続・ハンナン牛肉偽装  

癒着の構造<3>

浅田容疑者と政界

"肉つながり"の石柱並ぶ


 

南食ミートセンターの敷地内にある鈴木宗男被告らの名前が並ぶ石柱=大阪府羽曳野市




「衆議院議員 鈴木宗男」―。大阪府羽曳野市にある市立南食ミートセンター。その敷地内にある「畜魂碑」(処分した家畜をまつる碑)の脇に興味深い名前を見つけました。神社などによくある寄付者の石柱に刻まれた元自民党衆院議員・鈴木宗男被告の名。隣には部落解放同盟元委員長の「衆議院議員 上田卓三」やハンナン元会長・浅田満容疑者の「ハンナン畜産株式会社」の石柱が並びます。
 同センターは、牛や豚を解体する公営のと場。敷地内には浅田容疑者が理事長を務める南大阪食肉卸商業協同組合やハンナングループ企業が入ります。事実上の浅田容疑者の牙城です。
 羽曳野市役所幹部は、「今の場所に畜魂碑を移したのは10年ほど前のはず」といいます。浅田容疑者と政治家の"肉つながり"の深い関係が浮かび上がってきます。




 
買い取りを迫る


 宗男被告や松岡利勝衆院議員ら自民党農水族は、牛肉偽装事件で悪用されたBSE(牛海綿状脳症)対策の牛肉買い取り事業を業界の意向にそって強力に推進しました。
 買い取り事業が正式決定したのは2001年10月26日。直前の17日には自民党BSE対策本部の会議で宗男被告は「1万3000dは簡単にけりがつく。1`1000円ならば130億でけりがつく。予算措置は江藤先生(江藤隆美全自民党衆院議員)にちゃんと、とってもらえばいいんだよ。」と農水省幹部を前に大声を張り上げ、国に買い取りを迫りました。
 その後も宗男被告ら主導でことはすすみました。
 農水省は買い取った牛肉は、一時保管して、安全が確認できれば業者に売り戻す方針でした。しかし、同年12月には、保管牛肉を市場に出さずに焼却することを決定。この償却も宗男被告らが当初から主張したものでした。
 農水省関係者はこう打ち明けます。「自民党の族議員や浅田容疑者らは、最初から焼けと執拗(しつよう)に要求してきた。幹部は最初だけしぶったが、すぐに言い分を聞いて方針を変更した」

献金2億円集め


 浅田容疑者と政界。その間には政治資金収支報告書だけをみても以下のような関係が浮上します。
 鈴木宗男被告
―――表の献金は70万円。しかし、同被告の政治団体・大阪食品流通研究会の大阪連絡事務所がハンナン系企業の中にあり、献金2億円を集める。同被告が使用する高級車もハンナン系企業名義だった。
中川昭一経産相(元農水相)
―――ハンナン系企業・団体が計300万円のパーティー券を購入。「父親(故中川一郎農水相)の記念館建設で浅田さんに多大なお世話になった」と中川氏。
 松岡利勝衆院議員 
―――初当選の1990年に大阪食品流通研究会から500万円の献金を受ける。
浅田被告側から政界への献金は、判明分だけで1158万円にも。前出の政治家のほか、中山太郎元外相(258万円)、藤本孝雄元農水相(300万円)、岡下信子元衆院議員(150万円)=以上、自民党、城嶋正光衆院議員(80万円)=民主党が名前を連ねています。
(つづく)










2004年5月31日付「しんぶん赤旗」より
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日本共産党大阪府議会議員団