橋下大阪府知事 予算案発表
 お年寄り、子どもいじめ 福祉、医療、教育など削減

 「まずは出血をとめた」。大阪府の橋下徹知事は24日、発表した2008年度予算案をこう強調しました。

 福祉、医療、、教育、文化・スポーツに大ナタをふるう「大阪維新プログラムラム案」をもとに編成された本格予算案は、府民の運動を反映して一般施策は大半をとりあえず今年度は継続しましたが、細かく削減しています。健康福祉部関係では、医師不足が深刻な小児救急医師の確保のための事業を4分の1の568万円に減らしました。世界的な流行が懸念される新型インフルエンザ対策事業は前年度の8億5千万円を3621万円に激減しています。

 高齢者の在宅生活を支える事業は2億円減らして1億7千万円にし、生活困窮者の自立を支援する生活福祉資金貸付事業費も半減させました。商工関係では、中小企業経営革新支援を7割削減して1684万円に、商店街活性化事業は6700万円に半減させました。

 環境農林部関係は、地球環境問題が社会問題になっているなかでヒートアイランド対策費を前年度より2割削減。アスベスト飛散防止対策や食の安全・安心、治山事業、ダイオキシン対策なども縮小しています。

 重点政策として31事業に約67億円(一般財源50億円)を計上。救急体制や産科・小児科医の確保、小学校3年生からの習熟度別授業、御堂筋イルミネーションの実験や水の回廊ライトアップなどの「大阪ミュージアム構想」をかかげています。

 事実上、「解同」(部落解放同盟)が運営し、日本共産党と府民が廃止を求めてきた人権相談事業は廃止し、総合相談事業を創設します。

 予算案では、知事が「原則発行ゼロ」としていた府債(借金)は、税収の落ち込みにより、減収を補てんする府債を発行するなどで前年度より16・7%多い2674億円となりました。

日本共産党の宮原たけし府議団長の談話 知事は障害者、切迫した命、治安には配慮したといいますが、予算案の本質はお年寄りや子どもいじめにほかならず、財政危機の原因の大型開発は先送りしただけです。『維新案』の府民いじめの本質を知らせ、医療、福祉、教育を守る大阪府の役割を果たさせるために7月議会での論戦に全力をあげます。


2008年6月25日付「しんぶん赤旗」より