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議事録


決算特別委員会 府民文化部、教育庁(11月16日) 宮原たけし府議の質問

・少人数学級編制及び指導方法の工夫改善について

◆(宮原威君) まず最初に、教育庁についてお伺いをいたします。
 決算書には、小中学校教職員費というのが百六十九ページから百七十五ページに書かれているんですが、そのうち約四千三百人は国からの加配教員ですよね。二百五十六人というのは、小学校二年の三十五人以下学級にそのうち使われております。この二百五十六人とは別に、指導の改善、あるいは児童や生徒の支援ということで三千二百八十一人、国からの加配が来ているわけですが、このうち、仮に約七百三十人--二二%ぐらいになるんですけど--を三十五人以下学級に決算年度に振り分けたとすれば、予算をふやさずに三十五人以下学級が小学校三年から中学校一年でできたことになるんですが、そういうことを決算年度にしなかった理由というのは、何かございますでしょうか。
◎小中学校課長(坂本俊哉君) お答えいたします。
 少人数学級編制及び指導方法の工夫改善についてでございますが、大阪府といたしましては、学習習慣や生活習慣の基礎を確立して安定した学校生活を送るための重要な時期であるという認識に立った上で、小学校一年生、二年生で三十五人を基準とした少人数学級編制を実施しております。
 なお、それより上の学年、小学校三年生以上につきましては、学習内容の理解や定着に差が出てくる時期でございまして、個々の児童生徒の課題に応じたきめ細かな指導が効果的であると考え、少人数習熟度別指導をするための加配ということで措置をさせていただいておるところでございます。
◆(宮原威君) 習熟度とかそういうことに使っているんだという御答弁だったと思います。
 高槻市では、最近三十五人以下学級というのを独自の職員の条例をつくってやっているんですが、ここに配った表を見ていただいたらおわかりなんですが、決算年度の学力、それから平成十九年の学力と比較して、高槻の場合は、国語A・B、算数Bというのはそれぞれ全国平均より下だったんですけど、今は全ての分野で上になっているんですね。こういう大阪の伸びよりもうんと顕著なんです。大阪が、いろいろ努力されているというのはよく知っているんですが。
 そういう意味でいいますと、全国では、加配を少人数学級に結構使っているわけですよね、大阪よりもうんと使っていると承知しております。こういう三十五人以下学級をやった結果どうなっているかというと、大体一学級当たり十人ぐらい減って大体二十七、八人とかいうようなことになって、学力の向上とか、あるいは生徒間のトラブルが大きく減る、そういうことにつながっているんですけども、そういう大阪の学力向上が改善されているとはいえ、なかなかままならないというような状況を踏まえても、なぜ少人数学級に振り分けるということをしなかったのか、もう一度その点も踏まえてお答え願えますか。
◎小中学校課長(坂本俊哉君) お答えいたします。
 例えばの例でございますが、全国学力・学習状況調査の資料を御提示いただいたところでございますが、大阪府におきましても、この間、調査開始当時から比べますと、小中学校ともに一定の改善の傾向を見せております。
 ただ、御指摘のとおり、課題もたくさんございますので、一つの例でございますが、例えば無回答率といって答えを書かないというような状況がございます。これは、ずっと課題でございました。この間、調査開始時に比べると、一定の改善傾向はあるものの、今年度のデータを見ますと、昨年度に比べて全国平均との差が拡大した教科区分もございます。
 この、原因の分析をいたしますと、例えば子どもが答えがわからないから無回答になってしまう、書こうとしても表現ができない、答えようとする意欲に欠けるなどさまざま考えられるところでございます。これについては、一定の改善傾向にあるとはいえ、大阪は、全国に比べて無回答率が高いことにつきましては、学力向上を考える上で課題と認識しております。
 改善に向けましては、子どもたちの学習意欲を引き出し、粘り強く問題に向かう気持ちを高めるような取り組みを進める必要があると考えております。その点におきまして、少人数習熟度別指導等で子どものそれぞれの課題に応じたきめ細かな指導をすることが必要だというふうに考えております。
◆(宮原威君) 調査をされたのは福祉部ですけど、子どもの貧困調査というのがありますよね。その中の教育の部分を見ますと、一番生活が大変ないわゆる貧困層というのは、大阪の場合、全国で二番目に多いと、あるいは上昇率は一番多いということが言われたりするんですけど、三十分以上勉強するという人の割合が、貧困層では小学校より中学校が減るわけなんですね。要するに、全く勉強しない子が、中学校になるとふえるんです、貧困層は。そういうことが、学力の差が小学校よりも中学校においてさらに大きくなる、あるいは自己肯定感が小学校より中学生のほうがうんと少なくなるというようなことにつながっているわけで。
 全体の学力の底上げをしないと、いろいろおっしゃってても、結局少人数学級をやるほうがうんと大きな成果が決算年度でも得られたはずなんですね。もちろん、教育というのは、決算年度だけやったらええという問題じゃなくて、一定の期間を当然要するわけですが。
 そういう子どもの貧困との関係だとかを見ても、なおやっぱりそれとこういう成果を見ても、なお少人数学級を採用されなかった理由というのは、そういうことに絡めて何か御意見ございますか。
◎小中学校課長(坂本俊哉君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、子どもは、さまざまな課題、背景を抱えておるところでございます。事業の取り組み例としてでございますが、小学校における学力向上の取り組みといたしまして、今年度からスクールエンパワメント推進事業で、小学校百二十校を対象にアクティブスクールという位置づけで担当教員を置きまして、言語活動、アクティブラーニングの充実に向けた校内での先生方の研修でありますとか、学習評価に活用する教材の開発など、学力向上の取り組みを推進しておるところでございます。
 こういった取り組みを通じて、子どもたち一人一人の課題に向き合った取り組みにより、学力向上を推進してまいりたいと考えておるところでございます。
◆(宮原威君) 今年度のことは、決算との関係でいろいろあるでしょうから、これ以上申し上げませんが、私は、かねがね少人数学級というのは大きな成果を実際に上げてきたと。そういう実例が、きょうは高槻市をたまたま紹介したんですが、府内でも豊中市も含めていろんなところでこういうことは取り組まれて、堺市もそうですが、大きな成果を上げていっているという中で、今回調べてみて思ったんですが、国の加配を活用するだけでもそれができる、あるいは国の加配が同じようにされていても全国で三十五人以下学級に大きな差がある、全国の各府県で。大阪は、うんとおくれているということが極めて不思議だったんですね。
 そういう点も含めて、予算の使い方ということについて、この点は知事に質問をさせていただきたいというふうに思っておりますので、御配慮ください。

・統合型リゾート立地に係る影響調査について

 次に、府民文化部に質問をしたいと思います。
 決算書の九十ページには、統合型リゾートの大阪立地準備事業費で実施された影響調査が出ているんですが、ここではIRに外国人が約四百万人、日本人が約九百万人、二〇二四年もしくは二〇二五年ぐらいに来てくれるんじゃないかということになっているんですけど、シンガポールへの観光客のIR訪問の三八%、それからもう一つは、もう一カ所ということが今国のほうで言われているらしいですから、マリーナベイ・サンズのみに行っている人を掛けて、そうすると大体こういう人数になるというんですけど。
 僕は、二〇二五年の大阪と現在のシンガポールと比較するというのは、もともと大きな無理がある、面積も随分違いますし、シンガポールへ観光に行かれる方と、それから大阪や関西に観光に来られる方は、もともとが全然動機も含めて違うはずなので、余り根拠がないんじゃないかなと思っているんですが、具体的に幾つか聞きます。
 外国人の旅行客は、四百万人が来るだろうと。その前提として、大体千五百二十九万人ぐらいに二〇二四年にはなっているんじゃないかと、外国人が。これは、実はもっとふえるかもわからんのですね、今の伸びからいくと。ただ、実際に外国人観光客は、何で大阪もしくは関西に来ているかといいますと、食事が魅力的、ショッピング、それから京都、奈良等を回る拠点として、関空も含めて、こういう大阪の観光地に魅力を感じるという人が九〇%になるんですね。
 夢洲という地域にIRをつくると、このうちのかなりの部分が来るんだと言うんですけど、もともと別に食だとか、文化だとか、自然だとか、ショッピングだとか、そういう目的で来られているような方が、わざわざ夢洲にそれだけたくさん足を運ぶだろうかというのが自然な疑問なんですけど、こういうふうに影響調査で試算された根拠といいますか、それについてお答え願えますか。
◎IR推進局企画課長(氏内秀晃君) これまでも、大阪、関西の有する観光都市魅力を生かし、国内外から集客を図ってきたところでございますが、大阪夢洲へのIRの立地は、世界最高水準の一大観光拠点やMICE拠点の形成など、大阪の新たな魅力になり得ると考えております。
 さらに、大きなニーズと将来性があり、経済波及効果の大きい観光分野を基幹産業と位置づけ、国内外から人、物、投資を呼び込み、大阪、関西の持続的な成長のエンジンになるものと考えてございます。
◆(宮原威君) 具体的な根拠なしに希望だけ述べられても、余り説得力はないですね。
 次に、日本人のほうが九百万人と多いんですけど、日本人の場合も、外国人ほどではありませんが、二〇一四年と一五年、いわゆる平成二十六年と二十七年と比較されて、二十八年度につくられた影響調査だから、そこしか比較のしようがなかったんだと思いますが、一・数%観光客がふえているというのをずっと二〇二五年まで引っ張って、最終二〇二五年ぐらいには千五百三十万人ぐらいが来るだろうという--、ごめんなさい、三千四百九十五万人ぐらいが来るだろうという、日本人が。それを前提に、九百万というのを出してるんですけども。
 日本人の場合は、明らかに年齢構成も含めて、この十年間で大きく変わるんですよね。例えば、十五歳から六十四歳までの層というのは、六十万人ぐらい減るわけですね。六十五歳以上の層というのが、三十万人ぐらいふえる。しかも、これは単に六十五歳以上というよりも、ちょうど僕なんかもうその部類ですけど、いわゆる後期高齢者という言葉は僕は好きじゃないですけど、七十五歳以上の団塊の世代の人たちが、ほとんど全員団塊の世代になる。
 そういう中で、活動的な人たちが減る中で、そんなに来るだろうかなと。条件は、明らかに日本人の場合は悪いと思うんですね。観光客そのものがふえる根拠が余りない。それから、七十五歳以上になるということは、当然移動の時間なんかでも疲れたりしますから、あんまり来ないですよね。
 それから、何よりも外国人の場合も言えることなんですけど、大阪は、パチンコ台数でも絶対台数で一番多いまちなんですよね。人口当たりじゃないですよ、絶対台数で一番日本で多いまちなんです。この四、五年間、前月比で消費もほとんどの月がマイナスです。特にレジャーや娯楽というのは、うんと減っております。
 そういういろんな年齢構成の変化とか生活の大変さとかというようなことは、影響調査の報告書には何も書かれてないんです。それにもかかわらず、僕が今指摘したような事実を踏まえて、なお日本人の大阪に来る観光客が五百万人もふえる、二千九百八十三万人から三千四百九十五万人になる、しかもそのうちの一定数が、夢洲まで高齢化が進んでいるような中で来る、そういう根拠はどこにあるんでしょうか。
◎IR推進局企画課長(氏内秀晃君) 人口減少や高齢化の傾向がある一方で、国内旅行実績は堅調であることから、集客見込み数の推定値の算出に当たりまして、推定時における観光庁調査結果の最新数値である日本人国内延べ旅行者数の二〇一四年から二〇一五年の年平均成長率一・二%を前提として集客見込み数を推定したものでございます。
 なお、直近の観光庁調査結果によると、日本人国内延べ旅行者数の二〇一五年から二〇一六年実績は、六・〇%の成長率となってございます。(発言する者あり)
 直近の観光庁調査結果によりますと、日本人国内延べ旅行者数の二〇一五年から二〇一六年実績は、六・〇%の成長率となっております。
◆(宮原威君) 今のは、日本全体の数字やね。この数年間は、いつぐらいまでかは別にして、そういう傾向は確かに続くかもしれないですけど。大阪の場合は、一・二%なので、そこで全然違う全国の数字を持ってこられても、ちょっと違うんですが、それはおいときましょう。
 ただ、一つ指摘しておきたいと思うのは、決算年度でも、僕、今手元に資料ないですけど、大阪の方で、日帰りで旅行される人が約半分いらっしゃるんですね。だから、そういう点でいうと、実は大阪や関西の一つの貧困というのは、全国よりもうんとすさまじいから、実は一・二とかそういう数字と、今あなたがおっしゃった六・〇というような違いが出てくるので、そこはきょうはそういう面もあるよという指摘だけしておきたいと思います。
 それから、調査報告書では、経済効果とか税収効果などがいろいろ書かれているんですね。その中には、当然商業施設だとかホテルだとか、いろんなことも書かれております。ただ一方で、そこでの売り上げがふえるということは、当然キタとか、ミナミとか、なんばとか、阿倍野とかというようなところでの商業施設あるいはホテルなんかの売上額が減少するということに当然なると思うんですけど。
 大阪全体、関西全体で、仮に皆さんがおっしゃっているように夢洲のIRにそれだけの人が来たと仮定をしたとしても、一方でその分、キタとか、ミナミとか、なんばとか、阿倍野の商業施設やホテルの売り上げというのは、マイナスに当然なる。当たり前なんですけどね。
 そのマイナスの経済効果というのは、この影響調査の報告書には全く書かれてないんですか。それは、どうなんですか。
◎IR推進局企画課長(氏内秀晃君) お答えします。
 大阪夢洲へのIRの立地によりまして、世界最高水準の一大観光拠点やMICE拠点が形成され、国内外からの大きな集客効果が見込まれております。それに伴い、新たな幅広い需要が増加し、大きな経済波及効果、雇用創出効果をもたらすものと考えております。
 そうした効果を夢洲だけにとどめるのではなく、大阪府内や市内等における観光資源等とも連携をし、集客効果を各地へ波及させることにより、夢洲だけでなく、大阪、関西全体の経済成長に寄与するものと考えております。
◆(宮原威君) 新たな効果が出る。そのことが、夢洲以外にもプラスになるんだという御答弁だったと思うんですけど。私が指摘したのは、新たな効果は仮にあったとしても、それはマイナスにほかの地域ではつながるよという極めて単純な質問だったんですけど、それにきちんと答えていただいているかどうかというのは、必ずしもあれじゃないですね。
 それと、大阪に来る観光客の何が楽しみで来るかということを先ほど紹介しましたが、そういう観光資源を磨くことこそ大事であって、新たにつくらないとそういう経済成長が望めないなんていうのは、全く根拠に欠けるんじゃないかなというふうに、今の御答弁を聞きながら、何か紋切り型の御答弁でしたので思いました。

・ギャンブル依存症について

 それから、最後に、ギャンブル依存症についてお聞きしたいと思いますが、決算年度で、大阪におけるギャンブル等の依存症患者というのは、どのぐらいいらっしゃると考えているのか。それから、調査したことがあるかどうか、実際、決算年度までに。それから、決算年度でどういう対策に取り組まれたということに--これは部がまたがったりするので、どういうふうに承知しているかということでもいいですけど、答えられる範囲で答えてください。
◎IR推進局推進課長(井谷宣明君) お答えいたします。
 国のギャンブル等依存症に関する調査では、都道府県別の依存症の患者数は公表されておらず、また今後も公表されるかは未定であります。また、大阪府として、過去に調査したことはありません。
 次に、依存症対策については、本調査におきまして、懸念事項の一つとされるギャンブル依存症対策について諸外国の懸念事項、課題対策なども調査し、海外の先進事例の情報収集に努めたところであります。
 以上でございます。
◆(宮原威君) 海外の先進事例というふうに言われましたが、ギャンブル依存症対策というのは、実は医療の分野では全くと言っていいほど定着をしてない試行の段階ですよね、国でも試みの段階。当然、診療報酬なんかにも全くありません。病気だとは認定されていますけど、診療報酬の中には、全くそういうものはありません。回復は見込めるけど、治癒は見込めないというのが、最近の常識ですよね。
 そういうことについて、全国でいろんな調査があって、決算年度までの調査では五百何万人というような調査があったんですけど、最新のでは三百二十万人という調査がいろいろあったりするんですが。
 それはともかく、大阪でのギャンブル依存症の現状について全く調べもせずに、それから対策については諸外国の先進事例を研究していますとか言って、緒にもついてないぐらいの段階で、こういうIRというようなことを考えるということ自体が、先ほど言いましたようにパチンコの台数なんかが日本で一番多いのが大阪だとか、それ以外に公営ギャンブルももちろんありますし、そういう中で、依存症をふやす可能性が圧倒的に高いIRを無批判に誘致しようという感覚は、非常に私にはわかりません。それは、指摘だけしておきたいと思います。
 それについても、知事への質問をしたいということを申し上げて、質問を終わらせていただきます。




   


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