日本共産党大阪府議会議員団

大阪府・大阪市は、暴力利権集団=「解同」とのいっさいの関係を断ち切ることこそ求められている
 
2006年6月23日
  日本共産党大阪府委員会 選挙自治体委員会
 
 大阪市による芦原病院への巨額な乱脈補助・貸付金事件、「解同」飛鳥支部長のすさまじい利権あさりなど、大阪市をめぐる乱脈・不公正な同和行政の一角が明るみに出て、「飛鳥会」理事長の小西被告が逮捕、さらには元暴力団組長らへの健康保険証の不正取得にからみ市幹部職員が逮捕されるなど、事態は深刻な様相を呈しています。この問題では、大阪市長と「オール与党」の責任と対応が厳しく問われています。同時に、国が同和対策事業を終了した下でも、同和事業をつづけ、「解同」利権を温存してきた大阪の同和行政が問われています。
 大阪市は「地対財特法期限後の事業等の調査・管理委員会」をつくり見直し作業に入ったといいます。しかし、その中身は、「関連事業の総点検」として、「明らかに不適切なものはただちに見直す」というものであり、あくまでも同和関連事業の継続を示唆。「解同」(部落解放同盟)との関係も、従来どおり7月上旬に市長が出席して「解同」府連(委員長・松岡徹民主党参議院議員)との交渉をおこない、「解同」の理解を求めることにしています。
 また大阪府の太田知事も、「解同」支部長の社会福祉法人へのずさんな監査を指摘されながら、「差別がある限り同和行政は継続されるべき」という立場に固執し、府下市町村に押しつける先導役を務めてきました。記者会見では「府としては、平成13年末に地対財特法が切れたときに、すべての特別事業を見直し、今はなにも残っていない」などとのべていますが、同和行政を「人権施策」と言い換えて温存、28事業18億円の事実上の同和事業を継続。「解同」系団体への補助金も法律があるときと同じように継続、21日の「解同」府連との交渉にも従来どおり知事自身が出席して「府の人権行政に役立つ」と「解同」を人権団体として高く評価しています。太田知事が、BSE対策をめぐる詐欺事件で逮捕された「解同」系のハンナン畜産の浅田被告と深い関係をもってきたことも周知の事実です。
 
 国の同和対策の特別法は2002年でなくなり、同和行政は終結しています。にもかかわらず、大阪府も大阪市も、この期におよんでなぜ同和行政の継続をはかろうとするのか、「解同」との関係を絶とうとしないのか、多くの府民、市民が改めて疑問を感じています。
 そもそも「解同」は、「部落民以外は差別者」という部落排外主義をかかげ、「差別行政糾弾闘争」と称し、暴力と恫喝で行政を屈服させ,莫大な利権をあさってきた暴力・利権集団です。
 そのごく一部の事例をあげてみても、「解同」言いなりの同和行政=「同和行政の窓口一本化」を強要して吹田市長宅を3日3晩包囲監禁した事件(69年)や、同和行政の是正に着手した共産党員市長の津田羽曳野市政に対する120日間に及ぶ市庁舎占拠(73−74年)をはじめとする行政への暴力的介入事件。1975年、兵庫県八鹿高校の教師83人に対し「糾弾」と称する凶悪・凄惨・陰湿な一晩におよぶ集団リンチを加え、内48名に瀕死の重傷を含む傷害を与えた(入院も29名に達し、当時の丸尾「解同」支部長ら13人に有罪確定)教育史上類例を見ない犯罪を頂点とする教育介入事件など、「差別解消」「人権」とは無縁の団体です。「解同」と暴力団との深い関係や、「同和利権」の一部がその資金源になっていることも、ハンナン畜産の浅田被告にかかわる人脈や、今回の「飛鳥会」小西被告本人が暴力団員であったことなど、枚挙にいとまがありません。
 70年代から乱脈・不公正な同和行政が府下各地で荒れ狂い、今日なお異常事態が次々と明るみに出ている根源に、こうした「解同」の暴力糾弾に屈服し、「解同」による同和事業の独占管理(窓口一本化)をみとめ、「解同」を同和行政推進の唯一の"協力・促進"団体として癒着を深めてきた自治体の主体性放棄があります。
 大阪市を例にとってみると、歴代の大阪市長は、憲法や地方自治法の精神に反し、「解同」の隠れ蓑である大阪市同和事業促進協議会(「市同促」)に行政権をゆだねるこの方式を先頭に立って実施。まさに「解同」と一心同体で全国一の乱脈同和行政を続けてきたのです。この結果、大阪市の同和事業は1969年の同和対策特別措置法制定から2002年までの34年間に、実に1兆2千億円もの税金がつぎ込まれ、逆差別や利権など深刻なゆがみを生んだのです。
 しかし、「解同」いいなりの同和行政が様々な深刻な事態を生み出したにもかかわらず、大阪府も大阪市も「解同」との癒着を改めようとしません。
 太田知事は「解同」との関係見直しを求める日本共産党府会議員団の要請に対し、「解同」との交渉出席を「府の人権行政に役立つ」(梶本副知事)と、「解同」を人権を代表する団体として高く評価するありさまです。
 大阪市も、「解同」が支配する「市同促協」を「市人権協」に衣替えして、「解同」との癒着をつづけ同和特権を永続化しています。大阪市人権室参事が暴力団元組長らに健康保険証を詐取して逮捕された事件は、「人権」と名前を変えても「解同」との癒着に変わりがないことを端的に裏付けました。
  關大阪市長は、乱脈同和行政に司直のメスが入り市民の怒りが沸騰する中で、一定の見直しを表明せざるを得なくなっていますが、「運動団体が悪かったという問題ではなくて、行政サイドの組織風土にも大きな問題があったと強く反省しています」「個々の職員任せでなく市の組織として対応することが必要」などといい、自らを含む歴代市政トップの「解同」との癒着、行政の主体性放棄で、行政の私物化と同和利権を生んだことへの反省はなく、「人権協会」などとの関係を清算するとはけっして言いません。
 同和行政についても「出発点は正しかったが、速やかな事業の見直しを怠ってきたということが大きな原因」「差別はある。差別がある限り差別をなくす行政はやる」と、いまだに「解同」とうり二つの主張を続けています。
 同和対策事業の大きな目的であった同和地区内外の格差は解消し、部落差別は基本的に解消しています。同和行政はその使命を終え、国も同和事業を終結しています。特別な行政をつづけることは、行政が同和地区を固定化すること、つまり新たな差別をつくり固定化することになります。これこそ同和利権を求める「解同」の求めていることです。大阪府や大阪市は、行政の主体性を確立し、"法のもとの平等"の原則にたっていっさいの同和行政を終結し、公正な府政・市政をとりもどすとともに、いっさいの交渉に出ないことを含め、暴力、利権集団である「解同」との関係をキッパリ断ち切るべきです。
 とくに、これだけの不祥事が明るみにでた大阪市では、市議会に事件の調査特別委員会を設置して全容解明をすすめる責務があります。市議会の自民、公明、民主など「オール与党」は、これまで乱脈同和行政に賛成してきました。民主党は「解同」幹部の議員をかかえ、「解同」からの政治献金を受けるなど際だったゆ着と責任があります。自民、民主、公明の「オール与党」は「市が調査をしているから」などを口実に、これまで2度にわたり日本共産党が提案した調査委員会の設置に反対してきました。いまこそ、全容解明と「解同」とのゆ着の排除、同和行政終結を求める市民の世論と運動が求められています。日本共産党は、住民のみなさんといっしょに、同和行政の完全な終結と公正な府政・市政をつくるために、ひきつづき議会内外で奮闘するものです。
以 上

2006年7月2日付
「大阪民主新報」より
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