麻しん(はしか)対策の抜本的強化を求める要望書

大阪府知事 太田 房江 様

2007年 6月13日 
日本共産党大阪府議会議員団
団 長 宮 原 威  

麻しん(はしか)対策の抜本的強化を求める要望書

 今年は全国的に麻しんが流行し、府内でも、大阪狭山市内の学校で集団感染が発生し、休校処置となったのに始まり、大阪体育大学、阪南大学、府立高校など学校での感染者発生による休校も相次いでいます。

 麻しんは感染力が強く、麻しんウイルスによっておこる急性熱性感染症で、肺炎や脳炎を併発するなど重症化の可能性もある疾患で、集団感染や地域での感染が心配されています。

 北米、中南米、西ヨーロッパ諸国や韓国では、予防接種対策により、麻しんは、ほぼ根絶に近い状態となっているのに対し、わが国は大きくたち遅れており、「麻しん輸出国」と批判され、国際的問題にさえなっています。

 予防接種が2回接種になったのは、ようやく昨年4月からで、小学校2年生以上の児童・生徒および成人は、1989年から93年のMMRワクチン問題などで接種率が低く、予防接種を受けていても1回だけで、麻しんに対する抵抗力が弱いことが、集団発生を繰り返す大きな原因となっています。

 また、発生状況の把握も十分でありません。 府内は、小児科定点調査199カ所、成人では、300床以上の病院を基幹定点としています。これでは、正確な情報をつかむことはできません。
すでに抗体検査の試薬やワクチンも不足しています。 府は、国に申し入れるなど一定の対策をとっていますが、これ以上の感染拡大を防ぐとともに、発生ゼロを目指し、以下の対策を講じるよう求めます。

1.府として市町村と協力し、麻しん発生ゼロをめざし、ワクチン接種率を向上させる(現在90パーセント)。また、政府に対し、集団発生拡大防止の緊急対策、および麻しんの発生ゼロを目指す抜本的対策を強く要請する 。

2.麻しんワクチン未接種の人や1回しか接種していない人のワクチン接種や抗体検査の公費負担を国に求めるとともに、府としても助成する。

3.保健医療機関や学校、幼稚園、保育所など、感染経路となりやすく、子どもと接する職場で働く人のワクチン接種状況を把握し、迅速に対応すること。

4.医師会などと協力して府内における麻しん患者のすべての発生状況を把握、分析できるサーベイランスシステムをつくる。

5.麻しんワクチンと抗体検査試薬を十分確保できるよう引き続き対策をとる。

以  上