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くらしの行革継続、企業支援インフラ本格化 都構想推進も大阪府2014年度予算案

 安倍内閣が、「世界で一番企業が活動しやすい国づくり」のかけ声のもと、雇用の不安定化、法人税減税といった大企業の国際競争力応援の一方、消費税増税をはじめ、医療や社会保障の給付減、負担増など国民のくらしへのしわ寄せを続けています。
 こうしたなか、地方自治体には、住民のくらしと福祉を守る役割を果たすことがいっそう求められています。

 21日、松井一郎知事が提案した大阪府の2014年度当初予算案にも、そのことが問われました。
 しかし、予算案の全体像は、これまでの府民の暮らし関連予算のカットの“成果”と税収増を見込むことで、若干の「余裕」(松井知事)が出てきたなか、くらしの「行革」は続けながら企業誘致や産業インフラ整備に本格着手、そのための仕組みづくりとしての「大阪都構想」実現を急ぐものとなっています。

 知事は、予算案のキャッチコピーを聞かれ、「強い大阪の実現」を挙げました。
 「投資ができる体力がついた」、「大阪の成長のための予算組みをやっとできるようになった」と、「特区」や企業活動・集客のためのインフラ整備に着手。
 そのために、新たに「戦略事業室」を設置します。
 知事は、これから順次インフラを進めていくとして「港湾や鉄道やそういう新たな大阪の成長を担うインフラ整備」を推進する体制をつくるために設置したと説明しています。

 「府営運営の基本方針2014」には、「国土交通の東西二極化を支える広域交通インフラ」として、港湾管理の一元化、淀川左岸線延伸部建設など「ミッシングリンク」の解消、リニア中央新幹線・北陸新幹線の早期全線整備、なにわ筋線新設など関空アクセスの改善などが掲げられており、府市グランドデザインに向けた取り組みなどと併せて、大企業支援型開発への巨額の財源を投じる道を開くものです。

 知事は、“成長重視”、“強い大阪”を「スピード感をもって強力に推し進めるには」大阪都構想が欠かせないとして、大阪都構想実現に執着しています。
 「新たな大都市制度の実現に向け、住民投票でご判断いただくための具体的な制度設計を進めてまいりたい」と、2014年度中の実現を目指しています。

 その一方で、都道府県で最低水準の子どもの医療費助成制度や多くの府県で独自に実施している少人数学級拡大など、住民福祉やくらし応援の施策拡充には極めて消極的な姿勢です。
 消費税増税に伴う国施策として実施される社会保障関連予算の拡大は、国が財源措置するものです。

 知事はまた、府内市町村でつくる後期高齢者医療広域連合が、他県より高い保険料抑制のため求めていたにも関わらず、これまで一般財源から後期高齢者医療財政安定化基金事業費6億2千万円を、「受益と負担の観点から公費投入による保険料抑制は行わない」との詰めたい姿勢で打ち切りました。
 制度ができてから打ち切りは初めてで、広域連合議会も、党派を超えて府に財政支援を求める意見書を採択したにも関わらずです。




税財政の動向

 財政規模は一般会計3兆0712億円で、前年度当初比1764億円増と4年ぶりの増額予算といいますが、公債費等を除いた一般歳出は2兆2483億円で、2011年度、2012年度を下回っています。

 最大の特徴は、消費税の8%への増税を踏まえ、地方消費税収入を、前年度比573億円増の3220億円見込んでいることです。
 法人2税3256億円に匹敵するものです(地方法人特別譲与税分を含めると4767億円)。
 他の都道府県間との清算、半分を市町村に交付することから実質的な増収分は200億円程度と見込んでいますが、それでも大幅増収です。
 文字通り府民1人ひとりが納めた税金であり、増収分は暮らしや福祉に使うことが求められます。

 財源対策として、財政調整基金を460億円取り崩しています。
 同基金の残高は、橋下徹維新の会共同代表が知事に就任する前の13億円から2013年度最終予算時点で1499億円に増えています。
 これは当初予算でいったん取り崩して、くらしの「行革」で余った予算を年度末にかけて基金に積みますという手法を繰り返してきたからです。
 6年間で総額1770億円ものくらし関連予算をカットして積み上げた基金。しかも、2011年度に立てた同基金の積立目標額1450億円(新年度に見直し)に到達しています。

 安倍政権が胸を張るアベノミクスのもと、賃金の連続低下に歯止めがかからず、雇用不安も募る中、くらしと営業に消費税の8%への増税が待ちかまえる中、財政規律を重視するのは当然としても、基金を府民の暮らし関連施策に使うことも検討すべきです。

 しかし知事は、財政構造改革プランなどにより「成長のためのスタートをできるそういう予算編成ができたんだろう」といって次のようにのべています。

 「これまでやってきた改革を継続していくというのは当然のことだと思ってます。
 今回も選択と集中で予算を組んでおりますから、決して余裕が出てきてきたから総花的にやっている思いはありません。
 僕が知事である以上は、これまでやってきた財政構造改革、それをやりながら成長につなげる予算編成を続けてやっていきたいと、こう思ってます」

 余裕ができたから企業活動支援のインフラ整備に本格着手、府民のくらしカットは続けるでは、自治体のあり方として本末転倒です。

 また、企業に国際競争力を持ち、稼いでもらえば地域経済も暮らしも潤うという幻想を追うのでなく、無駄を削り、くらしと福祉の充実、家計を応援する政治こそが必要です。




 国の経済対策としての補正予算案は456億円、うち建設事業費は241億円で、南海トラフ巨大地震対策として防潮堤補強などに27億円、寝屋川流域の治水対策に24億円、府営住宅の耐震改修、大規模修繕に80億円などです。

 一般施策経費には214億円が計上されていますが、211億円は基金に積み立てます。
 高校生修学支援金(私立高校への修学支援)68億円、緊急雇用創出事業臨時特例基金66億円などです。
 有効な活用が必要です。





府民運動で前進した施策も

 具体的な施策では、切実な願いを反映した府民の世論と運動により「一歩前進」した施策も少なくありません。

 北河内、中河内・南河内地域での知的障害支援学校の新設、私立学校への経常費助成のカット率緩和などです。

 子ども医療費助成制度の新年度の拡充は見送られています。
 25日の維新の会の代表質問で、知事は、2015年度に拡充を実施すると表明しました。
 日本共産党議員の昨年の決算委員会での質問でも知事が検討を約束。
 同議員団の申し入れに福祉部長は、「(子どもの医療費助成制度については)来年度前半には方向性を出し、障害者、ひとり親家庭などを含めた福祉医療制度全体の姿はさらに検討してから示したい」とのべていました。
 よりよいものにしていくことが求められます。

 また、公立・私立問わず低所得者向けの教科書代など授業料以外の教育費負担を軽減するための給付金制度が創設されます。

 私立高校授業料無償化制度は、2015年度入学生までは現行制度を維持するとしています。
 引き続く維持と制度の充実が求められます。

 地震対策では、南海トラフ巨大地震に備え、防潮堤の液状化対策などに136億円、密集市街地の整備促進に2.5億円、木造住宅の耐震改修補助金が40万円から70万円に増額されています。

 集客施設への転用が検討された中之島図書館は、図書館としてリニューアルするとしています。


 一方、「成長の要は特区」「国土構造の東西二極化を支える広域交通インフラ整備」として、外資系企業誘致はじめ企業支援のための高速道路や鉄道建設に本格的に踏み出します。

 知事は「戦略4路線」として事業化に踏み出す路線の事業費は次のとおりです。

 ▽北大阪急行延伸600億円▽大阪モノレール延伸1050億円▽なにわ筋線2500億円▽西梅田十三新大阪連絡線1350億円。

 個々の路線には、住民の利便性向上につながる側面をもっていますが、必要性、費用対効果、暮らし関連施策など全体のバランスなどから検討が必要です。

 予算案では、調査費などの計上にとどまっていますが、今後、港湾や高速道路整備と相まって、企業活動支援、国際競争力強化に偏重したまちづくりが推進される恐れがあります。

 また、泉北高速鉄道やトラックターミナルを運営する府の第三セクター「大阪府都市開発」の株式売却益を開発に注ぎ込む意向を示しています。

 企業が儲けを増やしても、国内雇用や消費の拡大につながらず、むしろ賃金低下と雇用の悪化が進行しました。

 賃上げ、くらしの応援こそが経済活性化への近道ですが、それとは逆の方向です。

 さらに、知事が「大阪経済に欠かせない」とするカジノなどIR(統合リゾート)の立地促進費用を計上しています。
 依存症や治安など多くのマイナス面が指摘され、心配する声も上がっていますが、知事は「僕はIRのデメリットってあんまり思い浮かばんのです」などとしており、誘致にまい進する姿勢です。














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