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暮らし、中小企業応援に 113項目で予算要望/橋下知事に党府議団

 日本共産党大阪府議団(宮原たけし団長)は30日、府庁内で、2011年度の予算編成と施策についての重点要望を橋下徹知事に提出し、意見交換しました。
 要望書は、橋下知事が「財政構造改革プラン」などで「地域主権」をかかげ、府独自の施策を縮小・廃止するとともに、大企業を呼び込むとして高速道路などの無駄な大型公共事業を推進しようとしていることを「無残に失敗してきたことの繰り返しだ」と批判。危機が深刻な大阪経済再生の決め手は府民の暮らしと地域経済の主役である中小企業を応援することだとし、▽暮らし・福祉▽子育て支援▽中小企業振興−など7つの柱で、児童相談所の体制強化、住宅リフォーム助成、商店街予算拡充など113項目を要望しています。
 意見交換では、私立高校無償化拡大に伴う私学助成削減の撤回の要望について、橋下知事が「私学への補助は学校にではなく生徒にが僕の考え」と述べたため、「子どものために頑張る学校のベースが壊れてはならない」と指摘しました。
 中小企業へのセーフティーネット融資のための銀行への預託金廃止の撤回の要望に、「伸びる企業をのばす融資制度にする」とし、府営住宅半減政策の撤回の要望には、「ハードをつくる時代ではない。いきなり半減はしない」と述べました。
 虐待をうけた子どもの一時保護所増設について知事は、「担当部局から提案されている」と述べました。


「しんぶん赤旗」2010年12月1日付より


 日本共産党府議団が橋下知事に提出した「2011年度予算編成並びに施策についての重点要望」は以下の通りです。

 大阪府知事 橋 下  徹  様

2010年11月30日 
日本共産党大阪府議会議員団 
団 長 宮 原 たけし  

2011年度予算編成並びに施策についての重点要望

は じ め に

 日本共産党大阪府議会議員団は8月11日、「2011年度予算編成と施策についての重点要望並びに当面する府政運営についての緊急要望」(以下、要望書)を提出した。
 要望書では、大企業の利益が増大する一方、府内経済は落ち込み、府民の暮らしと雇用が厳しさを増しているなど、「貧困と格差」の拡大、地域経済が疲弊している実態を示し、このような事態を打開していくためにも、国政と府政のあり方を転換し、府政の軸足を、暮らしと雇用の応援、中小企業支援に置き、広域的地方自治体の役割をしっかりと果たすことを求め、具体的施策を提案した。
 その後大阪府が提案した「財政構造改革プラン(案)」や「成長戦略(素案)」などは、「地域主権」などといいながら、「中小企業向け制度融資の改悪」や「福祉医療費助成制度の抜本的見直し」、「救命救急センターへの補助金廃止や運営形態の見直し」、「府営住宅半減」等、大阪府独自の施策は縮小・廃止していく方向が示され、府が果たすべき広域的地方自治体の役割を縮小・放棄するものとなっている。
 「『中継都市』を支える戦略インフラ」として、高速道路や高速アクセス鉄道など、ムダな大型公共事業を推進し、税金の軽減などと合わせ大企業を呼び込もうとしている。
 こうしたやり方は、これまで「内外の大企業を呼び込めば、その波及効果で雇用も中小企業の仕事も税収も増える」として、ベイエリア開発や関空2期事業、高速道路建設などに多額の税金を投入し、無残に失敗してきたことの繰り返しであり、更なる財政破綻を招くものである。
 大阪の危機は全国と比べても深刻であり、しかも長期にわたっている。
 大阪国税局管内で働く民間労働者の4人に1人が年収200万円以下となり、生活保護率は4.3%と都道府県中最高で全国平均の2倍以上、国民健康保険料の滞納者は37万人に上り、滞納率は約25%に及んでいる。中小商工業者の倒産も相次ぎ、府内事業所数は2006年までの5年間に約5万4千カ所減少し、減少率は全国最高の11.4%。約28万人もの雇用の場が失われた。
 大阪経済再生の決め手は、府民の生活の向上で消費を生み出し、世界に誇る高い技術力の中小企業の集積を活かすことであり、「大企業が儲かれば・・・」と、その波及効果頼みの失敗を繰り返してはならない。
 大阪府には、@福祉、教育、医療など、府民生活に直接責任を持つ、A商工業や農林漁業などの産業施策、安心・安全のまちづくりのための河川や道路の改善・整備、環境、高度専門医療、大学など、広域的・専門的施策の実施、B遅れている市町村サービスを底上げし、基礎自治体である市町村を支援する〜という大きな役割があり、こうした役割をしっかりと発揮し、府民の暮らしと地域経済の主役である中小企業を応援する方向への政策転換を図り、暮らしと大阪経済の再生、地方自治の拡充を図っていくことが求められている。
 これまでの国の悪政や長年の開発優先という2つの原因により、大阪府の財政が厳しい状況となっている。しかし、昨年度決算での311億円の黒字や750億円を超える交付金・基金の活用、大型開発の見直しなどで府民施策を充実させるための財源の確保は、ある程度可能である。
 以上の立場から、8月11日に行った要望にそって今日的見直しと補強を行い、改めて来年度予算編成と重点施策について要望する。

1.くらし応援、いのちと健康守る府政へ

 高すぎる国民健康保険料や医療費負担が原因の受診抑制、障害者自立支援法による障がい者の自立阻害、保育所や特別養護老人ホームの待機者増が大きな問題になり、生活苦による自殺、孤独死など、格差と貧困の拡大が、住民の命と健康を脅かす深刻な事態が広がっている。
 国に社会保障や医療、教育・保育などについての責任を果たすよう求めるとともに、住民福祉の増進をその役割とする地方自治体として、府政運営の基本を「くらし最優先」に転換するよう求める。

(1)社会保障
 @ 後期高齢者医療制度は直ちに廃止し、老人保健制度に戻すよう国に求める。
 A 福祉医療費助成制度を現行より後退させない。子どもの医療費助成制度の対象年齢を 就学前まで、段階的に引き上げる。
 B 国民健康保険会計への国庫負担の復元と、福祉医療費助成制度に対するペナルティー の中止を国に求める。住民負担の増大につながる国民健康保険の広域化・統一料金化は 行わない。
 C 国民健康保険証の取り上げをやめるよう市町村を指導する。国保府調整交付金の交付 については、「滞納世帯への資格書の交付」を条件にしない。
 D 国に対し、障害者福祉サービス及び自立支援医療への応益負担の廃止および、移動支 援事業を自立支援給付に改善するよう求める。来年度からの地域生活支援事業市町村推 進事業(移動支援事業に対する市町村補助)の廃止は撤回し、国が自立支援給付にする まで続ける。
 E 街かどデイハウス事業の交付金化は行わない。
 F 医療的ケアの必要な在宅重度心身障害児とその家族に対するヘルパー派遣は2009 年4月の、厚生労働省通知「介護給付費等の支給決定について」に基づき、柔軟に対処 するよう市町村を指導する。
 G 地域福祉・子育て支援交付金は増額する。
 H 国に特別な財政援助を求めつつ、特別養護老人ホームやケアハウスの建設を積極的に 進める。とりわけ大阪府として広域的特別養護老人ホーム建設を促進する。
 I 小口生活資金は原資を大幅に増やし、貸付限度額を当面30万円に引き上げる。貸付 要件の3カ月条項を廃止し、その他の貸付要件を緩和する。生活支援の体制を強化する。

(2)医療
 @ 府立病院で、医師、看護師を確保し、必要な医療機器の更新ができるよう、府の役割 を果たす。運営費負担金を削減しない。
 A 市町村の妊婦健診公費負担額を増やし無料に近づけるよう支援し、府も予算措置し、 国に交付金の継続を求める。
 B 子宮頸がん予防ワクチン、ヒブワクチンを無料で接種できるよう府として助成制度を 設けるとともに、国に向けて定期接種化を働きかける。
 C 保健所での医師をはじめとする人的体制の拡充・整備を図る。
 D 小児をはじめとする救命救急医療体制を身近で確保する。すべての医療圏で、第3次 の救命救急医療体制を充実するため、府の役割を果たす。
 E がん検診受診料の負担軽減を実施する。また、がん検診の精度を高めるために市町村 や医師会等との連携を強め、研修の取り組み強化や精度の高い検診実施を支援する。
 F 府の看護師受給計画を見直すなど、医師、看護師不足の解消に取り組む。
 G 成人病センターの建て替えは、移転を前提とせず、患者や病院関係者、地域住民の意 見をよく聞いて、早期に実施する。

(3)府営住宅
 @ 府営住宅将来半減政策は撤回し、現ストック総合活用計画は堅持しつつ戸数増を図る。
 A 地位承継の対象者に低所得者も加える。
 B 駐車場の清掃・管理業務を希望する自治会からは取り上げない。
 C 府の府営住宅管理責任は堅持する。指定管理者の民営化は十分検証し、必要な見直し を行う。
 D エレベーターの設置数を増やすなど、住環境の改善を計画的にすすめる。

(4)消費者行政充実
 @ 全市町村が消費者センターを開設し、役割を発揮できるよう支援する。
 A 「ヤミ金」、多重債務者対策を強化する。

2.子どもが大切にされ、安心して子育てできる社会  すべての子どもの学力や成長発達を支える教育を

 児童虐待が大きな社会的問題となっている。大阪では今年に入ってすでに8件の死亡事件が起き、都道府県別の相談件数では5436件と、神奈川県に次いで全国2番目の多さである。
 虐待が急増する背景には、生活苦や将来不安、親の社会的孤立などがあり、その解決と同時に早期発見、早期対応ができる仕組みと体制づくりが緊急に求められる。
 また、保育所、学童保育の充実などとともに育児休暇が取得できるなど人間らしい働き方ができる社会的条件の整備、学校や保育所、地域の医療機関、保健所など公的機関と連携した体制づくり、学校安全交付金など総合的な対策で子どもの安全を守り、少子化を克服していくことは、社会の持続的発展、経済の成長にも欠かせない。
 過度の競争など、子どもの教育をめぐる問題も深刻である。大阪府内公立小中学校での2009年度の不登校児童・生徒数は約8500人で、中学校では3%以上が不登校となっており、教育条件の充実が求められる。

(1)子どもの安全、子育て支援
 @ 虐待対策を強化する。児童相談所の人員体制強化、市町村の相談体制の充実のために 充分な財源措置を講じるよう国に求める。府の子ども家庭センターの専門職を増員する。 市町村と協力して、要保護児童対策地域協議会の機能強化をはじめ、子育て支援ネット ワークを充実し、児童虐待の早期発見と防止に努める。
 A 中央子ども家庭センター・一時保護所を増設し、定員を拡大する。
 B 市町村への学校警備員配置のための財政措置(学校安全交付金)を継続する。
 C 保育所の待機児解消は、「詰め込み」でなく、認可保育所の増設で行うよう、市町村 に助言する。
 D 保育所の最低基準等の設定が都道府県に委ねられた場合、現行の水準を後退させない。
 E 府として「学童保育条例」(仮称)を制定し、指導員の身分を保障するとともに、集 団の規模、保育時間などの設置基準を策定する。
 F カジノ誘致の検討は中止する。ギャンブル・ポルノなどの退廃文化、暴力団等から子 どもを守る。

(2)教育
 @ 学級編制基準見直しを国に求めるとともに、府独自に小学校3年生と中学校1年生の 35人以下学級を実施する。
 A 学校の教育活動に支障が出ないよう、正規教職員の採用を増やす。非常勤講師の待遇 は改善する。
 B 私立高校生への授業料支援金制度を拡充する。
 C 私学経常費助成の削減は行わず、国基準にまで段階的に戻す。私立高校間の競争を煽 り、教育を歪める経常費補助金の「パーヘッドの原則」や「パフォーマンス評価」によ る配分を行わない。
 D 高校公私比率については、2011年度高校入試の動向を踏まえ、教育の機会均等、 教育を受ける権利を保障する立場で適切に対応する。
 E 進学指導特色校や「大阪一斉学力調査」など競争教育の助長はやめ、希望者全員が高 校に入学できるようにする。
 F 学校給食法に基づく中学校給食を、市町村が実施できるよう支援する。

(3)障がい児教育
 @ 知的障がい支援学校4校分の施設改善(スプリンクラー、厨房など)を行う。
 A 今後の障がい児童・生徒の増加をふまえ、支援学校の増設計画を新たに立てる。
 B 正規教職員の増員などで、体制を確保する。

3.くらし雇用守り、中小企業の振興を経済政策の根幹に  にぎわいと活気ある大阪へ

 経済政策は、都道府県だけでは完結できないが、地方自治体としても地域経済活性化に力を尽くす責任がある。
 中小企業は府内企業の99%を占め、、雇用の6割近くを支えるなど、地域社会・経済における比重は大きい。中小企業の振興を経済政策の根幹に据えることが重要である。
 しかし、仕事の減少に加え、下請単価たたき、流通大手などによる優越的地位の濫用、大型店の無秩序な出退店などが中小企業の成長を阻害し、衰退させている。
 府内中小企業の技術力は、世界に誇る水準であり、ハイテク、オンリーワンの技術、製品を持つ企業も多い。そうしたものづくりの基礎・周辺技術をもつ中小企業が幅広い業種で集積する大阪は、日本有数の「ものづくりのまち」である。今、町工場をはじめ、こうした中小企業とその集積が危機にさらされている。これは、単に地域経済にとどまらず、日本産業の存亡にかかわる事態である。
 商店街・市場などの小売店は、地域住民の生活とコミュニティを支えており、その衰退は、地域のまちづくりにとって深刻な影響を及ぼす。
 中小企業の活性化は、地域経済の活性化だけでなく、住民のくらしの向上につながる。
 制定された府中小企業振興基本条例、さらに国の中小企業憲章の精神を生かし、中小企業振興局(室)を設置するなど、全庁的な中小企業振興に取り組む必要がある。

(1)ものづくり、建設業など産業支援
 @ 法人税引き下げの国際競争の中止を呼びかけるよう国に求め、府の「法人税特区」構 想は撤回する。
 A 大企業誘致のための補助金等優遇制度を見直す。
 B 一定規模以上の生産拠点の移転に際して、事前に府と協議する制度を設ける。
 C 中小企業向け官公需発注比率をいっそう高める。
 D 住宅リフォーム助成、農林水産物・間伐材等の地産地消、公共事業の分離分割発注な ど他部局と連携した効果的な対策を講じる。中小業者の相談等の窓口を統一する。
 E あんしん川づくり事業、住宅・道路・駅舎・施設等の耐震化・バリアフリー化推進な ど安心・安全・快適なまちづくりの事業を進め、地元中小企業に仕事が回るようにする。
 F 地域経済・産業・雇用などについての調査・研究能力を高め、成果を中小企業振興、 府民生活向上に生かす。全事業所の実態調査を行う。中小企業家や専門家が参加する中 小企業施策の検討・提案機関を設置する。
 G 小規模事業経営相談事業など経営相談、支援体制を充実する。
 H 家賃・機器のリース代など固定費補助を国に求め、府としても取り組む。
 I 下請取引適正化のための実効ある措置を国に求める。公共事業における下請取引の適 正化に努めるとともに、公契約条例を制定する。
 J 府立産業技術総合研究所は、府直営で機能を充実し、市町村とも協力した試験・研究・開発 の技術的支援を強化する。耐用年数が過ぎ、老朽化した機器の更新のための特別予算を 組む。独立行政法人化は行わない。

(2)雇用
 @ 派遣切り、サービス残業など職場の労働実態や、非正規など不安定な状態に置かれて いる青年らの雇用実態を調査し、就労支援とともに職業訓練、住居・生活支援などに反 映する。
 A 就職できなかった高卒生などを府として短期雇用し、就職活動を支援する。資格取得 等スキルアップを応援する。
 B 最低賃金の時給1000円への引き上げと中小企業への必要な支援を国に働きかけ  る。府の最低賃金引き上げに力を入れる。
 C 府立高等職業技術専門校や大阪障害者職業能力開発校での職業訓練を充実し、定員を 拡大する。
 D 労働相談、JOBカフェOSAKA等を充実する。
 E 「地域活性化・公共投資臨時交付金」を活用し雇用を増やす。
 F 大企業に新卒者採用増、正規雇用確保などを要請するとともに、補助金支出企業に、 いっそうの正規雇用確保など雇用に対する責任を強く求める。
 G 国に対し、労働者派遣法の抜本的見直し、労働者保護法の制定を求める。

(3)市場・商店街
 @ 商店街関係予算を増やし、市町村、商店街等と連携した使いやすいものとする。
 A まちづくり3法の抜本見直しを国に求め、大型店の出退店を規制する。大型店、チェーン 店の地域活動への積極的参加を促進する。
 B 福祉、地域コミュニティと連動した支援(独居高齢者宅などへのファクス設置援助、 ご用聞きなど)を行う。
 C 商店街・市場等が地域に果たす役割を踏まえ、アーケード・照明・施設整備等への支 援を強化する。
 D 大規模小売業者と納入業者、荷主と物流事業者の取引などで「優越的地位の濫用」を なくす実効ある措置を国に求める。

(4)制度融資
 @ セーフティーネット融資における預託金廃止をやめ、信用保証の負担割合は据え置く。 金利引き下げなど、利用しやすい制度とするなど、中小企業金融に責任を持つ。
 A 大手銀行等金融機関に中小企業、府内経済育成の立場からの金融の円滑化を要請する。

4.芸術・文化の多面的発展、男女平等、  若者が人間らしく働き、成長できる大阪を

 芸術・文化は、市場原理だけにまかせておいては、その多面的な発展を図ることはできない。「格差と貧困」が拡大するもと、多くの住民は、これまで以上に、芸術や文化から遠ざけられ、芸術・文化団体や芸術家らも、その活動に大きな困難をきたしている。
 芸術・文化に接し、創造し、楽しむことは、国民の権利でもある。こうした条件を整えるのは行政の責任でもある。
 賃金格差など、世界でも異常な女性への差別を是正し、女性も男性も、仕事と家庭が両立できる条件整備が求められる。長時間労働の一方での就職難、非正規雇用の広がりなど、青年を取り巻く状況は深刻の度合いを深めている。若者が人間らしく働き成長できる社会をつくることは、少子化の進展を食い止め、大阪・日本の将来とってきわめて重要な課題である。

(1)芸術・文化、スポーツ等
 @ ピースおおさかへの補助金を増やし、平和発信機能等を拡充する。「友の会」会員が 増えれば収入増として補助金が減額される仕組みの改善策を早急に具体化する。
 A 文化関連予算を復元し、文化振興条例にもとづき文化行政を発展させる。
 B ワッハ上方を、大阪の伝統文化を継承発展させる施設として運営する。
 C センチュリー交響楽団への支援は継続する。
 D 府立大学を総合大学として発展させ、学問研究の拠点として地域経済と府民生活向上 に役立てる。府内で学んだ学生が、府内で働き、住み続けられるよう支援する。

(2)青年、男女平等
 @ ドーンセンター事業を男女共同参画推進事業、青少年の拠点にふさわしく充実する。
 A 所得税法56条廃止を国に求めるとともに、自営業・農業における女性の労働を正当 に評価し、支援する。
 B 芸術・文化・スポーツなどを行う青少年、青少年団体の活動の場所確保を、青少年等 関係者の声を聞いて進める。
 C 新婚家賃補助制度を創設する。

5.食と生活、環境支える農林水産業の振興、地球環境を守る

 日本の食料自給率は約4割で、先進国中異常な低さである。TPP(環太平洋連携協定)への参加が実現すれば、日本農業は壊滅的打撃を受ける。食料自給率向上を真剣に目指し、安心して農業に励める農政へ転換、農業を日本産業の根幹に据えることが強く求められている。
 大阪農業も、1980年に約5万戸あった農家戸数が2002年には2万8千戸と約半減するなど、深刻な事態に至っている。それでも、「しゅんぎく」の生産量は全国1位、「ふき」は4位、「みつば」は8位、「ぶどう」7位と奮闘している。
 農業は、人びとの食と生活を支え、地球環境の保全や防災にも貢献し、地産地消など地域経済にも役立つ。国に農政の抜本転換を求めるとともに、地方自治体として市町村とも協力し、地域に密着した農業振興を行うことはきわめて重要な課題である。
 今年の猛暑、台風の大型化などによる災害の大型化、生態系、農産物への影響など、地球温暖化の進行が危惧されている。地域からも地球環境問題に取り組むことが重要である。また、大阪では、都心部などのヒートアイランド現象も深刻である。温暖化物質の大量排出者への規制強化等を中心に地球温暖化対策、自然環境保全・再生の取り組みが重要である。

(1)農林水産業
 @ TPP(環太平洋連携協議)に参加しないよう国に求める。
 A 「都市農業振興法」(仮称)の策定を国に求める。
 B 間伐への支援を強化するとともに、ペレット・コークスなど間伐材の利用拡大をすす める。府内産材の公共事業への活用を拡大するとともに、府内産材を使用した建築物へ の支援を強める。
 C 体験型事業を支援し、理解を深める。後継者育成対策を強化する。
 D 水産業においても地産地消の取り組みを強化し、漁場の再生を積極的にすすめる。
 E 環境農林水産総合研究所の独立行政法人化を中止する。
 F 鳥獣被害対策を強化する。
 G 国に費用負担も要求し、府としても支援し、山林等の地籍調査を急ぐ。

(2)環境保全と地球温暖化対策
 @ 温暖化ガス25%削減の国の方針に見合った計画を確立し、府庁も事業所として先進 的役割を果たす。大規模事業所の排出量削減、中・小規模事業所への支援などで効果 的に進める。
 A 公害対策を強め、大気、水質等の改善に努める。ヒートアイランド対策を強化する。
 B 小水力等の自然エネルギーや、再生可能エネルギーの利用を促進し、機器開発での府 内中小企業との協力(開発、試作支援など)をすすめる。
 C 廃棄物抑制、再生・再利用、下水汚泥による煉瓦、舗装、バイオエネルギー利用など で、府立大学の研究とその実用化を支援する。
 D ナラ枯れ対策を強化し、森林の保全に努める。

6.防災・ダム問題

 @ 槇尾川ダムは、河川整備委員会の議論を踏まえて、ダムに頼らない河川整備をすすめ る。
 A 安威川ダムは、想定以上の雨でも破堤など大災害に至らないよう、堤防補強・あんし ん川づくり事業を進め、ダムは建設しない。
 B 高潮、風水害対策の強化、崖地、河川等における危険箇所の把握に努め、対策を講じ る。
 C 「ゲリラ豪雨」対策の強化と避難路の確保、危険性の周知などに努める。
 D 学校、病院、橋梁等公共建築物の耐震化を急ぐ。災害に強いまちづくりをすすめる。
 E 要援護施設が立地する土砂災害の危険箇所の整備は緊急を要する。予算を重点的に配 分し、整備を急ぐ。

7.府の広域的役割の強化、住民自治のいっそうの拡大を

 「地方分権」、「地域主権改革」の名で進められている権限移譲などは、国の社会保障や教育などの最低基準を保障する責任を放棄し、住民福祉の機関としての地方自治体の機能と役割をさらに弱めることにつながる。さらに、道州制を視野に入れた自治体のいっそうの広域化と改編は、経済界が求める大企業や多国籍企業が活動しやすい条件づくりであり、府と大阪市の解体・再編も権限と財源の集中で、大規模な産業インフラ整備を推進しようというものである。
 一方で、住民には自己責任と互助を迫るその手法は、地方自治体を住民福祉の機関から、大企業の経済活動を支援する機関へとつくりかえる性格を有している。
 地方自治体の裁量を拡充するための税源移譲は当然であるが、これまでの「三位一体改革」などでは、むしろ自治体の税財源と裁量権の縮小をもたらしてきた。国は、ナショナルミニマムに責任を持ち、地方交付税など地方財源の確保、調整の機能を果たすことが必要である。地方自治体としても、効率的な財政運営を行うとともに、それぞれの条件に応じた施策の展開を、住民自治の拡大をはかるもとですすめられるようにすべきである。

 @ 大阪都や道州制を前提とした府政運営を行わない。
 A 府庁移転は断念する。旧WTCビルへの部局移転を中止する。
 B 府職員給与を段階的に復元する。
 C 市場化テストで民間委託した事業については、適切なモニタリングなど、十分な検証 を行い、府が直接実施すべき事業については、府直営に戻す。特に、府税事務所窓口業 務及び府税滞納者への催告業務については、直営に戻す。
 D 市町村への権限移譲については、市町村の意向を尊重するとともに、移譲する場合は、 必要な財政措置を行う。府としての府民サービス、広域・専門的役割を損なわないよう にする。
 E すべての同和対策は終結する。人権問題に関する府民意識調査は中止する。
 F 地域支援人権金融公社無利子貸付金の返済を強く求める。同公社から住宅供給公社へ の融資は新年度から中止する。
 G 府の行政改革、財政再建は、府民の暮らし向上を基本にすすめる。大型公共事業など を見直し、効率的な行政で住民福祉の増進を図る。
 H 府水道事業の企業団への移行にあたっては、市町村への安定供給に責任を持ち、市町 村、住民、水道関係者の意見をよく聞いてすすめる。
 I 関西空港、伊丹空港のあり方は、需要動向や安全性とともに大阪府民の利便性などを 踏まえて検討する。関西空港のハブ化のための巨額の投資を伴う高速鉄道建設などは行 わない。関西空港会社の経営問題は国の責任で解決する。
 J 知事は、米軍普天間基地・訓練の受け入れ検討発言を撤回し、無条件撤去を求める。
 K 淀川左岸線延伸部、関空リニア、なにわ筋線は、手を付けない。
 L 箕面森町第3区域は、箕面森町開発の巨額の赤字を縮小するため、実施しない。
 M 中之島バンクス、ライトアップ、水辺づくり、中之島にぎわいの森づくりなどの事業 は、必要性や効果、他の事業とのバランスを熟慮し、見直す。
 N 大手前・森之宮まちづくりは、成人病センター移転新築、府庁舎移転を前提にせず、 大阪城公園、難波宮跡など周辺の歴史文化的価値を生かし、住民参加で検討する。
 O 関西広域連合は、「関西州」のステップとしない。参加自治体の自主性の尊重、住民 福祉の向上に努め、地方自治、住民参加の後退・縮小をしない。
 P 府内地域ごとの「出前議会」など、府民が府政を身近に感じられるようにするための 施策を検討、住民参加を促進する。

日本共産党府議団「2011年度予算編成並びに施策についての重点要望」PDFファイルはこちら


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