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議事録


教育常任委員会(2017年11月2日) 石川たえ府議の質問

・大学の法人統合について

◆(石川たえ君) お疲れさまです。よろしくお願いいたします。日本共産党の石川たえです。
 大学統合についてお聞きをいたします。
 大阪府立大学、大阪市立大学の二つの大学の統合について、平成二十七年九月の委員会で、学生や教職員への説明責任を果たすことを私は求めました。しかし、大学関係者への説明はいまだ不十分であると言わざるを得ません。だから今なお、大学内での議論は全く醸成されていない。地域高等教育機関として学生及び府民、市民にとって有益かどうかの考察を欠いていると教員からも疑義が上がり、八六%もの学生が、自治体のアンケートに、統合を知らないと答えているのではないでしょうか。
 そもそも教育基本法には、「大学については、自主性、自律性その他大学における教育及び研究の特性が尊重されなければならない」と書かれており、組織改革には、大学の自主性を生かし、大学内での十分な議論を経ることが不可欠であるにもかかわらず、自主性を生かした論議が不十分だと現場から声が上がる中で、拙速に法人統合を進めるのはいかがかと思っています。
 改めてお聞きをいたします。二つの大学を一つにすれば強い大学になる、この根拠は一体どこにあるのでしょうか。
◎知事(松井一郎君) 府立大学と市立大学によって取りまとめられました「新・公立大学」大阪モデル(基本構想)において、両大学の統合によって、教育、研究、地域貢献という基本機能の一層の向上が図られ、大阪の発展が牽引できるという考え方が示されています。
 これに加えまして、府市及び両大学で取りまとめられた報告書において、都市シンクタンクと技術インキュベーションの新たな機能を充実強化をすることにより、大阪の都市問題の解決や産業競争力の強化に貢献することが期待できるということが示されました。
 こうしたビジョンを踏まえ、両大学を統合することにより、スケールメリットと相乗効果を発揮をし、全国ナンバーワンの公立大学となる新大学の実現を目指してまいります。
◆(石川たえ君) これまでも繰り返し、根拠は何ですかというふうにお聞きをしてきましたが、結局スケールメリット、相乗効果がある、こういうお答えだけで、一体何をもってナンバーワンの公立大学なのかが全くわかりません。
 「日経グローカル」が毎年行っている大学の地域貢献度調査では、平成二十七年、大阪府立大学は十一位、市立大学は六位とどちらの大学も上位に位置し、全国的に見てもそれぞれ地域貢献度は非常に高い大学だと思います。
 府立大学と市立大学は、地域や社会の期待に応えるべく大学として設置され、長年にわたって安い学費で質の高い高等教育を提供し、数多くの卒業生を送り出してきた、まさに府民、市民の貴重な財産です。この大学を統合する意味と強くなる根拠を改めて教員や学生に説明し、統合前に現場との議論を進めると、こうお約束をしていただくことはできないでしょうか。
◎知事(松井一郎君) 大学内の議論は、両大学の組織の執行部の皆さん方がしっかりやっていただいております。これまでも、教員などの参画を得ながら検討をしてまいりましたし、進捗に応じて教職員への説明会や意見交換、また学生に対しても、さまざまな機会を捉えて説明や情報発信を行うとともに、意見も聞いております。
 今後とも、統合の検討状況など情報の周知や関係者の意見を聞きながら取り組みを進めてまいります。
 石川委員から、何をもって強い大学になるというその根拠、先ほども説明しましたが、もっと具体的に言いますと、全国に多々大学がありますが、医学部と獣医学部が一緒になっている大学というのは、全国で九カ所しかありません。両学部を持つ大学というのは、公立大学ではゼロであります。関西でもゼロであります、今。我々このたび、市立大学、府立大学を法人統合いたしますと、関西で唯一の医学部と獣医学部の学部がある大学が誕生をする、組織が誕生するわけであります。
 今まさにライフサイエンスだとかバイオテクノロジーだとか、この分野の新しいイノベーション、これは世界中から求められているわけであります。この分野の新しい研究成果、これをつくり上げていくには、医学部と獣医学部、この二つが一つになるというのは非常に大きな可能性を秘めていると思います。
 医学部と獣医学部が一つの組織の中に存在するという大学は、全国で九カ所しかありません。七つが国立大学、二つは私立の大学です。この私立の大学も、医学部と獣医学部は非常に距離が離れておりまして、同じエリアにあるということではありません。この大阪で府立大学と市立大学の組織が一つにまとまれば、この大阪というエリアに医学部と獣医学部を持つ、そういう組織のある大学ができるわけであります。これをもって機能強化にならないと言われるほうが、僕はよくわかりません。関西で唯一の医学部と獣医学部を持つ大学組織になるわけですから、これは間違いなく機能強化につながると、こう思ってます。
◆(石川たえ君) 医学部と獣医学部が一つの大学になれば機能強化になるというふうに知事はおっしゃってますよね。じゃ、医学部と獣医学部が一つにならなかったら機能は強化できないのかという疑問も私は生まれてまいります。
 それで、医学部と獣医学部が一つになるから強い大学になる、これが根拠であるというふうに知事はおっしゃっているんですね。それでいいですね。医学部と獣医学部が一緒になるから強くなるということですね。
◎知事(松井一郎君) それが先ほどから申し上げているスケールメリットというものであります。一つの例として医学部と獣医学部を申し上げましたが、もう一つ言うならば、府立大学は理工学部、そういうものづくりのところでもさまざまな研究成果が常に上がっておりますから、医療機器、こういうものにも新たなイノベーションが起こるでしょうから、そういうものを全て含めてスケールメリットということを申し上げてます。より具体的に申し上げたのが、医学部と獣医学部の学部がある組織ができ上がるということであります。
 関西で唯一のそういう学校になるわけですから、これで機能強化にならないという石川議員のその感覚が僕にはちょっと理解できないところです。
◆(石川たえ君) 私の感覚が理解できるかできないかは別にここで議論することではないので、知事はそういうふうにお考えなんですねというふうに私はお聞きをしただけであって、私の考えどうこうについて知事に言っていただく必要は私は全くないというふうに思っています。
 医学部と獣医学部が一緒にならないといけないという方もおられれば、それぞれが連携すればそれぞれに大きな強い大学になるんじゃないかという意見もあるわけですから、知事がおっしゃっていることと私の受けとめ方が違って、それは当たり前だと思いますので、それはお互い理解できない、理解できないと言い合っていても仕方がないので、次の質問に移らせていただこうと思います。
 ただ、学生さんや教員の皆さんが説明会は不十分であるということであるとか、学域に改編をしたばっかりで、これから見直し、検討をしていかないといけないときに、また新しい新大学かというふうに言われたら、なかなか学校現場としては受けとめられへんというふうに言われてる声もあるわけですから、これまで十分説明してこられたというふうに皆さんおっしゃいますが、そうじゃないというふうに言ってる現場の声もあるんで、これはやはり丁寧にきちんと、学生にだって教授の皆さんにだって懇切丁寧に説明していく責任はあるのではないかというふうに申し添えておきます。
 「新たな公立大学としての2つの機能・戦略領域」の報告書を拝見させていただきました。この中に、大阪が抱える都市問題の中でも高齢化と健康寿命の延伸は重要課題だというふうに位置づけられておりました。その上で今後行っていくことを検討している具体的な取り組み例の一つに、地域医療を支える看護職への現任教育が取り上げられ、この取り組みの条件として教員の増員ということが書き込まれております。
 第二期中期目標の中で府大への運営交付金は減らされ続け、施設整備補助金を足しても、平成十八年からマイナス十四億五千万円となっています。運営交付金減の中で人件費も当然削られ、教員数は十年間で二割も減っています。教員の数が減った結果、教員一人当たりの学生数はふえ、卒論の指導、一人一人への丁寧なケアを初め、基礎研究そのものの継続が危うくなっているという声もお聞きをしております。教員が退職をすれば研究がなくなってしまう、こういうところもあるというお話も先日聞いてまいりました。
 運営交付金は現状維持であるというふうに先日の委員会で御答弁をいただきましたが、現状維持では教員増は望めないのではないかと思っています。課題克服のために教員増を掲げているということは、当然今後、運営交付金もふえ教員もふえると、こういうふうに考えていいかということを知事に求めたいと思います。
◎知事(松井一郎君) 運営交付金につきましては、現状の水準を維持することといたしまして、教員の配置については、両大学を統合することで、スケールメリットや相乗効果を発揮することにより対応ができると考えております。
◆(石川たえ君) 運営交付金の水準を現状維持ということは、今もう既に教員は減ってきていて、その先生たちが、このままでは教育の質は担保できないというふうに言っておられるんですが、運営交付金をふやさないままでどうやって教員増を図るのかを教えてください。
◎知事(松井一郎君) 先ほどから申し上げますけど、両大学で重なり合っている部分もあります。こういう重なり合っている部分を、スケールメリットを利用して財源を生み出してくる。その財源を新たな研究テーマの分野に振り向けていく。そのことで、新たな研究をしていくその分野については、スケールメリットの中で新たな財源がそこで生み出されるわけですから、その財源を活用して、新たな研究テーマに投資をできる環境をつくれるということであります。
◆(石川たえ君) スケールメリットの中で、新たな財源というのはどういうふうに生まれてくるんでしょうか。
◎知事(松井一郎君) 両大学で重なり合っている部分がありますよね。両大学のさまざまな組織の仕組みの中で、その重なり合っている部分は当然絞り込むことができるはずです。今それぞればらばらにやっているやつを一つにまとめれば、組織としてはそこはぐっと絞り込むことができますから、そうなればそこで財源は生み出すことができます。
 そして、新たな投資、それが必要という場合には、そのリターンとメリットを精査をして、税を投入するかというのはそのときに考えることになると思います。
◆(石川たえ君) この報告書の中に書かれてた看護師さんを育てるための教員増のところですけれども、その前の前段の部分で、大阪府立大学も、そして大阪市立大学も、この間保健師さんはたくさん輩出してるよというのが出てくるんですよね。それぞれがそれぞれにたくさんの保健師を輩出していて、それが、大阪の健康寿命は低いですけれども、でも大阪府民の健康を支える土壌になっているんだというふうに思うんですね。これを一つにしてしまって、でも教員増は要る、運営交付金はふえへんということになったら、私はどこから財源が出てくるんかなというのが甚だ疑問ではあります。
 府大の理事長さんも、統合するから運営交付金を下げるんじゃなくて、現状維持してほしいということは言ってるよというお話もされてます。ただ、同時に、説明がつけばこの運営交付金をふやしてくださいというお話もされて、このことについては理解されているというふうに言われているんですよね。今、知事は現状維持だというふうにおっしゃいましたけど、今後この運営交付金がふえていく見込みというのはあるんですか。
◎知事(松井一郎君) 今、委員が府大の理事長のお話をされました。説明がつけばふやしていくということであります。現状で、投資が必要な場合のリターンとメリット、これが具体的なものが今お示しはされていないわけですから、そういうものが示された段階で、精査をして判断をしていくということになります。
◆(石川たえ君) 結局、具体的なことは示されてないから、どう投資するかは今後の話やというお話だと思うんですね。具体的なことが示されてないのに、統合だけは話が進んでいくんです。ここに教員や学生の皆さんは、どうして統合だけが先に進むんだ、具体的な中身は何も私たちは説明は受けてないし、相談もされてないじゃないかというふうに言われてるわけですよ。ここを置き去りにしたまま統合の話だけが進んでいくのは余りに拙速じゃないかというのが、現場の皆さんの声です。
 知事言われたとおり、今後、具体的な中身がわかってきたら、もしかしたら運営交付金は上がるかもしれへん、もしかしたら上がらないかもしれん、それは先のことなのでわかれへんけれども、検討の中でそういう可能性もあり得るということですよね、今おっしゃってたのは。運営交付金が上がっていくという可能性も十分あり得るということですよね。そういうことも含めて、やっぱり現場にもっとちゃんと説明をしてあげないといけないと思いますし、具体にどうするのというのを法人統合を先やってから相談しましょうじゃなくて、法人統合する前にちゃんと相談して、これこれこういうふうになりますよという理解と納得を得るべきじゃないかなというふうに思いますし、現状維持は運営交付金はあくまでマイナスですから、マイナスからのスタートではなくて、やはり運営交付金をちゃんと上げます、教員もちゃんと確保できます、そして新たな投資についても検討しますというふうにぜひしていただきたいなというふうには思っております。
 次の質問に移ります。
 府大の学費は、国立大学と比較すると、授業料は同じです。しかし、初年度の納付金は国立大学よりも高い初年度納付金を支払わなければいけない学生も今います。入学金は、府大生の府外生、大阪府以外の学生さんは入学金は十万円高いんですよね、府内生より。獣医学部では、それ以外にも、実験機器や実習の充実などの負担金の徴収というのをされています。獣医学部に至っては、初年度納付金が百十万円にも上るんです。さっき、獣医学部と医学部が一緒になるから強くなるよというお話をされてましたけど、この獣医学部に入ろうと思ったら、今の時点でも百十万なんですよ。
 百十万円の初年度納付金というのが一体どんな金額かというと、大阪府が出されてます第三次大阪府ひとり親家庭等自立促進計画、この中にシングルマザーの平均年収というのが出てまいります。このシングルマザーの平均年収は二百万円未満が六一%、過半数を超えるわけです。年収二百万未満の人たちが六一%もいてる、そのシングルマザーの人たちの半分に当たる百万円を初年度納付金で納付しないといけないんですよね。その上、学費が今高いということで、府大生の三分の一が奨学金を受けて通学をしています。彼らは卒業すると、これはほぼ借金となって重くのしかかってくる。かつては、安い大学で大阪を支える人材を育てる、これが大阪府立大学でした。しかし、今、収入の低い学校の子どもは大学に進学できません。せめて授業料の減免の枠をもう少し広げるとか、成績要件をなくすとか、減免基準を緩和して、学生さんが通える、通いやすい大学にしてはどうかと思いますが、知事の見解を求めます。
◎知事(松井一郎君) 何でシングルマザーの方の年収と獣医学部の一年間の授業料がつながるんでしょうか。獣医学部に行かれている方はほとんどシングルマザーで育てられた人たちが獣医学部に行ってるんですか。委員の質問の意味がね、いろんな印象操作されてるんだと思いますけど、意味がわかりません。だって、石川委員の年収があれば十分払える百十万じゃないですか。シングルマザーの人は二百万円未満ですよというのをわざわざ例示としてここでお話しされるのが、僕はちょっとよくわからない。
 府立大学における授業料の減免制度については、これまでに成績の審査の一部緩和を行うなどにより、対象の範囲を広げるなど見直しも行ってきております。
 府として、学生支援制度の充実は必要と考えておりまして、今後とも府立大学において、他の公立大学や学生の就学状況などの動向も踏まえ、減免制度が適正に運用されるものと考えています。
◆(石川たえ君) もう時間がありませんので、減免制度の拡充と運営交付金の増額を求めて質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。



   


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