日本共産党代表質問(要旨)

2008年7月7日
宮原 たけし

 日本共産党の宮原たけしです。わが党議員団を代表して、今年度予算案ならびに、大阪「維新」案などについて、知事に質問します。

 はじめに、岩手・宮城地震で亡くなられた方々に心から哀悼の意を表するとともに、被災者の皆さんにお見舞い申し上げます。では、質問に入ります。

 まず、予算や「維新」案の変更についてです。

 すでに、府議会の各党会派から、わが党も4月と6月に見解と予算要望を出しました。知事は、府議会の論議を踏まえて、私学助成の削減、警察官・教職員・一般職員の給与などについて見直すつもりがありますか。

 また、7月3日時点で、請願署名は302万筆、それ以外に303団体・個人、10市議会から要望が寄せられ、パブリックコメントも14日まで行われています。府民の意見によっては、当然見直すべきです。

 ところで、府の資料には私学関係者の2万4000枚のハガキや高校生の2097人のメッセージは入っていません。府には署名、要望がいくら寄せられたのでしょうか。

 それぞれ、答弁を求めます。

 さて、暮らしはどうなるでしょうか。まず私学助成です。昨年4月入学者の場合、公立を希望しながら、私立高校などに行かざるを得なかった生徒が9776人もいたことをご存じですか。

 この子どもたちの授業料負担が平均6万4千円も増えます。

 また、助成の上限が年間収入800万円から540万円に引き下がれば、今でも5割の対象生徒が3割に落ち込みます。

 ある家庭の声です。

 娘は「『私学は授業料が高いからがんばって公立に行くよ』と勉強していました。不合格になり、親に迷惑をかけると、ずーっと落ち込んでいました。『私学助成も奨学金もあるから頑張って』という夫の励ましもあり、今年から私学に通っています。不況で、夫の収入は減り、家も引っ越すことになりました。娘は遅くまで工場で働く夫に、目に涙をいっぱいためて『お父さん、ごめんね』と言います。夫は、単価が落ちた分を長い時間働らき、私も手伝い、今では年間600万円ぐらいに回復しました。娘があと1年遅く生まれていたら、授業料補助がもらえませんでした」

 授業料補助削減は、見直すべきです。

 また、幼稚園から高校・専修学校にいたるまで、国基準額を下回る経常費助成を5%から25%も削減すれば、学費値上げは避けられませんが、どうですか。

 以上3点、答弁を求めます。

 また、知事は、障害者は配慮したと言います。しかし、子どもや障害者、ひとり親の医療助成制度は、来年度から所得制限を引き下げ、自己負担を1割にする方向で、市町村と相談するとしています。

 重い脳性まひの子どもを持つお母さんの声です。

 「息子は月に何度か発作を起こします。そのたびに専門の病院へ走るのです。風邪のときは近所の医者に行きます。歯がうまく磨けないので歯医者にも行きます。どこでも500円です。1割になれば、財布の中身を気にしなくてはなりません。障害者にとって医療は命をつなぐことです」

 この声をどう思いますか。

 さらに、母子寡婦福祉連合会の調査では、若い母親では年収150万円以下が72%、「児童扶養手当」を加えても200万円程度です。また、母子家庭でなくても300万円以下の年収の家庭も普通です。乳幼児の医療費助成は、他の都道府県や大阪市では拡充されています。今回の改悪は子どもやひとり親家庭にはひどすぎるとは思いませんか。2500円上限といっても大金です。

 それぞれ答弁を求めます。

 さらに、ガイドヘルパー派遣など、障害者施策の多くが縮小で、団体への補助金も軒並みカットです。

 障がい者は、程度の差はあっても社会的偏見の中で、団体をつくり、助け合ってきました。補助金は事務所の家賃やスタッフの人件費に当てられています。例えば大阪では10万人を超す精神障がい者がいます。家族会は情報提供、悩みの相談、支え合いをしてきました。保健所には届きにくい相談も受け止めてきました。

 245万円の補助の縮小は、家族会の存亡にかかわり、精神障がい者と家族がますます社会から孤立することになります。

 また、視覚障害者福祉協会は生業指導活動を行っています。この生業指導事業が廃止です。生業指導は、342人の視覚障害者が行う21000件の鍼灸治療に対する診療報酬の請求事務を代行する事です。予算額は1000万円ですが、カットの影響は甚大です。

 母子寡婦連合会なども含め、必死に支え合っている団体への補助金削減は余りにも冷たいのではありませんか。答弁を求めます。

 次に350名もの府立学校の教務事務補助員などの今年度末の解雇です。財政難で教員が減らされる中、補助員は実験、実習、図書館、パンフレットの印刷と製本などの仕事をしていますが、年収は110万円。ワーキングプアそのものです。

 ある職員は、「気の毒なくらい忙しい先生に、授業の合間に実験の準備をし、片づけをすることなど不可能です。実験授業そのものができなくなり、しわよせが来るのは生徒たちです。『実験のとき顕微鏡で観た自分の細胞に感動しました』と言われたときなど、誇りをもちます。先生1人では授業をやれなかったと思います。学校現場では欠かすことのできない仕事です」と語っています。PTAなども署名に取り組んでいます。

 知事もこの人たちの仕事の重要性はわかると発言されています。解雇計画は撤回すべきです。

 ここで、まとめて答弁を求めます。

 次に文化です。「統計で見る都道府県の姿」では、人口100万人当たりの博物館数では大阪は47位、勤労青少年施設は45位、青少年教育施設は22位、社会教育施設は47位、女性学級や講座数も47位です。

 知事は文化・青少年の施設が少ないことをご存じですか。

 また、近年、小説家や芸術家だけでなく、歌舞伎や笑いまで東京一極集中がすすんでいます。大阪文化の低迷は大阪の格を下げ、府民の心の安らぎにもマイナスです。知事はどう思いますか。答弁を求めます。

 次に、ワッハ上方・演芸資料館についてです。89年に伝説の漫才師の砂川捨丸氏のご遺族が鼓を、夢路いとし・喜味こいしさんが秋田実の直筆台本を大阪府に寄贈、岸、中川知事時代に計画が進められ、96年に開館しました。

 関係者や府民、千人からの収蔵品は5万7千点、毎日放送、朝日放送、関西テレビ、讀賣テレビ、ラジオ大阪、NHKなどから、昭和26年から2665番組の映像・音声が提供され、日本で唯一の笑い文化の殿堂です。305席のホールは78%、70席のレッスンルームと50席の小演芸場は99%の稼働率、文字通り、ミナミの都市力、文化力の拠点です。わずかとはいえ黒字です。

 問題は、委託料1億3千万円、吉本興業への賃借料2億8千万円、計4億1千万円の大阪府の負担でした。知事は、ワッハに行った時、「値引き交渉は」と質問されました。その後、吉本興業から来年度から半額以下の1億4千万円以下にする提案があり、今後も交渉の用意があると発言されています。また、5千万円の収入を増やすことも含め、運営にあたる放送6社とNPOの決意をこめた要望書も出されています。

 ワッハは、千日前でこそ値打ちがあります。「笑いと健康パック」事業も開催され、府民も元気をもらっています。ミナミの健全な発展のためにも大阪府の負担を大きく減らしながら、マスコミ、笑いを愛する府民、吉本などの協力で、現地存続に知恵を出そうではありませんか。答弁を求めます。

 次に国際児童文学館です。図書館とは違い、「児童文化の総合資料センター」と「子どもの読書活動支援センター」という2つの役割があります。1979年に鳥越信氏が12万点もの児童文学のコレクションが、これ以上管理できないということで「引き続き集めること」「整理して公開する」という2つの条件で、全国300の自治体や大学に公募し、大阪府の要請で、万博跡地にできたものです。

 大阪は明治37年に日本最初の子ども雑誌「こども」が発刊され、現在でも「家庭文庫」が盛んです。本を読まない子どもが増え、心の荒廃が言われるなか、小中学校の教員、図書館の司書、児童文学の研究などにとって、文学館は重要です。

 70万点の図書が収集され、4000巻の街頭紙芝居、グリム兄弟、アンデルセンなどの児童文学も収集し世界に誇る施設です。国際児童図書評議会をはじめ12の海外の研究会、3つの全国的出版社団体、ほとんどの児童文学団体が、現地存続を要望しています。建物、膨大な蔵書、専門スタッフ、子どもの本の普及のノウハウ、一体のものではありませんか。現地存続について、吹田市も含め、関係者と知恵を出し合ってください。

 青少年会館、男女共同参画財団も含め、文化や施設などは、府民と関係者、大阪府が共同で今日までつくってきたものではありませんか。府民や関係団体との慎重な時間をかけた話し合いを求めますが、どうですか。

 ここでまとめて答弁をいただきます。

 次に人件費です。府には5万5600人の教職員、2万2600人の警察官、1万200人の府庁職員がいます。非常勤もたくさんいます。
 まず、高卒初任給14万4500円、大卒初任給17万8800円は高いものですか。
 また、文部科学省の一昨年の8月を含めた調査でも小中学校とも1日11時間を超す労働時間、警察官でいえば、年休が5日もとれない、深夜も携帯で連絡を待つ子ども家庭センターの職員、こうした努力によって、大阪の教育・治安・福祉などは、底支えされていますが、この事実はお認めになりますか。
 ところが職員の賃金、教職員や警察官の苦労や努力は、府民には余り知られていません。ましてやセンチュリー交響楽団やワッハ上方の人が年収200〜300万で頑張っているなどは、知られていません。
 客観的事実が知らされないまま、「公務員たたき」が一部識者などによって行われています。
 知事は、職員の役割と苦労をもっと府民に知らせて、意見を聞くべきです。
 以上3点について答弁を求めます。
 また、条例案が、議会に提案されていますが、並行して交渉を再開し、職員団体と労使合意を求めて真摯に話し合うべきです。答弁を求めます。

 さて、大阪産業と地震対策も危惧されます。
 産業振興については、製造業の3分の2の出荷額、商業など、中小企業の活性化は、大阪の最重要の課題です。ところが、商店街等元気づくり事業、ものづくり基盤技術高度化支援事業、クリエイション・コア関連などは後退しています。予算の拡充を求めます。また、小規模事業経営支援事業費補助は、中小企業の経営ノウハウなどを支援する大切な施策です。商工会議所などと十分協議し、維持すべきですがどうですか。また、中小企業・地域経済振興条例の制定を求めますがどうですか。
 さらに、都市農業を大阪府の条例に基づいて発展させることや、間伐の促進など、林業発展も重要です。サミットでも、食糧や環境問題がテーマとなります。
 農林業の発展について認識を問うものです。

 地震対策では、中央防災会議は、上町断層を震源とする直下型地震の被害を死者4万2千人、経済被害74兆円と発表しました。府の想定は、死者1万3千人で、差が大きすぎます。被害想定を見直すよう求めます。
 また、府は2016年度までに、耐震性を満たす住宅を90%にする目標です。耐震性が不十分な住宅は48万戸ですが、昨年度の耐震診断は、946戸、改修はわずか18戸、耐震改修補助は府内で15市町にすぎません。すべての市町村が取り組むよう予算を増やし、働きかけを強めるよう求めます。
 また、文部科学省の4月の調査によると、震度6強以上で倒壊の危険性がある公立小中学校が全国で約1万棟、大阪は1045棟と突出しています。国の補助金の拡大とともに、高知県のように府としても補助して下さい。
 それぞれ答弁を求めます。

 さらに、市町村補助金を交付金方式にする問題です。
 学校警備員の配置、訪問看護利用料助成など、府の独自補助がたくさんあります。しかし、市町村の財政力には差があります。国の「三位一体の改革」で、地方が、財源が伴わない仕事を押し付けられ、サービスの低下をもたらしているのと同じ事になりはしないか。子どもの命を守る警備員の配置は大丈夫でしょうか。

知事は、「自己責任と互助」、「住民サービスは市町村で、府は発展的に解消して、関西州」と言いますが、府民向け施策は市町村に押し付けるのですか。道州制は、日本経団連など財界の強い要求であり、国は軍事と外交、道州は大型開発をやり、財政基盤の脆弱な市町村に住民サービスを集中させると言われています。他府県との十分な議論がない段階で道州制を強調するのはなぜですか。
 ここで答弁を求めます。
(1525)

 第2の柱は財政再建と政治姿勢です。まず、5兆円近い借金の理由です。
 第1は大型開発です。例えばりんくうタウンは、当初は前島方式でしたが、甲子園の80倍の320ヘクタールを埋め立て、1700億円の事業費に変わりました。
 ところが大和銀行などの主導で、“宝島”をつくるとして一挙に5500億円、西日本一高いビルも2つつくる計画になりました。
 わが党は、1984年当時から、なぜ埋め立てに変わったのかと追及し、破綻が明らかになった1992年2月議会では、見直しを主張しました。その後、いったん契約しながら、勝手に撤退を決めた、当時の大和、住友、三和などが主導する、それぞれのグループには328億円の延滞金を取るよう求めました。しかし、大阪府は見直さず、ゲートタワービルは、破綻がはっきりしていた90年代後半につくられる始末でした。今日では事業費が7000億円を超し、一般会計からの繰り入れ予定は1789億円です。銀行に払われた利息は1095億円、今後も合わせて1816億円です。
 245億円の税金を投入したゲートタワービルは8年で破綻し、府は新生銀行グループに37億円の税金を投入して格安で売却しました。
 最初から最後まで、大銀行とゼネコン言いなりで、今後も1800億円近い財政投入が予定されています。
 維新案でのりんくうタウンの分析は甘いものですが、知事はどう総括しましたか。

 また、私が10年前の9月議会で再検討を求めた関空2期事業は、利子も含めて1140億円大阪府が負担しましたが、離発着は1期の供給量である16万回〜18万回を下回り、13万回にも達していません。

 大手新聞全てが凍結・見直しの社説を書き、外国航空会社協議会も2期事業の延期と着陸料の値下げを求めました。

 しかし、大阪府は関西財界と一体となって強引にすすめ、2007年供用開始が決まった2004年には、太田知事は「9回裏サヨナラヒット」と言いました。

 大阪府議会のほとんどの会派が、90年代前半には、りんくうタウン事業を推進し、関空2期事業も推進しました。

 財政危機のもう一つの原因は、国の景気対策に追随したことです。

 バブル崩壊後、1992年から98年にかけて、宮沢、村山、橋本内閣など、国は景気対策として借金だのみの公共事業を押しつけました。

 この間に、大阪府は、4兆1700億円の公共事業、借金は2兆2400億円増えました。府債は、2兆9000億円発行されていますがその多くは30年返済ですから、2020年代半ばまでローンは続きます。借金は、国が後で地方交付税で面倒を見る約束でした。

 しかし、国は90年代の後始末が本格化する2003年から06年にかけて三位一体改革を行い、地方財源を大きく削ったのです。小中学校の教職員の賃金や、国民健康保険の運営費などが、地方に押しつけられ、地方交付税も全国で5兆円削られました。大阪府も2000億円以上減らされました。前鳥取県知事の片山氏は「社長の命令で残業をやったのに、手取りは減った」と国のペテンぶりを皮肉っています。しかも国は、「財政健全化法」をつくり、あらたな財政再建の基準で国民いじめのリストラを全国の自治体に押しつけたのです。

 知事、あなたが今やっていることは、こうした国の住民いじめの政策のトップランナーになろうとしているのです。総務省や財務省は、あなたに拍手喝采だと思います。国の地方いじめと、きちんとたたかうべきです。答弁を求めます。

 また、関空への500億円の無利子貸付金の繰上償還やりんくうタウンの今後の大手銀行への利払い免除を求めるべきです。

 ここで答弁を求めます。

 財政再建には、今後、大型開発や、同和のムダ遣いを正すことも、必要です。
 大和川線には、「大阪の再生・成長の柱」という位置づけで、今まで通り建設されます。

 しかし大和川線は、阪神高速の交通量と渋滞量の減少で、採算性が悪くなり、必要性も低下したため、府は当初計画では阪神高速への6・25%の出資でしたが、国の方針で出資の他に825億円の府道事業をすすめる計画に変えられました。
 こんな筋の通らない税金の使い方を、知事は引き継ぐのですか。

 新名神高速道路についても、知事は「国の道路ネットワークの根幹」という従来の位置づけで、471億円の関連府道を建設する計画です。
 新名神は高槻・神戸北間で建設費7133億円の異常な計画です。箕面トンネルで水量が減った箕面の滝は、新箕面トンネルでさらに水量減少が心配ですがどうですか。471億円の関連道路そのものも見直すべきではないでしょうか。
 次に、箕面森町第3区域の開発は、知事は新名神の工事から生まれる残土160万?を受け入れ、実質的な開発推進の方針を決めました。第3区域の森林や自然は、残土の受け入れでどうなるのか、開発は黒字に転換できるのか、説明を求めます。

 ダムでは、安威川、槇尾川の両ダムとも、事業は必要としています。近い将来、本体着工するということです。ダムが完成しても貯める水は流域に降る雨の一部で、弱い堤防が補強されなければ水害は止められません。ダムによる環境へのマイナスや、直下型地震によってダムが壊れる心配もあります。

 付け替え道路などを差し引いても、ダム本体を中止すれば437億円のばく大な税金投入が節約できます。本体の建設を中止すべきです。答弁を求めます。

 結局、知事は大型プロジェクトを一つでも見直したのか、答弁を求めます。

 さらに大阪府に毎年、400億円もの負担を押しつける国直轄事業負担金について、3点質問します。

 淀川水系4ダムについて、国土交通省近畿整備局は先月、ダム建設をすすめる計画案を発表しました。近畿整備局の諮問機関、淀川水系流域委員会は整備局が委員会の意見を無視してすすめようとしていることに、強く反発しています。水害対策で一番大切な堤防補強が不十分なまま、効果の乏しいダムを優先しているからです。

 ダム建設について大阪府は国直轄事業負担金が課せられます。支払い済みは262億円ですが、今後の負担金は、私たちの試算では638億円です。

 国交省は現在、大阪府に4ダムを含む河川整備計画案について、意見を求めています。知事はきっぱりノーの回答をすべきです。

 2つは関空連絡橋です。大阪府は国が関空会社から連絡橋を買い取る費用の3分の1、65億円の負担を求められ、今年度は7億円です。

 買い取りで通行料を1500円から800円に下げると言われますが、府の負担が増え、他の予算が削られるのはマイナスです。連絡橋買い取りの負担は返上すべきです。

 3つ目は、地方自治に逆行する直轄事業負担金制度は、国に廃止を求めるべきです。それぞれ答弁を求めます。

 同和対策の終結も急務です。PT試案では、人権協に対する補助は廃止でしたが、知事案では6割カットで継続です。また、「コストが極めて高く、廃止」としていた人権など相談4事業も、交付金の名目で3割カットで継続です。

 大阪府が特別法の時代に投じた同和予算は約6500億円に達しています。

 同和対策は、終結すべきです。答弁を求めます。

 同和関係の貸付金の回収も大切です。

 1つは、南大阪食肉市場株式会社への25億3900万円の無利子貸付です。包括外部監査人は、貸付金は他の目的に流用されたに等しいと指摘しています。目的外に流用された貸付金は、直ちに返還を求め、回収すべきです。

 2つ目は、我が党の追及により200年ローンと問題になった大阪府地域支援人権金融公社への無利子貸付金です。昨年度末に14億円返済され、昨年度末貸付金残高は34億円になりました。ところが、今後の返済は、4年間で2600万円です。

 人権金融公社から府住宅供給公社への融資は25億円あり、これだけでも直ちに返済させることが可能です。

 3つ目は、大阪ハイプロテイン協業組合に対する31億円余の無利子貸付金です。償還が始まっていますが、当初の約束と償還額の間に大きな差が出ています。回収を急ぐべきです。

 財政再建の最後は落札差金や水道会計の黒字の活用です。昨年度は403億円を超す落札差金があり、水道会計も黒字が続いています。府民負担の軽減と財政再建に活用できますがどうですか。

 ここでまとめて、答弁を求めます。

 次に、後期高齢者医療制度です。

 この制度は75歳以上の人を差別し、保険料は2年ごとに引き上げ、必要な医療を受けられなくするものです。

 参議院では野党4党の廃止法案が可決されました。

 知事は、府民の代表として、国に対して制度の廃止を求めて下さい。

 また、貧困と格差の大本は、不安定雇用です。労働者派遣法が2003年に製造業にまで規制緩和され、派遣労働者は324万人に急増、その7割が「日雇い派遣」です。

 キャノン、いすゞ、コマツなど大手メーカーが「派遣からの転換」の方針を出し、政府も、日雇い派遣の原則禁止を表明し、派遣法改正案を臨時国会に提出すると言われています。

 知事は、日雇派遣を禁止するとともに、労働者派遣法を派遣労働者を保護する内容に改正するよう、国に求めるべきです。それぞれ答弁を求めます。

 最後に、政治資金などについてです。

 知事は6月16日、会費1万円のパーティーを開き、約1千万円余の政治資金を集められたようですが、収支を明らかにして下さい。

 パーティー券の団体・企業への購入依頼は本当にしていませんか。

 また、2月、3月では、公人としてのテレビなどの出演料30万円、私人としては、126万円と報道されています。4月から6月までのそれぞれの出演料を明らかにしてください。

 知事は3割カットでも100万円を超す月収があり、私人としての出演は、できるだけ控えるべきではありませんか。

 また2月1日付の『週刊フライデー』は、知事が、株価操作事件で逮捕者を出した「梁山泊」の関係者と交友があり、その人物と、許永中氏の愛人と言われる女性がママをしているという、大阪北新地の高給クラブに行っていたと報じました。事実ですか。

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