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格差・分断持ち込むな 知事に2条例撤回要望/党大阪府議団

 日本共産党大阪府議団は18日、松井一郎府知事に対し、橋下徹大阪市長率いる「大阪維新の会」府議団の提案した「教育基本条例案」「職員基本条例案」の修正案をそれぞれ府議会に提案する問題で、2条例案の撤回を求める要望と公開質問状を提出しました。

 「要望」は「府民から切実に求められているのは、教育環境の整備、安全・安心のまちづくり、くらし応援の施策の充実、中小企業振興をすすめ、多くの国民に生活困難と『分断』をもたらす"弱肉強食"の政治の転換だ」と強調。
 2条例案は「くらしと大阪経済の困難の真の解決から府民の目をそらせ、子どもと府民にいっそうの『格差』と『分断』を持ち込み、教育と住民福祉、地方自治をいっそうゆがめ、縮小する結果につながる」と批判しています。

 提出には宮原威団長をはじめ朽原亮、堀田文一、曽呂利邦雄各府議が参加。
 府からは、中野時浩総務部次長、藤井睦子教育委員会教育次長が応対し、それぞれ「評価制度の目的は、職員の能力を伸ばし、やる気を引き出すことにあり、改善していきたい」「教育委員会として対案を公開の場で議論し、まとめていきたい」と述べました。



「しんぶん赤旗」2012年1月19日付より



日本共産党府議団が知事に提出した要望と公開質問状は以下の通りです。

2012年1月18日

大 阪 府 知 事
松井 一郎 様

日本共産党大阪府議会議員団
団 長   宮 原   威

大阪府「教育基本条例」・「職員基本条例」は制定せず、子どもと府民を守り、あたたかな府民の共同と大阪の活性化に役立つ府政を求める要望と公開質問状

 勤労者と府民の収入の減少、高い失業率、事業所の減少など、大阪における貧困と格差の広がりは全国にもまして深刻である。その中で、学力「格差」の拡大、不登校、中退、いじめ、非行など、教育問題がますます深刻化している。また、くらしと大阪経済の困難から抜け出す道筋を示せないうえに困難を加速させ、もっぱら「権力闘争」に明け暮れる、国政での「二大政党」の党利・党略ぶりに、府民の閉塞感とやり場のない政治不信が蓄積している。
 いま、府民から切実に求められているのは、憲法と地方自治法にもとづき、少人数学級の拡充などいっそうの教育環境の整備、安全・安心のまちづくり、福祉・医療などくらしを応援する施策の充実、中小企業振興など地域経済に活力を取り戻すためのとりくみを進めることである。ごく一部の輸出大企業だけが一人勝ちし、多くの国民に生活困難と「分断」をもたらす"弱肉強食"の政治は転換が必要である。
 ところが、松井知事と橋下市長が2月議会で提案しようとしている「教育基本条例」・「職員基本条例」は、くらしと大阪経済の困難の真の解決から府民の目をそらさせ、子どもと府民にいっそうの「格差」と「分断」を持ち込むものとなっている。それはまた、行き過ぎた競争主義を子どもと府民に強制し、教育と住民福祉、地方自治をいっそうゆがめ、縮小する結果につながるものである。
 さらに、2つの条例は、知事の意向に沿って公務員・教師を「評価」し、2年続けて最低となった者を解雇できる、「職務命令違反」3回で解雇できるとしているが、これでは、公務員・教員が、知事や市長、校長が行き過ぎた命令を出した場合でも意見を言うことをためらい、住民や子どもに向き合うのではなく知事や市長などの顔色や意向だけを気にすることになりかねない。
 条例制定の目的を、「都市間競争を勝ち抜く」「世界標準で競争力の高い人材を育てる」としているが、相対評価方式などは、行き過ぎた競争と「格差」をもたらすものとして、世界やアジア、日本の大企業でも破たんしつつある。
 さらに、2つの条例については、先のダブル選挙では積極的に語られてはおらず、府民の「信任を得た」とはいえないばかりか、4割を越す批判票があったことも事実である。選挙で勝ったことを根拠に制定を強行することは許されない。
 知事は、「大阪維新の会」が提案した2つの条例案について、それぞれ対案・修正案を2月定例府議会に知事提案するとしているが、いずれも制定すべき条例ではなく、条例案の撤回こそが求められている。
 以下、2つの条例それぞれの重大な問題点を指摘し、全項目について見解を示すことを求める。なお、回答は文書で、2月上旬に知事提案がまとまり次第にされたい。


【教育基本条例案の問題点と回答を求める項目】

1 教育目標は、教職員(校長含む)や父母(保護者)が、憲法に定められているように、教育の権利の主体である子どもの多様な個性と可能性を伸ばし、基礎学力・思いやり・豊かな感性を育むために定めるものである。知事や首長は、その目的が達成されるような教育条件や社会環境の整備にこそ力を尽くさなければならない。
  まして、その教育目標を「実現する責務を果たさない」として教育委員を知事が罷免することは、許されるものではない。

2 小中学校における学力テストの学校別公開は、学校の序列化と学校間競争を激化させ、子どもたちと学校を徹底した競争に追い込むものであり、このような競争教育強化は、アメリカやイギリスなどですでに破たんしている。真の学力向上に役立たないばかりか過度な競争をさらに激化させ、子どもの健やかな成長を妨げることにつながる。

3 府立高校の「定員割れ」が3年間続けば統廃合の対象としたり、通学区域を撤廃することは、学び場を奪い、子どもの成長を妨げ、「分断」と自己否定感をさらに助長するものであり、行うべきではない。

4 教育の主人公である子どもの成長のための教職員の具体的・多様な努力は、一人の校長、まして首長や政治家が査定できるものではない。教職員と校長、父母それぞれが子どものための協力・共同の生き生きした関係をつくることこそ必要であり、首長や政治家はそれを援助こそすれ、介入することは間違いである。
  必ず5%の教職員を最下位と評価する相対評価は誤りである。
  また、絶対評価も、教育現場での教職員の生き生きした協力関係を壊すことのないよう再検討すべきである。

5 教育委員は、府民の意見が反映できるよう公選制をめざし、当面は準公選とするべきである。

6 保護者に対し、「学校運営などへの参加に努める」こととしているが、保護者の家庭・生活環境や条件は様々であり、一律にはできない。また、「社会通念上不当な態様で要求等をしてはならない」とすることは、保護者の学校や教育に対して要求する権利を奪うことにつながるものであり、これらのことを規定すべきではない。

7 少人数学級の推進は、子どもの多様な成長を保障するカギのひとつである。30人以下学級を国に求めるとともに、当面は府と市町村の努力で、小・中・高全学年での35人以下学級を段階的に実施することを求める。
  また、非正規の教職員を正規雇用するなど正規の教職員を増やすことを求める。

8 子ども医療費助成の中学校卒業までの拡充や、中学校給食の設備設置への補助を2分の1から3分の2にすることは、子どもと保護者の貧困が拡大するもとできわめて重要であり、早急に実施されたい。


【職員基本条例案の問題点と回答を求める項目】

1 知事や首長の意見や方針が府民の利益に反する場合もある。職員が上司に意見を言う権利を保障するとともに、職務命令違反を3回すれば解雇といった方針は間違いであり、府民のためにならない。

2 職員の具体的な努力を、上司や首長だけが評価することは不可能であり、誤りである。
  職員の能力は、個人の努力、上司を含む職員相互の助け合い、府民の率直な批判と激励の中で育まれ、成長していくものである。
  必ず5%を最下位にするような評価はやめるべきである。また、絶対評価もそれが短期的・懲罰的に行われるなら有害であり、再検討されたい。

3 公立・民間を問わず、保健師・保育士・児童虐待防止の相談員・介護職員など専門分野の職員の不足解消と能力向上は社会の要請となっている。それに応えるため、府民全体に対する大阪府の広域的役割を果たされたい。

4 府職員は世代交代期を迎えており、効率的で簡素な大阪府をつくる立場から、最小限必要な職員数を確保し能力の発展を図ること。





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