府議会、28日から

府の行財政計画「改定素案」

府民サービス後退、大型事業は推進

自治体の役割放棄し府政解体導く

撤回させ要求実現へ全力


9月定例府議会が28日開会します。日本共産党府議団の黒田まさ子政調会長に焦点となる課題などを聞きました。

黒田まさ子政調会長に聞く



 −9月府議会ではなにが焦点になりますか。

黒田 最大の焦点になるのは、先日太田知事が発表した「行財政計画」改定素案(以下、「改定素案」)についてです。知事は議会の意見も聞いて来年2月の定例府議会で具体化するとしていますので、今議会の議論が非常に重要です。
 このほか、府政とハンナングループ・浅田満氏との関係で、BSE牛肉偽装事件で府の関与が本当になかったのか、府が68億円も投じた松原食肉市場公社再編問題や新たに浮上している疑惑など、府民の立場で解明されねばなりません。

 −「改定素案」の問題点は。

財界の意見で


 黒田 いま大阪府は4兆9300億円(2004年度末見込み)もの借金をかかえています。太田知事が、このままでは07年度には赤字債権団体に転落するとして出してきたのが「改定素案」です。
 問題点の一つは、「改定素案」は財界の意見だけを聞いてまとめられていることです。今年5月に設置された「行財政改革有識者会議」のメンバーは、政府経済財政諮問会議の議員である本間正明・大阪大学大学院教授と彼につながる学者と関西財界の人たちです。
 中身の特徴は、徹底して府民施策を切り捨て、自治体としての役割を放棄し、府政の解体を導くものといえます。
 11月から老人医療費助成制度の原則廃止や乳幼児・障害者・母子家庭の各医療費の一部自己負担が実施されますが、それに加え、生活保護受給者への夏冬の一時金や、あいりん地区労働者への福祉手当の廃止、私立幼稚園の3歳児保育料助成の廃止、私立高校授業料助成の縮小など国基準や全国平均を超える府民施策はほとんど廃止・縮小します。全国一高い府立高校の授業料の最値上げや授業料減免制度の見直し、府営住宅の家賃値上げなども検討しています。
 府立の大学や病院などの独立行政法人化や府立の施設に指定管理者制度を導入するなど、施設を民間の利潤追及の対象にしていく方向です。

−財政危機は打開できるのでしょうか。

 関空は続行・・・


 黒田 財政危機の主要な原因は府税収入が大きく減っているにもかかわらず、関西空港二期事業や水と緑の健康都市、安威川ダム、国際文化公園都市事業など、ムダな大型開発を借金をして推進し続けてきたことにあります。日本共産党府議団はこのことをずっと指摘し続けてきました。しかし、2000年2月に就任した太田知事はまったく耳を貸さず、前知事が策定した「財政再建プログラム」を継承して破綻し、「行財政計画」案(02年から10年間)を策定しました。
 このうち最初の3年間(02−04年)を「集中取組期間」とし、府立高校の統廃合や老人医療費助成制度をはじめ黒田革新府政が実施した府民施策のほとんどを切り捨てました。府単独加配教員をはじめ職員削減を含めてこの3年間の「行革効果」は2132億円で、これは「計画」の倍の額となっています。
 しかし、いくら府民施策を切り捨てても財政再建はできません。なぜなら、大型開発を聖域にし、推進し続けているからです。借金返済は1995年度の倍、3553億円に増えています。これが赤字の要因です。

−党府議団は9月府議会にどうのぞみますか。

失業改善せず
  

 黒田 太田知事は景気に明るいきざしがでているといいますが、府民の失業率は依然として高く、経済的理由の自殺者は増加しています。一般庶民は収入も貯金も減らし、生活保護の受給者は3年間で1・5倍、府民45人に1人の割合です。
 私たちは府議会で府民のみなさんの要求実現、運動に役立つ論戦ができるよう、いま全力で準備しています。大阪経済と府民の実態を明らかにし、経済再生と財政再建、府民生活を守るための積極的な提案を行い、「改定素案」の撤回を求めます。ぜひ、議会の傍聴にお越しください。


2004年9月27日付「しんぶん赤旗」より
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日本共産党大阪府議会議員団