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暮らし守る施策提案 宮原府議が知事に 大阪府議会

 大阪府議会決算特別委員会で8日、2016年度決算に対する知事質問が行われ、日本共産党の宮原威府議が松井一郎知事に質問しました。
 2007年度〜14年度で大阪の雇用者報酬、可処分所得(家計部門)は全国より大きく減少。65歳以上の単身世帯の割合、介護保険認定率は全国より高く、維新府政・大阪市政のもとで府民の困難がすすんでいます。
 宮原氏は知事の判断でl6年度に着手できるものがあったと指摘。その例として▽公共工事での間伐材の活用▽府営住宅整備基金を活用した府所有地への1000戸〜1500戸の住宅建設の着手▽救急病院のベッド数を10床増やし、医師を増やすことで1000人以上の命が救えることなどを挙げました。
 一定の費用がかかるものとして▽35人以下学級の拡大▽ひとり親家庭の親と子ども、障害者の就労支援の充実▽完了まで40年もかかる河川改修の予算3倍化などを提示。「200億円以下で実現できる。何十万人という府民の生命と財産を守り、中小企業の仕事が増え、財政や社会の安定、大阪の成長につながる」と提案しました。
 国保について、国からの低所得者対策の補助金が加入者の負担軽減に使われず高い保険料となっていると指摘。将来ばく大な負担が生じるなにわ筋線、淀川左岸線延伸部、カジノなど緊急性がなく、事業の費用対効果も精査されていない巨大開発は進めたと述べました。
 松井知事は「価値観の差」とまともに答えず、「適切に進めている」と繰り返しました。
 知事質問は宮原氏だけで委員会は決算報告を承認多数で認定。日本共産党は一般会計決算など6件について不認定としました。




「しんぶん赤旗」2017年12月9日付より

2017年12月8日

大阪府議会決算特別委員会 宮原議員の知事質問(大要)

※大阪府議会としての正式の議事録ではありません。

大阪の貧困、経済の深刻化

○宮原 日本共産党の宮原です。
 この間の橋下前知事や松井知事、そして吉村市長、いろいろ共同して大阪の政治を担ってこられたわけですが、その中で決算年度も含めてですが、大阪の貧困は、残念ながら進みました。決算年度にもそれが反映しています。
 知事のお手元にも表が配られていると思いますが、こういう結果に大阪がなっているということについて、知事は責任を感じておられるでしょうか。

○知事 経済ですから、さまざまな指標はあると思います。ただ、これは宮原委員と我々の捉え方は違ってまして、有効求人倍率も伸びてますし、きょうの新聞でも、事務所の空き室、空室率も低下をしている、そして大阪の場合は、東京と比べましても新規事業の就業が非常に伸びております。そういう形から、大阪がこの数年間で、大阪の経済はいいほうに今伸びてきていると、こういうふうに僕は捉えてます。

○宮原 有効求人倍率は、介護とか保育、そういうところが定着をせずにどんどん離職をする、そういう中で結果として求人が多くなるということも含めてございますので、単純に増えているからいいという問題ではありません。そのことは、きちんと踏まえていただきたいと思います。
 新規就業が増えているということはいいことなんですが、同時に一方で、ものづくり産業などが大阪市内や東大阪市内などを中心に大きく後退してきたことも客観的な事実です。今のような答弁というのは全く納得できません。そういう点でもし反論がおありだったら。

○知事 これは反論というより、宮原委員とは考え方が違っておりますんで、我々は、この大阪に新しい産業を興していこうということで今もさまざまなエンターテインメントをつくり上げるとか、サービス業を伸ばすためにインバウンドを伸ばすとか、また万博によってウェルネスを中心にした新しい産業の柱を立てるとか、そういうことに取り組んでおりますから、これからもこの大阪に新しい産業を興すために努力をしていきたいと思ってます。

○宮原 私は、府民全体のことを聞いてるんです。知事の夢物語を聞いているわけではありません。
 雇用者報酬の減少とは、働いている人たちの収入がこれだけ下がっているということですよね。それから、可処分所得の家計部門が全国よりも減っている、これも府民全体の数字です。それから高齢者の単身世帯の割合が増加していることも、大阪全体の特徴です。そういう中で介護認定率が全国よりも2割方高い、これも全体のことを言っているんです。
 私は個々の問題を申し上げているわけではありません。大阪経済の中心を占める府民の暮らしがこういうことになっているということについて、知事の見解を求めているわけです。

○知事 これ宮原委員も御存じのように、大阪は、全国と比べまして非常に高齢化率が高いわけであります。今まさに高度経済成長時代にこの大阪で働いてこられた方々、この方々が高齢化に、もう高齢者になってきているわけです。だから、全国と比べまして非常に高齢化率が高い、そして全国の中で一番最初に都市の中では人口減少という都市のそういう状況にも進んでいっているわけですから、今の状況の中で今、宮原委員が言われたことは、これは重く受けとめなければなりませんが、この状況をいかにこれを改善をしていくかというのが我々の使命でありまして、そのために我々は新しい大阪での、大阪に新しい産業の柱を立てていくと、そのことによってこの大阪で働く人をふやしていく、大阪で事業を興す企業をふやしていくということに向かって今取り組んでいるところです。

○宮原 重く受けとめなければならないと言われました。そのために企業が新しく興ってくることだとか、そういうことが大事なんだというように言われました。



2016年度の大阪府の施策と財政運営は府民にとってどうだったか

○宮原 そこで、各論に進みたいんですけども、この決算委員会を通じて私が指摘をしてきたことは、知事や府の判断だけで、お金でいえば数億円のレベル、あるいは全くかからないものもあります。
 例えば、間伐材をもっと公共事業に使えば森林の整備が進みます。これは、決算年度は高野台の府営住宅や豊中の施設の建設などに間伐材を使って1ケタ使う量がふえています。今、公共施設の更新時期ですから、こういうことをやれば、間伐というのは単にお金を食うことだというようなことが、がらっと発想が変わります。府営住宅の整備基金を使えば、高槻や東大阪や枚方などを中心に、今の大阪府の土地に1千戸から1千5百戸ぐらいの府営住宅の建設は着手できたと思います。救命救急では、医師と病床を例えば10ベッド、10医師ふやせば1千人から1千5百人の命が救えます。それから、性被害者の支援をする大阪SACHICOの問題でも、支援員をもう2人ふやすだけでも、大きなたくさんの被害者を救うということができます。こういう点が、1委員会往復30分ですから極めて不十分ですけれども、明らかになったと思います。
 一般会計を使わなくても、大阪府の姿勢と工夫次第でいろいろ着手できたことがあった、それが決算年度でもいろいろ見受けられるということです。知事の見解を求めたいと思います。

○知事 現在決算においても、大阪府は黒字決算を打っておりますが、それでも府財政は厳しい状況であります。そうした中で、教育、環境、福祉、医療など、府民の安全・安心を確保するために必要な予算は盛り込んでおります。今後とも、府民の安全安心と大阪の成長のための施策に重点的に財源を配分をしていきます。

○宮原 今、私はここの部分の質問では、お金のことは事業にもよりますけど、数億円だというふうに言いました。あるいは一般会計を使わなくてもということも言いました。そういうことに対して、一般論として財政が厳しいというご答弁だったんですが、再度聞きます。もっと財政が厳しいからこそ、知事も、それから部局も、知恵を出して本当に緊急なものでできることはどんどんやるというそういう大阪府の姿勢が問われているという意味で聞いているのです。もう一度見解を言ってください。

○知事 財政が厳しい中において、我々は、できる限りの知恵を振り絞って行政の運営をしております。

○宮原 知恵を出しているかということを抽象的に聞いているんじゃないんです。具体的に私は幾つかの例を部局にただしました。それは当然、知事の耳にも入っていると思います。そういう具体的なことで幾つか提案をしてきょうも触れているのに、知恵は絞っているんだというその答弁では、事実上、答弁不能だと私は思います。もう少し具体的な答弁をお願いします。

○知事 我々大阪府といたしましては、行政だけで全てを、大阪の課題を解決するんではなくて、民間の力もかりまして、公民連携という手法を使ってさまざまな事業を展開をしているところであります。大阪府の財政状況が厳しい中においても、府庁一丸となり、知恵を絞り、民間の力もかりて、今さまざまな課題解決に取り組んでいるところです。

○宮原 全く答弁になってないと思います。森林の整備が進むことについても、当然知事が言われた民間の協力も必要なわけで、そういうことも含めて私は具体的な提案をしているのです。それについて、できる限り知恵を絞るだとか、あるいは行政だけでなく民間の力もかりるだとか、そういう私も中身次第では賛成できるようなことを一般論で言われて、具体的な提案をしていることについては答えられないというのは非常に遺憾です。もうそれ以上、答弁が出ないんだったら次にいきます。
 我々は、2016年度、平成28年度の2月議会で財政の組み替え提案をしました。35人以下学級、それから障害者の就労支援、河川改修、それ以外も含めて17項目217億円という組み替え提案をしました。今度の決算議会でも、35人以下学級やひとり親家庭の親と子どもの就労支援、障害者の就労支援、河川改修をせめて3倍ぐらいにするなど、いろいろ提案をしました。これらは実は何十万人の府民の生命や財産を守ることにつながるものです。中小業者の仕事も増えます。府政や社会の安定にもつながります。ひいては、府財政の好転にもつながると思います。
 35人以下学級では、例えば高槻だけでも年間3千8百人も保健室に行く子どもが減りました。これをもし大阪全体でやれば十万人近い数になります。十万人近い子どもが保健室に行かずに教室におれる、そういう状況がつくれるわけです。河川改修の予算を大幅に増やせば、床下浸水を防ぐだけでも40年かかる、そういうことを10年でするということによって、本当に何十万、場合によっては何百万人の生命と財産を守ることができます。そういうことについて具体的に私たちは提案をしてきました。
 財源は、減債基金の積み立ての填補を府の条例の範囲内で調整をすること、あるいは財政調整基金を例えば50億円程度取り崩す、今1470億ぐらいあるわけですから。そういうわずかな取り崩しで十分可能だと思います。こういうことをやることが実は大阪の成長につながる。成長なくして財政のことを考えてもなかなか大変なので、そういうことも含めて私たちは提案をしました。そのことについて知事の見解を求めたいと思います。

○知事 ちょっとまずお話しさせてもらいます。今、予算のことについて宮原委員から御質問がありましたけど、これ決算委員会でのルールは、これは変わったんでしょうか。申し合わせ事項があったはずなんですけど。いや、それでルールを変えたというんならもう答えますけども、決算委員会において、過去にこれは僕自身がそうだったんですけど、予算のことについて当時の橋下知事に答弁を求め、答えをいただいたときに、それは決算委員会にそぐわないということで議会の中で申し合わせ事項、ルールがありますけど、これは委員長、大丈夫なんでしょうか。

○委員長 宮原委員に申し上げます。所管事項範囲内の質問に限りお願い申し上げます。申し合わせ事項どおりに質問願います。

○宮原 予算の組み替え動議は別に今年度の予算ではありません。決算年度の予算について組み替え動議を出した、決算年度のことなんです。決算年度のお金の使い方について、こういうこともあったじゃないかということを質問をしているので、別に予算のことではありません。

○知事 わかりました。28年度はそういう予算の中で財源を投入をさせていただきました。僕は、我々が予算編成をし、府民の皆さんの医療、福祉、教育、まちづくり、さまざまな分野に対して28年度予算というものは、これは御批判を受けるような予算ではなかったと、こう思ってます。

○宮原 私は決算で指摘したことを通じて具体的に聞いているんですよ。

○知事 それは次の予算の話じゃないですか。

○宮原 違います。決算年度にそういうことが可能だったじゃないかということを聞いているわけです。それについて、必要なお金を投入してきた、という抽象的な答弁をここでも繰り返されるというのは本当に納得がいきませんが。

○知事 いや、もう宮原委員の今の御質問は、まさに来年度の予算でこういうことができるだろうという話ですよ。

○宮原 そんなことは言っていません。

○知事 いや、だからそういうふうに聞こえてしまいます。我々は、この28年度決算を迎えまして、28年度は適切に府民の皆さんの医療、福祉、教育、まちづくりに対してやるべき仕事はやってきたということであります。

○宮原 でしたら、決算年度の、例えば河川改修で40年かかるという答弁がございました。決算年度の数字で言えばそういうことになるんです。そういうことについて具合が悪いとはお思いになりませんか。実際の決算年度の審査を通じて明らかになったことなんですけど、別に来年度の予算でこうせえ、ああせえということを言っているんじゃないんです。少なくとも認識については答えられるはずだと思いますが。

○知事 河川改修だとか、インフラに対しての改修等々は、これは長期計画にのっとって適切に進めております。

○宮原 決算年度の数字では40年かかるという答弁があったんですよね。そのことについて、それは幾ら何でもこれだけ集中豪雨が多発しているような時代に適切ではないだろうという意味で、決算審査について今知事に質問をしてるわけです。40年もかかるということが決算の審議を通じて明らかになっているのに、決算年度において河川改修にも予算を適切につぎ込んできたと答弁されるのは全く納得できません。もう一度答弁願えますか。

○知事 これ宮原委員、申しわけないですけども、28年度の予算、そして決算、28年度のお金を使ったということに対して、我々は、府民の皆さんの医療、福祉、教育、まちづくり、これを確実に進めるための28年度予算であったと、こう思ってます。

○宮原 答弁になっていないと思います。僕は、決算年度の明らかになったことについて知事の認識を問うているのです。


国民健康保険

 次に行きたいと思います。
 国民健康保険について、平成26、27年度から追加された国の補助金が28年度も続けて交付されましたが、その国から来た補助金が増えた分が、大阪府では加入者の負担軽減には使われていないと私は指摘しました。全国は一般会計からの法定外繰り入れもほとんど減っていませんが、大阪は大幅に、全国の十倍ぐらい減りました。
 決算年度の国保運営では、国が低所得者対策だとかいろんなことを言って補助金を増やしているのに、大阪ではそのために使われていないのではと部局の認識を問いましたが、その点について知事の見解を求めたいと思います。

○知事 国保の加入者の負担軽減につきましては、公費で措置されている保険料の軽減分などについては、各市町村において適切な対応が行われていると、こう確認をしております。

○宮原 私は、大阪府の特別調整交付金という仕組みが各市町村の一般会計からの繰り入れを大きく減らすことにつながっているということも含めて指摘をしたんですけれども、それでもそういう答弁でしょうか。

○知事 法定外からの一般会計の繰り入れは、法に反するものではありませんが、府といたしましては国保に加入していない住民に対して、国のルール以外の税負担を求めることになるため、保険としての持続可能性、住民の税負担の公平性の観点から適切ではないと考えています。

○宮原 決算年度でも、国は、一般会計からの繰り入れが本来望ましくないものの中から、保険料を減免するための一般会計からの繰り入れ、あるいは市町村独自の保険事業についての一般会計からの繰り入れというのは除いています。大阪府はそういうものも認めないという立場で、特別調整交付金などを利用して市町村を誘導してきました。その責任を問うているんです。今の答弁は全く論点がずれていると思いますが。

○福祉部長 制度の問題でありますので、私のほうからお答えいたします。
 国民健康保険制度では、法令に基づいて公費で負担する部分というものが定められております。それ以外に法定外の一般会計からの繰り入れを実施するということは、国民健康保険に加入している住民と加入していない住民の間で負担の公平性を欠くことになります。このため御指摘の特別調整交付金を交付する際には、本府といたしましては、本府の判断として法定外の一般会計からの繰り入れの有無、すなわちしていないことを評価するという項目としております。

○宮原 今、福祉部長が答えられたのは知事が答えられたのと一緒のことです。何も制度のことを答えられたわけではありません。知事も最初に言われたように、法に反するものではなく、市町村がそれぞれ市議会や住民の意見を聞きながらやっていることです。
 決算年度では、国保加入者は所得の16.5%が国保料に消えているんです。全国よりも2割以上多い割合です。所得がこの20年足らずで4割も減っている中でこういう保険料が課せられているのです。今後の制度設計は別にしても、決算年度で言う限りでも、大阪府のやり方というのは全国の中でも極めて異常なものです。そういうことについて本当に認識はありますか。

○知事 認識は持ってます。先ほどから答弁させていただいていますように、法定外の一般会計からの繰り入れは、法に反するものではありません。しかし、公平性、そもそも保険のあり方とすれば、少し違うのではないかなと思っています。国保の加入者というのは、全体の住民の4分の1程度でありまして、残りの4分の3は共済だとか厚生年金保険だとか、そちらに加入をされているわけです。その皆さん方も、その各市町村でお住まいになられている各自治体に税を納められているわけです。その皆さん方の税から国保加入者だけに優遇をされるということは、少し僕は違うんじやないかと思ってますし、そもそも国保を維持していく上でも、これは要は一般会計からの繰り入れ、これを続けますと、維持ができなくなるんではないかなと思ってます。

○宮原 一般の方の保険料やその他ももちろん高いですよね。ただ、所得の1割を超すようなことはありません。5%とかそういう程度です。国保加入者は4分の1だと言いますが、最後は全員が国保に入って、それから75歳以上の後期高齢者医療保険に入るわけで、いずれは全員が入るんです。一方は1割以下で片一方は16.5%という方がうんと不公平なので、それをただすために市町村がいろんな努力をしてるわけです。それを国よりもひどい減免の否定をやる。
 知事にぜひ考えていただきたいんですが、知事も私も国保は最高限度額ですね。だけど、そんなにたくさん取られているわけではありません。高槻で調べたことがありますが、年間所得1千万円以上の方に、所得の16.5%というような過酷なことを言わずに1割とるだけでも、全体の国保料は下げることができます。そういう国保の仕組みを知っていて、所得1千万を超すような人たちは優遇されていることを知っていて、そういうことをおっしゃっているのでしょうか。
 今でさえ16.5%というのは高い。それを最終的に2割とか2割5分とかいうことに引き上げることについて、心が痛むのが当然だと思います。この点は今後の制度設計にかかわりますのであえて答弁は求めません。しかし少なくとも、決算年度にそういう全国的に例のない異常な国保運営を市町村に押しつけたことについての責任は感じていただきたいんです。その点だけでも答弁できませんか。

○知事 繰り返しの答弁になりますが、この一般会計からの国保料への繰り入れは法に反しておりませんが、保険としての持続可能性、府民の税負担の公平性から、これは適切ではないと考えておりまして、したがいまして我々大阪府がこの国保料に対しての対応について、平成二十八年度の決算においても、我々は、これは大きな間違いではないと思ってます。

○宮原 今、具体的に私が幾つか申し上げたことについて、決算なので全部答えろとは言いません。しかしそういう指摘を踏まえてなお、そういう答弁が出るというのは本当に残念だということを申し上げておきたいと思います。


カジノ、大型開発

○宮原 知事は、身近な防災、あるいは命、暮らしを支えるという点では一生懸命やってきた、しかし金がない、そんなふうに言いました。一方で、決算年度での負担はそれほど大きくはありませんが、将来的には莫大な負担が生まれるなにわ筋線や淀川左岸線延伸部、あるいはカジノ、夢洲開発などにはほとんど着手、具体化した。決算年度はこういう年だったと思います。
 ただ、そのことを質した時、事業の費用対効果というのは本当に精査されていないと思いました。例えばカジノでは、マイナスの経済効果については答弁不能でした。仮に夢洲に人が集まったとしても梅田やその他は大きくお客さんが減る。ギャンブル依存症については何の対策もない。このようなマイナス面について具体的な検討はされていませんでした。
 淀川左岸線延伸部でいえば、決算年度までの阪神高速道路の利用が1キロ平均で18%も減っていることも指摘しながら私は質問をしましたが、余りにも利用予測が現実とかけ離れています。
 なにわ筋線も、5分、10分の短縮に国と大阪府、大阪市だけで2千億円近くつぎ込むことが決められた年でもあります。しかしこれなにわ筋線開通によって地下鉄御堂筋線の乗客が減ることも考慮されていませんでした。
 単に緊急性がないだけではなく、マイナスも含めて冷静に、全面的に一つ一つの事業を検討することがされていないのではないでしょうか。知事はどう考えていますか。

○知事 これ検討がなされてないというのは宮原委員のまあ言えば所感でありまして、我々は、鉄道事業は鉄道事業者の皆さん、また国土交通省、そして我々の都市整備部、そして大阪市のあれは建設部になるんですかね、担当部局、これはもう数年かけて協議をし、この路線については黒字で運営ができるということを確認した上で取り組んでいるわけですから、この高速道路だとか鉄道だとか、そしてベイエリアの開発だとかという部分については、これはもう宮原委員とは考え方の相違でありますから、我々はこの大阪の成長のために、これらのさまざまなインフラ整備、そして開発事業は必要だと思ってますので、引き続き完成に向けて取り組んでいきます。

○宮原 検討されていないというのは私の主観ではありません。例えば、現在でもパチンコの絶対台数が大阪は一番多いということも指摘しましたが、ギャンブル依存症についての本格的な検討は今はまだ試行の段階ですよね。依存症患者が大阪に何人いるかすらわかっていない。そういうことを指摘をした上で、マイナスの経済効果が検討されてないじゃないかと指摘しているんです。梅田や難波などの集客が減る問題も記述さえされていません。私の主観で物を言っているわけではありません。
 なにわ筋線ができれば、特急は別にして快速やその他は御堂筋線などと競合しますので、地下鉄の乗客は当然減りますが、当局によると、減るでしょうけど人数はわかりませんとのことです。だから検討されていないんですよ。そういうことを私は客観的にのべているので、知事といま価値観がどうのこうのという議論をするつもりはありません。そういう具体的なことを踏まえて知事に質問しているので、ぜひその点も踏まえ、もし反論があればしてください。

○知事 我々は、大阪に定住される人、そして大阪を訪れる方々、この絶対数をふやすためにさまざまな取り組みをしております。その絶対数がふえれば、今委員がおっしゃるように、なにわ筋線ができれば御堂筋線が減るのかどうか。絶対数がふえれば、これは両方ともお客さんがふえる可能性もあります。そういうことも踏まえて、経済効果というものは、さまざまなそういう研究機関が発表してくれておりますので、これ全てプラスの経済効果の発表であります。
 きょうも日経新聞に出てますけども、日本総研が、ベイエリアの万博とIRの経済効果、両方合わせれば2兆円を超えると、2兆6千億でしたかね、そういう日本総研の試算もあります。やっぱりこれは専門家がそういう答えを出していただいておりますから、大阪に絶対数として大阪に訪れるお客様、定住される住民の皆さんをふやしていくために必要なインフラについては、これはスピード感を持って進めていきたいと、こう思ってます。

○宮原 決算委員会の中でも、これから少なくとも大阪、全国の日本の人口は減っていく傾向だということで数字も申し上げたと思うんですけど、こういう施設ができる2030年ごろでは、80万人は人口が減っています。それは僕の主観ではなく客観的な、それこそ政府とか公的機関の数字です。そういう中で2千9百数十万人という日本人の観光客が、例えば3千5百万人になるという前提で計算をしているから、それはおかしいじゃないのということを具体的に申し上げたわけです。根拠をもって私は申し上げてきたということを申し上げておきたいと思います。それについて、もし反論があるようでしたら。

○知事 これは宮原委員と僕の価値観の差です。宮原委員は、過去の推計で人口が減るということを前提にさまざまな御指摘をされています。僕は、このままもう数年、この数年いろんなことに取り組んでまいりましたが、それ以前の取り組まない大阪であれば、宮原委員の言われるようなそういう形で大阪がどんどん人口減少社会に入っていくだろうと、ここに対して僕は危機感を持ってますから、何とか人口減少するというそういう指標に対する挑戦をしております。それを諦めることなく大阪に定住者も、そして訪れる人もふやしていくと、そちらに向かって我々は今取り組んでいるわけですから、今宮原委員がおっしゃったさまざまな指標、その指標を変えていきたいという思いで取り組んでますから、これは価値観の差でしかありません。

○宮原 価値観ということを盛んにおっしゃるんですが、私が最初に表として示したもの全部が全部橋下前知事や松井知事や吉村市長の責任だとはもちろん申し上げません。国も含めていろんな原因が複合的ですから。だけど、少なくとも全国よりも大阪のほうが、知事が政治を担ってこられた中で、雇用者報酬や可処分所得が減っている、あるいは介護の認定率の上がり方が大きい、という指摘を最初にしたと思います。
 実際に今の政治が始まって2回、国勢調査がありましたが、2010年と2015年の国勢調査でも、初めて大阪は人口減少に転じたわけです。自分の責任というのはやっぱりそこはそこで、全てかどうかは別にして、ぜひ認識をされた上で今後の府政運営に当たっていただきたいということです。これはもう時間がございませんので意見だけ申し上げておきます。


府補助金受給企業による維新の会パーティー券購入

 最後に、決算年度に大阪維新の会に771万円の大阪府からの「実感できるみどりづくり事業」の補助金をもらっている企業が、40万円の政治資金パーティー券を購入していたということについて確認をいたしました。この点について知事にお聞きしたい。知事は当然それは御承知だと思いますが、この政治資金パーティーの利益率は80%です。ということは単純に計算すると、40万円分の人数がその会社から参加したとしても、8割は献金ということになる思います。大阪府がその年度に補助金を出しているところから、政治資金パーティー券という形ではありながら、事実上の献金をもらうというのは、それは道義的に非常に具合が悪いことだと思います。実際こういうことが明らかになった今、そのお金を返すというようなつもりはありませんか。

○委員長 宮原委員に申し上げます。委員会に関しては、松井知事は、大阪府知事として委員会に出席していただいておりますので、知事に対しての答弁を求めるようお願いいたします。

○宮原 知事は、それはもちろん知事ですよね。しかし、同一の人が代表を兼ねておるわけですから、それを聞くのがあかんとは思いませんが、知事はどうされますか。

○知事 これ答えるのはちょっと違うと思いますけど、パーティー券の購入と補助金の交付は何ら関係がありません。問題ないと思っています。道義的な責任、この件について僕は感じていません。道義的な責任のことを言うんなら、議員の身分を利用して役所の中で赤旗を売っている共産党のほうがよっぽど道義的に責任があると思いますよ。そこは横に置いて、この決算委員会で全く決算と関係のないようなことで印象操作でおとしめられるというのは困りますから答弁しておきますけど、道義的な責任は我々以上に共産党のほうがあるんじゃないですか。

○宮原 少なくとも共産党は方針として、しんぶん赤旗を国民の中に普及しようということは政党ですから当然持っています。しかし地位を利用してそれを押しつけるということは一切方針として持っていません。その点はぜひ申し上げておきたいと思います。そういうことも事実に基づいて私たちは対処します。前の大阪府議会議員の問題でも、私たちは、問題が出た直後に自分たちで調べ、ちゃんとその責任も明らかにして辞職しました。こういう問題について私たちはきっばりとした態度をとってきました。
 一方で、知事が道義的責任を感じていないというのは非常に残念だということを申し上げて質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。






   


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