トップページ メールはこちら
Google
WWW を検索 日本共産党府議団サイト内を検索
議員おもな活動政策・見解定例議会府政資料リンク



くらしと雇用、中小企業応援の政治へと根本的転換はかり閉塞状況打開を 共産党が来年度予算要望

 日本共産党府議団は、12月27日、2012年度大阪府予算についての要望をおこないました。
 要望は、@期限を切った「原発ゼロ」と自然・再生可能エネルギーの拡大A災害から府民の命を守るまちづくり、くらし密着型公共事業の推進B医療・福祉のまちづくりの推進C子どもたちが輝く教育の推進D中小企業と雇用の応援、住み続けられるまちづくりE食の安全と農林水産業の振興、環境対策強化F府政運営のあり方、国への要望、被災地支援、の7つの分野にわたるものです。





日本共産党府議団がおこなった2012年度予算要望は以下の通りです。
大阪府知事 松井 一郎 様

2011年12月27日
日本共産党大阪府議会議員団
団長 宮原 威

2012年度予算編成と施策等についての重点要望
くらしと雇用、中小企業応援の政治へと根本的転換はかり閉塞状況打開を


はじめに

 府内勤労者の平均月額給与所得は、1998年の402,148円以降、低下傾向をたどり、2010年には341,811円と15%以上減少し、10年前との比較でも12%減と大きく落ち込んでいる。府内の生活保護世帯は214,778世帯(2011年8月現在)と前年同月比で5.2%増、10年間では約2倍へと増大し、生活保護率は3.34%と全国平均1.61%の2倍以上と貧困の拡がりは深刻である。
 雇用をめぐっても完全失業率は高止まりとなり、就業者数は2010年までの10年間で6%減少した。府内事業所数は、2006年の調査で、5年前の前回調査からマイナス11.4%と全国最悪となっているなど、不安定雇用の増大とともに大阪で働く場所が失われ、くらしの悪化が家計消費を冷え込ませ、地域経済から元気を奪う悪循環が続いている。
 このように府民のくらしと雇用の悪化が深刻化する一方で、全国の大企業(資本金10億円以上)の利益剰余金は2000年度の87兆円から2010年度は141兆円と1.6倍へと「富」を増やし続けている。大阪に本社を置く資本金100億円以上の企業の内部留保は25兆円(上位50社で22兆円を占める=大阪労連調査)と前年度から8900億円増やす一方で正規職員は1万5千人減少させている。
 大企業が「国際競争力強化」を理由にした人減らしと低賃金・不安定雇用への置き換えや生産拠点の海外移転、下請単価たたきなどにより、巨額の利益をため込んでいることが、雇用とくらし、中小企業経営の悪化の原因ともなっている。大阪府が創設した全国の自治体で最高水準の企業誘致補助金によっても雇用悪化は続き、地域経済を押し上げることにはつながらず、パナソニックなどは立地工場を縮小し、海外生産へと軸足を移している。
 こうした状況の下で、政治への不信や経済・社会の閉塞感が強まり、その打開を求める声が広がっている。
 府民生活と大阪経済の閉塞状況は、大阪府や大阪市という地方自治体の枠組みや「行政システム」に原因があるのではなく、アメリカと財界中心という国政の異常なゆがみと行き詰まりにこそ原因がある。従来どおりの「国際競争力強化」や企業活動支援のための高速道路や高速鉄道の建設推進を狙う「大阪都構想」では、閉塞状況を打開することはできない。政治の中身を大企業・大資産家優遇から、くらしと雇用、中小企業応援へと根本的に転換をはかることこそ必要であり、大企業に対して、雇用と中小企業の経営を守るなどの社会的責任を求め、福祉や医療、教育の充実などくらしを応援し、大阪経済の主役である府民の家計消費を支え内需を拡大させることこそが求められている。
ところが国政では、「復興」に名を借りた所得税・住民税などの庶民増税の一方で、法人税減税による税収減がそれを大きく上回ることが明らかとなる中、社会保障の改悪と消費税増税の方向が示され、さらには、食と農を破壊し、経済主権の蹂躙や医療分野に重大な影響を及ぼす「TPP」への交渉参加が表明された。雇用問題でも、労働者派遣法が完全に骨抜きにされようとしているなど、アメリカ・財界の「使い走り」内閣による「亡国政治」が行われようとしている。
 府政をめぐっても、開発を推進するために府と大阪市の財源と権限を集中する「大阪都構想」を前提とした「府市統合本部」を設置し、府と大阪市にまたがる最高意思決定機関・執行機関としての権限を持たせようとしている。しかし「大阪都構想」が先のダブル選挙で主要な争点とならなかったことは各種世論調査でも明らかであり、知事自身も「説明して理解頂ける努力を 」と述べている。選挙結果をもって「民意を得た」として「大阪都構想」を推進することは許されず、それを前提とした「府市統合本部」は設置すべきではない。
知事が制定をめざす教育基本条例・職員基本条例についても先のダブル選挙では積極的に語られてはおらず、到底「信任を得た」というものではない。「教育基本条例案」に対しては、文部科学省も「法律に抵触する」とし、広範な府民や専門家からも問題点が指摘され、条例反対の声が広がっている。
 府政や教育に求められているのは、少人数学級の拡充などいっそうの教育環境の整備や福祉・医療など府民のくらしを応援する施策の充実、中小企業振興など地域経済に活力を取り戻すための取り組みを進めることである。
 こうした立場から、以下の来年度予算編成と施策に関する要望を行うものである。


1.期限を切った「原発ゼロ」と自然・再生可能エネルギーの拡大

(1)大阪府として「原発ゼロ、自然・再生可能エネルギー推進都市」宣言を行う。

(2)「おひさまプロジェクト(仮称)」をたちあげ、自然・再生可能エネルギーの普及に向け経済界や大学、市町村などの英知を集める。
 @太陽光発電への府補助制度(年間10億円程度)を創設する。
 A学校や府有施設への太陽光発電設置の年次計画を策定・推進する。
 B自然エネルギー利用の拡大や節電を進める府民や企業、市町村の取り組みを積極的に応援する。

(3)国と関西電力に対し、原子力発電所の期限を定めた廃止と自然・再生可能エネルギーの拡大を強く求める。原発の重大事故に備え、放射能から府民を守る計画を立てる。

(4)「再生エネルギー法」(2012年7月施行)を生かし、電力会社による全量買取りを強く働きかける。

(5)放射能測定の機器と体制を整備し、放射能汚染が疑われる物品の放射能調査を確実に行う。


2.災害から府民の命を守るまちづくり、くらし密着型公共事業の推進

(1)東日本大震災の教訓と最新の知見を踏まえ、地域防災計画の抜本的見直しを急ぐとともに、具体事業を順次実施する。

(2)住宅や学校、公共施設などの耐震化推進、津波対策や水害・土砂災害対策予算等防災関連予算を増額する。
 @住宅耐震化のための予算を20倍(年間2万戸・38億円)にする。
 A耐震改修助成は、補助率を引き上げ、住宅リフォーム助成を創設して合併施工できるようにするなど抜本的改善をはかる。
 B学校施設の耐震化を2014年度までに完了する。
 C大阪を襲う津波の高さの想定を従来の2倍に引き上げ、防波堤・水門の計画を全面的に見直し、改修を計画的に進める。電柱等に海抜を表示し、避難のための広報設備を設け、避難施設を確保する。
 Dあんしん川づくり事業を10年で完了できるよう計画を策定し、予算を増額する。すべての河川で10年確率の大雨(50o/時)対策を速やかに達成するとともに、10年確率を超える大雨対策を緊急性の高いところから市町村や住民と共同して進める。

(3)長周期地震動による高層ビル等、建築物に及ぼす影響についての研究を進める。

(4)精度の高い液状化予測図を作成し、液状化対策を抜本的に強化する。液状化による住宅への被害対策に耐震改修助成に準じた助成を行う。

(5)国などと協力し、活断層調査を充実する。

(6)石油・液化天然ガスタンク等の火災対策
 @これまでの石油タンク等の火災原因をすべて把握し、タンクの安全点検を行う。
 A石油タンク等は、津波に襲われないよう防波堤を設置するか高台に移設する。
 B石油タンク等の耐震改修を行う。
 Cタンク内の液体が長周期地震動によるスロッシングであふれないよう施設を改善し、貯蔵量を適正化する。

(7)府庁本館の耐震化を早期に実施するとともに、咲洲庁舎からの全部局引き上げの検討をはじめ、災害に強い効率的な府庁をつくる。南港地区全体の安全なまちづくりを大阪市に強く求める。

(8)「梅田北ヤード」に府民の避難場所となる自然・森林公園づくりをすすめる。


3.医療・福祉のまちづくりの推進

(1)子ども医療費助成制度を府として就学前まで拡充し、市町村とも協力して中学校卒業までへと拡充する。

(2)一時保護所を直ちに1カ所増設するなど児童虐待に対応する職員体制と施設のさらなる拡充をはかる。

(3)安心子ども基金の延長・拡充を国に求め、保育所を増やし、待機児童を解消する。

(4)国・自治体の保育責任を放棄し、保育を保護者の「自己責任」、「企業まかせ」にする「子ども・子育て新システム」は撤回するよう国に求める。

(5)国保への国庫負担を90年代半ばの水準まで戻すなど市町村国保への支援を強化するよう国に求める。国保料を抑制し、国保証の取り上げをやめさせる。国保料アップにつながる「広域化」は行わない。

(6)介護保険
 @介護保険財政安定化基金の取り崩しで保険料を抑制する。
 A大阪府福祉・介護職員処遇改善交付金の継続を国に求める。
 B介護保険制度の利用縮減につながる制度改悪をやめるとともに、抜本的な改善を国に求める。

(7)特別養護老人ホームを増やし、待機者解消をはかる。

(8)高齢者の住宅改造助成事業の復活や健康づくりを市町村と協力して促進するなど、介護予防を拡大する。

(9)府立救命救急センターへの補助を継続・拡充し、機能強化をはかる。千里救命救急センターへの補助金を復活させる。

(10)保健所職員を増員し、市町村とも協力した健診や訪問などの強化により児童虐待・高齢虐待の予防・対策を強化する。

(11)稲スポーツセンターの廃止計画は中止する。

(12)視覚障害者等のガイドヘルパー派遣事業の市町村支援事業を復活する。

(13)福祉医療費助成制度は継続する。

(14)がん検診受診料の負担軽減のための補助制度を設ける。


4.子どもたちが輝く教育の推進

(1)子どもたちをいっそう競争に追い立てる「教育基本条例」は制定しない。

(2)35人学級を小学校3年、中学校1年に拡充し、どの子も伸びるゆきとどいた教育を推進する。高校での35人学級実施に向け検討を開始する。

(3)定数内講師の正教員化を進める。

(4)すべての市町村でより良い中学校給食が実施されるよう、府補助を初期投資の3分の2に改善する。

(5)子どもたちを過度の競争に駆り立てる小中学校学力テスト結果の学校別公表はしない。

(6)知的障害支援学校の増設計画を策定し、順次具体化をはかる。

(7) パーヘッド方式はやめ、私学助成(経常費助成)を段階的に復活する。

(8)学校耐震化のための市町村への無利子融資制度を創設する。

(9)学校警備員配置のための市町村補助を復活する。

(10)学校施設の耐震化を2014年度までに完了する。(再掲)


5.中小企業と雇用の応援、住み続けられるまちづくり

(1)「特区」など大企業依存型の成長戦略でなく、「中小企業振興基本条例」を実効あるものにし、条例の基本方針にそった施策を具体化するための施策推進委員会を設置する。

(2)経済的波及効果の高い住宅リフォーム助成制度を創設する。

(3)地元業者に自然エネルギー利用拡大等の仕事を積極的に発注するなど、地産地消のエネルギー政策を進める。自然エネルギーへの転換を図るための製品開発等への支援を行う。

(4)セーフティネット融資への預託金を復活し、金利を引き下げる。

(5)中小企業への固定費補助(家賃やリース料等への補助)を実施する。

(6)「若年雇用奨励金制度」を創設し、非正規労働者の正規化など雇用促進企業を応援する。

(7)「大阪府公契約条例」を制定し、官製ワーキングプアなくす。

(8)最低賃金の引き上げと派遣労働の原則禁止を国に求める。

(9)府営住宅
 @10年間で1万戸削減する計画は撤回し、戸数増へと転換をはかる。
 A耐震性に欠ける住宅はすべて順次耐震化をはかる。
 B地位承継できる条件を実情に合わせて緩和する。
 C大阪市や市町村への移管を行わない。

(10)買物・医療・介護難民などが生まれないよう、コミュニティバスなどを支援・充実し、「地域の足」を確保する。

(11)歩道の段差解消のための予算拡充や駅舎へのエレベーター設置補助制度の拡充などバリアフリーのまちづくりを推進する。


6.食の安全と農林水産業の振興、環境対策強化

(1)食と農、医療やくらしと雇用・経済を壊すTPPには参加しないよう国に求める。

(2)農林水産業を振興し、地球温暖化防止で役割を果たすとともに、食糧自給率の府計画を達成する。市街化区域内の生産緑地の指定を積極的に進める。

(3)保健所や公衆衛生研究所の機能充実、府の検疫・監視指導体制を強化して、危険な輸入食品、放射能から府民・子どもたちを守る。

(4)温室効果ガス排出抑制努力をいっそう強める。

(5)府内の緑被率向上を計画的に進める。乱開発を抑制し、自然環境の保全、回復・育成に努める。

(6)府内食産材の福祉施設や保育所・学校等での活用など地産地消を推進する。

(7)有害鳥獣対策を強化する。


7.府政運営のあり方、国への要望、被災地支援

(1)橋下大阪市長、「維新の会」の事実上の独裁につながる「府市統合本部」は設置すべきでない。

(2)「時の権力者いいなり」の「ものいわぬ」職員づくりにつながる「職員基本条例」は制定せず、府政運営にあたっては、府民のために英知と熱意が生かされ、職員集団の力が発揮されるよう民主的に行う。

(3)財政運営については、府民のくらし・中小企業への支援を最優先に行い、必要な財源確保に最大限努力する。

(4)広域的地方自治体の責任と役割を放棄する「大阪都構想」や「関西州」にむけた取り組みはやめる。

(5)採算の見通しもなく、緊急性もない、なにわ筋線や高速道路淀川左岸線の延伸、関空リニアなどの高速道路・鉄道計画はストップする。「カジノ構想」にむけた取り組みは行わない。

(6)水道料金の1立方b10円以上の値下げを大阪府水道企業団に働きかける。

(7)ドーンセンターでの相談機能の復活・充実をはかる。

(8)センチュリー交響楽団、国際児童文学館、ワッハ上方への補助を復活・維持する。

(9)大手前・森之宮のまちづくりは、歴史と文化を大切にし、住民合意ですすめる。

(10)食と農、医療やくらしと雇用、経済を壊すTPPには参加しないよう国に求める(再掲)。

(11)「復興」や「社会保障」に名を借りた庶民増税・消費税増税を行わないよう国に求めるとともに、大企業への優遇税制を改め、富裕層への課税を強化するよう働きかける。

(12)労働者派遣法(改定案)の骨抜きは許さず、派遣労働の(原則)禁止を国に求める。最低賃金引き上げを求める。(再掲)

(13)「三位一体改革」で大阪から奪った地方財源(約1500〜1800億円)を元に戻すよう国に求める。地方法人特別税は廃止し、法人事業税の一部として復元する。

(14)「子ども・子育て新システム」は、撤回するよう国に求める。(再掲)

(15)国保への国庫負担を90年代半ばの水準まで戻すなど市町村国保への支援を強化するよう国に求める。(再掲)

(16)引き続き、被災地支援を強める。

以 上




トップページ | 議員 | おもな活動 | 政策・見解 | 定例議会 | 府政資料 | リンク
(c)日本共産党大阪府議会議員団
大阪市中央区大手前2丁目大阪府庁 TEL06(6941)0569 FAX06(6941)9179 メールjcp@gikai.pref.osaka.jp