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議事録

教育常任委員会(2022年3月14日) 内海公仁府議の質問


・学校でのコロナ対策等について

◆(内海公仁君) 日本共産党の内海公仁です。
 学校でのコロナ対策等についてまずお聞きしたいと思います。
 今年度の初めからの第四波、そして夏の時期を中心とした第五波、さらに年明けから急激な感染拡大となった第六波と、新型コロナ感染拡大は学校現場に大変な負担をもたらしてきました。それは、子どもの日常の変化により心身に大きな影響を与えていることが指摘されています。特に、感染力が強く短期間で感染が広がるという特徴を持ったオミクロン株を中心とした第六波は、十代とそれ以下の学生や児童生徒、就学前の子どもへの感染が広がったことが特徴でした。
 学校現場では、感染防止の取組や、陽性者が出た場合の家庭との連絡調整、学級閉鎖や休校措置への対応、リモート学習など、教職員の負担は大変重くなっていると伺います。現在、市町村が行っているスクールサポートスタッフの配置に対して、府が一定の補助を行うということになっておりますが、この支援をさらに拡充すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

◎教職員人事課長(金森充宏君) 学校現場におきまして新型コロナウイルス感染拡大のリスクを低減し、児童生徒の学びを保障するためには、感染症対策と併せて、教員が児童生徒への指導などに注力できる体制整備が必要でございます。
 このため、令和三年度は、スクールサポートスタッフを配置する二十の市町に対しまして財政的支援を行い、来年度につきましても、新型コロナウイルスの感染状況を踏まえまして、教員の負担軽減を図るために、市町村の配置予定などを確認し、今年度と同額を予算案に計上しております。
 児童生徒の安全安心な学びを保障し、また教員の負担軽減につながるよう、引き続き、学校現場の体制整備に努めてまいります。

◆(内海公仁君) 市町村からの要望待ちにならないように、ぜひ府としても積極的に必要な拡充をしていただきたいということをお願いしておきます。
 続いて、高等学校でも多くの陽性者が出て、相次いで休校等の対応が繰り返されてきております。清掃・消毒作業や健康観察など多くの負担がかかっております。ところが、府立高校でのコロナ対策の人的な支援ということについて言いますと、支援学校へのスクールサポートスタッフの配置とか学習支援員の配置などは進んでおりますけれども、府立高校にはこれらの取組がされていない様子であります。昨年度は、そのような中で、これまで複数配置されていた養護教諭が一人配置になった学校もあり、現場は大変です。教職員が陽性になって休む場合も含めて、現場では人的な支援が必要ではないかと思います。
 今後の感染の波がどのような状況になるのか、これは誰も想定できませんが、せめて現場からの緊急のSOSが発せられた場合に、しっかりと応えられる人的支援が必要ではないかと思いますが、保健体育課長に伺います。

◎保健体育課長(西田修君) 新型コロナウイルス感染症がはやり出した初期の段階では、健康観察、清掃や消毒作業など、養護教諭などの一部の教職員に負担がかかっているとの声があったことは認識しております。
 そうしたこともありまして、特定の教職員に負担が増えないよう、マニュアルでの周知や校長会での説明を通じて、全教職員で対応するよう指導してきたところでございます。現在、新型コロナウイルス感染症の対応につきましては、全教職員で対応いただいているものと認識しております。
 今後も引き続き、各学校において特定の教職員に負担が偏らないよう指導してまいります。

◆(内海公仁君) もう既に学校現場では、特定の職員の問題というよりも、学校全体の職員が頑張っても大変な状況になっている。生徒の健康と安全のために人を配置することに真剣に取り組むべきだと思っております。
 次に、新年度の予算案の中で、リモート授業などのインターネットトラブル支援のためのヘルプデスクの設置が予定されておりますが、これは問合せに対して電話や遠隔操作による対応が中心で、現場に出向いて支援をするというものではありません。これで本当に現場で生じる問題解決になるかどうか、不十分だと思います。学校現場に出向いて直接支援をすることも必要ではないかと思っております。これまでも市町村の教育委員会は、ICTトラブルなどの支援員を配置しているところもあるようですが、コロナ禍でリモート授業やハイブリッド授業の機会も増えていくという中で、支援が必要だと思います。
 そこで、市町村教育委員会が、小中学校に対してICT巡回支援員など、例えばの話ですけども、こういうものを配置する場合に、ぜひ府として補助をするという仕組みをつくってはどうかと思います。コロナの緊急対策としてもこの観点が必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。

◎小中学校課長(片山繁一君) コロナ禍の中ででも児童生徒の学びを止めないということは重要であると認識しております。
 現在、学校においてリモート授業などを行う際には、各市町村が地方財政措置等を活用するなどして配備しているICT支援員等により、技術的なサポート等を行っているところでございます。
 府としては、次年度から大阪府GIGAスクール運営支援センターを設置しまして、希望する市町村を対象に、教員はもとより保護者、児童生徒に対してのサポートを行うことで、市町村を支援してまいる予定でございます。

◆(内海公仁君) 学校現場は、日々の取組が本当に大変な状況の中でそれこそ支援の人を求めているという、この状況をぜひ考えていろいろ対応していただきたいと思います。

・子どもに寄り添い命を守る取組の強化について

◆(内海公仁君) 次に、子どもに寄り添い命を守る取組の強化について質問をさせていただきます。
 昨年のNHKのニュースなどでは、二〇二〇年度、小中学校の不登校児童数が十九万六千百二十七人と過去最多となったことが報じられております。また、いじめについては、全体としては減少したものの、パソコンやスマホなどで誹謗中傷されるという回答が、前年度より九百四十六件増で、一万八千八百七十件と五年間で倍増していると指摘しています。長引くコロナ禍の影響は、教育現場に大きな負担をかけるだけでなく、子どもたちの心と体に様々な影響が出ていると考えられます。
 背景にあるのは、コロナ禍で親も子どもも在宅時間が増えて、家庭内でのストレスが増加していること、学校生活の中で行事や部活動の中止や延期など学校生活のアクセントが失われたり、友人や先生との日常的交流が失われるなど、自分を支える場所が大きく変化していることがあります。また、SNSやゲームなどの影響によって、現実と仮想空間の境界が不明確な状況になったり、間違った情報の影響を受けやすい心理状態になっている場合もあります。
 そこでまず、小中学校での不登校、いじめなどの現状に対する府教委の認識と次年度に向けた取組についてお伺いします。

◎小中学校課長(片山繁一君) 委員お示しのとおり、小中学校の不登校者数でございますけども、増加、特に小学校においては五年前から約二倍となっております。また、暴力行為の発生件数も小学校で増加するなど、生徒指導上の課題はますます大きくなっていると認識しております。加えて、コロナ禍により児童生徒のストレスの高まりや家庭環境の変化など、子どもを取り巻く環境は多様化、複雑化しております。そのため、今後、各学校においては、スクールカウンセラー等専門家の活用がさらに必要なことになると考えております。
 教育庁といたしましては、これまで、子どもたちの心のケアなどに向け、政令市を除く全ての中学校へスクールカウンセラーの配置をしてきたところでございます。令和四年度は、小学校への相談ニーズの高まりに対応するため、本年度拡充した活動時間数を引き続き継続していくこととしております。

◆(内海公仁君) 特に中学校などでは、セクシュアルハラスメントとか性被害、性差別などの問題なんかも深刻だと思っております。特に中学生が、家族からの被害なども心配される状況の中で被害を相談しにくいという問題も考えられます。実態はなかなか把握しにくいと思いますけれども、現状はどんな状況をつかんでおられるでしょうか。

◎小中学校課長(片山繁一君) 府内の中学校においてですけども、全ての学校では今セクシュアルハラスメントの相談窓口を設置してございます。市町村教育委員会から、令和二年度の中学生からの相談件数は四件と聞いております。

◆(内海公仁君) 数字ではなかなか実態が正確に反映されているというふうには思えない状況かと私は推察しています。
 子どもたちを性被害から守るためには、学校での性に関する教育や指導が適切に実施されることが必要です。特に自分と他人をともに尊重すること、心と体を知り大切にすることを学ぶためにも、性に関する指導が重要です。
 ところが、聞くところによると、中学校での性教育について、妊娠の過程は取り扱わないものとするという規定があり、それとの関係で、現場の教職員は性教育について様々な苦心とためらいがあるとも言われております。外部講師などの活用の必要性なども言われておりますけれども、予算も限られる中で、中学校で苦労されているということも聞いています。こうした現場の声に応えた支援が必要だと思いますが、いかがでしょうか。

◎保健体育課長(西田修君) 教育庁といたしましては、性に対する意識や性に関する指導への理解や認識が多様であるため、平成三十年度に、各学校における性に関する指導を効果的に行うための参考資料を教職員向けに作成し、府立学校及び市町村立学校に配付いたしました。
 また、昨年四月に文部科学省と内閣府が協力し、子どもたちが性暴力の加害者、被害者、傍観者にならないために、子どもたちの発達段階に応じた「生命の安全教育」の教材等を作成したことから、教育庁におきましても、同教材を同様に周知するとともに、昨年十月には、大阪府警察本部と連携し、大阪府の性被害の状況を示していただき、性被害への対応について学ぶ教職員を対象とする研修会を開催いたしました。
 府教育庁といたしましては、今後とも、様々な機会を捉え、子どもたちが命の大切さ、自分や他人を尊重する心を育めるよう、教職員の支援を進めてまいります。

◆(内海公仁君) 高等学校の場合についてはどんな状況かについてです。特に高校の場合は、性被害とか、性暴力による妊娠の事例もあると言われています。ここでも、自他尊重、心と体の健康保持、ジェンダー平等などの大切さを指導する上で、養護教諭をはじめとして、生徒が心を開いて悩みを共に解決するために、人間関係がとても大切だと思っております。こうした課題への対応について、現場の状況について保健体育課長に伺います。

◎保健体育課長(西田修君) 様々な悩みを抱える生徒にとって、学校においては養護教諭が最初の窓口になることが多いと認識しております。
 一方で、府立高校におきましては、生徒が個別の相談を気軽にできるよう、相談室等で教職員やスクールカウンセラーが対応しており、養護教諭のみに負担がかからないように取り組んでいるところでございます。
 今後も、学校として、特定の教職員に負担がかかることのないよう、組織的な体制づくりを進めてまいります。

◆(内海公仁君) 小中学校でもそうですし、高等学校でも大切なのは、やっぱり一人一人の命を守る、あるいは心や体を大切にするということをしっかりと指導していくということが大事だと思っておりますけれども、国際的には、ジェンダー平等や性の多様性を含む人権尊重を基盤とした性教育、いわゆる包括的性教育の重要性が早くから指摘されています。一九九九年に世界性科学学会、現在は性の健康世界学会という名称に変わっておりますけれども、ここで採択された性の権利宣言では、包括的性教育を人は誰もが受ける権利があるとしました。二〇〇九年には、ユネスコが中心となって、国際セクシュアリティ教育ガイダンスを作成し、二〇一八年には第二版として発展しております。
 包括的性教育の目的を、自らの健康、幸福、尊厳への気づき、尊厳の上に成り立つ社会的・性的関係の構築、個々人の選択が自己や他者に与える影響への気づき、生涯を通して自らの権利を守ることへの理解を具体化できるための知識や態度を身につけさせることとして、その理論的根拠と教育を効果的に進めるための内容や、年齢段階別の学習目標を提示しています。自らの経験と情報を組み合わせて理解する学習者を中心に据えたアプローチが特徴となっております。こうした国際的な到達点をしっかりと踏まえた学校現場での包括的性教育の促進、これを府教育庁としてさらに積極的に取り組んでいただきたい、このことを強く要望しておきたいと思います。

・スマートフォン等の利用実態と依存症対策について

◆(内海公仁君) 続いて、スマートフォンなどの利用実態と依存症対策について伺いたいと思います。
 コロナ禍で子どもが外出することも制限されるなどの状況もあって、小中学生の間でスマートフォンやゲーム、インターネットを利用する機会が大変増えていると言われております。長時間スマホやタブレットに集中する、SNSのトラブルに巻き込まれるなどの不安も懸念されております。そのような実態について状況をまずお聞かせください。

◎小中学校課長(片山繁一君) 小学生についてですけども、令和三年度に実施しましたすくすくウォッチでのアンケートにおきまして、小学校五・六年生の約二〇%がゲーム機やスマートフォンなどを一日四時間以上使用していると回答しております。中学生については、同じく令和三年度に実施したチャレンジテストでのアンケートにおきまして、中学生の約二五%が携帯電話、スマートフォンを一人四時間以上使用していると回答しております。
 これらから、スマートフォンなどが児童生徒にとって身近なものとなっていると考えられる一方で、睡眠時間の減少など日常生活への影響が懸念されることから、自分自身で利用をコントロールする力が必要と認識しております。

◆(内海公仁君) 子どもたちの間にスマートフォン、それからゲーム等がかなり浸透していることは事実だと思います。そのこと自身がある意味大変重要なことでもありますので、これがどのように正しく活用されるか、先ほどの議論でもありましたように、それを丁寧に学んでいくということも大事だと思います。
 しかし、私は、こうしていわゆるゲームとかネットの世界である意味訓練された子どもたちが大人になっていくときに心配していることが一つあります。それは、今の大阪府の政治の方向性がこのまま続いたら、十年後には夢洲でカジノが開業されているかもしれない、このことを私は大変心配しております。しかも、今計画されているカジノに、今の小中学生が絶好のお客さんとして呼び込もうとして狙われているというのは事実ではないかと私は心配しております。だから、私は、カジノは若者の将来を狂わせるものであり、あってはならないものだと改めて申し上げておきたいと思います。
 今、子どもたちに、ギャンブル依存症の危険性、あるいは依存症によって人生も家庭も崩壊させる危険なものであり、依存症は病気であるということを正しく教育することが必要だと思います。そのための教育庁としての取組、その姿勢について御答弁をお願いします。

◎小中学校課長(片山繁一君) 小中学校においては、児童生徒が主体的に判断し、スマートフォン等を適切に利用できる力を育むため、保護者とも連携しながら取組を進める必要があると認識しております。
 教育庁としては、平成三十一年三月に、小中学校における携帯電話の取扱いに関するガイドラインを策定し、児童生徒がスマートフォン等の使用に関するメリットとリスクを正しく認識し、安心安全に利用できるよう取り組んでいるところです。ガイドラインには、全校でスマートフォンなどの使用時間、就寝時間、トラブルなどのアンケートを実施し、その結果を基に、児童会、生徒会での使用についてのルールをつくるなどの指導例を掲載しております。
 このガイドラインも参考に、各市町村では、小学生が安全な使い方を学び、自らの判断でリスクを回避していくスキルを身につける、そのような機会として、スマホ・SNS安全教室を実施したり、中学校生徒会が身近なSNSトラブルを寸劇にして全校集会で発表し、SNSとの向き合い方について考えたりするなど取組を進めているところです。
 今後も小中学校における取組が充実しますよう、各学校における好事例を集め、周知をしてまいりたいと考えます。

◆(内海公仁君) インターネットやスマートフォンの利用についての教育の問題は、今御答弁あったとおりだと思いますけれども、教育委員会、教育庁は、いわゆるギャンブル依存症についての指導は、何となく、ほかでやってもらったらいいという感覚になっているんじゃないかなということを私は心配しております。健康医療部を中心として、こころの相談センターなどがギャンブル依存症対策の直接の窓口になっていることはあるわけですけれども、私が危惧しているように、今の子どもたちが、やがて将来ギャンブルのお客さんとして狙われている、こういう状況をやっぱり教育の現場に携わる人はしっかりと踏まえて、ギャンブル依存症対策に正面から向き合う。そのためのいろんな教材なども活用して、教育の現場でもこの依存症対策をしっかりとやっていただきたい。そして何よりも、私は、カジノで人生を狂わせてしまう若者を大阪からつくり出さない最大の保障は、カジノを夢洲につくらない、このことだということを改めて申し上げておきたいと思います。

・特別支援学校の整備について

◆(内海公仁君) 次に、特別支援学校の整備についてお尋ねしたいと思います。
 午前中も午後も各委員の皆さんから質問がこの問題ではありました。支援学校の過密過大の問題は、まさに深刻です。そして、これまでの府の特別支援学校整備方針を根本から見直すことが今求められてると思っております。教室不足五百二十八、そして府立支援学校四十六校中、校舎面積を満たしていない学校十二校、運動場面積を満たしていない学校二十三校、この現実から目をそらすことなく、新年度に向けて調査検討を行う、そういうことを私は大いに期待したいと思っています。質問が重なってしまうこともよくないと思いますので、このことは強く要求しておきたいと思います。
 その上で、私も過去にも質問で取り上げてきたように、通学区の複雑化や長時間通学の問題についても真剣に取り組んでいただきたいと思っております。
 私の地元の子どもたちは、東大阪ですけれども、小学部、中学部は八尾支援学校に通っているけれども、高等部になると、八尾支援学校の過密の問題があり、その対策のために東大阪肢体支援学校、そして交野支援四條畷校、そして生野支援学校、また一部は羽曳野の西浦支援学校に分散して、しかも度々通学区の変更がなされてきております。それでもなお八尾支援の状態、そして移転、拡充が今示されている生野支援学校の過密状態は、これからも続くことは間違いありません。
 今後の支援を必要とする子どもの推移から見ても、このように同じ市に住みながら異なる支援学校へ学部を越えて通学し続ける状況は、子どもと親にとって耐えられるものではありません。改めて、東大阪市に知的障がい支援学校を設置する必要があると私は考えております。これについて、支援教育課長はどう考えているか、お答え願います。

◎支援教育課長(平田誠和君) 府立支援学校に在籍いたします知的障がいのある児童生徒が増加傾向にある中、支援学校の教育環境の整備につきましては、昨年度取りまとめました知的障がいのある児童生徒等の教育環境に関する基本方針に基づき、現在、元西淀川高等学校を活用した新たな学校整備等に取り組んでございます。
 これらの方針も踏まえながら、委員お示しの来年度の調査検討におきまして、設置基準への適合等に必要となる方策等について検討してまいります。

◆(内海公仁君) 繰り返しほかの委員からも指摘されているように、これまでの大阪府の支援教育の在り方の考え方、これを抜本的に改めて、支援学校の新設、ここにしっかりと立場を明確にした計画をつくっていただくことを改めて求めておきたいと思います。

・特別支援学級の在り方等について

◆(内海公仁君) 続いて、支援学校ではなく、今度はそれぞれの学校で特別支援学級が設置されておりますけれども、この特別支援学級の在り方等についてお伺いしたいと思います。
 支援を必要とする子どもたちが通う支援学級ですけれども、支援を必要としている子どもたちは、その特性や、あるいは支援の内容もそれぞれ違っております。支援学級における支援教育、それから通級による指導とか普通学級でのインクルーシブな学校生活と学びなど、多様な形態の学びと支援が求められていると思いますけれども、まず支援学級の設置の状況、在籍数のこの間の推移についてお伺いしたいと思います。

◎支援教育課長(平田誠和君) 小中学校における支援学級の設置につきましては、設置者である市町村教育委員会とも連携し、障がいのある児童生徒へのきめ細かな対応ができるよう、障がい種別ごとの学級設置を進めてまいりました。平成二十三年から令和三年までの十年間におきまして、支援学級の設置数は約一・八倍、在籍者数は約二・四倍に増加しております。

◆(内海公仁君) この間大変な増加になっているということが明らかになっていると思います。
 しかし、その支援学級の指導の中身がどのように実際に行われているのか、その状況について実態をお聞きしたいと思います。

◎支援教育課長(平田誠和君) 支援学級に在籍する児童生徒については、当該児童生徒の障がいの状況等や教育的ニーズを踏まえ、各学校で特別の教育課程が編成されております。
 具体的には、一人一人の障がいによる学習上または生活上の困難を改善、克服するために自立活動の指導を行うとともに、各教科の内容を下学年の内容や知的障がい支援学校の内容に替えることなどにより、支援学級での学習や通常の学級における交流及び共同学習という形で、指導、支援が行われております。

◆(内海公仁君) 今御答弁にあった交流及び共同学習という形で学ぶときに、ここで問題が生じているという現場の意見があります。とりわけ、コロナ禍の影響も含めて、狭い教室に四十人のクラスの子どもに支援学級の子どもが加わるそのことで、教室はますます狭くなります。特に、ICT端末の保管庫なども各教室に今設置されていることもあり、高学年になると子どもの体格の成長に伴う困難さも出てきます。
 インクルーシブな教育、学びという言葉は大変きれいな言葉です。そして、そのことは大変必要だと思います。しかし、それによって子どもたちへの負担は逆に大きくなっている状況もあります。また、指導に当たる先生が、支援学級の担任の先生も指導に一緒に入っていただくという場面も当然あることは理解しますけれども、それでも大変な負担がかかることは間違いないと思います。
 四十人の教室が四十五人にもなるという実態が各所で指摘されています。この問題を改善するためには、支援学級の在籍の子どもの人数を通常学級でも在籍数に加えて、それを基にしてクラス編成を行うという、いわゆるダブルカウントの考え方が必要だと思います。ダブルカウントの必要性は、現場を知る教員の皆さんは共通して感じているところだと思います。府教育委員会としてはこの問題をどのように考えているのか、そしてどのように取り組もうとしてるのか、御答弁をお願いします。

◎支援教育課長(平田誠和君) 交流及び共同学習を進めるに当たりましては、担当教員に加えまして、支援学級担任等も交流学級に入ることによりまして、児童生徒への指導、支援の充実に取り組んでおります。
 また、府教育庁では、特別の教育課程に基づいた指導を行う支援学級の設置とともに、通常の学級において各教科等の指導を受けながら、障がいの状況等に応じた特別の指導を受けることができる通級指導教室の設置を進めてまいりました。平成二十三年から令和三年までの十年間におきまして、約二・五倍となる三百三十五教室を設置してございます。
 障がいのある児童生徒の学びの場は、市町村教育委員会において、本人や保護者の意向を最大限尊重して決定するものでございますが、通常の学級の教育課程で学ぶことが望ましい児童生徒については、通級指導教室の利用が可能であることをこれまでも伝えてまいりました。
 今後とも、市町村教育委員会が児童生徒一人一人の障がいの状況等に応じた学びの場を適切に判断できるよう、支援学級や通級指導教室等の多様な学びの場の整備を進めるとともに、国に対しましては、引き続き交流及び共同学習の充実に必要な財源措置や通級指導教室の基礎定数化の確実な実施等について要望してまいります。

◆(内海公仁君) 今御答弁あったいわゆる通級指導教室の設置が増えている。通級指導教室の子どもたちは、当然普通学級の在籍数としてカウントされておりますから、この考え方は大変いい方向だと思います。しかし、実際には、子どもたちの障がいの度合いによって、通級指導ではやっぱり困難で、特別な教育課程が必要だということがあるからこそ、先ほどの御答弁にあったように、支援学級が増加していることは間違いないわけですね。その点から見ても、私は、改めて、ダブルカウントを行う必要性が改めて浮き彫りになっていると思っております。全国的にも、大学の研究者などの意見なども、今ダブルカウントを行うべきだということが様々な方面から出されております。国への要望も含めて、府費での加配もぜひ踏み込むべきだということを強く要望しておきたいと思います。

・少人数学級の取組について

◆(内海公仁君) 続いて、少人数学級の取組について御質問したいと思います。
 国は、四十年ぶりに義務教育標準法を改定して、二〇二一年度から小学校全学年で順次三十五人学級へ移行することとしました。しかし、中学校ではまだ改定されていません。OECD参加国各国を見ると、一学級当たりの人数を少なくしたほうが児童生徒の学力や精神状態などによい効果が出るという国際的研究成果に基づいて、この間努力が進められてきました。その結果、二〇二〇年の調査のOECD平均で小学校は二十一人クラス、中学校は二十三人クラスに対して、日本では小学校で二十七人、中学校で三十二人と世界でも最も多い国になっています。
 このような状況にあって、二〇二一年度時点で、府下各市でも独自に講師配置を行うなどとして先行実施しています。その状況と効果などについてお伺いしたいと思います。

◎小中学校課長(片山繁一君) 今年度ですが、小学校において、市町村の単費で三十五人学級編制を実施しているのは十二の市町村になります。そのうち、三市町村が小学校三年生から小学校六年生までの四つの学年で実施しておりまして、残りの九市町村では一部の学年等での実施となっております。
 効果についてですけども、国加配を活用した三十五人学級編制を実施している市町村を対象とした令和元年度アンケートによりますと、九〇%以上の保護者が子どもは学校へ行くのを楽しみにしていると回答しておりまして、また九五%以上の学校がノート指導、作品へのコメントなどが丁寧にできると回答しております。

◆(内海公仁君) パネルを見ていただきましょうか。
 今御答弁あったように、市町村で努力が進んでいるときに、大阪府はどういうふうになっているかという問題です。二〇二一年度、全国の都道府県と政令市の少人数学級の実施についてまとめた図表です。四十七都道府県のうち、国制度に上乗せして少人数学級を実施している府県は四十三です。国と同じ小学校一年・二年の実施にとどまっているのは、御覧の白い表示のところ、福岡県、広島県、神奈川県、そして大阪府の四府県だけです。二十四の県では、小中学校全学年で三十五人学級を実施しております。こうして見ていただくと、大阪府の遅れが目立ち過ぎていると言わなければなりません。
 府として独自の財政措置も行って、せめて小学校全学年で三十五人学級を全市町村で実施すべきと思いますが、見解を伺います。

◎小中学校課長(片山繁一君) 教育庁といたしましては、三十五人学級が未実施の学年については、国加配を活用しまして、教科や習熟度に応じて学級を分けて指導する少人数習熟度別指導か、一クラス増やすことで学級の人数を少なくする三十五人学級編制かを、市町村が実情に合わせて選択できるようにしているところでございます。

◆(内海公仁君) 今の答弁でも、結局、国の加配を活用して選択していただけたらそれでよいというのが答弁でありました。現場では、二〇二一年度、二年生の三十五人学級を実施したとき、国は、これまで習熟度別などで加配していた中から二年生の担任に振り替えただけで、加配分が減って、結果として先生の数は変わらないという状況もありました。これから学年が進むにつれてこのやり方が繰り返されていったら、現場は、クラスは増えても先生の総数は減ってしまうという悲劇が生まれてしまいます。このような現実からしても、府費で配置する教員によって、府が責任を持って三十五人学級を促進すべきだと思います。この問題、改めて教育長にその必要性について考えを聞かせていただきたいと思います。

◎教育委員会教育長(橋本正司君) 大阪府の取組でございますけども、小中学校課長から御答弁申し上げましたとおり、国の加配を活用して三十五人学級を選択できるという仕組みを取り入れているものでございます。先ほど、パネルでほかの県の状況の御紹介がございましたけども、他県の中でも、国の加配を活用して三十五人学級を前出しで実施されている県もたくさんあるというふうに認識をいたしております。
 義務教育に係る小学校の学級編制というのは、義務教育の基本的な教育条件に関わるものでございますので、基本的には国で責任を持ってやっていただくべきものというふうに考えております。
 今後とも、国に対して、三十五人学級の早期実現というものを働きかけてまいりたいと思います。

◆(内海公仁君) それぞれ市町村でも努力しております。それから、県レベルでも努力がされております。ところが、今のお話ですと、結局、国に求めるという対応しかないというのは非常に残念だと思います。
 この問題は当然財政措置も伴うものだと思いますので、知事に対してもその必要性を問うていきたいと思いますので、後ほどまたよろしくお願いします。

・市町村小中学校の図書司書の配置の促進について

◆(内海公仁君) 次に、市町村の小中学校の図書司書の配置の促進について、二〇二〇年の二月の議会で、私は、学校での図書司書の配置に関して市町村にアンバランスがあり、その改善のために府として力を入れていただくよう求めて質問させていただきました。その後の取組状況と進捗について、小中学校課長にお伺いしたいと思います。

◎小中学校課長(片山繁一君) 学校図書館の運営の改善、向上を図り、児童生徒及び教職員による学校図書館の利活用を促進するため、学校司書の役割は重要だと認識しております。
 府としましては、国加配を活用して、平成二十七年度より令和三年度にかけて、毎年五市町村に一名ずつの学校司書を配置し、これまで十四の市町村に配置してきたところです。また、各市町村では、地方財政措置を活用するなどにより独自に配置を進めてきたところです。
 教育庁としては、令和二年度に、学校司書が未配置であった東大阪市などへ学校司書を新たに配置したところ、東大阪市においては、令和三年度より、市独自でこれまで配置されていない学校にも司書が配置されることとなっております。

◆(内海公仁君) ありがとうございます。
 東大阪では、今答弁あったように、府からの加配による図書司書のモデル配置をきっかけとして、二〇二一年度、十九人の学校司書が配置されました。身分は会計年度任用職員というもので課題もありますけれども、現場では大きな役割が発揮されております。その効果もあって、東大阪では、現場の要求に基づいて、新年度に向けて図書購入費の一〇%増額が提案されているなど、着実に変化が出てきております。今後、その身分の改善に向けても、府下全ての小中学校での専任配置に向けて一層府の援助をお願いしたいと思います。

・府立高校の司書教諭の発令と学校司書の配置について

◆(内海公仁君) 続いて、府立高校での司書教諭の発令と学校司書の配置についてお伺いします。
 府立高校の場合はどうかということですけれども、学校図書館が生徒の学習活動の向上や生徒の健全な教養の育成に大きな役割を持っていることは言うまでもありません。特に昨今、インターネット環境の飛躍的普及の一方で、活字離れが問題視されています。文学や古典に触れたり、時間をかけて読書にふける機会が減少している中で、学校図書館の果たす役割はますます重要であると思います。
 学校図書館の役割と機能を最大限に発揮する上で、司書教諭の配置はもちろんのこと、専任の学校司書を配置するべきだと思いますが、どう認識していますか、高等学校課長にお伺いします。

◎教育振興室副理事兼高等学校課長(白木原亘君) 学校図書館につきましては、生徒の豊かな心や想像力、表現力等を育むという観点から、その機能を活性化させることは重要であると認識をしております。
 そのため、府立高校におきましては、十二クラス規模以上の全ての学校に学校図書館の専門的職務を司る司書教諭を配置し、この司書教諭を中心に、全ての教職員による学校図書館の運営体制を構築しております。
 その上で、府教育庁が策定いたしました学校図書館運営に係る基本的方針やガイドライン等を踏まえまして、全府立高校において、昼休みや放課後に学校図書館を開館し、生徒が学校図書館を活用できる時間を確保するなど、円滑に運営をしております。

◆(内海公仁君) 文科省が調査している学校図書館の現状調査報告書があります。
 パネルを御覧ください。
 それによると、大阪府の政令市等も含む公立高校の図書司書の配置について、二〇〇八年度九五・四%だったものが、二〇一二年四三・二%、そして二〇二〇年は一二・七%と、かつてはほぼ全校に配置されていた図書司書がどんどん減らされていっております。二〇年時点で一二・七%とあるのは、府立高校以外の市立高校などの数字だけのようです。なぜこのように減ってしまっているのか、この事情についてお伺いします。

◎教職員人事課長(金森充宏君) 府立高校に配置しておりました実習教員につきましては、これまで理科実験補助、家庭科実習補助及び図書館業務の各分野にそれぞれ配置しておりましたが、その配置数は標準法定数を上回っていたことから、平成十三年の行財政計画案及び平成二十年の財政再建プログラム案において段階的に削減いたしまして、複数の分野の業務を受け持つことといたしました。
 なお、小中学校については、文部科学省が策定しております学校図書館図書整備等五か年計画に基づきまして、学校司書の配置拡充に係る地方財政措置が講じられておりますが、高等学校は対象となっていない現状でございます。

◆(内海公仁君) 国の財政措置がないから府立高校はなくてよろしいんだ、こういう答弁はどうも納得いきませんね。しかも、二〇〇八年の時点では九五・四%だった。この年、橋下知事が就任した年です。この年からの財政再建プログラムによって、府立高校に配置されていた非常勤賃金職員、非常勤実習助手職員が大幅に雇い止めになりました。その翌年二〇〇九年には、府立高校の一般実習助手配置基準についてという通知が出され、教科への配置を基準とし、図書専任を廃止するとされました。そして、その後、今に至っているという状況だと思います。
 ところが、皆さん御存じのように、二〇一四年六月、学校図書館法が改正され施行されました。この法律の改正は、学校教育における言語活動や探求的な活動、読書活動の充実のための学校図書館の重要性が一層高まっていることに鑑み、学校図書館の運営の改善向上を図り、児童または生徒及び教員による学校図書館の利活用の一層の促進に資するため、学校司書を置くよう努めるものとすること等を趣旨とした改正でした。これが、二〇一四年七月十六日付で文科省初等中等教育局長から各知事と教育長宛てに発せられた文書の一部です。
 大阪府は、二〇一四年の同法改正を受けて、その後どのように対応してきたのか。そして、学校司書を専任で配置するという立場に立つべきだと思いますが、この問題について改めて教育長にお伺いしたいと思います。

◎教育委員会教育長(橋本正司君) 先ほど高等学校課長から御答弁申し上げましたように、各学校においては専任の職員は配置しておりませんけども、昼休みあるいは時間外に生徒たちが図書館を利用できるように、学校全体で体制を構築をして対応しているところでございます。
 委員御指摘のように、努力義務が課せられておりますけれども、一方で、それに対する財政措置が講じられてないという状況でございますので、府としましては、国に対して、専任化のための定数措置等について現在要望しているところでございますけども、今後も引き続き強く要望してまいりたいというふうに考えております。

◆(内海公仁君) かつて大阪府では、高等学校に図書司書に当たる職員を配置してたという経過があるわけですよ。それをなくしてきた。しかし、その後、国の法改正があっても、そのなくしてきたことの反省もない、こういう状況だと私は思っております。
 この問題についても、改めて知事に対して、廃止した学校司書の復活を求めて質問をしたいと思いますので、併せて、委員長、よろしくお願いします。
 以上、私の質問を終わりたいと思いますけれども、学校現場での子どもたちの実情に合わせて、正面から向き合う職員の体制を大いに強化していただいて、そして子どもの命と、そして子どもの教育をしっかりと守る仕事をさらに発展させていただきたいということを申し述べて、私の質問を終わります。



   


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