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ICC制裁撤回要請、買春の処罰化を 9月大阪府議会に意見書案

 共産党大阪府議団(石川たえ団長)は、開会中の9月府議会に、「米国政府による国際刑事裁判所(ICC)制裁に抗議し、制裁の即時撤回を要求することを求める意見書」など4つの意見書案を提出しました。

共産党府議団が提出した意見書案は以下の通りです。

米国政府による国際刑事裁判所(ICC)制裁に抗議し、制裁の即時撤回を要求することを求める意見書

 米国政府は今年8月、国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長をはじめとする裁判所関係者に対し、資産凍結や入国禁止を含む制裁措置を科すと発表した。
 この制裁措置は、ICCがアフガニスタン情勢における米国人らの犯罪について捜査を行ったことや、ガザ地区での戦争犯罪容疑でICCがネタニヤフ首相を含むイスラエル高官に対して逮捕状を発行したことへの報復としてなされたものである。ICCが進めた司法手続および判断が自国や同盟国の政治的思惑に反することを理由に、ICCの職務を遂行する個人を標的として圧力を加えるものと言わざるを得ない。
 しかしICCは、ジェノサイド、人道に対する罪、戦争犯罪、侵略犯罪などの最も重大な国際犯罪について、個人の刑事責任を追及するための常設国際裁判所である。国家間の見解の相違を超えて機能すべきICCの関係者個人への制裁発動は、国際司法機関に対する実力行使、すなわち「力による支配」にほかならない。ICCの「司法の独立」を侵害し、国際社会における「法の支配」そのものを否定する行為であって、決して許されるものではない。
 米国の制裁措置に対し、国内外で多くの批判と撤回を求める声が上がっている。国会の「人権外交を超党派で考える議員連盟」は、中谷元・元防衛相らの共同会長名で緊急声明を発表し、日本政府に対し、米政府への抗議と制裁撤回の申し入れ、ICCへの協力と支持の表明を求めた。ところが政府は、首相が「大変残念に思っている」と述べるにとどまり、米国に対し抗議も制裁撤回を求めることもしていない。
 よって政府は、米国政府に対し、ICCの赤根所長らに対する制裁措置に強く抗議し、制裁の即時撤回を要求するよう求める。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


売春防止法の規制強化等を求める意見書

 現行の売春防止法は、売春を助長する行為のみを処罰の対象としており、買春行為は処罰の対象となっていない。そのため、買春行為に対する処罰の対象は児童買春に限られている。さらに、性器の挿入を伴わない「性交類似行為」は売春に当たらないという日本でしか通用しない区別をつくり、性風俗店が届け出だけで営業できる仕組みとなっている。そのもとで、日本社会は“人の性を金銭で購うことがまかり通る”社会となっている。
 法務省の「売買春に係る規制の在り方検討会」は今年9月に報告書を取りまとめたが、そこでは「買う」側の勧誘も処罰対象にする方向を示したものの、買春そのものの処罰化には踏み出していない。
 しかし、買春行為の処罰化については、1999年にスウェーデンにおいて業者と「買う」側を処罰し「売る」側は処罰せずに支援の対象とする法が施行され、これを皮切りにノルウェー、カナダ、アイルランドなどに広がっている。国連女性差別撤廃委員会をはじめとする国連人権機関も、これら「北欧モデル」のアプローチをとることを加盟各国に求めている。
 わが国でも、2022年に議員立法として提案され全会一致で成立した「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」は、性を売る当事者の意思を尊重し、人権保障の立場で支援を行うことを謳っている。
 今、求められているのは、なにより女性の人権擁護に立った法の見直しである。長きに渡り黙認されてきた買春行為を規制し、処罰を科す法制度を速やかに検討することが求められる。また、単に売買春を規制するだけでなく、経済的な理由等から望まずに性産業に従事することとなった者、売春行為をやめたいと考えている者等への福祉、ケア及び就労支援を充実させることが不可欠である。
 よって政府及び国会は、下記の措置を講じるよう強く求める。

記

1.買春行為への罰則の追加等、売春防止法の規制強化を行うこと。

2.売春の非処罰化とともに、包括的な生活支援策の構築を図ること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


残業月45時間以内への一律指導の緩和を撤回することを求める意見書

 厚生労働省は、月45時間以内に減らすよう企業に一律に求めてきた残業指導を、9月から各事業所の事情に応じた指導に転換すると発表した。
 これは労働時間規制の緩和の一環であり、法改正を必要としない行政指導の運用変更によって実質的に規制を緩めることに他ならない。
 労働基準法は、労働時間の上限を原則1日8時間・週40時間と定めているが、労使が36協定を結べば月45時間・年360時間以内で残業をさせることが可能となり、さらに「繁忙」などの事情があれば特別条項を付けて月100時間未満・年720時間まで上限を拡大できるとされている。しかし、月100時間近くに及ぶ時間外労働は、いわゆる「過労死ライン」に近い長時間労働であるため、各労働基準監督署は、特別条項付きの36協定を締結している事業所に対しても、月45時間以内に残業を抑えるよう一律に指導・監督してきた。
 これを緩和することは、第2次安倍政権以降の「働き方改革」に逆行する動きであり、残業削滅が進みにくくなることが強く危惧される。
 2025年度の過労死などによる労災補償の請求件数は過去最多となった。労働行政がやるべきは、労働法にもとづく労働者保護の促進であって、長時間労働促進への加担、法の精神の逸脱ではない。
 よって政府は、月45時間以内に減らすよう企業に求めてきた一律指導の緩和を撤回することを求める。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


地球温暖化に歯止めをかけるための実効ある施策の推進を求める意見書

 近年頻発する記録的な豪雨の背景として指摘されているのが、地球温暖化を要因とする大気中の水蒸気量の増加である。8月にネパールと中国の国境付近で起きた大規模な土石流と洪水も、地球温暖化に伴う氷河崩落が原因と指摘されており、ネパール首相は国連総会で各国に気候変動対策を求める意向を表明している。気候危機の打開は人類と地球にとって待ったなしの課題である。
 2015年のパリ協定に基づき、各国政府は温室効果ガス排出量の削減などの数値目標を公約している。しかし、今年9月に発表された国連環境計画(UNEP)の報告書では、各国の数値目標がすべて達成されたとしても世界の平均気温は1.8度上昇するとしている。
 日本政府が2025年2月に改定した「地球温暖化対策計画」の温室効果ガス排出量削減目標は「2035年度までに2013年度比で60%削減」である。しかしこれは2019年度比では53%削減に過ぎず、UNEPなどが示す、世界全体として必要とされる「2035年までに2019年比60%削減」という水準を下回っている。
 しかも日本は、G7で唯一石炭火力からの撤退期限を示しておらず、大型石炭火力の建設を続け、石炭ガス化複合発電など新たな石炭火力発電の開発を進めている。
 今必要なことは、少なくとも国連が世界平均で求める「2035年までに2019年比60%削減」という水準を上回る目標を立て、石炭火力からの計画的撤退を進めることである。
 よって政府及び国会は、温室効果ガス排出量を抜本的に削減し地球温暖化に歯止めをかけるために、下記の事項を速やかに実行することを求める。

記

1.「地球温暖化対策計画」を改定し、温室効果ガス排出量削減目標を「2035年までに2019年比60%削減」を上回る目標とすること。

2.前記の計画を実現するために、省エネルギー推進と純国産の再生可能エネルギー大量普及、2030年度までの石炭火力ゼロ等を内容とした計画を立案し、実効ある予算と体制を組み推進すること。 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。




   
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