2005年9月定例会本義会での奥村健二(堺市選出)の一般質問と太田知事及び教育長の答弁
2005年10月7日
奥村健二議員 日本共産党の奥村健二でございます。
最初に、府立五病院の地方独立行政法人化と母子保健総合医療センターについてお聞きをいたします。
府立五病院は、本年2月議会に特定地方独立行政法人とする定款が議決をされ、今議会には独立行政法人への職員の引き継ぎに関する条例が提案されており、来年4月1日より法人のもとでの運営になろうとしています。
この独立行政法人化は、府立五病院が基幹病院として担ってきた高度専門医療の役割を低下、縮小させるものではないかという重大な懸念が持たれています。さらに、独立行政法人への移管は、病院職員の意思を全く無視して職員の身分変更や労働条件を変更するもので、職員に雇用不安をもたらしています。
そこで、私の地元にある府立母子保健総合医療センターを例として取り上げ、ただしてまいります。
去る5月、日本テレビで「小さな命を救え 巨大母子病院の真実」というドキュメンタリー番組が放映され、同センターが母と子の命を守るきらめくとりでと紹介されました。知事は、この番組をごらんになりましたでしょうか。同病院が果たしてきた、また今果たしている役割をどう認識されますか。番組の感想を含め、お聞かせをいただきたいと思います。
同センターでの一年間の分娩数は1660件、その多くは、胎児か母親に何らかの問題を持つ高リスク出産であります。周産期及び小児医療の最先端は、すぐれた医師と、経験豊かできめ細かな対応ができる国基準を上回る数の看護師の存在によって実現しているものであります。
府が設置した地方独立行政法人評価委員会の8月26日の審議では、複数の委員から、医師や研究を充実すれば不採算になる今の医療制度では、普通の努力をしても黒字にならない、よい医療をしながら借金を減らすことはできない、両立しないとの意見や、国立病院機構は財政面ではトップの評価を受けたが、現場が疲弊している、患者にプラスかどうかという疑問が払拭できないとの意見、さらに人件費を減らすことで医療事故が多発との意見などが出されました。
これらの意見は、経費削減と効率性を追求する独立行政法人は、医療の分野になじまないという強い懸念を示したものであります。全国に誇るこの母子保健総合医療センターを含む5病院の独立行政法人化は、行うべきではありません。知事の答弁を求めます。
また、府立5病院の経営を大きく圧迫している要因に、毎年180億円前後支出されていた一般会計からの繰り入れが、病院経営改善10カ年計画により1999年度から130億円前後へと大幅に削減されたことがあります。高度専門・不採算医療を保障するというなら、繰入金額の復元が必要です。答弁を求めます。
また、医療水準の確保・向上には、経験豊かな医師、看護師の存在が欠かせません。国立病院の看護師の平均在職5年に比べ、府立病院は在職年数13年です。今、府立病院を支えているベテラン看護師が早期退職を余儀なくされることのないよう約束できますか。知事の答弁を求めます。
さらに、母子保健総合医療センターでは、その役割を周産期から小児期へと拡大発展させてきたことを踏まえ、今後、小児期から成人期に至るまで十分な保健と医療ケアが受けられるように、成育・医療部門の整備充実が求められています。また、学齢期の子どもたちの入院治療の重要な条件でもあり、学ぶ権利を保障するため、センターでの教育環境の整備が必要です。それぞれに答弁を求めます。
次に、府営住宅の問題についてお聞きします。
住宅は、人間が健康で文化的な生活を営む上で最も大事な条件の一つであります。中でも府営住宅は、低所得者の居住の安定、居住水準の向上のために重要な役割を果たしています。
ところが、府営住宅は、今大きな問題に直面しています。
その第1は、府営住宅に入居しにくくなっていることです。府営住宅の応募倍率を見ると、98年の8.7倍に対し、ことしの5月では14.5倍と高くなっています。また、府営住宅特別募集では、徹夜で申し込みの順番待ちをする人がふえてきたため、今月の募集からは申し込み順を抽せんで決めると変更されましたが、それだけ府営住宅入居が難しくなっています。
第2に、入居者の高齢化が一層進んでいるという実態です。入居者の中で65歳以上の人の割合は、1997年には大阪府全体の高齢化率とほぼ同じの13.9%であったのが、2004年には23.3%と府全体の17.5%を大きく上回っております。高齢化の進行によって、上層階から一階への住宅がえの希望がふえていますが、対応し切れない、自治会活動が困難になる、孤独死が増加するという事態が起こっています。
府は、現在、大阪府府営住宅ストック総合活用計画に基づき建てかえや改善を進めています。ところが、この計画では、総戸数13万戸の範囲での計画となっており、戸数をふやすものとはなっていません。これでは、府営住宅のふえる入居希望にはこたえることができません。ましてや、府が方針にしている若年世帯の入居をふやすことはできないのではないでしょうか。府営住宅の建てかえに際しては、高層化による余剰地が発生しているわけですから、余剰地のすべてを売却するのではなく、一定割合は増戸数のために活用し、新規の府営住宅建設を行うべきであります。知事の答弁を求めます。
さらに、ストック活用計画では、建てかえ1万6200戸、高齢者向け改善1万800戸、車いす用改善40戸、エレベーター450基などの計画になっていますが、そもそもこの目標が低過ぎるのではありませんか。2001年度から始まったこの10年計画は、中間年で点検、見直しをすることになっています。目標を引き上げるべきです。答弁を求めます。
さらに、ストック活用計画の進捗状況は、本年度の事業見込みを加えても、目標量に対して建てかえが50%、高齢者向け改善46%、中層エレベーター設置36%、団地内バリアフリー化三六%という状況です。これでは、計画内に目標を達成することはできないのではありませんか。住宅改善の取り組みのスピードも上げるべきです。知事の答弁を求めます。
私の地元堺市泉北ニュータウンは、1万5800戸の府営住宅が集中しています。1小学校区単位で見ると、全世帯数の50%以上を府営住宅が占めるところが20小学校区中3校区、40%以上は3校区あります。したがって、高齢化問題は大変深刻です。
大阪府は、地域にこのように大量の府営住宅を持ちながら、これまでは主に建物の維持管理というハードの面しか施策を行ってこなかったのではないでしょうか。今後は、良好な住宅を維持し、地域の福祉の向上、コミュニティの活性化のためにもかかわることが必要ではないでしょうか。現在、公共住宅のシルバーハウジングには、生活援助員を派遣する高齢者住宅等安心確保事業がありますが、既成住宅にも高齢者が多い団地には、日常生活支援等の対策をとることを求めます。知事の答弁を求めます。
堺市では、堺市地域福祉計画を策定しました。今年度から、市全体の計画に続き、支所区域版のこの策定を進めています。そのモデル的な取り組みとして、泉北ニュータウンでスタートしました。今後、具体化されていくことになりますが、今後のまちのあり方を左右するほど大量の府営住宅を持つ大阪府として、地域の取り組みに積極的に参加していくべきと考えるものですが、知事の答弁を求めます。
次に、障害者問題について質問いたします。
障害者、家族に多くの不安と心配を広げてきた障害者自立支援法は、さきの国会で審議未了、廃案となりました。しかし、郵政民営化法案否決のあおりを受けただけ、法案には問題ないとして今国会に再提出をされました。
もともと政府は、障害者自立支援法を通常国会当初の会期末、6月19日までに成立させるつもりでしたが、障害者団体の幅広い運動が取り組まれる中で、法案の持つさまざまな欠陥が明らかになり、慎重審議を求める声が国会内外で広がり、会期延長後に与党だけの賛成でようやく衆院を通過をさせることになったのです。我が党は、障害者自立支援法に強く反対することを改めて表明するものです。知事は、法案の成立後に備えるということだけでなく、幅広い障害者団体の慎重審議を求める声を政府に伝えるべきであります。
今後の障害者施策は、この障害者自立支援法の動向に大きく影響されるものでありますが、ここで私は、生活施設について質問をいたします。
昨年、政府が発表した今後の障害保健福祉施策について、いわゆるグランドデザイン案では、地域生活支援を進めることになっています。障害者が地域で生活をするといっても、現状ではその基盤整備は全く不十分であります。障害者が地域で生活することを保障するものとして、グループホームの推進がありますが、府営住宅の利用促進を図るとともに、整備促進のために補助金を出すことを求めるものです。現在は、グループホーム運営の補助制度はありますが、それは世話人のための費用であって、わずかな年金と作業所の工賃だけしか収入のない入所者には、食費、水光熱費や家賃の負担も大変な状況です。家賃補助など援助制度をつくるべきと考えますが、それぞれ知事の答弁を求めます。
さらに、地域生活支援を打ち出す一方で、施設の入所期限を設けようとするなど入所施設をなくしていこうとする動きがあります。障害者が安心して生活できるためには施設の役割は大きく、家族のニーズも高まっています。親が高齢化している中で、親亡き後ではなくて、親が元気なうちに我が子が生活できる場をと願うのは当然のことであります。府として、入所施設の役割を明確に位置づけ、入所施設の拡充を図るべきだと考えますが、知事の答弁を求めます。
最後に、障害児教育と養護学校について質問します。
教育委員会は、知的障害のある生徒の高等学校への受け入れを進めており、来年度から受け入れ校を五校から九校に拡大しようとしています。しかし、この施策は、知的障害を持つ生徒の成長発達を保障する立場から十分検証される必要があります。入学した知的障害を持つ生徒がどう成長したのか、受け入れによる教育的効果はどうであったのか、さらに成長発達を保障するためにはどのような人員配置や施設整備が必要なのかを十分検討することです。学校関係者や府民的な論議も必要です。このような点から、受け入れの拡大を急ぐのではなく、これまでの取り組みのきちんとした検証を求めるものです。教育長に答弁を求めます。
次に、過大過密が深刻な養護学校について質問をします。
障害児教育実施の責任は都道府県教育委員会にあることは学校教育法で明記されていますが、堺市は市立百舌鳥養護学校で知的障害児の教育に古くから取り組み、泉北地域の障害児の教育保障において大きな役割を果たしてきました。しかし、百舌鳥養護学校には、今年度百95人が在籍していますが、府立養護学校と比べて校地面積が半分以下という狭い学校のため、これ以上の入学者は受け入れられません。それらの受け入れられなかった子どもたちが府立和泉養護学校に入学するため、和泉養護学校も過大過密化になっています。
過大過密問題を解消するには、新たな学校の設置しかありません。私は、一昨年と昨年の9月議会でこの問題を取り上げ、新たな学校建設を求めました。これに対し、昨年、教育長は、堺市と十分協議をしてまいりたいと答えました。
堺市からは、府に対し、教育環境の新たな整備について格段の配慮をと来年度予算に対する要望が提出をされております。そして、先日、堺市教育長が、元府立上神谷高校跡地において堺市立百舌鳥養護学校の分離新設を図りたいとの表明がありました。この間、府市の間でどのような協議が行われてきたのか、事態の打開のために府はどのような対応をするつもりなのか、明らかにされたい。教育長の答弁を求めます。
深刻な実態は、泉北地域だけではありません。府下全体では、児童生徒数300人を超える養護学校は、佐野、富田林、寝屋川、八尾の4校、200人以上は11校となっており、過大過密は年々深刻になっています。長年養護学校の整備増設を放置してきた教育委員会の責任は重大です。例えば、養護学校のない枚方からは、寝屋川と交野養護学校に155人の知的障害児が通学をしています。新たな学校建設なしには、過大過密の解決はできません。養護学校建設の計画を立てることを重ねて求めますが、知事並びに教育長の答弁を求めます。
以上で第1回目の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
副議長(中村哲之助君) これより理事者の答弁を求めます。知事太田房江君。
太田房江知事 奥村議員の御質問にお答えを申し上げます。
まず、母子保健総合医療センターについて一括してお答えをいたします。
母子保健総合医療センターは、周産期・小児期疾患への高度専門医療を提供する府域の拠点施設であります。御指摘の番組は、私も見ました。緊張した治療の現場、患者さんの家族のセンターに寄せる信頼と期待、そしてこれにこたえようと渾身の力を注ぐ医療スタッフの献身的な働きぶり、これらが大変印象的でありました。
府立の五病院については、高度専門医療の提供と医療水準の向上、患者・府民の満足度向上、それらを支える安定的な病院経営の確立、これらの3つの基本理念のもと、公的使命を継続的に果たせるよう、来年4月に地方独立行政法人に移行することにいたしております。
一般会計からの繰出金については、その性質上、行政が負担すべき経費や不採算医療に係る経費について、法律に基づき措置してきたところであり、今後とも法の趣旨に沿って適切に対応をしてまいります。
府立の各病院では、すぐれた技術や豊富な知識・経験を有する医師や看護師などの医療スタッフを確保し、全国でも屈指の高度専門医療を提供してまいりました。独立行政法人化を機に、さらに医療スタッフがやりがいを持ち、府民の期待にこたえるとともに、高度専門医療の提供と患者サービスの向上に取り組めるよう病院改革を進めてまいります。
お示しの成育医療については、母子保健総合医療センターは周産期・小児医療の拠点施設であり、今後ともその役割を十分果たすことが重要と考えています。引き続き診療が必要な患者については、他の医療機関との連携により適切な医療の提供に努めてまいります。
母子保健総合医療センターに入院している病気療養児の教育については、院内に府立羽曳野養護学校の分教室を設置しており、ベッドサイドでの授業や各階ごとに病室の近くに授業用の部屋を確保するなど、必要な教育条件の整備を行ってきております。今後とも、教育の機会の均等を確保する観点から、教育委員会とともに分教室の適切な運営に努めてまいります。
次に、府営住宅の建てかえ等について一括してお答えを申し上げます。
府営住宅は、平成13年度からの10年間を計画期間とする府営住宅ストック総合活用計画に基づき、建てかえや改善事業等を計画的に推進しているところです。この計画は、来年度に点検し、ストックを活用する観点から、必要な見直しを行うことにいたしております。建てかえについては、新たな供給は行いませんが、建てかえにより生み出した用地は、多様な住宅や地域の活性化につながる施設の導入など、良好なまちづくりにつながるように活用をしてまいります。また、住宅改善事業については、日常生活を営んでいる中で実施をする事業でありますので、自治会や入居者の同意を得て、目標達成に向け、今後ともその円滑な推進に努めてまいります。
次に、高齢者の日常生活支援についてですが、府内ではひとり暮らしや高齢者のみ世帯が増加をしており、地域での見守りやきめ細かな相談活動が必要というふうに認識をしております。本府としては、見守り訪問活動事業などの実施によって高齢者が住みなれた自宅で安心して暮らし続けられるように、今後とも市町村への支援を行ってまいります。
次に、地域の取り組みへの対応についてですが、本府では、市町村や地域住民が主体となって進める地域福祉活動との連携を図りますとともに、引き続いてグループホームへの住戸の活用や、建てかえにより生み出された用地への社会福祉施設の導入等を進めてまいります。
次に、障害者の生活支援についてお答えをいたします。グループホームの整備を推進するため、府営住宅の活用を進めるとともに、住宅改造助成事業などにより住まいの確保を支援してまいります。また、運営安定化支援費補助金など府独自の助成によりまして、グループホームの円滑な運営を図っているところでありまして、家賃補助制度の創設は考えてはおりません。入所施設につきましては、地域生活への準備の場あるいは生活の場としての役割がございますが、今後とも入所者の地域生活への移行を支援する役割が重要になりますことから、そうした取り組みの促進に努めてまいります。
最後に、養護学校の教育環境の充実については、教育委員会と協議をしながら必要な改修、増築などに取り組んできております。今後も、教育委員会から養護学校の状況を十分に聞きながら協議検討を進めてまいります。
副議長(中村哲之助君) 教育長竹内脩君。
教育長(竹内脩君) 障害教育に関する3点の御質問にお答えいたします。
まず、知的障害のある生徒の高等学校への受け入れについては、平成13年度から5年にわたり調査研究を実施してきたところです。この間、知的障害のある生徒は、自立心が高まるなど集団の中で生活する力を着実に身につけてきているほか、周囲の生徒の障害者理解も深まってまいりました。本年8月の府学校教育審議会答申においても、これらの教育的効果に触れ、府が施策として取り組むことの意義は大きいとされております。教育委員会としては、この答申を踏まえ、来年度からの実施方針案を示したところです。今後とも、府民のニーズを踏まえながら、知的障害のある生徒の後期中等教育の充実に努めてまいります。
次に、堺市立百舌鳥養護学校についてですが、これまで堺市教育委員会とは、府と市との役割分担のもと、堺市域における知的障害のある児童生徒の教育を推進するために、小学校や中学校の養護学級を増設するなど種々の協議を行ってまいりました。今回の堺市教育委員会の表明については、政令指定都市移行を目前に控え、堺市の障害教育の充実を目指されるものと理解しております。今後とも、これまでの経緯を踏まえ、ともに学び、ともに育つ教育を基本に、これまで以上に障害教育の充実に向け緊密に堺市との協議を進めてまいります。
最後に、養護学校の教育環境の充実についてですが、知的障害養護学校におけるここ数年の生徒数の増加を踏まえ、府立佐野養護学校の増築を行うなど必要な施設設備の整備に努めてきました。今後とも、ノーマライゼーションの動向や児童生徒数の推移を見ながら、さまざまな手法により対応してまいります。
副議長(中村哲之助君) 奥村健二君。
奥村議員 再質問をさせていただきます。
府営住宅の問題についてですが、私は第一問で、府営住宅の応募倍率が年々高くなってきて、府営住宅に入居しにくくなっている、府営住宅に若年世帯が少なくなってきているという事実を指摘し、改善のためには、府営住宅の建てかえの際、戸数をふやすべきであるというふうに提案をしました。ところが、知事の答弁は、府営住宅の新たな供給は行わないというだけで、府営住宅に入居しにくいとか、若年世帯が少なくなっているなどの事実については触れておられません。
そこで、改めて知事に問い直したいと思います。知事は、府営住宅に入居しにくいとか、若年世帯が少ないなどの事実をお認めになりますか。認めるとすれば、どういう対策を考えているのか、ぜひ正面からお答えをいただきたいと思います。
次に、府営住宅のストック活用計画の目標の引き上げのことですが、答弁はただ来年度に計画を見直すというだけで、見直す方向が示されておりません。
そこで、具体的に申し上げますが、例えばエレベーターの設置目標は450基です。しかし、中層団地の階段室は9609列あります。450基は、わずか4.6%にしかすぎません。府営住宅の高齢化の率は、ことしの3月までで23.3%、これからさらに高くなります。その対策としてのエレベーターの設置の目標が4.6%では低過ぎるのではないか、これはだれが見ても明らかではないでしょうか。この低過ぎる目標について知事はどう考えているのか、明瞭な答弁をお願いします。
次に、堺市立百舌鳥養護学校の分離新設問題ですが、堺市百舌鳥養護学校の過大過密の解消の学校新設については、大事なことは、これは堺市の問題ではないということです。堺市を含め泉北地域の過大過密の解消につながることであり、懸案となっていたこの地域での課題を解決すること、大阪府の責任が問われている問題、これを解決するということにつながると思います。
堺市からは、具体的に元上神谷高校跡地を活用しての分離新設をしたいという表明がされています。これは、府としても、何としても実現をさせなければならないことなんです。そのためには、府は最大の努力をしていただかなくてはなりません。府有財産の活用ということでありますから、教育長では答えにくいことかもわかりません。今後、具体的な相談がされていくでしょう。最高責任者としての知事として、新設校実現で子どもたちの教育条件の整備を図るのだという決意をお聞かせください。
府立五病院の問題は、一般会計からの繰り入れの問題ですが、繰り入れについては法に基づいて措置してきた、こういうお答えでしたが、府立五病院は高度専門医療の重要な役割を果たしています。母子保健総合医療センターの例を挙げましたが、それらを今後とも保障していくためには、国基準ではなく、府がこれまで行ってきた水準の繰入金が必要です。削減ではなく復元されるよう重ねて求めます。
以上です。
副議長(中村哲之助君) 太田知事。
太田知事 奥村議員の再度の御質問にお答えを申し上げます。
まず、府営住宅建てかえに際しての新規の住宅供給についてですが、府営住宅について最近5,6年のところを見ますと、応募倍率が上昇傾向にあるということは私も承知をしております。私どもとしては、13万6000戸あるこのストック活用という観点から、新たな供給は行いませんけれども、22年度までの10年間で約1万6000戸の建てかえを進めることにしているわけであります。若年世帯については、新婚・子育て向けに年間四百戸の特別の募集区分を設けるなど、若年層の居住ニーズにもこたえていきたいと考えております。
次に、住宅改善事業の目標についてですけれども、住宅改善事業の目標量は、府営住宅で高齢者のいる世帯数等を踏まえ適切に設定しているものでありまして、その目標達成に向け事業の円滑な推進に努めてまいります。来年見直しの時点に差しかかっておりますけれども、これに際しては、適切な目標を設定し事業の円滑な推進に努めてまいる所存です。
次に、百舌鳥養護学校の件でありますけれども、御指摘の点については、これまでも教育委員会の方で堺市とは十分協議をしておるところです。今後も、より一層連携を密にして、障害のある子どもたちの教育の充実を図ってまいります。
以上でございます。
副議長(中村哲之助君) 奥村健二君。
奥村議員 自席でさせていただきます。
府営住宅の建てかえの問題ですけれども、倍率がふえているということは知事は認識していると。そして、一方で、若年層の分をまた新たに幾つか確保しているということであれば、全体で見れば、余計これはまた入りにくいという状況が高まっていくということは事実です。だからこそ、その戸数をふやす、こういうことを要求をしております。来年の見直しのときには、ぜひ全体の改善の問題では目標量を引き上げていく、こういうふうなことで、府営住宅は府営住宅としての役割があります。他の民間マンション、そういう住宅ではかわれないこの府営住宅の役割、それがますます大きくなってきていると思いますので、ぜひそのことについて、戸数をふやす、目標量を引き上げる、このことをやっていただきたい。
それから、養護学校の問題では、堺の問題だけではなくて、他の地域、府下全体で深刻な事態になっているということは、これは我々申し上げているように、学校増設、新設をやらなければ改善ができないことは明白です。ぜひこの子どもたちの教育の実現のため、保障のために、最低限の府の役割として学校建設を進める、そのことを重ねて要望しておきます。
以上です。