環境産業労働常任委員会(2025年10月16日) 石川たえ府議の知事質問

・賃上げ支援について
◆(石川たえ委員) おはようございます。日本共産党の石川たえです。
まず、賃上げ支援についてお聞きをいたします。
稼ぐ力といいながら、府内多くの事業所が、今、大幅賃上げに踏み出せていません。この状況を知事としてどう捉えているのか、お聞かせください。
○委員長(上田健二) 吉村知事。
◎知事(吉村洋文) 府内の中小事業者の多くは賃上げに取り組んでいますものの、実施に至っていない事業所もございます。引き続き物価上昇が見込まれる中、企業が持続的な賃上げを実施していくためには、企業自らの稼ぐ力の向上が重要だと考えていまして、国や関係機関とともにその支援に取り組んでいきます。
○委員長(上田健二) 石川委員。
◆(石川たえ委員) この議論は大分長いこと知事とさせていただいているかなと思っているんですが、今おっしゃったみたいに、この間、ずっと稼ぐ力への支援と、こういう御答弁が繰り返されております。
二〇二五年の関西地域の倒産件数は、四月から九月で千三百三十四件、十二年ぶりに一千三百件を超えた、こういう報道がありました。委員会でも申し上げましたが、府内の倒産件数は、令和七年度四月から八月で約五百二十件、現在、府の支援策が広く府内事業所の稼ぐ力につながっていないというふうに思っております。
二〇二四年度の労働関係調査結果では、今後、賃上げ実施する予定なし、これは従業員一千人以上は五・五%なのに対して、十人から二十九人では一四・四%、このうち、毎年実施するのは難しい、こう答えておられる企業が五・三%もあります。東京商工リサーチの調査では、毎年の賃上げを持続できそうか、この問いに対して、持続的な賃上げの見通しが立っていないと答える企業は三四・六%にも上っております。
これは、小規模事業所ほど賃上げ直接支援策なしに賃上げは進んでいかないということを表していると私は思います。稼ぐ力が重要というふうに言われますが、生産性の向上、販路拡大等、間接的支援は賃上げをしたくてもできないという事業所の苦しみに応えられていないというふうに思います。
最賃の引上げ率は、二〇二三年、四・〇%、二〇二四年、四・七%、二〇二五年、五・七%。一方、消費者物価指数は、二〇二四年、一〇八・三、二〇二五年九月で約一一二・二、約四%上がっているわけです。この間、最賃が上がった分というのは、ほぼ物価高騰で消えているというのが今実情だというふうに思っています。
直接の賃上げ支援は持続可能ではない、こういうふうによく繰り返されていますけれども、直接支援が持続可能じゃないと言われる根拠をお示しください。
○委員長(上田健二) 吉村知事。
◎知事(吉村洋文) 企業の賃上げに対して、税を原資として直接支援を行うということは、その効果が一時的であり、持続的な賃上げの実現にはつながらないと考えています。今後とも、価格転嫁の促進とともに、企業自身が稼ぐ力を身につけて、持続的に賃上げができる環境を整備していくこと、それを支援していくことが重要だと考えています。
○委員長(上田健二) 石川委員。
◆(石川たえ委員) 効果は一時的やというふうにおっしゃっているんですけど、価格転嫁の支援をしていくというふうにも言われていたんですけど、価格転嫁でけへんと言っておられる事業所さんもいっぱいあるんですよね。じゃ、そこにどう応えるのかというのはなかなか具体的になってないんじゃないかなというふうに思います。
効果が一時的と言われますが、岩手県では物価高騰対策賃上げ支援金として賃上げの直接支援が行われています。二〇二四年の第一回目の実績を見ると、二千八百八十九事業者に約十億円支給をされています。支給対象者は二万人を超えました。事業実績・規模では、五人以下が二八%、二十人以下が四二%と、二十人以下の事業所が七割を超えているわけです。利用した事業所の方からは、以前からもっと給料を出してあげたいと思っていたと、思っていたけれども出してあげれなかったから、本当にこの制度はよかったと非常に歓迎もされていますし、労働者の側は、賃金が上がっていきますので、やはりこれも歓迎もされているというふうに聞いています。直接の賃上げ支援の効果はこういうふうに出ているんですよ。なのに、持続的支援につながるこの直接的な賃上げ支援を大阪府はどうしてやらないのか、知事、もう一回教えてもらってもいいですか。
○委員長(上田健二) 吉村知事。
◎知事(吉村洋文) 企業の賃上げ、賃金のところですが、そこを税を原資として、補助金として直接支援を行うということは、その効果は一時的だと思っていますし、持続的な賃上げの実現にはつながらないと思っています。
今後とも、国、関係機関等とも連携しながら、やはり価格転嫁であったり生産性の向上、そして販路の拡大、そういった稼ぐ力への支援、ここを実施して、中小企業自らが持続的に賃上げできるように取り組んでまいります。
○委員長(上田健二) 石川委員。
◆(石川たえ委員) 税を投入しても、それは一時的なものだというふうに言わはるんですけど、一時的であったとしても、そうやって事業所を守っていかなかったら、倒産がどんどん増えている中で賃上げの支援につながっていかないというふうに私は思います。りそな総研も、今後の景気の鍵を握るのは個人消費だと、賃上げ効果の出る七月の数値が低調だったことに留意が必要、こういうふうに指摘をしております。物価高騰に追いつく賃上げが進んでいかなかったら個人消費は伸びていきません。結局、景気の低迷から抜け出せないことにつながっていきます。
稼ぐ力を私は否定いたしません。稼ぐ力に併せて、一時的であったとしても、やっぱり直接賃上げの支援をして労働者と事業所を守っていくというのが大阪府が踏み出すべき方向性だというふうに思うんですけれども、もう一回聞いてもいいですか。どうして直接的な賃上げ支援をしないんでしょうか。
○委員長(上田健二) 吉村知事。
◎知事(吉村洋文) 企業を経営されたら分かると思うんですけれども、企業が賃金を出すということは、企業の生産性を上げて、そしてその利益から賃金を出していくというのがやはり必要なことであり、生産性の向上が重要だと思います。そこを、税の補助金を直接支給したとて、その効果は本当に一時的だと思いますし、持続的な賃上げの実現にはつながらないと思います。企業自身の稼ぐ力を支援するほうが持続的な最終的な賃上げにつながってくると思いますし、企業の生産性を向上させることが重要だと思います。
○委員長(上田健二) 石川委員。
◆(石川たえ委員) そこは否定しないんです。生産性の向上は重要だと思っています。稼ぐ力をどんどん身につけることも必要だと思っています。でも、今の大阪府の支援策で稼ぐ力はついていない事業所もいっぱいあるわけです。そこの事業所が困っていると、賃上げしたいと、賃上げして人材確保したいというふうに言われているのに、それは持続的じゃないというふうに言われ続ける知事の姿勢はどうかと私は思いますので、引き続き、事業所の事業継続とつながるためにも直接支援を行うべきだと、他県にもしっかり学ぶべきだということを申し上げておきたいと思います。
・万博工事未払い問題について
◆(石川たえ委員) 次に、万博の未払い問題についてお聞きをいたします。
万博は、国家プロジェクトと位置づけられ、成功というふうに報道もされておりますけれども、工事代金の未払い問題は万博倒産を生み出すのではないかと危惧をしております。
そもそも、万博パビリオン建設は、中小建設業者や設備事業者の確保が課題だという建設業界、関係団体の指摘を受けて多くの事業者が手を引く中で、絶対に間に合わすと、令和五年八月には知事と大阪市長が協力要請文を七団体に発出しています。定例記者会見でも呼びかけられ、地元建設業との懇談など、建設促進への繰り返し協力を呼びかけて行われてきたものだと思います。
それに応えて、開幕に間に合わせるために、昼夜を問わず過労死レベルと言われる苛酷な工事を行い、建設協力してきた事業者が、ここに来てはしごを外されて未払い、こんな被害に遭うなんてとんでもない事態だと思っています。このまま放置すれば、これは万博の負の遺産となります。
被害者救済のためにも、無利子、無担保、無保証の万博未払い対応融資制度を創設し、万博倒産を防ぎ、被害者を救済する一助とすべきだと思いますが、見解を求めます。
○委員長(上田健二) 吉村知事。
◎知事(吉村洋文) 資金繰りに苦慮する府内の中小企業者に対しては、相談に加えて、金融機関、大阪信用保証協会と連携して円滑な資金提供に努めておりまして、経営安定サポート資金など相談者に適切な制度を提供しているところです。
また、大阪府外の中小企業者には、日本政策金融公庫や所在する自治体の制度融資の窓口を案内しているところです。
未払い問題については、これは民間事業者同士の契約上の法的なトラブルでもあります。場合によっては司法の力を借りる場合も必要だと思いますし、当事者間で解決することが基本であるというふうにも思っています。そこに税金を充てて、無利子、無担保、無保証の融資制度を創設するということは難しいかと思います。
○委員長(上田健二) 石川委員。
◆(石川たえ委員) 税金を充てるのは難しいというふうにおっしゃっているんですけど、融資なので、実際に税金が必要なのは利子補給分ぐらいじゃないかなというふうに思います。
相談者の皆さんに最適な制度を紹介している、これは、紹介していただいていることを聞いていますので、ありがたかったなというふうにも思っているんですが、ただ、それで万事解決とは全くなりません。
そもそも万博そのものは、先ほども申し上げました国家プロジェクトと位置づけて、国や大阪府、大阪市、万博協会挙げて取り組んできたはずです。知事は、万博協会の副会長として開催の先頭に立ち、先ほども申し上げました協力を呼びかけてきました。大阪経済の起爆剤と万博開催を促進してきた知事が、未払いは民間事業者同士の契約上のトラブルであり、当事者解決、こんなふうに言われるのは、私はやっぱり道義的に見てもよろしくないと、被害者を見放すのかというふうに思います。
十月三日、マスコミの問いに対して、知事は、何とかしてあげたい、こういうふうに言われていました。何とかしてあげたいんだったら、当事者間の解決というふうに言わないで、きちんと融資制度をつくって救済に当たるべきだと思いますが、もう一度求めます。救済制度をつくってもらえませんか。
○委員長(上田健二) 吉村知事。
◎知事(吉村洋文) もちろん何とかしたいという思いもありますし、そして、これがいいことだというふうに思ってもいません。それゆえに、相談窓口や、できる限りの相談というのを協会も通じて行っているところでもあります。
ただ、ここの本質は、未払いとされるんですけども、未払いと請求を受けている側は、その未払いがないという主張もされていて、そこに書面がなかったりもしている。つまり、未払い債権があるかないかが争われているものがほとんどです。場合によっては債務不存在確認訴訟も裁判所に提起しているものもあるというふうにお聞きをしています。そうなってくると、やはりこれは契約上のトラブル、いわゆる法的な問題であって、そこに行政が直接介入するということは難しいかと思いますし、そこに府民の皆さんの税を充てて支援するということも、やはりここは筋として難しいのではないかというふうに思っております。
○委員長(上田健二) 石川委員。
◆(石川たえ委員) 債権の問題は、おっしゃるとおり、これから解決していかなあかんもんですよ。大阪府ができるものだとも私も思いませんし、法にのっとってやったらいいかなと思うんですけど、ただ、事業者がこれで未払いがあったから倒産しましたという結果を大阪府としてつくるべきじゃないというふうに私は思います。この未払いで倒産しそうだと言っている事業所さんはこれから五月雨式に出てきますよ。せめてそういうところを救ってあげる制度を大阪府としてつくるべきだというふうに私は思いますので、よろしくお願いします。
・PFOAについて
◆(石川たえ委員) 最後に、PFOAの問題についてお聞きをいたします。
ダイキン淀川製作所が汚染源だというふうに認めていながら、権限がないと、ずっとダイキンによる調査については非公開、この態度を大阪府は崩しておりません。ダイキンの中で何が起きているのか、住民への被害がどうやって広がったのか、大阪府はどんな対策を取ってくれるのか、これが住民の知りたいことであるにもかかわらず、非公開という態度を続けるのはどうしてか教えてください。
○委員長(上田健二) 吉村知事。
◎知事(吉村洋文) PFOAにつきましては、府に法的な権限がないことから、自主的取組を促進するために、地元摂津市とダイキン工業とともに対策連絡会を設置し、ダイキン工業に対し、様々な対策を要請してきました。
これを受けまして、ダイキン工業においては、敷地内に遮水壁等の設置を進めているほか、住民等からの相談窓口も設けているところです。
委員お示しのものについては、連絡会の場において、公開しないことを前提にダイキン工業から提供を受けた情報、そういったものについては、ルール上、府から直接提供することは難しいということになります。
ただ、一方で、府として、敷地内の調査結果の開示ということ、こういった情報については、住民の不安を和らげる上でも重要だと考えていますので、引き続き、ダイキン工業に対して自主的な開示を要請していきます。
○委員長(上田健二) 石川委員。
◆(石川たえ委員) 非公開が約束なので大阪府が勝手に公開できませんとおっしゃる意味合いは私も十分分かるんですけど、非公開ですと言われて、要請しているんですけど、ずっと非公開と言われているので公開できませんという態度を大阪府は何年も続けているんですよね。これから先も自主的に公開してもらえるように要請しますと言われてみても、あの中で何かが起こっているのに、そのことを知りたいと住民は思っているのに、大阪府は一体何してくれんの、お願いだけというふうに必ずなりますよ。私は、それではあかんというふうに思っています。
先日、ダイキン工業が、二〇〇〇年度初頭から二〇一五年頃、PFOAと接する業務にあった従業員への血液検査を行っていた、このことが明らかになっております。今年九月の地域の農業委員への説明会で、ダイキンの事業部長が、二〇〇〇年当時、従業員のPFAS検査を実施、四桁、五桁以上の従業員でも、当時、健康影響が出ているのは確認できなかった、こういう報告が先日されておりました。
しかし、例えば、四桁、一千ナノグラムであったとしても、アメリカ環境保護庁が健康被害のリスクが上がるとするのは二十ナノグラムです。これを大幅に超えているわけです。京大チームが発表した論文では、工場の元従業員五人から高濃度のPFOA検出、そのうち三人が間質性肺疾患を発症した、こういう報告がされておりました。人体への影響が懸念されているからこそ、対策の前提となる情報開示を住民は求めているわけです。その結果を公表し、地域住民との因果関係を調査し、健康被害への対策を行う指導をすることが大阪府の役割だというふうに私は思います。
二〇〇〇年代初頭の従業員検査について、専門家は、貴重なデータであり、情報公開すべきだ、こういうふうに指摘もされております。環境省も、公表されればPFASに係る研究への検討ができるというふうに言われています。非公開だというふうに言い続けないで、お願いするだけではなくて、ダイキン工業が公開できるための対策を強く求めて終わりたいと思います。ありがとうございました。
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