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宮原たけし議員(高槻市・島本町選出)の一般質問と橋下知事らの答弁

2009年3月6日

宮原たけし議員 日本共産党の宮原威です。知事に質問します。まず、知事は、セーフティーネットを守る気があるのかということです。府議会の総意は尊重すると言ってきました。福祉4医療は、府議会だけでなく、医師会や福祉関係など31団体から百万筆を超える署名が寄せられ、市長会、町村長会からも現行制度維持を求められました。文字どおり民意、総意ではありませんか。

福祉医療制度守れは府民の総意

 ところで、1回300円の負担増の大変さを知事は、おわかりでしょうか。さらに新年度には、大阪障害者団体連合会、身体、視聴覚、精神障がい者など7団体への合計わずか1千万円の補助金をゼロにしました。お互いを支え合う府的団体の活動は、全部自前でしなさいというのですか。セーフティーネットのごく一部ではありませんか。
セーフティーネットを守るという言葉は、その場しのぎではありませんか。答弁を求めます。

国際児童文学館の現地存続、関係者とよく話し合うべき

 次に、国際児童文学館です。
 知事は、70万点の図書を子どもに見せたいと言います。しかし、2万5千点以外は、将来にわたって役立つ貴重書です。その認識はありますか、また、中央図書館にこども資料室には、12万点、本はあります。
 さらに、貴重書も、ほんナビきっずなどの貸し出し以外の方法で小学生でもアクセスできる。子どもに読ませるにはどういう本がよいか、学校の先生や子ども文庫の人たちから問い合わせが来る。市民からの問い合わせが来たがどういう本か、1年間で発行された本の中身を知りたい、図書館の問い合わせなど、大人と子どもの読書センターとして役割を果たしています。
 今でも70万点は、すべての子どもに役立っています。現地で存続させ、70万点を子どもに役立たせることは可能だと思いますが、どうですか。さらに、グリム原作の本など児童文学の宝が全国で唯一この大阪にあります。しかし、児童文学の専門スタッフなしに子どもの読書活動支援はできません。例えば、毎年4千冊の児童書を全部読んでまとめ、それを全国に発信している。児童文学のスタッフのいない図書館では、後退せざるを得ません。スタッフ、読書センター、資料センターは一体ですが、どうですか。現地存続で、児文館の値打ちをどう発信するか。我が党以外の府会議員からも、貴重な意見がございました。全会一致の請願もあります。児文館、図書館、教育関係者とよく話し合うべきです。どうですか。
ここで答弁を求めます。

橋下知事 宮原議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、セーフティーネットについてですが、福祉医療費助成制度については、医師会や障がい者団体、母子寡婦連合会などから、現行制度の維持について御要望をいただいたことは十分承知しております。
 しかしながら、本府の厳しい財政状況において、この制度が単独事業であることから、その見直しは避けられないため、今回、1月当たりの自己負担上限額は堅持した上で、あと300円の御負担をお願いし、皆さんでこの制度を支えていただきながら維持したいと考えております。私としては、この制度に単独経費を208億円投入するほか、救急医療や周産期医療の充実など府民の命を守る医療体制に万全を期すため、80億円を超える予算措置を行うなど、広域自治体である府の役割をしっかりと果たしてまいりたいと考えており、今回はやむを得ない措置として御理解いただきたく思います。なお、今回、対象者の皆さんにあと300円の追加負担をお願いすることは、まことに申しわけありませんが、現在の財政状況のもとに維持していることなどから、御理解いただきたく存じます。
 また、セーフティーネット確保に対する私の認織なんですけれども、私自身、セーフティーネットを守ることは、これはもう行政の最大の使命だと患ってますが、今の我々の世代のセーフティーネットのみならず、投票権を持っていない次世代のセーフティーネットも守らなければなりません。そういう意味では、財政規律ということはきちんと堅持した上で、次世代もきちんとセーフティーネットが守られるような財政運営をしていかなければいけないというふうに思っております。ただし、セーフティーネットを守ることが行政の最大の使命だということには、全く私はその点異論ありません。
 次に、国際児童文学館に関する4点の御質問に一括してお答えします。国際児童文学館が保存する約70万点の資料は、明治以降、現在も発行されている新刊図書や雑誌類も含め、その時代の児童文学、児童文化を映し出す資料として貴重なものです。
 財政面の効果とあわせて、より多くの子どもたちや府民に活用していただくため、中央図書館に移転するものです。中央図書館への移転後も、同図書館が持つ専門性を生かし、児童文学館の設立時の趣旨に沿い、資料を収集、保存、活用し、子どもの読書支援センター、児童文化の総合資料センターとしての機能を確実に引き継いでいきたいと考えております。
 国際児童文学館の移転につきましては、これまでも議会において御議論をいただき、また多くの方々からもさまざまな御意見をお聞きしたところであります。中央図書館において、一日でも早く子どもたちに資料に触れる機会を提供したいと考えております。

国際児童文学館、現地存続のほうが、コスト低いのでは

宮原議員 セーフティーネットの問題は、わずかなセーフティーネットですから、ぜひこの間題は委員会でも追及していきたいと思います。
 児童文学館についてですが、財政面の効率ということ、効果ということも言われました。
 ところで、現在の2億円の経費という前提の試算でも、平成22年建設予定のプレハブの書庫が7年もちますから、29年度までの累計では現地で存続の方が安い、こういう事実は知っていましたか。

橋下知事 おそらく、議員が御覧になられた資料は、現地での研究員以外での管理経費、人件費は含まれていないものと考えております。ですから、その財団、コストを縮減して研究員のみの人件費、管理経費が計上されている資料の数字だと思いますので、確実に現地存続の法が安いとは限りません。

宮原議員 人件費は含まれています。

橋下知事 研究員の人件費じゃないですか。そのほかの財団自体の職員20−−、すみません、正確には27名分、今その分の人件費がかかっているんですけども、それは含まれていないと思います。

宮原議員 人件費は一応含んでるんですね。
 それから、もう一つ。そういうことも含めて、1億で10万人という提案も今財団からされてるわけです。それから、スタッフがいないと集め続ける、そして寄贈も含めてそれを分析して全国に発信するということができない。寄贈がうけられなければ、2千万円また余計にかかる。こういうことも含めて財政面では大きく前提が変化してくるのではありませんか。

橋下知事 先生が前提とされているのは、専門員3名だけの人件費でして、計上しているのは、その表には3名です。2500万、専門員3名分です。すみません。3名分なので、とてもじゃないですけど、この専門員ではあの児童文学館全く維持できません。中央図書館には、司書が50人近くいますので、この先生が前提としてる専門員3名の人件費だけで国際児童文学館を運営することは、ほぼ不可能でありまして、そこに今減税、もう20人を超える人員がありまして、今回は、僕はやっぱりこの組織の抜本的改革−−何も児童文学館の機能を全部廃止するという話ではありません。児童文学というものを子どもに広める。子どもたちに読んでもらうというのは十分承知してますが、今の組織のなかではそういう活動、これはできないというふうに思っております。

宮原議員 大分、事実誤認が知事の側にあるようですから、意見だけ言っておきます。専門員の方は今、4人で仕事をしてらっしゃって、その人件費がここには組まれています。それから、児童文学館の専門員は、本を読んでまとめて、それを発信するというのが仕事なんです。図書館の司書の方は、もちろんすぐれた仕事をされているでしょうけども、それが仕事ではありません。その根本的な専門員と図書館の司書さんの違い、これはよくわきまえておいてください。寄贈が受けられないと2千万円毎年予算が違う、そういうことも事実です。それから、1億円でやっていこうというぎりぎりの提案がされてる、これも事実です。そういうことも踏まえて、1月21日から対話が始まって、1月もたたない間にどんどん予算を計上するという拙速なやり方は、だれが考えても暴挙としか言いようがありません。この点は、強く是正を求めておきたいと思います。

WTCへの府庁移転について

 時間の関係で、WTCへの府庁移転について質問をさせていただきます。
 まず、利便性です。知事は、十数分時間が増えるが、ぜいたくな意見だと。しかし、往復では30分を超します。府庁に来る40万人以上の人にとって、少ない時間ではありません。鉄道では、往復で平均260円高くなります。年間の府民負担増は、1億円以上増えます。試算をしましたか。

橋下知事 そこまでの試算はしておりません。ただし、主要ターミナル駅からの所要時間については、現庁舎よりも長くなりますが、やはり、このデメリット、あとはメリット、これの比較考量になるかと思います。
 また、阪神なんば線が、これから開通します。阪神なんば線の九条の駅からの利便性だけじゃなく、まさにその利便性つくっていくのが政治の役割だと思ってますので、今後の利便性というものを考えれば、あとはデメリットとメリットの比較考量になるかと思ってます。

宮原議員 将来こうなったらという答弁は、やめてください。余り意味がありません。
 知事は、1円たりとも無駄に使わない、こういうふうにおっしゃってきました。1億円という府民負担増について、なぜそんなに無神経なのか、全く理解に苦しみます。
 次の質問です。
 わが党の指摘で訂正されましたが、関空からはWTCのほうが近いという誤った記述をしていたのは、意図的なものではありませんか。

現庁舎より関空に近いのはWTC

橋下知事 この点は、意図的ではありませんが、誤った記述であることは、これは間違いありません。議会のみなさんに対して謝った情報を提供したことは、謝罪をいたします。本当に済みませんでした。

宮原議員 マスコミも入った我が党との2月26日の意見交換で、関空からWTCが近いというこの一点だけで、WTCのほうが現府庁より利便性がすぐれている、我々に教えていただいたんです。その唯一の根拠が崩れた今、前は声高におっしゃってた、たいしたことはないとおっしゃるんでしょうか。

橋下知事 私は、意見交換のなかで、関空から近いという一点のみで利便性が高いとは言っておりません。これからの将来像、これからの関西というものを見据えたときには、関空が基軸となるので、こちらの利便性のほうがより重要になるというようなことを言いました。私は一点のみでというような発言はしていませんし、まさにこれからの大阪、関西の利便性を高めていくのが、政治の、行政の役割だと思ってます。

宮原議員 そうすると、たいした間違いではないということですか。

橋下知事 たいしたかどうかというところは、これは議会の先生方のご判断ですから、私自身がたいした問題でないと言ったことは誤った意見でした。この点もお詫び申し上げます。
 事実は、きちんと提示した上で、その間題が対した問題なのか、たいした問題でないかは、これは議会の先生方がご判断すべき事項だというふうに、今、思っております。

大手前・上町台地周辺の歴史的、文化的価値

宮原議員 次に、上町台地、丘陵の歴史的価値について質問します。
 ここは、約35万年前から丘陵でした。難波宵では、外国の使節たちと歓談し、河内湖を眺めていたと想像させる建物もみつかりました。四天王寺は、仏教伝来にとっても重要なところです。今の大阪城は、石山本願寺を入れると4回目の建物です。町屋の風情、そういうものを含めて、知事はどう思いますか。世界遺産に登録する運動をやる気はありませんか。
 さらに、こうした文化的価値と現庁舎をともに、活用して、この一帯を一大文化観光ゾーンにすることも可能です。宮崎県は、庁舎を移転しない道を選び、たくさんの人が訪れる観光スポットにしました。現庁舎に残る方が可能性を感じませんか。

橋下知事 このあたりは、非常に文化的な価値がある、ポテンシャルがあるという地域であることは十分承知しております。
 平成12年に経済団体が文化庁に世界遺産の登録を要望致しましたが、四天王寺や大阪城など、当時の建築物が現存していないので、世界遺産への登録は困難との回答であったと聞いております。ただし、いろいろ大阪市の施設も含めて、NHKのホールもありますし、大阪市の博物館もある、非常に文化的なエリアであることは間違いありません。
 だからこそ、これだけの文化的価値があるからこそ、官庁なんていうのがあったら、これは本当に府民に対して本当、申し訳ないと恩うんですね。職員と関係業者だけが出入りするような、これだけの文化的な価値があるんであれば、広く府民の方に開放して、多くの府民の人が集まるような、まさにそういうまちなみにする、その第一歩として、僕は府庁のオープンカフェ、これをやりながら、人を集めていただけるような、そんな場所に、そういうまちづくりにしていきたいと、そういう変化を大阪府民は求めているんでというふうに僕は思っています。

宮原議員 歴史に謙虚になるように求めておきたいと思います。その中身は、またゆっくり議論させていただきます。
 次に、防災の問題です。
 東海地震は、いつ起こってもおかしくありません。東南海は、30年から40年以内の地震が起こる確率が60%から70%、東海は50%前後というのが2007年の国の推測です。府庁は、府民の命を守る拠点でなければならないという認識はおありでしょうか。

橋下知事 府民の安全を守る司令塔であることには、間違いありません。

WTCビルの耐震強度、設計者でなく、第三者による検査を

宮原議員 WTCビルは、補強工事に18.5億円かかるというふうに言われています。しかし、最新の建築基準法は、第三者による審査を義務付けています。設計者でない第三者に検査してもらう気はございませんか。

橋下知事 構造学の大学教授にきちんと監修を受けております。

宮原議員 1990年にWTCビルが認可をされましたが、どういういきさつか、ご承知ですか。

橋下知事 これは、WTCの設計時の建築確認のことでしょうか。そうであれば、これは今、事務方で資料を入手しております。

宮原議員 今、資料がないということですか。

橋下知事 手元にありません。

宮原議員 知事室に帰ったらあるんですか。

橋下知事 済みません、私自身は持っていません。

宮原議員 私、難しいこと聞いてるんじゃないんです。新聞記事なんかでも繰り返し書かれてることなんです。60階以上の建物は、建設大臣の認可がいるんです。そこの評定委員会がきちんと届け出に基づいて客観的に検査をして、平成2年の時点での技術水準です、もちろんね。90年。それで出したんです。その後、95年には阪神淡路大震災がございました。それから、長周期地震動の問題のこの10年来研究されてきて、ほぼ定説になってきております。耐震偽装もございました。
 そういうなかで60メートルなんですよ。252メートルと4倍以上。日本で2番目に高い建物。そういうものついて、設計者だけの検査でいいのかということを問うているんです。ぜひお答え下さい。

橋下知事 そのときの手続きに従った建築確認、これ事務方が持ってますので、当時の建築確認の手続きに従って粛々と進められたものだと思っております。

宮原議員 そんなことは聞いてないんです。その後の事態に照らして、この大阪にも総合的な検査をする機関はもちろんあるんです。日本的なレベルの。そういうところに頼む気はないかということを聞いてるんです。

橋下知事 今回、その長周期地震動について、まだ法律上の義務になっていないところをあえて庁舎の耐震化が重要じゃないか、耐震機能が重要じゃないかということで、法律上まだ義務づけられていない点について構造学の大学教授の監修を受けて、18.5億の費用がかかると。それで耐震補強ができるというような報告を受けております。

宮原議員 第三者機関の検査というのは、ぜひ受けてください。これは、要求筆求をしておきます。今の答弁は。あきれながら聞きました。
 地盤改良した、しかし沈下は起きています。くいを打ってからWTCの敷地とその周辺の地盤沈下、これは確認されておられるでしょうか。どの程度また下がっていますか。

橋下知事 この点は、確認をしております。大阪市港湾局の地盤沈下測定では、WTC周辺では、埋立竣工から約30年が経過し、沈下は落ちついてきています。大阪市港湾局の地盤沈下測定結果では、沈下は年数とともに少なくなることから、現状の数値で沈下することはないと思われます。あと数字を列挙して読み上げたらよろしいんでしょうか。もうよろしいですか。

咲洲地区の地盤沈下について

宮原議員 収束してないとしたら、どうされますか。

橋下知事 収束をしていないとか、そういう話は、今ここで沈下が落ちついてきていると当の当事者である大阪市港湾局の地盤沈下測定での結果ですので、収束していないならというようなことに関しては、お答えできません。

宮原議員 私は今朝、10時45分、大阪市に、8回目でしょうか、担当部局に電話をいたしました。そしたら、大阪府に既に渡したということでした。WTCそのものの敷地も、依然として沈下をしてるという数字が出ております。その周辺も沈下をしております。しかも、毎年調査もしてないものですから、ちょこちょこっとした数字が出てる。3,4回の数字が出てくるだけのものですが、それでも出ています。
 いきさつを言いますと、倉庫にしまってあるというふうに言いました。私は、あなた方は売りたい側でしょうと。私は賛成じゃないけど、府庁は買いたい側じゃないですか。買い手も売り手も、沈下の事実を出さないんですかと。つい2日前に私は、大阪市の幹部の皆さんに申し上げました。そして、きょう出てきました。その数字を見られて、それでもそういう答弁されますか。

橋下知事 大阪市から上がっている数字におきましては、0.6センチ、2.0、3.5、1.4、1.4センチメートルですけれども、大阪市港湾局が測定結果で沈下は年数とともに少なくなると。また、約30年間経過して沈下は落ちついてきているというような報告を受けておりまして、埋立地において絶対にミリ単位で沈下がないということはあり得ない話でありまして、今回の議論は、本当に府議会の先生方との議論で、僕はこれは本当に感謝申し上げるんですが、災害対策の話で、どこまでの被害想定を、対策をしなければいけないのか。
 もちろん、これ先生がいわれるように、絶対的な沈下はないのか、1ミリの沈下もないのかと言われたら、確かに0・7センチとか0.6センチありますけれども、一体どこまで対策をしておけばいいのかというようなリスクヘッジの議論でありますので、僕は今回のこの大阪市の報告で、沈下はもう落ちついてきているというような報告で問題がないというふうに思っております。

宮原議員 なぜその資料は、我が党だけでなくて府議会各会派にださなかったのですか。そしてまた、きょうまで大阪市が資料を隠してお他、倉庫にあるとおっしゃってた。そういう大阪市の体質を見ても、なお大丈夫だと、信用できるとおっしゃるんでしょうか。

橋下知事 いや、議員、本当にありがた支お話でして、こういう指摘をいただいて、きちんとこれにお答えするというのが、やっぱり僕、議会の本来のあるべき姿だと思ってます。
 といいますのは、もともと我々が想定している災害対策の話というものは、国の標準化されている、いわゆる想定しているその被害想定というものを想定して、そこには対応できるというようなことでずっと資料をつくっております。ですから、それ以上のことをいろいろ指摘していただくと、当然我々は準備していないものもありますので、こうやってきちんと議会の先生方にお示しをしなければなりませんが、国の災害対策、一定の標準があって、例えば治水でも40年に1度の災害に対するとか、100年に1度の水害に対するとか、じゃそれ以上のものについては、やっぱりこれは国も全然対応ができてないわけなんですね。
 やっぱり我々行政的な、政治的な災害対策というのは、限りない無限の被害想定をして、それに対策を全部やってるかといったら、そうではありません。どこまでの災害について対策ができているのかという、そのレベルを明らかにするのが我々の仕事であるというふうに思ってまして、今回は国レベル、国が普通に標準化してる水害、地震、ここについての対策はきちんとできてるというようなことの資料は全部お出ししていますが、それ以上の御要求があったことに関しては、やっぱりこれもきちんと明らかにしていかなければなりませんので、非常にこれも感謝しています。
 大阪市は、隠してるということもありませんし、我々が出さなかったというのは、あえて出さなかったというのではなくて、そこまでのことはもう考えてはいないと。通常の、国が標準的に想定している災害対策のところまでは、きちんとありとあらゆること検証しております。

重要な資料は積極的に提供すべき

宮原議員 地盤沈下は大事な資料です。それをなぜ、知ってて府議会に出さなかったのか。その大阪府と大阪市の責任はどうなるんでしょうか。

橋下知事 いいえ、知っていて出さなかったんでなくて、議員からの御指摘を受けて、それでいろいろ大阪市とやり取りをしながら、それで入手をしたというのが実情でして、この点、本当にありがたく思ってます。

宮原議員 最初の資料は、既に自民党さんの代表質問の前に私はいただきました1枚目のペーパーを。なぜそれを出さなかったのか。もう一回聞きます。議会と府民に本当に失礼な話だとは思いませんか。

橋下知事 皆さんから求められて出さなかったということであれば、これ大変な大失態だと思うんですが、求められてたんでしょうかね。
 我々が想定している、国も想定している災害、それについて対応できてますよというような検証データは全部お出ししてると患いますけれども、もしそういうことになってしまうと、どこまでの範囲のものを全部お出しするのかですよね。ですから、今はどこまでの被害、どこまでの災害に対して対応できるかという議論をしなければいけな
いと。僕は、府民の皆さんにやっぱりきちんとデメリットを提示しなければなりませんので、例えば淀川の治水だと200年に1度の水害に対策やってますよ、大阪府内であれば100年に1度の水害に対策を打ってます。猪名川であれば40年に1度の水害に対策を打ってる。そうすると、それ以上のものについて対策をとれてないわけなんですね。
 ですから、今回の咲洲地区の問題も、一体どれだけの災害に対してきちんと対策をとれてるのか。でも、それ以上のことになると、これはリスクですということをきちんと明らかにしなければいけないので、ちょっともしかすると議論がかみ合ってないんですが、そういう意図で何も資料をお出ししなかったとかそういうことではなくて、ご要望があれば、これはもう確実に全部お出ししなければならない資料だと思っています。

宮原議員 先ほども言いました。各党の代表質問の始まる前に、私には資料が届きました。しかし、こういう場合は、全部の会派に届けるのが礼儀です。その点後で釈明してください。
 それからもう一つ。阪神淡路でも、WTCは、一部を除き液状化してないというふうにないというふうに言いました。しかし、ボートアランドは随分液状化したんです。これは、ご承知のはずです。
 南海東南海など海溝型地震というのは、その何十倍のエネルギーです。しかも、長い間揺れ、繰り返し地盤も建物も打撃を受けるんです。わずかとはいえ地盤沈下をしてる、そういうもとで、どうなるでしょうか。阪神淡路の本震は何秒、海溝型の揺れは何秒ぐらい想像されてますか。

橋下知事 何秒、何秒というところまでのそういう細かな数字までは、私は把握していませんが、ただし大阪市からの報告で、液状化については東南海・南海地震、上町断層地震も含めて、その液状化がないというのは、きちんとビジュアルな色つきの報告資料で出ています。それ以上にどれぐらいの秒数で、地震的な、自然科学的なそういう細かな数字の部分についまでは、私は把握しておりません。
 先ほとの地盤沈下につきましては、国が想定している被害対策の被害状況の中にも、この地盤沈下は当然入っておりません。
 咲州地区、これは大阪市からも確認して、平松市長からも確認しましたけれども、当然そういうことが問題であれば、あそこに済んでいる方々、大問題になってきます。ですから、今回は、その資料についてもし、お出ししていなかったことへの、議会上礼儀がないということであれば、これはもう議員御指摘のとおりだと思ってます。
 礼儀、礼節ということでありましたら、これからは議員だけに渡すということだけでなく、こういう重要な問題については、各会派の皆さんに対してもきちんとご提示するということは、確かに議員のおっしゃるとおり礼節を欠いていたかというふうに思ってます。

長周期地震動、超高層ビルに大きな影響

宮原議員 阪神淡路の本震は26秒でした。海溝型の揺れは300秒から600秒ぐらい。252メートルの建物だと、もっと長いんではないかということも言われています。
 そういう、私は、別に数字のことを言ってるんじゃなく、大体の規模としてどの程度かということを聞いたんですけれども、それは十倍以上あるということはよく理解しておいてください。
 大阪府・大阪市構造物耐震検討委員会の委員長さんが、60メートル以上の建物の場合、最低でも阪神の2倍以上の激しさ、それから長く揺れる、液状化は水に近い状態になる。こういう報告書を出されてるはずです。大阪府、大阪市がつくった検討委員会です。この資料を出すつもりはありますか。

松江伸二危機管理監 ただいま議員御指摘の資料は、多分平成18年度において被害想定をしたときの関連資料だと思いますが、資料があれば提出はさせていただきたいと思っております。
 議員のおっしゃった内容が、そのとおりかどうかわかりませんが、確かに府と市で地震の被害想定等をやっております。その資料のことかと思っておりますので、今手元では確認できませんが、資料については提出させていただきたいと思っております。

宮原議員 大阪府と大阪市が合同でつくった検討委員会の委員長さんの調査結果報告なんですよ。それを私に言われるまでその存在すら明らかにしなかった大阪府というのは、不誠実だというふうに私は思います。

現庁舎補強とWTCへの移転比較財政シミュレーションに疑問

 財政シミュレーションです。WTCの買収のときには、50億円を超す基金からの活用で計算し、耐震補強案では全額起債をするとして利息が計算されていました。庁舎の基金があるのに、WTCは53億円活用、現庁舎は全額借金、なぜこんな初歩的な間違いをしたのですか。
 私の問い合わせに、現庁舎の起債利息は8億円ではなくて約3億円、これ訂正されたのは、これも先週の水曜日、各党の代表質問の前でした。我が党に本会議で指摘されるまで訂正しなかったというのは、府議会の各会派と府民に不誠実ではありませんか。

橋下知事 この点は、現庁舎のほうは、現庁舎を建て替えるときの起債。確かにこのときには利息はありますけれども、この府債は後で交付税措置−−90%交付税措置をされますので、その点でそちらのほうが数字的には有利になるということで起債措置をやったと。
 ただ、議員御指摘のとおり、起債じゃない、じゃ基金を使った場合はどうなるのかというような御指摘がありましたので、起債を使わなければ、基金を使えば利息は下がります。しかし、それは90%の交付税措置が受けられなくなってしまいますので、この庁舎建て替えにさいしては起債をするほうが、得だというような判断で、この現庁舎の耐震補強等については起債、そしてWTCのほうはそれが使えないということで基金だと。
 ですから、利息の部分じゃなくて、交付税措置で、トータルで考えれば、そちらのほうが得だというような判断でこの両分けをしています。

宮原議員 その資料は、後でこれも府議会の各会派に、計算し直してきちんと出してください。
 その前後の、200億円安いという前後の1平米10万円下がるだけでももちろん下がります。文化財の発掘に29億円かかるという数字を、これも先週わかっていたはずなのに、我が党の質問に初めて答えました。なぜ、はじめから議会に出さないのですか。それぞれ答弁を求めます。

橋下知事 済みません、起債の先ほどの交付税措置の分、僕90%交付税措置がされると言いましたが、充当率は90%で、交付税措置は50%です。それでも、こちらのほうが得だというような判断で起債と基金の使い分けをしました。それについての資料も、これも出させていただきます。
 文化財調査に関しましては、その具体的な土地利用が定まり、調査を行う範囲やその深さが決まらないとその額が確定しませんので、シミュレーション上は加味しなかったものであります。
 なお、先日お示ししました文化財調査費29億円は、大手前エリアの調査実績の平均単価を用いて試算したものであります。

宮原議員 最初の鑑定に、地下の埋蔵物などの件は、考慮の外に置くように、それから更地の撤去、この二つの条件がついていました。当然、そういう条件で鑑定をした以上は、文化財を調査したらこうなりますよ、更地にするための撤去費用はこれだけかかりますよ、そういうことを大阪府はそれにプラスしてだすのが公正な数字ではありませんか。

橋下知事 資料の出し方としては、議員おっしゃるとおりです。これは、きょうもちょっと答弁調整会議で、別の案件で、資料の作成方法については厳しく注意をしました。仮にこういう場合だったらこうだ、仮にこういう場合だったらこうだというのは、正規に理由がいろいろあって本体の中に入らなくても、少なくとも欄外にはきちんと起債をしなければならないということを厳しく注意をしましたので、その点につきましても、不十分な点がありましたら、おわび申し上げます。
 ただ、このように御指摘があったので、このような形でいろいろと不備な点も明らかになってるというのは、まさに議会でこういう形で議論かできたおかげだと思ってます。感謝してます。

宮原議員 いやいや、それは知事が長いことしゃべってるんだから、僕に言われたってだめですよ。知事に言うてください。撤去費用も含めて資料出してください。

民間ビル賃借料、34年間も府職員の人数変わらない前提

 8つの民間ビルの賃貸料は、片方は26億、片方が218億。職員数は19年6月で計算されています。しかし、昨年6月に既に193人減っています。34年間を、平成20年を起点に53年まで計算するのに、なぜ10年、20年の数字がわかってて19年の数字をあえて使ったのですか。

橋下知事 着席人員は、2月2日にお示しした庁舎移転構想案の作成時点では、まだ20年度分は調査中であったため、19年度分の着席人員としました。21年4月の着席人員については、職員数150人程度の減員を見込んでおりますが、今年度末の退職動向や非常勤職員数などを見きわめて今後精査します。
 今回、外郭団体からの職員の引き揚げ等の問題もありまして、いろいろその着席人員についてはまだ確定をしておらず、そういう意味で、調査で間に合っていないと、そういうことで19年度分の着席人員の数をもとにして資料をお出ししました。

宮原議員 19年度と今日、例えば4月1日では、知事の答弁だと340人ぐらい違うことになるんです。これはビルでいうと、8つのビルのうち、とり方にもよりますが、少なくとも3つに該当します。
 平成23年には、太田知事計算でも、5つのビルが要らなくなります。それだけで百億近く、民間ビルの賃借料は変わります。それでもなぜ、そういう216億と24億というような虚構の数字を出したのですか。

橋下知事 もちろん、これ今ずっと動きながら数字を出していってます。確定したものはその都度その都度出さなければなりませんが、議員、今減ることの話ばかりされましたけども、今回、外郭団体、もう抜本的にその構成を変えようと、職員派遣のシステムを変えようということで、今検討しておりまして、その引き揚げ人員もいろいろあるんですね。
 ですから、この数字は確定すればきちんとお出ししますけれども、単純に減だけの話ではないというふうに考えています。

議案を取り下げ、資料を全部出してもう一度論議を

宮原議員 全体として減るのは、間違いないんです。過大に見積もってるのは、間違いありません。そのことは否定できるかどうか、一つ。
 それからもう一つ、もう時間がないのでいきますが、特別顧問の本間氏がアンケートとりました。7割以上が、wTC移転に賛成だと言ってます。しかし、その理由は、88%人が、なんと安いからという理由だけなんです。
 今の私のるるの質問あるいは代表質問で、でたらめな都合のいい数字だけが出されていて、WTC移転が安いという情報が一方的に世論誘導をされていると私は感じます。議案を引っ込めるか、あるいは全部資料を出し直してもう一度議論をするか、どちらかを私は求めたいと思います。これ以上審議できません。議長、取り計らいをよろしくお願いします。

橋下知事 席人員等の減につきましては、これもやっぱり明確な行政の適正規模の人数というものがはっきりしていない中で、どれだけの人数ということが確定できませんから、当然、今回の出したシミュレーションの中でどこまでの信憑性があるのかどうなのか、本当にあの人数があの人数のままでいいのかどうなのかということも含めて、議会の先生方に御判断していただかなければならないと思ってます。
 また、安いということだけの理由でというふうにおっしゃられましたけれども、まだあのころには、僕の都市構想等については、議会の先生方にきちんと、議案提出する前でしたので、その構想というものはきちっと明示をしていませんでした。大阪市との調整もついておりませんでした。今回は、安いという話だけじゃなくて、大阪再生、関西再生ということのメリットと、それから議員の御指摘のとおりデメリットも当然あります。防災上の理由も、三角印でお出ししております。ただし、これは国標準が、国が想定している、いわゆる国も行政機関として対応している災害対策としては問題ないというレベルですが、それ以上の何か災害を想定されてしまうと、もちろんそれは、対策はとれていないのは、これはもう現実問題です。これは、もう淀川の河川でも200年に1度以上の水害が発生したら、それは対応できません。ですから、そういうデメリットとそれからメリットと、これの二つを含めて御判断をしていただきたいという思いで今回議案を提出させていただきました。
 平松市長側、大阪市側も、これはもうこのまま延ばしておくと、当然向こう側も問題がでてきます。ですから、どんどん支出を出し続けるわけにもいかないので、ですから3月のこの末までに結論は出してほしいと。そうでなければ大阪市も、粛々と手続きを進めざるを得ないというような連絡がありました。
 私は、本議会で、これは議会の先生方に最終的な判断を出して頂きたいと患いますので、議案の撤回は致しません。

宮原議員 重ねて資料を全部出し直すことを求めます。
 最後に、大阪市の意見だけ付け加えておきます。あなたの問い合わせにNHKは−−、橋下知事から平松市長への問い合わせ、平松市長からNHKへの問い合わせに−−NHKは、大阪市の数人の幹部に聞いたら、防災上課題がある、だからWTCへの大阪市庁舎はだめだという報道をしたというふうに言われています。そのことも指摘して、質問を終わらせていただきます。

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