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議事録

総務常任委員会(2020年3月16日) 石川たえ府議の知事質問


・新型コロナウイルス感染症防止の対策について

◆(石川たえ君) 日本共産党の石川たえです。
 新型コロナウイルス対策についてお聞きをいたします。
 毎日のような感染拡大に府民、市民の不安が広がっております。専門家会議や対策本部会議が開かれ、フォローアップセンターの立ち上げや学校休校への今後の措置などが今明確化されつつあります。最前線で働く検査・医療従事者をはじめ、対策に取り組まれている知事、また府の職員の皆さんに心から感謝を申し上げます。
 今後、入院調整の広域的対応や病床確保に向けて、人員増と財政支援が欠かせないというふうに感じております。国の要請である医療体制、例えばピーク時における入院必要数が一万五千百五十、うち重症者五百十名の見込み、休眠病床や廃止病床を活用するには、減圧室の設置など手だても必要ですし、宿泊施設を活用するといっても、そこに医療体制を整えなければいけません。看護師や医師の体制強化も必要となってまいります。検査力強化も同じです。保険適用で民間病院での検査も含め、人員増、財政支援なしに医療体制、検査体制の強化は無理ではないでしょうか。
 国の専門家会議では、保健所職員の労務負担軽減への措置も必要、こう指摘がされております。大阪府でも、相談センターや保健所に電話がつながらない、こういう声があちこちから聞かれますし、直接健康医療部に電話がかかってくる、こういうケースもあると聞いています。相談体制、医療体制の強化をはじめ、大阪経済への影響も加味するのであれば、今すぐ補正予算を組んで対応するべきだと思います。
 委員会では、補正予算を組む、こういう御答弁はいただけませんでした。知事が決断し、補正予算を組み、対応強化を進めるつもりはありませんか。

◎知事(吉村洋文君) 新型コロナウイルスの感染症対策について、蔓延をできる限り防止するという観点から、緊急的に対応が必要な病院の受入れ体制の整備等について、約五千万円の予備費を充当して対応しています。
 また、十日に発表されました国の緊急対応策を踏まえて、感染拡大防止策など必要な経費について予算編成の作業を進めてまいります。

◆(石川たえ君) 観光業だけでなく飲食業、製造業にまで大きな影響を与えていることは、先日の委員会でも申し上げました。関経連、大阪商工会議所発表の一月から三月期の業況は、二期連続のマイナスとなっています。東日本大震災後の二〇一一年の四月から六月期のマイナス二四・四以来の低水準である、このことが明らかになりました。
 東大阪の商工会議所の調査では、今後マイナス影響が生じる可能性があるが四四%と最も多いです。既にマイナスの影響が出ているが三一・五%、今後の売上げ見込みは減少と答える企業は四二・七%と、多くの企業が新型コロナの影響で売上げが下がる、経済への影響は大きいと感じているわけです。
 また、福祉施設では、長引くことによる対応困難などの事態が今広がりつつあります。障がい者の生活施設では、一旦自宅に返すとしても、高齢の親に何週間も見てもらうことは不可能、高齢者施設では、大事を取って休む利用者がいるが、その場合、日割計算の報酬がなくなり、事業所の経営に大打撃、感染者が出た場合、二週間以上の隔離が難しい場合はどうするのかなど、これ以上長引けば、もう職員も事業所ももたないと悲鳴が上がっております。医療体制、検査体制の強化とともに、これらへの対応も欠かせません。
 リーマンショック以上と言われる中で、各都道府県でも今補正予算が組まれています。東京では、令和一年・二年補正を合わせて四百一億円、融資の保証料は全額補助、愛知県では、令和一年補正で八・八億円、京都府では、約二百億円です。大阪でも、検査機器購入や新型コロナ緊急融資などを取り組まれていますが、京都は、限度額二・八億、期間は十年、大阪は、融資限度額二億円、融資期間は七年以内です。商売のまち大阪で、これではあかんやろうというふうに感じています。
 熊本県では、中小企業融資に合わせて、農林漁業向け制度の新設など、県の独自性も発揮して補正予算を組んでいる、こういう県もあるわけです。今予算の編成をしているというふうにおっしゃっておられますけれども、大阪でも思い切って補正予算を組んで、医療や検査体制を大幅に増やす、また保健所の人的・財政的支援策を早急に進める、中小・小規模事業者、また自営業の支援を思い切って広げるとともに、障がい者や高齢者をはじめ、府民の命と安全を守るための施策を講じるべきだと思います。
 もう一度お聞きします。補正予算は組まれませんか。

◎知事(吉村洋文君) 先ほど申し上げたとおり、必要な経費について今予算編成の作業を進めているところであります。
 この予算作業も進めてまいりますが、併せて大事なこと、今経済対策として一番必要な経済対策は、経済活動を元に戻すことです。それぞれが全員、社会経済活動を全くしない状況であれば、どういう活動をしてもこれはずっと続きますから、ただ一方で、コロナが広がっているのを抑えていくというこの二つの相反することをこれからやっていかなきゃいけないというふうに思っています。
 なので、徐々にですけども、コロナのいろいろな特徴も見えてきましたから、経済活動や社会活動を戻していく、それこそが僕は最大の経済政策だと思っていますので、そういったこともこれから、感染拡大を抑えながら、でもコロナの特徴も押さえながら徐々に経済活動を戻していくというこの政治的な判断もしていきたいと思います。あわせて、この必要な経費について、必要な予算の編成の作業というのを進めていきたいと思っています。

◆(石川たえ君) 経済行動を広げていくというのは、私もそうだなというふうに思うんです。このままみんなが家の中に閉じ籠もっていたのでは、本当に経済は回っていかないというふうに思いますので、そういう御判断をされていることは非常に大事だというふうに感じているんですけれども、同時にやっぱりもう既に影響が出ているという企業に向かって、本当に大胆な支援策を打っていかなかったら、皆さんが外に出て物を買い始めるだけでは、やっぱり大阪経済そのものを立て直していくことにはならないと思いますので、ぜひ緊急に検討もお願いしておきたいと思います。

・粗い試算について

◆(石川たえ君) 次に、粗い試算についてお聞きをいたします。
 委員会でも申し上げました国のGDP年率、十月から十二月期がマイナス七・一とさらに下方修正が行われました。個人消費は、マイナス二・八であり、家計消費は、増税の影響で目減りをしています。GDP年率が想定以上のマイナスの上に、新型コロナウイルスによる大阪経済への影響も大きい中で、税収はさらに減少することも見込まれます。粗い試算を今見直すべきではないでしょうか。

◎知事(吉村洋文君) いわゆる粗い試算につきましては、財政運営基本条例に基づいて、議会における予算の審議及び計画的な財政運営の参考として毎年度作成しているところです。
 この粗い試算については、内閣府が公表した中長期試算等を基に作成していますが、現時点において新型コロナの影響が必ず出ると思いますが、その影響の中身、これが明らかではない状況です。ですので、現時点でこの試算をやり直すということは考えていません。

◆(石川たえ君) 今の知事の御答弁と同じことを私は委員会でも言われたんですけれど、ただ新型コロナの影響もあり、来年の税収見込みは厳しくなるだろうと、こういうふうに財政部の方も見込んでおられるわけです。大阪都構想の特別区における財政シミュレーションは、大阪市の粗い試算の数値が使用されております。大阪市も、来年度は税収見込みが大幅に減ると予測もされます。となると、これまでの特別区の財政シミュレーションの根拠は崩れてまいります。
 大阪府の粗い試算では、大阪の財政は依然として厳しい、こうしながら、一方で法定協では、大阪市民の暮らしが持続されるように大阪府としても三百七十億の財源を特別区に入れる、こういう話もされているわけです。そもそも大阪府の役割は、大阪市民だけではなく大阪府民全体の福祉の増進、暮らしの向上に向けて施策を進めることです。特別区に入れるお金は、府民全体のために使わなければいけないお金となります。
 新型コロナの影響は、リーマンショック以上と言われる中で、この粗い試算の見直しはなしに特別区に財政投入するという方向で進んでいくのは、やっぱりどうなのかなというふうに思っています。消費税増税や新型コロナの影響があっても、大阪は今後成長していくと、こういう御認識なのか、もう一度お聞きをしたいと思います。私は、粗い試算をきちんと見直して、特別区への財政出動も、そしてまた令和二年度のほかの大型事業も見直して府民の暮らしを守るべきだと思いますが、いかがでしょうか。

◎知事(吉村洋文君) 必要な予算編成作業については進めてまいりたいと思います。また、毎年予算編成に先立って、府政の運営の基本方針と合わせて、翌年度の歳入、そして歳出の概算額の試算を仮収支計算として示した上で、そして府税収入の見込みというのをつくって、その中で適切に織り込んでいっているというのが現状です。ですので、今年度の予算についても、これは予算の執行については適正にやっていく必要があると思いますし、もっと言えば令和三年度の予算については、このコロナの影響も踏まえた予算編成になってくるんだろうというふうに思っています。
 いずれにしても、令和二年、今年の四月から始まる部分について、この粗い試算をやり直すといっても、やり直すも何もその数字がそもそもないわけですから、そもそもできないと思いますし、新しい年度についてはコロナの影響が出るだろうという中で、厳しい財政収支というのも踏まえた上で予算の執行も含めて進めていくと、そして令和三年度については、どれほど影響が出るかというのは、これはまだ誰も予想できないわけですけれども、必ずこれは経済の影響は大きく出てくると思いますので、そこの予算編成においては、やはりそこはしっかりと織り込んでいくということになるんだろうと思います。

◆(石川たえ君) 今後どうなるかは誰も分からないというのは、そのとおりだなというふうに思います。ただ、新型コロナによる大阪経済の落ち込みというのは想定されていますよね。それが幾らかというのはまだ分からないにしても。結局粗い試算を見直さないで特別区の財政シミュレーションの根拠が崩れていけば、そのしわ寄せというのは必ず府民に来るというふうに思います。
 昨年九月の質問のときに知事が、トップの判断で暮らしを守る施策はできると、こういうふうに私に言われました。ならば、今この緊急時に知事自身の御判断で、大阪にとってやっぱり何が必要なのかの取捨選択を令和二年度の予算の中でもやっていくべきじゃないかなというふうに思っています。カジノの誘致や大阪都構想というのは、大きな税金も投入されますので、これはきっぱりやめると、この決断をして、新型コロナの影響から府民の暮らしと大阪府の経済を守っていくために中小企業や零細企業、また自営業の人を守っていくことに大きくかじを切るときだと思いますが、そういう決断を知事としてやることはできませんか。

◎知事(吉村洋文君) 大阪の中小企業、零細企業を守っていくということが非常に重要でありまして、そのための施策についても、これはどんどん打っていっているという最中でもあります。融資制度なんていうのもいち早くやりましたし、国も、これは大阪だけの課題じゃなくて国全体の課題でもありますから、様々な施策を打っている、ここにも連動させて大阪府としてもしっかり中小企業や零細企業の皆さんをお支えするということが非常に重要だと思っています。
 あとあわせて、やはり経済をこのコロナの拡大も抑えながら、最大の経済政策というのは、経済活動を元に戻すことですから、徐々に徐々にコロナの特徴を押さえながら社会経済活動を戻していくということにもかじを切っていきたいと思います。そこが非常に重要なポイントになってくるんじゃないのかなというふうに思います。
 それから、IRの指摘をされましたけど、IRは二〇二五年かその少し先になりますが、これは税を投入するというよりは、これはむしろ税収が大幅に増える話ですから、むしろこれはプラスになる話だと思いますよ。なので、あとはここで都構想の話をするつもりは特にはないですけれども、いずれにしてもこの新型コロナの影響というのは新年度、まだこれは誰も予測できないですが、確実に経済に影響は出てくると思います。税収にも影響は出てくるだろうというふうに思っています。現時点でどの程度落ち込みがあるかというのはなかなか分からないところでもあるし、これからのかじ取りによって、これはある意味、国の大きなかじ取りも重要になってきますが、それができるだけ回避されるようなそういったかじ取りを国も自治体もしていく必要があるんだろうなと思います。
 委員の御質問の今年度のこの新年度の粗い試算にその数字を盛り込めと、その数字がない以上盛り込むことも不可能ですし、それはしませんが、令和三年度については、これは厳しい税収だろうなということを前提とした予算編成をしていくことになるんだろうというふうに思っています。あわせて、大阪の経済活動をできるだけ早く、命を守るということもやりながら戻していくことが重要なんだろというふうに思います。

◆(石川たえ君) いち早く緊急融資をつくられたというのは、それは非常によかったなと思っているんですけど、さっきも申し上げましたけど、東京は、保証額を全額都が負担するんですよね。京都だけでも二百億の補正を組んでいて、融資期間というのも融資額というのも、大阪より多いんですよね。緊急で組んでいただいたのは非常にありがたい、そういうふうに思ってますけど、結局他県と比べたときに、本当に大阪経済を立て直すために中小企業にどっと大阪府が支援したのかというと、いや、それってどうなんかなとやっぱり私は疑問が出るわけですよ。なので、今後しっかり経済行動も進めていくし大阪経済に影響が出ないように取組もされていくということですから期待はしておきたいなというふうに思いますが、SDGs先進都市を掲げているんですよね、大阪万博に向かって、なので他県がやっている後ろをついていったのでは先進には全くなりませんから、他県がやっていないことを大胆にやると、必要のないものはきっぱりやめると、そういう決断をすることも知事に求めて終わりたいと思います。ありがとうございました。



   


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