べて日本は非常に多いんじゃないかということだって挙げられるわけで、本当に健康や命や貧困にかかわる問題というのは、優先課題として大阪がリードして取り組んでいただきたいなというふうに思っています。これらの課題一つ一つを具体的な取り組みなしに問題解決するというふうには思えません。
 貧困問題ですが、厚労省の国民生活基礎調査によると、二〇一五年は、相対的貧困率、子どもの貧困率ともに二〇一二年よりも低くなっている。あたかもその指標を見ると、改善の方向に日本は向かっているように見えるんですよね、この指針。けれども、中央値は五十二万円、貧困線は二十七万円、もうピーク時の九七年よりも下がっているわけです。貧困線が、九七年をきちんと維持されていれば、二〇一五年の貧困率は、今挙げられている一五・六%よりもっと大きい数字になるんですよね。
 結局、全体の所得が下がっているので、相対的貧困率も子どもの貧困率も下がっているというふうになっているんですけど、所得の格差がこれだけ広がっている中で、今二〇一七年の時点で相対的貧困率が下がっているからといって、安住したらあかんのちゃうかなというふうに私は思っています。
 貧困解決を進めるためには、憲法で保障されている最低限度の生活を営むこの基準を含む社会保障の制度、福祉の充実をあわせて対策をとらなければいけない、こういうことも指摘をされているところです。
 私は、この間ずっと子どもの貧困対策に向けて取り組みをもっともっと強化してほしい、こういうふうに求めてまいりました。保護者の就労保障の問題であったり、正規雇用の拡大への取り組みであったり、みなし適用してほしいということであったり、子どもの医療費助成の拡充だったり、虫歯の罹患率を下げていくためにもフッ素の塗布やフッ化物洗口を学校でやってくれへんかということであるとか、中学校給食は全員が食べられるように大阪府としてやってくれへんかということとか、こういう子どもの貧困解決のための幾つかの提案を行ってきたんですよね。
 しかし、残念ながら、取り組んでいただいているものもありますが、取り組んでいただけていないもののほうが圧倒的に多いというふうに感じています。
 SDGsのゴールは二〇三〇年、あと十年しかありません。所得格差をなくして貧困解決を進めていくためには、ほかのいろんな担当所管としっかり協力して、このゴール一、貧困というのを本当に優先させて取り組むべきやというふうに思いますが、いかがですか。

◎企画室副理事(西島亨君) お答えいたします。
 今、石川委員のほうからさまざまな数字とかこれまでの取り組みも含めて御質問いただきました。
 今質問いただいていますゴール一、貧困に関しましては、この間既に、先ほども委員のほうからもございましたとおり、子どもの貧困対策ですとか生活困窮者の自立支援、また高校等の授業料無償化など、まだ道半ばではございますが、府としてもさまざまに取り組んでいるところでございます。
 今後とも、目指す姿を明らかにし、さまざまなステークホルダーと共有することで取り組みを進めてまいります。

◆(石川たえ君) ぜひ、積極的によろしくお願いします。
 SDGsでもう一点お聞きをさせていただきます。ゴール五、ジェンダー平等の達成についてです。
 一九八一年に女性差別撤廃条約が発効されて、日本が批准したのは一九八五年です。既にそれから三十年以上が経過をしています。しかし、残念ながらいまだなお女性差別というのはなくなっていません。
 二〇一六年に策定されたおおさか男女共同参画プラン、この中では、五つの基本理念と目標が掲げられ、男女共同社会の実現を目指されています。二〇二〇年までが、このおおさか男女共同参画プランの計画期間になっています。あと一年です。
 あと一年に迫った今、到達点はどうかというふうに私なりに見ると、例えば男女平等の現状認識について、男性の地位はどの程度平等になっていると思いますか、こういう問いに対して、家庭生活では、男性が優遇されている、どちらかといえば男性が優遇されている、こう感じている女性は合わせると六〇%近いんですよね。それで、男性、女性両方合わせた全体でも、実は約半分の方が、男性が優遇されているというふうに感じておられるわけです。
 賃金格差はどうかというと、男性の賃金を一〇〇%とした場合、女性の賃金は今七五・七%、二五%も賃金の格差があります。二〇一八年度の大阪府の指標で見ると、男性の正規雇用は六一%、女性の正規雇用は三七%です。男性の非正規雇用は一八%、女性の非正規雇用は五一%です。女性は、圧倒的に非正規雇用で働いているということが、これらからわかると思います。
 大阪府の女性職員の役員比率は、行政職全職員で三八・四%、役員職は二一・四%。この間、女性の活躍推進を掲げて本当にたくさんの取り組みを大阪府として行っておられることは、十分承知しているんですけれども、十分承知しているんですけれども、共同参画プランで掲げている目標との関係で見たときに、まだまだ目標達成がされていないんじゃないかなというふうに感じているところです。女性の地位向上、社会参加への取り組みを進めることとあわせて、男性が家事、育児や介護に参加できるようにしていかなくては、やっぱり男女共同というのは進んでいかないというふうに思っています。
 府民意識調査の中で、男性がこれらに積極的に参加していくために必要やと思うことは何ですかという問いに対して、男性も女性も社会概念、慣習、しきたりを改めること、社会的評価を高めること、これが一番多いんですよね。つまり、男性でも介護休暇とろうとか育児参加しようとすごく思われるんやけど、会社の中でそれを取得してしまうと、評価がなかなか上がっていかないという現状がまだまだ残されているんですよね。
 なので、男性の意識が低いとかって言うつもりは全くなくて、男性も頑張ろうと思っておられるのに、社会評価がまだまだそういうふうにおくれた到達にあるので、本当に取得したいと思っていても取得できないという人もたくさん残されているというふうに感じているところです。府民意識を大きく改革していかないと、男性も女性も安心してこういう休暇をとることはできないと思いますし、社会概念を変えていくことにもつながらないなというふうに思います。
 大阪府が、社会全体に向かって発信していくために、地域社会での評価を高めて、男性が女性と同じように家事や育児に参加できるように、ゴール五、このジェンダーの問題もやっぱり優先的に取り組んでいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

◎企画室副理事(西島亨君) 今大阪の共同参画、大阪府の取り組みも含めて御質問いただきましたけども、SDGsの立場からお答えをさせていただきますと、ゴール五、ジェンダー平等につきましては、国際評価が低い指標ということで、日本全体で取り組むべき課題であると認識しております。
 府におきましても、先ほども御紹介ありましたが、これまでから女性の活躍支援ですとかDV対策、審議会での女性委員の登用促進などに取り組んできたところでございます。
 引き続き、目指す姿を明らかにする中で取り組みを進めてまいります。

◆(石川たえ君) ジェンダー平等、私は女性なんで、ぜひとも男女共同参画は、大いに進めていただきたいなというふうに思っているところですけれども、ジェンダー平等の中にマイノリティーもやっぱり含めなければいけないというふうに感じています。
 御承知のように、性には多様性があり、異性を好きになる人、同性を好きになる人、両性を好きになる人、心と体の性が違う人などさまざまです。ところが、異性同士の婚姻は認められるものの、同性同士の婚姻は認められず、これらの人々は、さまざまな不利益をこうむり、人権侵害と言わざるを得ないような事態も今まだ起こっています。
 現在、LGBTへの認識が広がり、性の多様性を認める動きも強まっていますし、日弁連から同性婚を認める法改正を進めるように国に意見書が出されるなど、少しずつ取り組みも進んでいるというふうに思っています。パートナーシップ条例を制定する県や市町村も、今生まれてきています。
 大阪府としても、ジェンダー平等を大いに進めていくのとあわせて、性の多様性を認めて、これらの人々に不利益が出る事態を変革していくためにも、万博を開催してSDGs先進都市を目指す大阪でやっぱりパートナーシップ条例を今すぐにつくることで、SDGsの先進を踏み出していただけないかなというふうに感じているところです。
 男女とも仕事、家庭、個人の生活三つとも大事、こういうふうに答える方が大阪の中で一番多いです。しかし、男女とも、子育ての間は一時的に仕事をやめる、これがアンケート調査の中でも実は一番高いんです。なので、育児が一旦終了して、その後仕事についたら、やっぱり非正規しかなかった、女性の非正規率が高い理由の一つになっているんじゃないかなというふうに思いますけれども、ジェンダー平等に向けた取り組みを少しずつ進めていくためにも、大阪府で取り組んでいるいろんな成果を私はもっと全体に発信したらいいんじゃないかなと思うんです。
 この間いただいた資料の中で、すごいなと思っていることは、大阪府庁の中で男性の育児時間の取得率って非常に高いんですよね、七〇%を超えておられると。女性よりも高い。介護休暇をとられている方は、短期介護休暇をとられている方は、女性よりも多いんですよね、男性が。府庁が、本当に率先してジェンダー平等の取り組みを進めている一例じゃないかなというふうに思っているんです。なので、こういうことをやったら、本当に男女平等というのは進んでいくんだという発信を大いに全庁挙げて大阪府民に向かってやってもらえないかなというふうに思っています。
 万博のテーマである「いのち輝く未来社会」は、誰ひとり取り残さない持続可能な世界の実現を目指す、まさにSDGsが達成された社会です、こういうふうに知事も言われていました。貧困の解決を初めジェンダー平等など--経済の成長やインフラ、イノベーションなど国際的にも国内的にも評価の高いゴールの強みを生かす。これも大事ですが、このことだけにとらわれずに、一つ一つの指標をしっかり具体化して取り組めるようにぜひ進めていただけたらなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

・一部損壊家屋に対する支援について

◆(石川たえ君) 次に、災害対策についてお聞きをいたします。
 質問をつくっている最中で次々国の状況が変わってまいりましたので、国のほうで災害救助法の適用範囲の中に、一〇%以上二〇%未満の一部損壊が今度対象になるということが報道もされています。そして、この災害救助法、一部損壊の適用も恒久化ということも新聞報道もされていました。ただ、この災害救助法の拡充は、今年度以降の災害だというふうに、今年度以降の災害からが適用対象だというふうに聞いています。
 大阪は、昨年、北部地震があって、台風第二十一号の被害があって、いまだ生活再建がままならないという人が一年たってもまだまだ取り残されています。国が制度拡充したこのことは、大いに皆さんと一緒に喜んでいきたいなと思うんですけれども、昨年の大阪でのこの災害も適用対象とするように国に要望するべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

◎災害対策課長(古田大君) お答えします。
 被災者に対する支援につきましては、被災者生活再建支援法や災害救助法など国における統一的なルールによる支援が基本と考えております。今回の台風第十五号による甚大な被害を踏まえまして、国におきましては、災害救助法の適用範囲を一部拡大すると聞いておりまして、統一的なルールになることは、府が主張してきたものと同様でございます。
 なお、府では、これまで昨年の災害を踏まえまして、国に対し、市町村とともに、地域の実情に応じた被災者支援の取り組みへの財政措置の充実を要望してまいりました。
 なお、現時点におきまして、災害救助法で定める住宅の応急修理の対象について、具体的な国の制度が明らかになっていないため、その内容を注視し、要望につきましては市町村と協議してまいります。

◆(石川たえ君) きょうの毎日新聞で「一部損壊補助特例一転」というこういう記事が載っていまして、この一番下のところに、市独自の支援で財政負担はふえていると、国に財政的支援を検討していただければありがたいというふうに語っておられる高槻市長さんのコメントが載っています。その後、大阪府の幹部は、昨年認めてもらえなかった分、今回の国の対応には不公平感が残るというふうにコメントされているというのが載っていて、私も、今年度以降の災害に適用というふうに聞いたときに、ずるいわと思ったんですよね。大阪は、去年あれだけの災害があって、大阪府としては、生活再建支援制度もつくって府民の皆さんの支援を大いに進めてきているのに、ここから先の人しか対象になりませんと言われてしまったら、何やってんって思ってしまう方、たくさんおられると思うんですよね。
 去年も、一旦、国には要望されているけれども、かなわなかったというのもこのコメントの中に出てきますけど、繰り返し、繰り返し要望していただいて、昨年の大阪の二つの大きな災害も適用の対象にしてほしいということは、言っていただきたいなというふうに思っています。
 あわせて、国にやれやれ言うだけではだめなんで、大阪府がせっかくつくっていただきました生活再建支援制度をこの機にもっと拡充させるということをちょっとお願いしたいなというふうに思っています。昨年策定されたこの生活再建支援制度、これは被災された皆さんにも、そして市町村からも歓迎されているというふうに私もお聞きをしています。
 ただ、この生活再建支援制度、北部地震と台風第二十一号しか対象になっていないんですよね。だから、これから災害が来たらどうするのと何度かお聞きしたことがあるんですけれども、これから災害が起こったことについては、これから先考えるというお話で、これでは、いつ災害が来るかわからへんのに、被災された皆さん、一旦ほったらかしということになってしまうんですよね。
 なので、せっかくつくったこの生活再建支援制度は、北部地震と台風第二十一号とこの二つに限定しないで、これから先起こらないことを願いますけれども、起こってしまった災害の被災者がちゃんと対象になるように、制度そのものを拡充すること、恒久化することを求めたいなというふうに思っています。
 もう一点、国が、万が一去年の北部地震を災害救助法の適用対象にしましょうと言った場合にも、残念ながら台風第二十一号は対象にならないんですよね。台風第二十一号は、災害救助法の対象じゃないからです。災害救助法の対象になっていないけれども、やっぱり台風第二十一号のように一部損壊がたくさん出るという災害が、これから先も生まれてくるかもしれません。
 ですから、こういうところには、大阪府が、国の制度の対象外なんだから生活再建支援制度で対応できるように、一部損壊の人も生活再建支援制度の対象にできるように拡充したほうがいいんじゃないかなというのが、二つ目にお願いしたいことです。
 三つ目は、国の防災・安全交付金を活用していろんな制度設計をされるときに、例えば山形県は、本人負担八〇%で残りの二〇%を国と地方自治体が持つというふうな制度設計になっているわけです。本人負担八〇%ということは、本人に自己資金がなかったら家を直せないわけです。
 なので、こういう防災・安全交付金を活用した制度設計をする場合、本人負担をできるだけ減らすことができるように、せめて本人負担五割にして、国の今二〇%は、国と地方自治体となっていますけども、残り三〇%を大阪府が分担してあげられるような財政支援のできる制度設計をしてもらえないかなという、この三つまとめて今お聞きしたんですけれども、そういう拡充を進めるつもりはないですか。

◎災害対策課長(古田大君) お答えいたします。
 被災者に対する支援につきましては、被災者生活再建支援法など国における統一的なルールによる支援が基本と考えております。
 昨年は、先ほどもありましたけども、北部地震や台風第二十一号などたび重なる災害が大阪を襲いまして、府域の広範囲にわたり大きな被害が発生しましたが、被災者生活再建支援法の基準により、地震の被害で高槻市が法の適用を受け、高槻市の被災者のみが支援を受けることになりました。このような状況の中で、被害の程度が同じような被災者に一日も早く日常が取り戻せるよう、義援金の活用や市町村と連携した独自の支援金制度を創設しまして、これらの災害を対象に同法に準じた独自支援を行うこととしたところでございます。
 なお、一部損壊家屋を含む被災者に対しましては、大阪版被災住宅無利子融資制度を創設し、これまで約千四百件の申し込みもいただいたところでございます。
 現在、国と全国知事会におきまして、法律による支援対象を全壊、大規模半壊から半壊まで拡充することについて検討を進められておりますが、一部損壊につきましては、損害割合が極めて低い場合があるなど、法の目的に掲げている生活基盤に著しい被害を受けているとは必ずしも言えないなどの理由によりまして、支援対象とすることについては検討されていないところでございます。
 このようなことから、一部損壊家屋に対する府独自の支援金の支給につきましては、難しいと考えております。
 なお、独自の支援制度につきましては、今後、大規模な災害が発生した場合に、災害の規模や被災状況に応じ、市町村の御意見を踏まえながら必要な支援を検討すべきであると考えております。

◆(石川たえ君) 市町村の意見を聞きながら、必要な支援については、これから検討していただけるということですよね。
 生活再建支援制度をつくられたときに、今御答弁あったように、高槻市しか災害救助法の対象にならないということに、やっぱりそれではあかんやろうというふうに大阪府が考えはって、生活再建支援制度をつくって、高槻以外のところも大いに府としてバックアップしていこうよというのが、この制度がつくられた経過じゃなかったかなと思うんです。そこは、ありがたいなと思っていて、そうやって国の支援制度の手が届かないところには、大阪府が支えてあげるよというこの姿勢は、非常に大事だと思っているんです。
 せっかく、そういう大事な府民を守るという意気込みと心意気を生活再建支援制度をつくることで発揮したんですから、もうこれ以上は無理と言ってしまわないで、国の災害救助法適用の対象外になる人たちが本当に家が再建できるように、府の生活再建支援制度は、もっともっと拡充すべきですし、もっともっとほかの災害も対応できるように、本当に前向きな積極的な検討をしていただけたらなというふうに思っています。
 これ、済みません、知事にも聞きたいと思いますので、知事質問でお願いします。

・副首都ビジョンの取り組みについて

◆(石川たえ君) では、次の質問に移らせていただきます。
 次に、副首都ビジョンの取り組みについてお聞きをします。
 副首都ビジョンを拝見していますと、二〇二〇年ごろまでに副首都としての基盤を整えるという文言が出てまいります。なぜ、二〇二〇年を目途としたのかなというのを教えていただけますか。

◎企画担当課長(脇川智浩君) 副首都ビジョンでは、大阪みずからの取り組みといたしまして、副首都にふさわしい都市機能の充実を図る機能面の取り組み、都市機能の充実を支える制度面の取り組みを行うことによりまして、二〇二〇年ごろまでに副首都としての基盤を整えることとしています。
 二〇二〇年は、東京オリンピック・パラリンピックが開催される年でありまして、副首都大阪がオリンピック後の日本の成長を支えるという観点から、二〇二〇年ごろを目途としたものでございます。

◆(石川たえ君) オリンピック後の日本の成長を支えるというふうに言われていまして、聞こえは非常にいいなと思っているんですけれども、この間、高速道路のネットワーク化だとか大学の統合や水道の一元化、港湾の一元化などなどに向かって今議論が進められているんではないかなと。大学については、法人は統合されましたが。ちょっと府民が置き去りになってはいないかなという疑問を持っています。
 物事に取り組むときに、目標を決めてそれに向かって努力する、これは大事なことやと思っていますし、府政のあらゆる課題も、子どもの総合計画であったり、障がい者の計画であったりと目標を決めて取り組んでおられることも承知もしています。ただ、どの目標を達成させていく上でも、府政に府民の声が反映されなかったら意味がないので、府民を置き去りにした議論というのは、いけないんじゃないかなというふうに感じるところです。
 大学統合は、もっと当事者の話を聞いて慎重に進めてほしい、こういう声もあります。世界では、再公営化が進んでいる、公営なら設備投資に回る売り上げが、民間だと企業株主の配当になる、本当に命を守る水として守られるのか、こういう御意見もあります。港湾の問題では、機能集約で既存の利用者が不便になるのではないのか、こういう声もあるわけです。
 大阪府独自の取り組みとして副首都化を進めるといって進んでおられるんですけれども、こういう府民の皆さんの声を置き去りにしているように思えて仕方がありません。ビジョンには、民の力を最大限に生かす都市、こういうふうに出てまいりますが、府民生活を守る上でこういう府民の皆さんの声にしっかり耳を傾けた上で公的責任をどのように果たされていくのか、お聞かせください。

◎企画担当課長(脇川智浩君) 副首都ビジョンでは、副首都大阪が果たすべき役割の一つとして、民の力が最大限に生かせる都市として民都を掲げております。これは、都市発展の歴史におきまして民の力が大きな役割を果たしてきた大阪が、民間の活力を社会の中心に据え、その力を最大限に生かす環境づくりを進めていこうとするものでございます。具体的な取り組み例としまして、公民連携の強化やフィランソロピーの促進、非営利セクターの活性化などを挙げております。
 行政としましての公的責任につきましては、大阪府、大阪市ともどもしっかりと果たしていくことに変わりはございません。

◆(石川たえ君) 私は、民間の活力や力を大いに生かすことそのものに異論を言うつもりはないんですよね。活用の方法は、いろいろあると思いますから、慎重な検討は必要やと思っているんですけれど。
 ビジョンの中に、社会的課題解決のために行う寄附や投資を通じた公益活動、こういうのが出てまいります。社会的課題を解決するためにいろんな人に寄附してもらったり投資してもらったりすることでというお話だと思うんですけど、その起業家や投資家が魅力を感じるまち、世界でも最もビジネスのしやすいまち、こういうふうに感じて寄附や投資をされるまちと、府民が暮らしやすいと感じるまちというのは違うというふうに私は思います。住みなれたまちで快適に過ごすには、利便性やスマートさだけではないと思います。
 東洋経済の住みよさランキングで上位になっているまちというのは、快適度や安心度の指標が非常に高いんですよね。水道料金が安い、子ども医療費助成の年齢が高いなど、生活に直結するいろんな指標で、利便性とあわせて住みよいというふうに感じておられるということがよくわかります。
 二極の一極をというふうによく言われていますけれども、この二極を比較してみますと、大阪と東京の比較で、子ども医療費助成は、双方とも所得制限があるものの、東京都は、通院入院とも中学校三年生卒業までが対象で、一部自己負担は、東京は通院のみで入院時には必要ありません。大阪府はどうか。通院、入院とも就学前までが子ども医療費助成の対象で、一部自己負担については通院、入院ともあります。東京では、都の取り組みとして高齢者のお出かけを応援するシルバーパスがあります。大阪府の取り組みとしては、シルバーパスというのは存在しません。中小企業や商店街の応援はどうか。二〇一七年度の比較になりますが、商業振興予算、東京は約四十七億円、大阪は約二千八百五十三万円。
 東西二極の一極を目指すというふうに言われるのであれば、こういう府民施策ももっともっと充実していかなくてはいけないというふうに思います。
 行政として公的責任は、今後ともしっかり果たしていくことに変わりないというふうにさっき言われていましたので、当然これらの府民の暮らしを守る施策というのは、民間に任せるのではなくて、大阪府としてそれぞれの所管で具体的に進められていくというふうに理解して構いませんか。

◎企画担当課長(脇川智浩君) 人口減少、超高齢社会を迎える中、住民にとって豊かで利便性の高い生活を実現するためには、経済成長は不可欠と認識しています。そのため、副首都ビジョンでは、都市機能の充実により大阪の成長を実現し、その果実を住民に還元することで、豊かな住民生活をしっかりと確保していくこととしております。
 なお、本府では、これまでも副首都ビジョンとの整合を図りながら、府政運営の基本方針に沿って、次代を担う人づくりやあるいは中小企業支援などに重点的に取り組んでいるところでございます。

◆(石川たえ君) 都市機能の充実による果実と--都市機能が充実しなければ豊かな住民生活が確保できないというのでは困ります。豊かな住民生活を確保するための取り組みは、都市機能の充実は充実として取り組む、豊かな住民生活を確保するための取り組みは、それはそれとして取り組む、この両方がなかったら、何ぼ副首都やとか東西二極の一極をと言っても、片方置き去りになってしまいますので、そこのところは、十分踏まえる必要があるんじゃないかなというふうに思っています。
 府政運営方針では、豊かな大阪を実現していくために大阪の成長を促し、府民の安全安心を確保するための施策に限られた財源の重点配分を行う、こういうふうに書かれています。ただ、福祉医療費助成制度の見直しによる府民への負担増は、そのままなんですね。子どもの貧困対策は、これだけ言われていながら新子育て交付金額もふえていないんですよね。府民に豊かな生活を送ってもらえるような予算編成ではなかったのではないかなというふうに私は感じています。
 副首都との整合性を持って取り組むというふうに言われていますので、公的な役割は放棄せずに、福祉や暮らし、子育ての充実など、府民生活を視野に入れて副首都でも大いに進めてもらえたらなというふうに思っています。
 副首都の最後に、経済成長面での取り組みとして、副首都大阪の発展を加速化させるインパクトとして、万博の開催とIRの立地推進というのが掲げられています。万博やIRを経済成長の取り組みとして位置づけた根拠を教えてください。

◎企画担当課長(脇川智浩君) 二〇二五年大阪・関西万博の開催は、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック後の我が国の成長の起爆剤であり、大阪という都市の存在を世界に強くアピールするまたとない機会であります。また、統合型リゾート施設--IRの立地につきましては、MICE拠点の形成や大阪、関西、日本が誇る魅力の発信を通じまして、大阪の国際観光拠点化に資するものであると考えております。
 万博につきましては約二兆円、IRにつきましても開業初年度までに約二兆円の経済効果が見込まれており、いずれも副首都大阪の成長を加速させる重要なプロジェクトと認識しています。

◆(石川たえ君) 経済効果は、それぞれ二兆円と、そういう経済効果があるから、副首都としてもこれはインパクトとして活用したいというふうにおっしゃっているんだと思うんです。経済効果があるからこれをやるんだ、インパクトとして活用するんだと言われる意味合いそのものが、わからないわけではないんですけれども、統合型リゾートの中にはカジノが含まれます。この統合型リゾートは、カジノの収益を当てにしているということも、この間、IR推進局が出されている資料を拝見していると明らかになってまいります。
 カジノの巨額の収益というのは、子どもの養育費だったりとか家族の生活費だったりとかするのが、このかけ金の中に含まれている場合もあるわけですよね。ギャンブル依存症による犯罪発生率は、警察庁の資料によると、パチンコもギャンブル依存症も刑法犯というのは、この三年ふえているんです。平成二十七年、パチンコ九百九十五件なんです。ギャンブル依存症は、七百七件だったものが、平成三十年には、パチンコ千三百四十四件、ギャンブル依存症で千百九十件の刑法犯罪がふえている。中でも、窃盗犯というのがふえているんですね。お金欲しいので。窃盗犯もふえていると。
 カジノが今ないもとで、こうやってパチンコやギャンブル依存でその資金欲しさに犯罪がふえてきていると。結局、二兆円の経済効果があるという経済効果のお話はされますが、IRの中にカジノが含まれていることでマイナスの社会的コスト、社会的損失というのが生まれてくると思うんですが、このことについては、あんまり副首都のビジョンを見せていただいていても出てこないんですよね。
 日本の成長を牽引するとか、想定外の災害にも対応する国土強靱というふうに書かれていること、これは非常にいいことだと私も思っているんです。非常にいいことなんですけれども、せっかく議論するんでしたら、ええことばっかりの話で議論しないで、そうやって社会的なマイナス要因も一緒に呼び込んでしまうようなやり方で、本当に大阪が成長するのかということも議論した上で、やっぱり副首都ビジョンの見直しをしてほしいなということを求めておきたいというふうに思います。
 これも、知事に聞きたいと思いますので、よろしくお願いします。

・二〇二五年大阪・関西万博について

◆(石川たえ君) 次に、大阪万博についてお聞きをいたします。
 十月四日にBIE事務局長が来阪されていましたが、カジノを含むIRが隣接し、前年開業予定であるということは、このBIE事務局長には伝わっているんでしょうか。

◎万博協力室課長(時岡貢君) BIEの事務局長に伝わっているかということなんですけれども、昨年の三月のBIE調査団による現地調査におきまして、IR予定地が隣接していることや、また万博開催の前年となる二〇二四年度の開業を目指すことについてBIEに対して説明をしておりまして、BIEの事務局長にもそういったことは届いているというふうに思っております。

◆(石川たえ君) 事務局長も認識されているということですね。
 「いのち輝く未来社会のデザイン」、このテーマが、世界中の人々にとって、人間らしく生きることのできる社会実現を体現できる、大阪をSDGs先進都市として発信できるような、そういう万博になったらいいのになというふうに私も思っています。ただ、気になる点もあります。
 先ほども副首都のときに申し上げましたが、隣接して立地しているIRには、カジノが含まれます。あらゆる人が人間らしく生きることのできる社会、SDGsが達成される社会、これと社会的マイナス要因を含むカジノを含むIRが隣接してることで、万博の理念というのはちゃんと守られていくんですか。

◎万博協力室課長(時岡貢君) 万博とIRにつきましては、目的、また運営主体、運営方法も異なる、それぞれが独立した別のプロジェクトでございます。
 SDGsの達成を目指す大阪・関西万博の成功に向けまして、私どもといたしましても、博覧会協会とともにしっかりと取り組んでいきたいというふうに考えております。

◆(石川たえ君) プロジェクトがそれぞれ独立しているということは、私も重々わかってお聞きしているんですけど、それは一緒くたに取り組まれているとは全く思っていません。それぞれだと思います。
 ただ、「いのち輝く未来社会のデザイン」でSDGsの先進都市として、本当に未来に向かって誰ひとり取り残さないそういう社会をつくっていこうよという発信を万博でやるわけですよ。その本当に真横とまでは言いませんけど、すぐ近くで、依存性であるがゆえに家のお金までつぎ込んで借金苦に苦しむような人が生まれるようなカジノがつくられるわけですよ。ほんまに、お隣の家の人が、うちところの家はめっちゃ頑張ってるけど、お隣の人はあかんわって言ったら地域はうまくいけへんわけで、みんなでいい地域つくっていかなあかんわけです。
 それと一緒で、必ずお客さんが負ける仕組みになっているカジノ、ギャンブルというのは、お客さんを豊かにするんじゃなくて貧乏にする、貧しくするビジネスなんですねと、こういう指摘をされる社会学の専門の大学教授もおられるわけですよ。万博に来た、楽しかったと。ついでに、じゃIRがあって世界最高のエンターテインメントやからといってそこへ行ってみると、ホテルも利用すると。非常に楽しかったといって、カジノもあるからちょっと行ってみようかと行ってみた結果、脳に多大な刺激が与えられますから、結局依存症になってどんどん坂を転がり落ちていくという方も中にはおられるわけですよ。
 こういう方を生み出すようなものが隣にあるのに、片やで、貧困をなくしてSDGs先進都市やというその理念とがほんまに合うんかいなというのが、私の疑問ですので、ちょっと今質問してるわけではないので、ぜひよく検討していただいて、万博の理念と本当にかみ合うのかというのは、再度考え直してもらわれへんかなというふうに思っていますので、よろしくお願いします。

・補正予算について

◆(石川たえ君) 次に、財務部の皆さんに補正予算の問題で一点だけお聞きをさせていただきます。
 補正予算の中に、既決予算編成後において生じた情勢の変化に伴い、緊急に措置しなければならないものに対応するためとIR事業化推進事業費が債務負担行為込みで七千二百万円計上をされていました。
 IR事業化推進事業費が、緊急に措置しなければならないものとして補正予算に出しましょうと判断した財務部の根拠を教えてもらえますか。

◎財政課長(齋藤元彦君) IRの早期開業に向けまして、選定された事業者が速やかに事業着手するため、環境アセスメントに係る現況調査を実施するという要求がIR推進局からございました。
 要求理由としましては、IRの早期開業に向けて、来年度の春ごろに選定された事業者が、速やかに環境アセスメントの手続を経て事業着手するためには、来年度中に現況調査データが必要であり、通年・四季調査における評価項目の現況調査は、調査期間を一年間確保しなければならないということがあります。それから、来年度の当初予算での現況調査実施では、調査結果が再来年度になりまして、その後の予測、評価、環境保全対策の検討では、IRの早期開業に支障を来すため、今回補正予算を要求するというものでございました。
 それを受けて、財務部としても、その要求理由を踏まえまして、やはり緊急性、必要性が高い施策であるという判断のもとに補正予算による措置を行ったというものでございます。

◆(石川たえ君) 結局、二〇二四年開業に向けて、逆算でやろうと思ったら、もう今ここで補正で出さへんかったら間に合えへんということですよね。
 私の意見は、いろいろあるんですが、これ以上そのことで財務部さんを詰めてみても仕方がないので、これはこれで終わります。

・大阪SACHICOについて

◆(石川たえ君) 次に、最後、大阪SACHICOについてお聞きをさせていただきます。
 強制性交、強制わいせつなどの被害者の救済を行っている大阪SACHICOは、ワンストップの救済センターとして大きな役割を果たしています。
 性暴力被害者支援として、国が、相談センターの運営費、初診時の医療費を性犯罪・性暴力被害者支援交付金として交付をしています。この交付決定額を見ていると、大阪府は、一貫して医療費に係る交付金がゼロになっています。被害者の経済的な負担を減らしていく上でも国の交付金を活用すべきだと思いますが、なぜ大阪府はこの医療費分の国の交付金活用をしていないのか、その理由を教えてください。

◎治安対策課長(桑原裕司君) 性犯罪被害につきましては、その潜在化や被害の継続化を防止する観点から、警察に相談していただくことが重要と考えまして、警察公費による医療費負担で対応してきました。
 府としましては、まずは被害者の方がいつでも相談できる体制を構築することに重点を置きまして、国交付金を活用してSACHICOが行っている相談事業等への補助を行ってきました。あわせて、府内の十カ所の病院の協力を得まして、SACHICOを核とした性暴力被害者支援のネットワークを構築し、被害者が身近な病院で受診できる体制を整備することで、受診体制の強化を図ってきたところであります。

◆(石川たえ君) 性犯罪被害の潜在化や被害の継続化を防止する、これは非常に大事なことだというふうに思っています、私も。そうしなければ、性犯罪や性被害はなくなっていきませんので、これは大事なことだと思っていますが、警察に届ければ警察公費の活用で一回目のお金が無料になる、警察に届けなかったら対象にならないんですよね。自分で出さずにいいように、今SACHICOさんが、阪南中央病院さんが肩がわりをされているというふうに聞いていますけれども。
 国のこの交付金の初診時というものの中には、治療のために使うお金というのも入っているんですよね、一回目の受診料なので。例えば、性暴力によって望まない妊娠をしてしまう方もおられます、たくさん。この場合、七十二時間以内に堕胎薬を飲まないといけない。こういうお金、堕胎薬も一回でええやつと二回飲まなあかんやつと値段違うんですよね。一回のやつのほうが、よう効くけど値段は高いんですよ。結局、そういう費用を警察に言わなかったら出してもらえない、警察へ言った人は出してもらえると、それを民間病院が肩がわりしているというこの仕組みは、私、おかしいと思うんですよ。
 だから、犯罪の潜在化を防いでいくための取り組みと被災者を救済するための取り組みは、別にやらないとだめなんです。警察に行けばいいやんと簡単に言いますけど、性被害ですから簡単に言えないわけです。いろんな思いが、私は、想像するだけで涙も出ますけど。例えば、私には娘がいますけれども、娘が本当にそういう性被害に遭ったときに、警察に行ってどんなことをされたのか、あなた言いなさいよと。私は、母親としては、とてもじゃないけど言えないんですよ、傷が深くなりますから、必ず。
 なので、警察に言わなければいけないということが、新たな二次被害やつらい思いをつくり出す結果になるんじゃないかなと思うんですよね。ましてや、警察も、みんなが親身にその人たちに心を寄せて聞いてくれるんならいいですけど、残念なお話ですけど、自分でついていったんだから合意じゃないかと言われる警察官も中にはおられるわけです。こんなことを言われてしまったら、性被害者は警察に行こうとは思いません。
 なので、警察に行くというこのハードルを設けてしまうことで、新たな二次被害が生まれてくると思うんですが、そのことについていかがですか。

◎治安対策課長(桑原裕司君) 性犯罪の被害を受けた方が、警察に相談、届け出をされた際には、警察におきまして事情聴取などが行われると思いますが、二次被害にならないよう当然配慮されているものと認識をしております。
 そうした配慮を前提としまして、警察に相談、届け出をしていただくことによりまして、被害の潜在化により第二、第三の新たな被害者が生まれることや、犯罪の継続化により被害に遭った方が重ねて被害を受けるということを防止するということが重要であると考えております。

◆(石川たえ君) 当然配慮されている方もおられますが、配慮されていない方もおられます。自分が受けた性被害について、二度と口にしたくないというふうに考えている女性もおられます。こういう人たちの問題を横に置いたまま、犯罪被害を抑制化するためにと言って警察公費のみの活用というのは、私はどうかと思います。
 先日、ほかの会派の質問で、医療費についても今後検討の方向であるということについてはお聞きをしました。これは、非常にありがたいなと思っています。ただ、先ほども申し上げましたが、国の交付金というのは、初診費用のみが対象になっております。性暴力、性的虐待被害者を守っていく上で、医療費助成と医療費補助とあわせて、その後のケアというのは必ず必要になってまいります。
 SACHICOでの再受診率は、八割を超えます。なぜこんなに高いのか。初診時に再受診の予約をとるように、その被害者の方にSACHICOの方が働きかけをされるわけです。一回来てもうそれで終わりにしてしまったら、その人たちの心と体のケアは誰がするのということになりますので、やっぱり社会生活が本当に営めるようになるためにも、再受診してもらって、ずっと継続したケアを医療的にも、そして精神的にも続けていかないといけないというのが、SACHICOさんが再受診してくださいねと予約までとってもらって働きかけをしている中身です。
 来所の六割が、実はSACHICOは、未成年なんですよね。六割もの未成年者がいてる。彼らには、絶対未来がありますから、彼らの未来をしっかり守っていくためにも、再受診にちゃんとみんなが来れるようにするために、せめて再受診のときの一回目の医療費助成を大阪府として行うことで、本当に女性や性被害に遭っている子どもたちを守っていくんだ、大阪はと、こういう姿を示したらどうかと思いますが、いかがですか。

◎治安対策課長(桑原裕司君) 先ほど説明をしましたとおり、医療費につきましては、性犯罪被害の潜在化や被害の継続化を防止する観点から、警察に相談していただくことが重要と考えておりまして、警察公費による医療費負担で対応してきたところであります。
 しかしながら、警察に相談することができず、その結果、警察公費による医療費負担の措置を受けることができない被害者の方が、昨今増加しているのが実情であります。そうした実情を踏まえまして、国の交付金を活用した医療費補助も含めたSACHICOに対する支援のあり方について検討を進めてまいります。
 なお、国の交付金、警察公費による医療費負担ともに、再診費用につきましては対象となっておりません。

◆(石川たえ君) 引き続き検討を進めて、性被害者が本当に立ち直れるようなケアのできる大阪を、性被害をなくすことが一番ですけど、そういうケアをできる大阪をつくっていきたいなというふうに思っていますので、よろしくお願いします。
 児童虐待の中でも、性的虐待が非常に多いのも特徴ですし、性的虐待の中には、実父によるものが非常に多いのも特徴です。これらの子どもたちが、自分の口で警察に言うということは、私は、無理だというふうに思いますし、大人の働きかけがなければ、彼らが再受診をすることも無理だというふうに思いますので、性犯罪を防いでいく、潜在化を許さないこの取り組みと別に、こういう性被害者や子どもたちをしっかり守っていけるような検討をしていただけたらいいかなというふうに思います。
 SDGs先進都市大阪、万博でもそれを体現し、大阪が全国の先駆けとしてSDGsを進めていく都市になるんだというのが、今副首都の皆さんにしても、万博の皆さんにしても、そしてSDGsの皆さんも、ほかの所管の皆さんも一致して考えておられることだと思うんです。
 私も、SDGsが、本当に十七のゴール全てが達成される、そういう社会、そういう大阪をつくっていくために、本当に一緒に力を合わせていきたいなというふうに思うからこそ、本当に一つ一つのゴールが、先進都市として大事にされる大阪でなければいけないと思います。先進都市ということは、国に準じとったら先進じゃないんですよ。国より先行かないとだめなんですから。
 なので、国に準じてとか、よそに合わせてとかではなくて、大阪が、どこの地方自治体よりも率先してSDGsの取り組みを制度面でも行っていけるように心から求めまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。



   


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