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議事録

健康福祉常任委員会(2022年3月11日) 石川たえ府議の質問


・病床削減について

◆(石川たえ君) 日本共産党の石川たえです。
 オミクロン株の感染拡大は類を見ない勢いで広がり、第六波の大阪の死者は昨日までで一千百七十二人、人口比で全国の二・三倍となり、多くの府民を不安のどん底に落とす結果となりました。昨年十一月、コロナ禍で急性期病床が必要なときにコロナを診ることのできる病床は減らすべきではない、こう申し上げました。今、目の前で次々と命が奪われているときに、コロナ対応のできる病床を減らすことが将来のために必要なことは到底思えません。
 一つ事例を紹介します。八十三歳男性。三十八・五度の発熱。自主的検査の結果、陽性。検査を受けたのはコロナ受入れ医療機関でしたが、発熱は続いたまま、保健所の連絡をと自宅に帰されました。保健所の連絡はありません。翌日午後、SOSコールセンターに連絡、高齢者なので保健所の連絡を待ってくださいと言われます。保健所に連絡すると、一回目、届けを確認します。二回目、入院できるところを探します。三回目、病院はありますが、いつ入院できるかは分かりません。ここまでに既に二日が経過をしております。熱は全く下がらず、食欲はありません。せめて往診を頼み込み、やっと入院先が決まっても、入院できたのは発症してから四日目、こういう事例もあります。
 第六波では入院は中等症Ⅱ以上と制限をかけ、先ほど述べたように、入院できない高齢者が、症状があっても連絡がなく、自宅に放置をされました。高齢者以外の世代も、感染の中で連絡もなく、不安な療養生活を余儀なくされ、四十代、五十代でも死亡者が生まれています。入院療養したいのに入院できない人を多く生み出したこの結果から見ると、急性期病床はやはり減らすべきではなかった、こう思います。
 二〇二〇年、急性期病床だけで、最終的には二百二十九床どころか二百八十床が削減をされていました。二〇二一年度見込みは百十四床です。合わせると、このコロナ禍の二年間で三百九十四床もの急性期病床が大阪からなくなってしまうという結果につながります。あろうことか、二〇二二年の予算編成でも、慢性期を含め、削減、転換で八百四十九床が予算計上されています。本当に命を守る気があるのかと疑問を持ちます。
 前回も申し上げましたが、全国では病床削減について足を止めている自治体もあります。二〇二〇年度病床機能再編事業では、十四都県が実施をしておりません。目の前の高齢者の命を救うため、ありとあらゆる手だてを取らず、病床を削減しておきながら、将来を見据えてというのは詭弁だというふうに思います。
 大阪も病床削減を今すぐ中止し、一人でも多くの人が入院療養できるようにするべきだと思いますが、見解を求めます。

◎保健医療企画課長(柿本博之君) 大阪府におきましては、地域医療構想において、団塊の世代が後期高齢者となる二〇二五年の医療需要と病床の必要量を推計し、将来、回復機能が不足し、急性期機能等の過剰が見込まれることをお示ししております。過剰病床から回復期病床への転換等の医療機能の分化、連携が必要不可欠であることから、大阪府といたしましては、二次医療圏ごとで全ての一般病院が参画する病院連絡会を設置し、診療実態等の分析結果や各病院の今後の方向性について共有しながら、地域における医療提供体制の在り方について議論を行っているところです。その上で、それぞれの医療機関が、将来ニーズを踏まえ、今後の在り方を検討し、病床転換等に自ら取り組む医療機関に対して、引き続き支援を行ってまいります。
 なお、必要なコロナ病床につきましては、医療機関の御協力の下、現在、約二百病院において、重症六百十二床、軽症中等症三千二百五十六床の合計三千八百六十八床を確保しているところでございます。

◆(石川たえ君) コロナの病床は確保されていますという話はこれまでずっとされていますけれども、第六波では、中軽症病床は病床使用率が一〇〇%を超えました。確保以上の病床が必要になり、多くの医療機関が、疑似症の受入れ、検査後そのまま受け入れるなどの対応に追われました。医療従事者の確保、派遣、こういうのを含めて、削減した三百九十四床を活用できる手だてを取り、稼働させていれば、もっともっと多くの人が入院療養をし、治癒したのではないか、こういうふうにも思っております。足りなかったのに、コロナ病床を確保しているからといって、病床は減らすべきではありません。
 二〇二五年高齢化社会を理由に病床削減転換は、実は国を挙げて行われていることだということは存じております。このコロナ禍で、その方向性を進める施策そのものは愚策である、こういうふうに日本病院会会長も指摘もされています。
 大阪が今すぐ削減を中止する、このことと併せて、国に地域医療構想に基づく急性期病床削減、この取組を直ちに中止するべきだというふうに求めるべきではないかというふうに思いますが、いかがですか。

◎保健医療企画課長(柿本博之君) 大阪府におきましては、地域医療構想の取組は、高齢化社会に向けて必要不可欠であると考えてございます。
 二次医療圏ごとに地域における医療提供体制の在り方について議論を行った上で、それぞれの医療機関が将来の在り方を検討され、病床転換等による機能分化を進めており、大阪府といたしましては、引き続き、そうした医療機関の自主的な取組を推進してまいります。

◆(石川たえ君) 私は、高齢化社会に向かって、病床転換について検討するなと言っているわけではないんですよね。それは必要なことだと私も思います。今後のことについてはね。ただ、それをやらなあかんのは今なのという話をしているわけです。今、コロナ禍で、入院できていない目の前の高齢者は放置しておいて、将来高齢化社会やからと幾ら言ってみても、目の前の高齢者を放置している人が将来を語っちゃ駄目なんですよ。地域医療構想に基づいて、将来どんなふうにベッドの数が要るかというのを考えて、その上で転換していくということは結果としてあり得ると思いますが、それ、今やらなあかんというふうには思いません。
 そもそも公立公的病院を減らして、急性期病床を減らしてきたことが、今回のような感染症が出たときに対応できずに、医療逼迫というのを生み出してしまいました。全国一の死者を出した大阪が、二度とこの事態を引き起こさないためには、今の病床削減、そして公立公的病院減らしの方向性を直ちに凍結、そして転換する、このことが今大阪に求められるというふうに思いますので、これは知事にも聞きたいと思います。

・検査拡大について

◆(石川たえ君) 次に、検査拡大についてお聞きをいたします。
 私は十一月、質問時に、高齢者等施設での定期検査はやめるべきではない、こう申し上げました。しかし、大阪府は、国の対処方針から削除されたことを理由に、クラスターが発生すれば対応する、こう繰り返されました。そして、定期検査もやめてしまいました。再開したのは感染拡大期に入ってからです。
 感染収束期こそ、次の感染拡大に備えておくことが必要、これは専門家が繰り返し指摘したことです。にもかかわらず、感染制御の対策を大阪府は取ってこなかったどころか、想像以上の感染スピードの中で医療機関も保健所も逼迫し、検査も療養も自己責任でと放り出した結果が、死亡者の増、クラスターの多発につながっていると思います。
 第六波では、重症病床にコロナ以外の疾病で入院されていた方も非常に多くおられます。全国的には、コロナの感染が引き金になって他の疾病を引き起こし、重症化し、ひどい場合は死亡につながる、こういうケースも出ております。定期検査の対象は、基礎疾患を持つ人の多い高齢者や障がい者の施設です。ここで感染拡大すればまた検討します、こんなことを言って十二月に検査をやめ、一月にも大阪で感染爆発は起こっているわけです。次々と施設内クラスターも発生をしました。
 収束期だから、検査需要が足りているからと、定期検査をやめてしまったそのものが判断ミスではないかというふうに思いますが、いかがですか。

◎感染症対策企画課長(山崎幸雄君) お答えいたします。
 高齢者施設等の職員への定期検査につきましては、国の基本的対処方針に従い、クラスター発生時の重症化及び死亡リスクの高さに着目して実施してまいりました。
 昨年十一月時点においては、感染者数が低減していたことや、基本的対処方針から記載が削除されたことを踏まえ、一時休止といたしました。その後、感染が再び拡大に転じてからは、本年一月八日の大阪モデルの黄色信号への移行を受け、定期検査の再開を決定し、一月十三日から申込み受付を再開したところです。
 今後も、感染状況や高齢者施設等におけるクラスター発生状況等を踏まえながら、定期検査の実施を判断してまいります。

◆(石川たえ君) 前も、クラスター状況の発生を見ながら状況を踏まえてというふうに言われたんですよね。結局やめてしまった結果、第六波でクラスターがすごくたくさんあるんですよね。高齢者施設でのクラスターが全体の六一%上っていると。黄色信号になってから定期検査を始めましたよと言うたら、クラスター多発されてるんですよ。どうしてその前に定期検査をやってこなかったのというのは、私はしっかり反省するべきだというふうに思っています。
 初めの発症者が判明したときには、既に施設内で感染は広まっており、大規模に広がっている事例が多い、こういう実態報告もあります。発生状況を踏まえて再開などと言っていると、今回のように瞬く間に感染が広がっていくことが明らかになった場合、定期検査によるウイルスの持込みをしっかり防がなかったという、このことにしっかり反省しないといけないというふうに思っています。
 WHOは、オミクロン株が日本で広がる前に、オミクロン株が軽症だと思い込むことは危険だと、新型コロナを過小評価すれば危険を冒すことになる、私たちはこれまでにそのことを学んだはずだというふうに警鐘を既に鳴らしていました。なのに定期検査をやめたんですよ。長期入所者への最も危険な感染経路はウイルスの持込みである、こういうふうに指摘する医師もおられます。
 次々と感染者が発生し、職員も感染し、体制が整わない中で、施設からは毎日が地獄だ、こういう悲鳴が上がっています。御家族からは、職員が常時防護服を着てケアに当たるなんて尋常ならざる事態だと。自分の親の死を覚悟した、こういうお話もあります。
 障がい者施設では、感染された利用者さんがじっと療養することができない場合もたくさんあります。その場合、感染した職員が感染した利用者さんの対応をしなければいけないという陽陽介護まで起こっているわけですよ。
 定期検査が一月黄信号がついてから再開されたというふうに言われますが、実績を見ると、一月十五日から二十一日の週で、対象施設一万六千五百三十八、この施設に対し、実施数は九百十二施設です。対象の僅か五%しか定期検査を再開しても受けれてないんですよ。これではウイルスの施設への侵入を抑えることはできません。収束期から繰り返し繰り返し検査を続けて、ウイルスの侵入を限りなく防ぐ対策を取ることこそが、今、大阪がやるべきことだというふうに思います。
 オミクロン株は、無症状者が七割から八割にも上ったと聞いています。ステルスオミクロンはさらに感染力が強く、重症化も招く、こういうふうに言われる方もおられます。
 定期検査を一時的にでも休止したことを反省し、費用がかかるとちゅうちょしないで、期限を切らずに、市町村任せにせずに、週一回の定期検査を大阪府の責任で全ての施設で継続的に行い、命を守るべき決断をすべきだと思いますが、いかがですか。

◎感染症対策企画課長(山崎幸雄君) 定期検査の対象施設は、利用者が多数の従業者等や、他の利用者と接触する機会が多く、クラスター発生リスクが高いと考えられる入所及び通所施設とし、二週間に一回を目安として検査実施を働きかけております。
 対象施設において広く検査を実施していただくため、未受検の施設に対し個別に受検勧奨を行ったところ、個人の同意が得られない、また定期検査の効果が分からないなどの理由から受検に御同意いただけない施設もございました。
 引き続き、検査未実施の施設に検査実施を働きかけるとともに、施設側の負担も踏まえ、希望する施設の検査を確実に行ってまいります。

◆(石川たえ君) 今おっしゃっていたみたいに、ウイルスを施設内に持ち込ませないために定期検査をやってきたんだと言われているんですから、やっぱり定期検査をやめちゃったことはしっかり反省しないといけないかなというふうに思っています。
 同意してもらえるように働きかけをされているというお話ですけど、これは再開前のお話ですよね。再開されてから、あんまり働きかけられていないというふうにも聞いています。
 クラスター多発の中、施設は多忙を極めています。こんなときにどうすれば受検をしてもらえるのか、検体を取りに行く手だては大阪府が取るとか、検体採取用のバスを仕立てて各高齢者施設を巡回させるとか、こういう積極的な検査実施の取組をしなければ、本当に一〇〇%の施設で受検することはできないというふうに思います。事業所任せにしないで、受検率向上の取組がどうだったのかということを再度見直して、全施設で取り組めるようにすることを強く求めておきたいと思います。

・定期検査について

◆(石川たえ君) 第六波では、保育園や学童保育、学校など子どもの通う施設でもクラスターが発生し、現場は対応に追われました。保育所では、就労支援施設としての保育園は簡単に休園をできない。濃厚接触とみなす自分のこの判断が正しいのか、子どもたちを全員検査するべきなのか、休園をしたほうがいいのか、毎日毎日が綱渡り。その上、保健所からの指導も連絡も全く来なくなり、一体誰に相談するのかとメンタルが崩壊しそう、こういうふうに事業者の方は言われています。
 濃厚接触にならないように、子どもを毎日見張っていると。保育園で、みんなで手をつないで遊びましょうじゃなくて、あなたとあなたはひっつかないでねということを保育士がずっと見張ってなあかんようなことで、本当にこれが保育なのかというふうに悲鳴も上がっております。
 スマホ検査センターは、有症状でなければ検査は受けられません。ですから、スマホ検査センターがあるからというふうに言わないで、今すぐ学校など教育施設、保育園、幼稚園など子どもの通う施設も定期検査の対象に、子どもと職員をするべきだと思いますが、いかがですか。

◎感染症対策企画課長(山崎幸雄君) 定期検査につきましては、施設側に実施に伴う負担が生じることなども踏まえまして、クラスターが発生した場合の重症化リスク等を考慮し、高齢者施設等の職員を対象としているところです。
 小学校や保育所等については、クラスター発生時の重症化リスクが高くないことから、これまでも対象施設とはしておらず、第六波においても、二十歳未満の陽性者が重症化する割合は二万人に一人以下であることから、現時点では定期検査の実施の必要性は低いと考えております。
 引き続き、重症化リスク等の推移は注視してまいりたいと思います。

◆(石川たえ君) 事業者に負担がかからんように大阪府がしてくださいねとさっきお願いしたんですから、事業者に負担がかからない方法は考えてほしいと思います。
 十歳未満児の感染者が全感染者に占める割合は、第五波のピークで約九・四%です。第六波では約一五・四%、この間ずっと伸びているわけです。子どもの罹患率は波が来るたびに増えております。
 今、答弁を聞いていると、重症化リスクが低いからと、子どもは、そういうふうに言われましたけど、重症化リスクは低い子どもは感染してもいいんですか。そういうことですか。私は違うと思います。
 京都では、基礎疾患のない十歳未満児が死亡をしています。子どもは軽症、また無症状が多い、こういうふうに言っても、コロナは後遺症があります。いろんな後遺症が言われていますけど、例えば倦怠感、味覚障がい、聴覚障がい、神経細胞に巣食うので精神疾患を引き起こす、こういう症例も今言われているところです。
 十歳未満児が、私たちのように、今しんどいねんとか、耳聞こえへんねんとか、御飯の味がせえへんねんというて、ゼロ、一歳の乳幼児が自分で言うことはできません。だからこそ、重症化しなければいいということではなくて、感染させないことが子どもにとっても大事なことだというふうに思います。
 しかも大阪の死者数の多さは、高齢者と若い人の生活圏が近い。この話は先ほど原田委員からもされていたと思います。子どもや若者が感染し、同居家族に感染する。もしその同居家族がエッセンシャルワーカーであれば、この人が施設に持ち込むわけですよ。こういう流れを断ち切る、ウイルスの侵入経路を一つでも減らしていくためには、定期検査の対象は子どもまで広げるべきだというふうに思います。
 東京都は、高齢者等施設に併せて、二月から、小学校や保育所でも週一回の定期検査を開始しています。大阪も、定期検査の対象に、子どもの施設、教育施設も入れておくべきだというふうに思います。

・検査能力について

◆(石川たえ君) 検査に関わってもう一点お聞きをいたします。
 私は、無症状者の早期発見保護の取組を大規模に行うべきであると、これまでも繰り返し繰り返し申し上げてきました。ところが、大阪府は当時、無症状発見のための検査は効果がありません、こういうふうに言い放ちました。
 しかし、無料検査の実績で見ると、直近一週間で見ても、無料検査で二千五百四十四人の陽性者を見つけ出しているんですよね。この人たちは、無料検査がなければ発見できなかった無症状感染者です。効果がないどころか、大規模に行うことで無症状者はもっと発見できる、こういうことを示していると思います。
 大阪府が無料検査の実施に踏み出したのは、十二月の下旬です。しかも、国が方向性を決め、感染拡大の兆候が見え始めてからです。その上、全中学校区に一か所、こういう目標を掲げておられたにもかかわらず、四割以上の中学校区にいまだ設置をされていません。検査実績は六週間で二十二万七千百七十九件、一日五千件程度と、あまりにも少ない。薬局なんかでの検査場では、業務の合間に検査をされますので、一日うちは三件しかできません、こういう薬局もたくさんありましたし、スマホをお持ちでない方はうちで検査を受けれません、こう言ってはねている薬局もいっぱいあったわけですよ。結局、無料検査も受けたい人がみんな受けられるということにはなりませんでした。
 無症状者の早期発見を大胆にできなかったというのは、やっぱり第六波を振り返ったときに非常に問題だったなというふうに思っています。
 検査整備計画第二版では、検査需要を検査能力は上回っている、こういうふうに書かれていましたし、ずっとそういうふうに答弁もされてきました。
 なぜ、検査能力があると言いながら、その力が発揮できなかったのか、なぜ検査を受けられない人がこんなにたくさん続出したのかを教えてください。

◎感染症対策企画課長(山崎幸雄君) 令和三年十一月の検査体制整備計画改訂時においては、診療・検査医療機関を中心とした検査実施主体の能力を最大限活用することを想定し、検査体制を点検し、その結果を記載したものです。
 第六波では、検査需要が急増した一月下旬から二月上旬にかけて、PCR検査に使用する試薬や抗原定性検査キットが入手困難となる医療機関があったほか、府ホームページでの公表に同意する一部の診療・検査医療機関に発熱患者等が集中したことにより、検査需給が逼迫する結果となりました。
 これに対し、大阪府としましては、逼迫状況の早期改善に向け、検査試薬等の安定供給を国やメーカーに要望するとともに、独自に確保した抗原定性検査キットを医療機関に配付するなどの対応を行いました。
 今後も抗原定性検査キットを一定数備蓄し、需給逼迫に備えるほか、一部の医療機関への集中を防ぐべく、診療・検査医療機関を全数公表する方針としており、発熱患者等が必要な検査を受けられる体制の確保を目指してまいります。

◆(石川たえ君) 検査キットがなかったとか、公表しているところに人が集中したとおっしゃるんですけど、もともと検査整備計画第二版の検査能力は六万七千四百件と書かれているんですよ。だけど、この第六波のピーク時でも、一日やっているのは四万件程度なんですよね。検査能力のところまで到達してないんですよ。
 それはキットがなかったからですか、それとも外来とかに皆さんが集中したから、結局検査能力の六万七千四百件を超えられなかったということですか。どっちなんでしょう。じゃ、部長、お願いします。

◎健康医療部長(藤井睦子君) 検査能力の件ですが、大阪府では最大一日四万件というのは、全国の中でも最大規模の検査実施数だと考えております。あわせまして、先ほどの無料検査につきましても、最大一週間六万件という実施体制を整えて、できる限り、症状がある方、あるいは無症状でも不安のある方に対する検査体制を整えたと考えております。
 ただし、その中でも、先ほど課長から答弁をさせていただきましたが、一部の診療・検査医療機関に発熱がある患者さんが集中して非常な御負担をかけて、一日検査可能な受入れに限界が来た診療機関もあるとお伺いをしております。
 また、簡易に検査できる検査キットの需給が逼迫して、一部の検査センターで検査の実施数に制限をかけざるを得ないという状況が生じたのも大阪府として把握をしているところでございます。
 できる限り検査機会を整えてきたと存じておりますが、御指摘のとおり、さらに検査を希望される方の検査体制を、できる限り想定している規模に近づけられるように様々な努力をしてまいりたいと考えます。

◆(石川たえ君) 様々な努力していただけるということなので、ぜひ期待しておきたいなというふうに思いますけど、今、部長が言われていた無料検査の六万件というのはもともとの検査整備計画の中に入っていない数ですから。全国最大やと、四万件はね。全国と比べて多いとか少ないとかではなくて、大阪で検査を求めている人との関係で、六万七千四百件の検査能力ありますよと言っていたのに四万件ですよということは、やっぱ受け止めとかなあかんかなというふうに思います。

・無料検査体制について

◆(石川たえ君) 結局、発熱しているのなら来ないでというふうに何十件も検査医療機関から断られて、子どもさんを抱えて途方に暮れたというお話もたくさんあります。そもそもの検査能力がやっぱり低いということだというふうに思っています。
 これから積極的に努力していただけるということなので、これまでも何度も申し上げてきましたが、診療・検査医療機関にお願いするとか、薬局に職員さんが足を運んでくださっているのも知っているんですけど、薬局さんにそうやってお願いして回るだけではなくて、やっぱり全自動の検査機を買うとか、バスを仕立てて検体採取に行くとか、こういう大胆な大規模無料検査の体制を整えるべきだというふうに思いますが、いかがですか。

◎感染症対策企画課長(山崎幸雄君) 検査能力のことにつきまして、先ほど御答弁させていただいたとおりです。
 今後の検査体制につきましては、先ほど来申し上げたとおり、診療・検査医療機関の公表ですとか、そういったことを通じまして、検査を受けやすい体制を整えてまいるというところで考えてまいりたいと思います。

◆(石川たえ君) 令和四年度の予算に無料検査の拡大予算が計上されています。令和三年より随分増やしているなというふうに思うんですが、ただ、この予算計上されている金額を単純に割ってみますと、今六百八十あると言われていましたが、一検査場当たりの検査数、一日八件程度なんですよね。これでは無症状者の発見というのはなかなかできません。現在ある無料検査場での陽性率は直近で六・六%、検査を受けられなかった人々の中に無症状者がもっといてるということを示す高さだというふうに思っています。
 検査需要は足りていると言いながら、検査を受けられない人を大量に生み出した、このことはしっかり反省して、希望者全員が検査を受けやすい体制を確保するというのであれば、大規模検査に踏み出すべきですし、予算自体もそういうふうに大きなものにしていかないといけないというふうに思っています。
 医療機関、高齢者施設、学校や保育園などでの定期検査を実施すること、無料検査の大幅拡大をしていくこと、この二つ、検査の問題で強く求めておきたいというふうに思います。これも知事に質問したいと思いますので、よろしくお願いします。

・検査費用の公費負担について

◆(石川たえ君) 検査の最後に、検査費用についてです。
 検査費用は現在公費負担というふうになっていますが、初診、再診料等が有料であり、紹介状がなかったために五千円以上のお金を払わなければならなかった、こういう患者さんもおられます。
 検査費用だけではなく、初診、再診料もコロナの検査をする場合は公費負担できるように国に求めていく、このことと併せて、国が決定するのを待たずに、その分を大阪が財政支援してはどうかと思いますが、いかがですか。

◎感染症対策企画課長(山崎幸雄君) 医療機関で行います新型コロナウイルス感染症に係る行政検査につきましては、厚生労働省の通知により、検査料及び検査判断料が公費負担となる一方、初診料及び再診料等は公費負担の対象とはならないことが示されております。公費負担制度は、全国一律の制度として運用されております。
 今後も、国の方針を踏まえながら、医療機関や府民の方、双方に丁寧に情報提供も行いながら、適切に制度を運用してまいります。

◆(石川たえ君) 公費負担は国がするもんやというふうに切り捨てたらあかんと思っています。大阪府が独自の財政支援策を設けたらいいんですよ。公費のことは国にお願いしたらいいですけど、検査に関わる初診、再診料は無料にするというふうに別の財政支援策をつくればいいだけだというふうに思いますから、検査を受けやすくするというふうに言われるんでしたら、受検のハードルをどんどん下げていくということに積極的に取り組んでいただきたいなというふうに思います。

・保健所業務の逼迫時における応援職員の配置について

◆(石川たえ君) 次に、保健所の問題についてお聞きをいたします。
 これまで保健所体制の弱さが指摘されていたにもかかわらず、第六波でも保健所は逼迫し、感染者が放置される結果となりました。
 話を聞いてみると、発生届の入力を職員が深夜になってから行い、膨大な量の発生届は翌日、翌々日持ち越しとなる事態を招いたと聞きます。
 府管轄保健所への他部署からの応援実績を見ると、平均すると一日約二十五人です。九つの保健所で割ると、平均約二・七人です。足りるはずがないというふうに思っています。
 なぜもっと大胆に行政職員を保健所に配置しなかったのか、教えてください。

◎感染症対策企画課長(山崎幸雄君) 一月中旬からオミクロン株の感染拡大に備え、各保健所に対し、他部局の行政職員や外部派遣職員を段階的に配置していくとともに、一月下旬には、重症化リスクの低い陽性者についてはファーストタッチを行わず、ショートメールを活用し情報提供を行うなど、ハイリスク者への確実なフォローを最優先できるよう保健所業務の重点化を図っていましたが、想定を上回る陽性者が発生したことから、保健所業務が逼迫いたしました。
 このため、HER-SYS入力など事務的な業務を処理するため、他部局からの応援職員を増員して配置するとともに、専門性が必要な業務につきましては外部派遣職員の増員を行い、さらに保健所の人員体制の強化を図ったところです。
 今後の感染拡大期におきましても、保健所がその役割を果たすことができるよう外部派遣の専門職員の増員を行い、必要に応じて他部局からの応援職員の配置もしてまいります。

◆(石川たえ君) 他部局からたくさん応援に来てもらって派遣していただいていることは、大変感謝しているんですよ。それはね。保健所の業務が逼迫しないようにという努力をこの間ずっとやってこられたということも、重々承知しているんですよ。なんですけど、詰まったんですよね、今回。目詰まりが起こったんですよ。また、また、起こったんですよ。これまでずっといろんな努力をされてきたのに、また起こったんですよ。
 ほんで、その中の一つの原因が、発生届の入力が遅れたと。結局遅れた人みんな、患者さんが放置されているということですから、ここに原因があるんだったら、もっとたくさんの職員を送れたんじゃないのというふうに私は思っています。
 なので、今後のことを見据えて、保健所がやるべき仕事をきちんとできるような体制をつくっていくために、大阪府の職員も不要不急の担当部署から大胆に送ってもらう。もしくは国にも、医師や看護師の派遣だけではなくて、行政職員も送ってほしいというふうに要望する。トレーサーをもっともっと確保するために、民間やNPOの力も借りていくなど、いろんなありとあらゆる方法で保健所の業務をフォローできるバックアップ体制をもっと強化しておかなかったら、次、第七波がもし来たときに、また想定以外の、これまで想像しなかったというて患者さんをほったらかしにするわけいきませんから、どんな対策強化を進めていこうと思っているのか、教えてください。

◎感染症対策企画課長(山崎幸雄君) 保健所業務の逼迫に対しましては、これまでから入院宿泊調整や検査調整業務の集約化、疫学調査業務等の重点化を進めるとともに、外部派遣職員や部内外の応援職員を配置するなど、できるだけの体制強化に努めてまいりました。
 第六波におけるオミクロン株の感染規模や今後の新たな変異株によるさらなる感染拡大を想定すると、今後は、外部派遣職員や部内外の応援職員の配置だけではなく、保健所において担うべき役割を精査し、抜本的に重点化する必要があると認識しております。
 今後の感染拡大に備えた保健所の体制強化につきましては、必要に応じて応援職員を配置するとともに、保健所業務の抜本的な効率化、重点化を図るため、より一層のシステム化や民間への業務委託などについても検討し、保健所の体制整備に努めてまいります。

◆(石川たえ君) できるだけの体制強化をしてきましたということは、もうマックスですということですかね、これね。マックスじゃないと思うんですよね。大阪府からもっと派遣できる職員さんがいていると思うし、大阪府内でも人手が回らんと言うねんやったら、おっしゃっているみたいにほかの力も借りるというのは大事ですけど、国にだって私は積極的に要望したらいいというふうに思っています。
 そもそも、保健所と保健所の職員が少な過ぎるというのが、そもそもの根本問題です。コロナ以前から、保健所は既に薄氷を踏むような日々を送っておられます。
 この現場の声を真摯に受け止めて、職員の増、保健所の増、この取組をしっかりと進めていくということを求めておきたいと思います。

・高齢者、障がい者施設の事業所継続支援について

◆(石川たえ君) 次に、高齢者、障がい者の事業所継続支援についてお聞きをいたします。
 高齢者・障がい者施設の事業所支援ですけれども、第六波の感染拡大は、高齢者・障がい者施設で事業所逼迫、事業継続困難という深刻な事態を今まで以上に引き起こしました。保育所と違い、利用料で事業を行っているこれらの施設は、利用者が少なくなれば当然収入が減り、事業継続が困難となります。支援策がかかり増し経費だけでは事業継続は不可能だと、現場から悲鳴は上がっています。
 ある障がい者施設では、保健所の指導で、この第六波、一週間の休所となりました。もともと利用者がこのコロナ禍で少なくなっているところに一週間の休所では、利用報酬が入らず、ぎりぎりの綱渡りの経営がさらに困難になり、社会保険料すらもう払えない、こういう悲鳴が上がっています。これ、かかり増し経費で何とかなるんでしょうか。ならないんです。だからこそ、支援が必要だというふうに思っています。
 コロナによりやむなく休所した施設に、事業継続のための支援制度を府として創設すべきと思いますが、いかがでしょうか。

◎生活基盤推進課長(有山具仁子君) 介護、それから、障がい福祉事業所の件につき、併せてお答えいたします。
 介護及び障がい福祉事業所に対しましては、地域医療介護総合確保基金またはサービス継続支援に係る国庫補助を活用し、新型コロナウイルスの感染者が発生した事業所に対しまして、割増し賃金や衛生物品購入に係るかかり増し経費を支援しているところでございます。
 また、コロナによる影響を受けている事業所に対して、国の責任において支援していただくよう、全国知事会による要望の機会を捉えて要望しており、引き続き国に働きかけをしてまいります。

◆(石川たえ君) 休業した場合の支援がかかり増し経費では、今、対応できませんよね。遊びの、遊びの言うたら変やけど、ちょっとあの制度を利用できていた部分も今もうなくなってしまっているので、国のかかり増し経費そのものが私はあまりにも薄っぺらいなというふうに思っていて、ここに一番問題があると思っているんですよ。
 だけど、国が、じゃあ、かかり増し経費の中に休業した施設への支援というのを入れへんねやったら、大阪府は国にお願いするだけという態度でええのんかというのが問われているところです。結局、大阪として、高齢者や障がい者の通う小規模事業者をどうやって守るのという話は、これは私、前も聞かせてもらったけど、結局かかり増し経費だというふうに答弁されるので、大阪府としての施策、ないんですよね。
 この第六波の中で、本当に小規模の事業所さんは苦しんでおられます。休業をしていなかったとしても、利用報酬は入りませんから、もう廃業の危機に追い込まれている事業所さんがたくさんあります。これらの事業所が潰れてしまったら誰が困るかって、困るのは利用者とその利用者の家族であり、現役世代の人たちなんですよね。
 なので、国に物を言うてもらうのは大事なことですけれども、国に要望するだけじゃなくて、大阪府として制度をつくって、せめてコロナによって休業をした小規模事業所だけでも守ってあげる支援制度を、部長、つくってもらうことはできませんか。

◎福祉部長(松本正光君) 事業所が厳しい状況になっているということは承知をしておりますけれども、今回のコロナに対する対応につきましてはやはり全国一律で、国の責任においてまずは対応していただくということが基本だと思っております。

◆(石川たえ君) 国の責任で対応するのは当たり前のことなんですよ。でも、国が対応できていないときに、それをカバーできるのが地方自治体だというふうに思いますので、積極的に検討してほしいということを強く求めておきたいと思います。

・自宅療養者を対象とする配食サービスについて

◆(石川たえ君) 次に、子どもの問題についてお聞きをいたします。
 子どもへの感染、また家族感染により、宿泊療養もできず、子育て世代も困難を極めました。濃厚接触、陽性による自宅待機、休園休校が続き、働きに行けず、待機中の収入が途絶えるなど深刻な事態が生み出されています。
 とりわけシングルマザーは深刻であり、シンママ応援団には、食べ物がない、来月の収入がない、助けてください、こういうSOSが激増しているというふうに聞いています。
 ある人は、お母様が陽性、お母さんって、ママが陽性になりました。その後、当然保健所からの連絡はありませんでした。家から出ないでくださいと言われて買物にも行けず、家にある食べ物は子どもが優先になる。シンママ応援団から食料提供がなければ、自分は陽性であるにもかかわらず、水を飲んで過ごすしかなかった、こういう声まであります。そもそも非正規の多いシングルマザーは収入が少なく、家にストックの食べ物はありません。お金もそんなにありませんから、通販で頼むとか、ウーバーを頼むとか、こういうこともできません。たちまち食料がない、こういう事態に陥るわけです。
 せめて乳幼児のいる世帯、もしくは介護者、要介護者がいる世帯だけでも、保健所からの今行っている食料支援を陽性者だけでなく家族の分まで届ける、こういう制度をつくることはできないでしょうか。

◎感染症対策支援課長(吉田真司君) お答えいたします。
 自宅療養者を対象とする配食サービスについてですが、国の包括支援交付金制度により府域全域で実施しており、府管轄保健所での利用実績は、第六波の本年一月、二月で合計二万二千四百六十七件の申込み実績がございました。
 なお、政令市、中核市の配食サービスにつきましては、同交付金を活用し、令和三年一月から開始をしております。
 また、感染拡大により保健所業務が逼迫した際のセーフティーネットとして、昨年十一月に設置した自宅待機SOSにおいて、自宅待機者や自宅療養者からの緊急相談に加え、府内全域を対象に簡易配食を届ける体制を整備し、本年一月、二月で合計一万三十七件の申込み実績がございました。
 先ほど委員お示しの、陽性者と同居されているお子さん、あるいは要介護者の高齢者の方につきましては濃厚接触者に当たりますが、この濃厚接触者につきましては、国の緊急包括支援交付金の対象外となっておりますことから、府において配食サービスを行っておりませんが、現在府内では十三の市町村が、濃厚接触者に対して生活に必要な食料品や日用品などの支援を行っております。
 引き続き、感染拡大時においても安定して自宅療養者への配食サービスを継続できるよう努めますとともに、市町村が実施する支援内容についても府として情報発信に協力をしてまいります。

◆(石川たえ君) 市町村が大阪府の制度以外に取り組んでいただいていることの情報発信は大いにやっていただいたらいいと思いますし、SOSにかけたら簡易配食を送ってくれるというのも取組としては非常によかったなと思っているんですけどね、思っているんですけど、国の包括支援の範囲内の制度だからいうて、お母さんが陽性になって、子ども二人濃厚接触のゼロ歳と一歳やったら、この子らの御飯は誰が面倒見るのという話になるわけですよ。
 この子たちに食料がちゃんと届くように、せめて、せめてですよ、本来濃厚接触者全員と言いたいところですけど、そんなことを言ったら膨大なことになりますから、せめて乳幼児のいてる家庭、もしくは要介護者の高齢者がいてる家庭に、包括支援交付金の範囲内ではなくて、大阪府が単独でそういうところに食料をきちんと届けられる新しい制度をつくるということが、私は今、大阪府に求められていると思います。陽性であるにもかかわらず、水を飲んで療養しないといけなかったなんていう事態を絶対に生み出さないために、前向きの検討をお願いしておきたいなというふうに思います。

・乳幼児医療費助成の窓口負担無償化について

◆(石川たえ君) 次に、乳幼児医療助成制度についてお聞きをいたします。
 子どもが医療機関を受診するとき、大阪はいまだに窓口負担を徴収しております。既に全国では、東京や沖縄など、都道府県として窓口負担をなしにし、乳幼児医療は完全に無料にしている、こういう県もあります。
 子どもの貧困解決として、乳幼児医療助成の窓口負担なしに大阪も今こそ踏み出すべきだと思いますが、見解を求めます。

◎子育て支援課長(西島由美君) 乳幼児医療費助成制度につきましては、平成二十七年度に再構築を行うとともに、新子育て支援交付金を創設し、市町村支援を拡充いたしました。
 府といたしましては、引き続き、乳幼児医療に係るセーフティーネット部分の役割を果たすとともに、市町村の子育て支援施策をバックアップしてまいります。
 なお、窓口負担の無償化につきましては、制度の持続可能性の確保や受益と負担の適正化の観点から困難でございます。

◆(石川たえ君) 私、この問いをするとき、いつも医療の適正化とか受益と負担の適正化と言われてちょっとびっくりしているんです、はっきり言ってね。
 無料にしたら必要以上に医療を受けに来る人がおる、こういうふうに言われる方もおられます。医療費助成制度を拡大するとコンビニ受診が増える、こういうふうに言われる方もおられます。医療の適正化と今言われている中身がこういうことを指すのであれば、これは私は間違った認識だと思っています。
 子ども医療助成の拡大により、必要な医療が確保されたことによって重症化が防止され、逆に診療時間外、いわゆるコンビニ受診は減った、こういう調査結果もあります。乳幼児医療費無料化は、医療機関の負担軽減と早期治療による医療費抑制につながっている、こういう結果もあります。
 今すぐ無償化に踏み出すことが、やはり大阪の医療費全体を抑制していく力にもつながるというふうに思いますので、これも乳幼児医療費無料化、窓口負担ゼロにということについても知事に聞きたいというふうに思います。

・高齢者の難聴対策について

◆(石川たえ君) 次、高齢者の難聴対策についてお聞きをいたします。加齢性難聴者への支援。
 現在、大阪では、身体障がい者手帳保持者は、補装具として利用者負担があるものの、公費負担で補聴器が購入できます。身体障がい者手帳の交付対象とならない軽度の難聴児についても、補聴器交付の支援策があります。しかし、身体障がい者手帳を持たない加齢性難聴者への補聴器購入支援はありません。
 老化に関する長期縦断疫学研究第六次調査によりますと、難病有病率は六十五歳以上で急増し、八十歳以上では男性の八四・三%、女性の七三・七%まで上がると報告がされています。
 国際アルツハイマー病会議では、難聴は認知症危険因子の中で最も大きな危険因子である、こう指摘をしています。
 難聴のために人との会話を避け、鬱状態に陥る、社会的に孤立するという危険もあることを多くの専門家や医師が今指摘をしています。
 WHOは、六十五歳以上の三人に一人が難聴を抱えている、こういう見解を示し、早い段階から補聴器をつけることを呼びかけているなど、加齢による難聴への支援強化が今、世界中で進められようとしています。
 しかし、補聴器を実際つけるとなると、両耳だと三十万円を軽く超えるという場合がたくさんあります。安いものもありますけれども、しっかりと聞こえるものに調整していくためには、やはり三十万円程度のものに換えていかなかったらなかなか難しいですよ、こういうふうに言われる専門家もおられます。結局、両耳で三十万円を超える補聴器をつけるとなると、もう今の生活実態からではとてもじゃないけどつけられないと、我慢している高齢者も少なくありません。
 今、日本でも全国的に補聴器購入への支援を進める自治体が次々と増えており、高齢者が元気に社会的役割を果たし、生活を営めるようにしていくためには、加齢性難聴への補聴器購入補助が欠かせません。
 大阪として、加齢性難聴補聴器購入助成制度を創設すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

◎介護支援課長(柳生国良君) 加齢に伴って生じる心身の変化に起因する疾病等に伴い要介護状態になった方については、日常生活の便宜を図るために、介護保険制度において保険者が福祉用具貸与等を実施しております。
 この福祉用具貸与等につきましては、国においてその有効性、安全性、保険適用の合理性等が評価、検討された上でその対象が定められておりますが、補聴器については含まれておりません。
 なお、国において補聴器による認知機能低下の予防効果を検証するための研究が行われており、府としてはこのような国の動向を注視してまいります。

◆(石川たえ君) 国でも検討が始まっているというのは私も知っているんですけど、国の検討待ちにしないで、いろんな市町村が全国で加齢性難聴への補助というのを始めていますので、やはり都道府県としてこれを一律にやってあげることが、大阪の中で本当に加齢性難聴で困っておられる高齢者の方を支えていく力になるなと思っているんですよ。
 高齢化社会に向かって、元気な高齢者はしっかりと働いてねとか、元気な高齢者は社会の中でいろんな役割を果たしてねというふうに言うているわけですよ、今、国も行政も。なので、この人たちがやっぱり介護保険を受けなくても、耳が聞こえへんという人が結構いてますから、ちゃんとその社会生活をしっかりと営めるようにするためには、ぜひこの補聴器補助を大阪府の制度としてつくっとくと。国が後追いでやってくれたら、その分を後で返してと言ったら済むだけなので、先に大阪府が踏み出してほしいということを求めておきたいと思います。

・大阪府受動喫煙防止対策補助金について

◆(石川たえ君) 次に、受動喫煙防止についてお聞きをいたします。
 受動喫煙防止条例の一部が四月より施行をされます。陳情等にもありますけれども、コロナ禍で売上げが減り、本当に御苦労されている飲食店の皆さん方も、受動喫煙防止そのものに異見を唱えておられるわけではありません。積極的にやっていきたいというふうに思っておられる方もたくさんおられます。
 飲食店に努力義務を求める上で、周知徹底だけではなくて、丁寧な相談と具体的な支援策が今必要だというふうに思っています。そこで、二つ提案をします。
 一つは、コロナ禍で営業そのものが苦しくなっている飲食店の皆さんに自己負担をさせて喫煙スペースをつくりなさいということではなくて、補助制度の中の四分の一の自己負担も大阪府が負担をして、飲食店は無料で喫煙スペースを設置できるようにしてはどうでしょうか。これが一つ目です。
 二つ目の提案は、一つのビルに複数の店舗が入っている場合、小さなお店もあります。カウンター十個ぐらいしかないようなお店もあります。ここが今、コロナ禍で、間、席一つ空けて座ってねと言われているので、そもそも半分しか入られへんところに、喫煙スペースをさらにつくれというたらお客さんがほとんど入られへんという事態になってしまいます。なので、こういう一つのビルに複数店舗が入っているところ、もしくは小さくて、喫煙スペースをつくってしまったらお客さんが入る場所がないよというような小規模の飲食店さんは、店舗共同で一つの喫煙所をつくるというような、ちょっと制度に柔軟性を持たせてはいかがかと思っているのが二つ目の提案です。
 受動喫煙防止の取組を積極的に、飲食店の皆さんがお金の心配なく取り組めるように、補助制度そのものを見直したらどうかなと思いますが、いかがですか。

◎健康づくり課長(勝見友一君) お答えします。
 大阪府受動喫煙防止対策補助金の補助率引上げにつきましてですが、喫煙専用室等を設置する飲食店の負担をできる限り軽減することを目的に、国の制度も活用しつつ、府独自の支援策として、補助基準額の四分の三に当たる額までを補助することとしたものです。条例等に基づき、飲食店が行う受動喫煙防止対策を支援するという補助金の性質上、整備に係る費用の一部は、整備の主体となる飲食店に御負担いただく必要があると考えているところでございます。
 次に、補助制度の運用につきましてですが、制度の趣旨、目的の範囲内ではありますが、できるだけ、条例の規制対象となる飲食店の意見を踏まえ、柔軟に対応していきたいと考えているところです。

◆(石川たえ君) 飲食店の皆さんの陳情は、このコロナ禍で、飲食店は度重なる休業要請や時短協力の中で、本当に経営が困難に陥っているよと。受動喫煙防止は進めていこうと思っているけど、ちょっとだけ待ってくれへんかなというのが陳情の大きな趣旨だったんじゃないかなというふうに私は思っています。
 本当にこのコロナ禍の中で経営そのものが大変になっているからこそ、時短協力金を一生懸命申請して、それをもらって、そのお金で固定費を出して、また次、まん防やと言われて、また経営が困難になって、また申請してという、この自転車操業みたいなことをずっと繰り返してはるんですよ。
 それでも受動喫煙防止は必要なことやと思っているというふうに思ってくださっている人たちに、補助制度やから一部は負担してもらわなあかんでみたいな冷たいことを言ってしまわないで、大事なことは受動喫煙を防止するということなんですから、この人たちが今、無料で喫煙スペースをつけられるようにしてあげるというのが、私は大阪府のやさしさであり温かさであり、受動喫煙防止の取組を進めていく一助になるというふうに思いますので、自己負担はやってもらわなあきませんというふうに最初からぴしゃんと閉じてしまったらもうお話が全然進んでいきませんから、どうやったら飲食店の皆さんがお金の心配なく設置できるのか、自分とこの店だけやったら無理なんやったら、どうやったら喫煙スペースをつくっていくことができるのか、このことをもっと真剣に考えなあかんと思いますし、もっと言えば、商店街の空き店舗を使ってというお話もありますけど、商店街の空き店舗を使って喫煙スペースをつくるときは密閉式のものを大阪府が設置してあげると、これぐらいのことをやって飲食店の皆さんを守っていかなかったら、条例をつくったからとにかく守りなさいという、この迫り方だけはやめてほしいというふうに思います。

・ギャンブル依存症対策について

◆(石川たえ君) 最後に、依存症対策についてお聞きをいたします。
 区域整備計画によると、ゲーミングの来場者は一年間で国内約一千六十六万人というふうに言われています。カジノはギャンブルであり、依存症が増えるのではという懸念の声も多い中で、ギャンブル依存症がどの程度生まれてくるのか、社会的な損失が一体どの程度あるのか、こういう推計が実は全くありません。
 依存症対策として、拠点施設を造るなどが掲げられてはいますが、今後、もし三十五年間、IRが来た場合、この三十五年を見据えてどう依存症対策を強化していこうと思っているのか、教えてください。

◎地域保健課長(對馬英雄君) お答えいたします。
 本府では、令和二年三月に策定した大阪府ギャンブル等依存症対策推進計画に基づき、普及啓発、相談支援体制、治療体制、切れ目のない回復支援体制の強化とともに、大阪独自の支援体制の構築を推進しております。
 令和四年度は、これまでの電話や面談による日中の時間帯での相談事業に加え、SNSによる相談事業を試行実施することとしており、依存症に悩まれる方の夜間における相談ニーズやSNS相談の有効性を把握することで、今後の相談事業の強化に向けた検討を行うこととしております。
 また、より多くのギャンブル等依存症に悩む人や家族などが気軽に相談等の必要な支援を受けることができるよう、交通至便な場所にワンストップ支援拠点、仮称ではございますけども、大阪依存症センターを今後設置するなど、IR開業に向け、新たな支援拠点を中心とした総合的な支援体制の強化、拡充を図ることとしており、同センターの具体的なサービスの内容や、その提供に必要な体制、立地場所等については、来年度、有識者による検討の場を立ち上げ、検討を行っていくこととしております。

◆(石川たえ君) 昨年、主たる被疑者、犯行動機の原因がギャンブル依存症である刑法犯の検挙数は合計で二百八十四件です。治安対策と併せて、ギャンブル依存症の対策強化というのは今、もう欠かせないというふうに思っています。これまでも、ギャンブル依存症だけではなくて、アルコールなんかも含めて、依存症対策に担当課の皆さんが懸命に取り組んでこられていることはよく分かっているんですが、それでもギャンブルが原因だと思われる検挙数は三百件近く、今、今の時点であるんですよね。その上、カジノを含むIRが三十五年間来たときに、大阪府の来年度の依存症対策の予算って、健康医療部の中では二千万円ぐらいしか増えていませんよね。
 これで本当に依存症対策ができるのかなというふうに疑問を持っていますので、これも知事の見解を聞きたいというふうに思います。
 私は、コロナは災害だと思っています。波が来るたんびに慌てて対策を打つ、この後手後手からやっぱり先手、先手必勝の対策に、今、打って出るべきだと思います。大阪府に本当に今足りないのは、感染制御をするためにどんな努力をするのかということだというふうに思います。先手先手の施策を進めていただくことを求めて、質問は終わりたいと思います。
 知事質問は、病床削減について、検査拡大について、乳幼児医療助成制度について、ギャンブル依存症についての四つで、委員長、よろしくお願いします。
 ありがとうございました。



   


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