府審議会が提言 同和行政を継続

 大阪府同和間題解決推進審議会(会長=元木健・大阪大学名誉教授)はこのほど、「同和問題の解決にむけた課題が残っている」として今後も同和行政が必要とする提言をまとめました。

 大阪府は2002年3月の国の同和対策特別措置法終了後も、「一般施策」の名で年間50億円もの同和事業を行っています。

 提言では、同和地区にマイナスイメージをもつ人が今も存在し、インターネット上での差別事象などの新たな問題が起こっていると記述。同和地区の生活保護受給世帯率が高く、児童生徒の学力や大学進学率が府全体の水準と比べて低いとして、「必要な施策を実施していくことが求められる」としています。

 今後の府の取り組みとして、教育・啓発、相談事業などとともに同和地区区内外のコミュニティづくりへの条件整備を強調しています。

 日本共産党の阿部誠行府議は、部落差別は基本的に解消されていること、「一般施策」といいながら事実上「解同」(部落解放同盟)が支配する団体への委託や補助金となっていることを指摘。

 「同和対策を続けることは同和問題解決にとって障害であり、学力や就労などの格差と貧困は府民共通の課題だ」とし、「同和行政は終結すべきだという提言にすべきだ」と主張しました。

 民主主義と人権を守る府民連合の東延委員長は、「『同和』の文言をいつまで続けるのか。『同和』という区別や言葉がなくなり、同和行政が一日も早く終結されることが府民の願いだ」として提言に反対しました。


2008年2月28日付「しんぶん赤旗」より

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