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大阪都・副首都化推進 財政・暮らし悪化に踏み出す/松井知事が新年度予算案発表



 松井一郎知事は18日、2016年度当初予算案を発表しました。

 一般会計は、前年度比114億円減の3兆2772億円。
 法人2税など税収が伸びたものの、臨時財政対策債が同510億円減などが影響し、財政調整基金を710億円取り崩しました。
 社会保障費の伸びは、国の制度に伴う自然増(120億円)にほぼとどめられ、少人数学級の拡大などは見送られました。
 昨年の住民投票で否決された「都構想」に執着、大阪の「副首都化」を掲げ、“副首都に相応しいインフラ整備や統治機構改革”に踏み出します。

なにわ筋線、カジノ、うめきた開発

 「豊かな副首都・大阪に向けての第一歩」。知事は、18日の会見で、新年度予算について胸を張りました。
 しかし、知事らの目指す「副首都」、「都構想」が、いっそうの財政と経済の危機、暮らし悪化につながりかねない内容をはらんだものになっています。

 総事業費2500億円の関空のアクセス鉄道・なにわ筋線の調査費を計上、大阪湾の人工島に誘致を計画するカジノを中心とする統合型リゾート(IR)は、アクセス鉄道建設に数千億円の事業費が見込まれるものです。
 「うめきたまちづくりの推進」として2950万円の大阪市への補助金(限度額3億300円)も盛り込んでいます。

 知事は、財政危機の原因を不要不急の大型開発など過去の公共事業の借金返済に求めますが、松井知事が進めようとする、こうした開発事業は、さらに負担の増大を招きます。
 それに、企業の呼び込み、国際競争力支援型のインフラ整備が大阪経済の発展や府民の暮らし向上に役立たなかったことは明らかです。

 また、新エネルギー、ライフサイエンスなど「成長産業」を対象にした計6億6千万円の優遇税制度を創設、中小企業支援では、融資制度の預託金を235億円、「成長志向創業者支援事業」を新設しますが、ものづくり支援など、継続事業はほぼ全面的に前年度比減となっています。

 大阪市と共同で、職員数60人程度の副首都推進局を設置、猪瀬直樹・前東京都知事、堺屋太一・元経済企画庁長官ら特別顧問を交えての副首都推進本部も続けます。

引き続き社会保障抑制路線

 社会保障関連経費は、高齢人口の増加や格差と貧困の拡大などで、生活保護給付費、児童手当給付費、介護保険給付費など国関連施策の地方負担分など義務的経費の増加が約120億円です。
 一般施策では、維新行革で単価を大幅に引き下げた老人福祉施設等整備助成費が前年比マイナスとなるなど、社会保障抑制路線を続けています。

 老人、一人親、障害者らを対象にした福祉医療助成制度について、新たに精神障害者を加えると同時に患者負担を増やす方向での見直し案が示されています。

 増え続ける児童虐待対策では、1億1898万円(前年度比3割増)が組まれていますが、軽度の事案を民間委託する方向が示されています。

 また、大阪市立住吉市民病院の廃止、府立大阪府立急性期・総合医療センターへの機能統合を医療審議会や地元医師会の反対を押し切って強引にすすめる一方で、りんくうタウンでの海外からの利用者を当て込んだ国際医療交流拠点づくり促進に3年間で1億6千万円を限度に補助しようとしています。

 教育関連では、府立高校の統廃合を進めつつ、府内高校進学の際の評価に使う、チャレンジテストを導入します(2億6510万円)。
 これまで知事部局にあった私立高校を担当する部署を教育委員会事務局の一部とし、教育長の指揮監督のもとに置こうとする「教育庁構想」も提示されています。
 正規教諭の増員、少人数学級の拡充、中学校給食拡充への支援など、子どもの学ぶ環境を整備こそが急がれます。

防潮堤緊急対策最終年度

 防災関連では、南海トラフ巨大地震対策として地震動による液状化で防潮堤が沈下し、津波到達前に浸水する区域の防潮堤を緊急3カ年事業(新年度が最終年度)に前年度並みの約212億円を計上、さらに府域全体の防潮堤強化や水門の耐震化に取組むことにしています。

 土砂災害防止法に基づく区域指定が、今年度指定完了予定です(3億1千万円)。
 治水対策費は全体として前年度比約2億円減の565億6千万円となっています。
 府民の命と財産を守るために、いっそうの予算と人員の配置が求められます。

 また、昨年末の南海トラフによる長周期地震動に関する報告で、大阪市住之江区の埋め立て地に咲洲庁舎並みの高さ(200〜300b)の超高層ビルがあったとして、その最上階の揺れが往復6b程度揺れるとされましたが、知事は庁舎として使い続ける意向です。

 内閣府の報告を受け、咲洲庁舎についての専門家の会合が設置されています。
 予算案では、咲洲庁舎改修等事業として3億5千万円が計上されています。
 前年度当初予算は5億4千万円でした。

問われる府民の暮らしの視点

 財政運営では、財源不足から財政調整基金を当初予算で710億円取り崩しました。
 2014年度決算後1612億円まで積み立てた基金残高は当初予算後544億円まで減ることになります。

 財政調整基金は、財源不足になったときのために積み立てておく自治体の貯金で、府は2015年度も当初予算で599億円取り崩しましたが、補正予算で積み増すなど、年度を追うごとに残高を増やしてきました。
 新年度当初の取り崩しは、この間の最大規模で、決算期の残高がどうなるかは見通せません。

 知事は、「徹底的に黒字にこだわっていきたい」と語っており、赤字はなんとしても避ける姿勢です。
 その理由は「赤字にすると、我々が責任をとるのではなく、要は、府民全体に借金を肩に乗せていくと、府民にツケを回すということですから」と述べています。

 しかし、知事自身が「乾いたぞうきんを絞るくらいやってきた」というように、犠牲を強いられてきたのは府民自身であり、要は、“赤字にはしないが、我慢してくれ”、その一方で、都構想を推進、インフラ整備やカジノ誘致の準備を進めるというのが知事の姿勢です。





   


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