続・ハンナン牛肉偽装  

癒着の構造<5>

自民参院候補も接待

土産は15万円の最高級牛肉


 

太田知事への20項目の質問書を鈴木重信副知事(左端)に提出する日本共産党府議団(右側)=5月7日、府庁で




2000年7月8日夜のこと。
 大阪府の太田房江知事のほか梶本徳彦副知事、神尾雅也知事公室長、古財正三環境農林水産部長ら5人の幹部がそろって「ハンナン」元会長、浅田満容疑者(65)の所有する迎賓館「聊娯亭(りょうごてい)」(羽曳野市)の豪華な門をくぐりました。
 浅田容疑者の接待による酒宴が開かれたからです。招待されたのは、府の幹部だけではありませんでした。
 6月24日公示予定の参院選で大阪選挙区から立候補する自民党の北側イッセイ府議も参加しました。
 自民党府議の中には、後に別の贈収賄事件で逮捕された岡田進、北浜正輝の両氏らも含まれていました。
 どんな接待がおこなわれたのか。

 100c5000円


 太田知事は、ジャーナリストの溝口敦氏のインタービューにこう答えました。 「一般的な懐石料理」
「たしかに浅田さんは席にいらっしゃいました」
「帰りにすき焼き用の肉をいただきました。木の箱に入っていたように思いますけど、たいへんおいしい肉だったことは事実です」
飲食接待ばかりでなく、高級牛肉のお土産までもらっていました。
「お土産の箱には『くらした』と呼ばれる牛ロース肉が3`入っていた。和牛一頭から3`しかとれない。市場では100cあたり5000円以上もする最高級部位です」(元府議)。そんな証言も週刊誌で報道されています。
 1人当たり安くみても15万円の最高級肉をもらたっという事実は軽いものではありません。
 とくに参院選大阪選挙区で審判を受ける北川氏は浅田容疑者との関係をきちんと説明する義務があるはずです。
  知事をはじめ府幹部や府議らの姿勢も厳しく問われます。  50億円にのぼる巨額の税金を、平然と詐取して私腹を肥やす浅田容疑者は、国政とともに地方政治にも大きな影響力をもっていました。

 
 自公民は反対


 浅田容疑者の再逮捕など事件が広がりを見せているなかで開かれた大阪府議会(5月21日開会、29日閉会)は奇妙な光景に包まれました。
 肝心の牛肉偽装事件をまともにとりあげたのは、日本共産党だけだったのです。日本共産党は一般質問で一人しか質問できませんでしたが、与えられた時間を使って偽装牛肉事件問題への府の関与の疑惑を正面からとりあげ、府の責任を追及しました。
 日本共産党府議団が提案した「浅田満容疑者らによるBSE対策助成金詐欺事件の徹底究明を求める意見書案」は自民、公明、民主などの各党が反対したため採択できませんでした。
 日本共産党府議団は、事件が発覚した直後の4月21日に太田知事に牛肉偽装事件の全容解明に努力するよう申し入れました。5月7日に、20項目の質問書を提出するなど、事件の真相解明に積極的な役割を果たしてきました。
 日本共産党以外の各党が、府の行政とも重大な関係のある食肉業界の大事件を本格的に追及できない背景には、それなりの大きな理由があります。
(つづく)










2004年6月3日付「しんぶん赤旗」より
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日本共産党大阪府議会議員団