日本共産党 蒲生 健議員の一般質問
2002年12月12日
 
 日本共産党の蒲生健です。私は、雇用・ホームレス対策、関空問題等について知事に質問いたします。
 十一月二十九日、大阪府の七・八・九月の平均完全失業率が発表されました。失業率は、八・四%で、完全失業者数は、三十八万九千人でした。これは、職安を通じて熱心に求職活動をしている失業者の数字ですから、職安での求職をあきらめたり、月末一週間の間に一時間でも働いた人は統計上含まれないという、厳しくしぼりこんだ数字で、政府もこれ以外に、ほぼ同数の失業者がいると認めているくらいです。
 大阪の失業者を十数%、五〇万人から六〇万人とみても決して過大ではなく、大阪の不況の危機的状態がここにも現れています。
 私は、当面の府政運営の最重点施策の一つに、雇用確保問題があるとみていますが、見解はどうですか。
 わが党は、本年九月に「深刻な経済危機から国民の暮らしをまもるための四つの緊急要求」、即ち社会保障での三兆円の負担増の中止、国民・中小企業への増税反対、不良債権の名による中小企業つぶしの政策の転換、雇用と失業対策の充実を発表し、広範な国民的共同をよびかけています。
 私たち日本共産党府議団も大阪府商工会連合会、青年会議所、府医師会をはじめ、各種業界団体など、多くの団体と懇談してきました。そこでは「不景気で廃業や倒産が多い。企業発展のためには、景気をよくすることだ」「今回の不況は今までとはちがう。大阪は中小企業の街やからそこんとこをちゃんと考えてもらわなあかん」など、わが党の提案に、政治的立場の違いをこえて共感がありました。
 景気回復のためには、大企業のリストラを止めさせ、解雇規制、サービス残業の根絶など、雇用を確保するとともに、社会保障制度の改悪を撤回し、個人消費をあたためる経済政策を推進することが必要であると考えますが、見解を求めます。
 特に、サービス残業の根絶では、大阪労基局の監督・指導で、今年一月から九月までにサービス残業をさせていた二百十五社に対し、是正・指導がおこなわれ、百三十八社が時間外の割増賃金四億千万円を支払うなど貴重な前進がみられました。しかし、これはサービス残業の全体からみるとほんの一部にすぎません。国にサービス残業を根絶することを求めるとともに府が積極的役割を果たすことが必要です。見解と府の対策を問います。
 また、府の「緊急雇用創出プラン」は三年間に十二万人です。その中身は、半分の六万人は、既存の中小企業の新事業展開の促進による雇用となっていますが、府下の中小企業に雇用をお願いする前に、小泉内閣の不良債権処理強行などの中小企業つぶしから、その中小企業を守ることが府の役目ではないでしょうか。見解を求めます。
 又、後の六万人の半分、三万人分は、府のあらゆる分野における雇用創出をはかるとして介護・福祉など具体的にあげていますが、教育・防災などの分野も対象にするとともに、府職員のリストラ中止をまず行い、対策を見えたものにすべきであります。さらに、残り三万人は緊急地域雇用創出特別交付金事業によるというのですが、旧交付金の大阪での雇用の実績は平均して一人年間二十三日間であり、同じことの繰り返し、すなわち一年間に数十日間しか働けなかった人も十二万人の雇用の一人に数えるということがひきつづきやられるとしたら、十二万人というのは絵にかいたモチということになります。
 そこで、質問ですが、府は、今日の深刻な失業の状況からみて、いわゆる十二万人雇用計画で十分だとみるのか、それともこの際見直すことが必要だと考えているのか、お答え下さい。
 また、わが党は、大阪府が公共事業を生活・福祉型に転換し、介護や教育に力を入れて、雇用を増やすことを具体的に提案してきました。
 例えば、今年四月一日時点で、一年以内に特別養護老人ホームに入所が必要な府内の待機者が約七千二百人います。これを解消するためには九十カ所の特養ホーム、二千七百人の常勤職員が必要です。また、いま、少人数学級に踏み出した自治体は二十二道県に広がっていますが、ゆきとどいた教育のため、せめて、三十五人学級を実施した場合、新たに必要とされる教員は四千五百人余です。こういう施策こそ推進すべきだと思いますが、答弁を求めるものです。
 又、大阪の来春の高校新卒者の就職内定率は九月末現在三八・六パーセントにすぎず、厳しいスタートと報道されています。府として対策をどうするのか、答弁を求めます。
 次に、先の一五四通常国会で「ホームレスの自立の支援に関する特別措置法」が可決・成立し、今年八月七日より施行されています。
 わが党は、「ホームレスの人々の直接支援とホームレスに至らないための施策を国の責任としたこと、就労機会の確保を緊急抜本対策として位置づけたこと、国の基本計画などの策定の義務づけなど」を評価して、賛成しました。
 昨年九月の政府統計では、全国のホームレスの数は二万四千人と、二年余で一・五倍、大阪でも一万五千人を超えたといわれているように急速に増えています。
 府が昨年年三月から六月にかけて行った「野宿生活者実態調査」によると、大阪市を除く府内の公園や河川敷、高架下等において、生活する野宿生活者は計八百四十八人でそのうち四百六人から聞き取ったとのことです。
 調査報告の特徴は、「多くは、単身の男性で、平均年齢は五十五・二歳。野宿期間は、一年以上が約八割で長期化している。約八割の人がアルミ缶、家電製品等を集める廃品回収などで働いており、収入は月五万円未満の人が約七割」「戦後ベビーブームの前後に大阪で生まれた人や、高度経済成長期に来阪した人たちが、中高年齢層となり、バブル経済崩壊以降の厳しい雇用情勢の中で、失業やリストラなどにより労働市場から排除され、野宿生活を余儀なくされている」「野宿直前まで安定的な『常雇い』であった人が約三割」などです。
 私はこの報告書は、時宜にかなった貴重なもので、府政の執行上も大いに参考になると思うのですが、知事はどのように評価されますか、あわせて大阪での野宿生活者の現状についてもお答え下さい。
 さて、先日、府の担当者から「ホームレス自立支援法」施行後の問題についてお聞きしましたが、国の実態調査が来年一・二月、それに基づく国の基本方針の策定、七月ごろ国から都道府県への説明、その後二・三ヶ月かけて府県の実施計画がたてられ、市町村の実施計画は尚その後になるとのことでした。これでは、法施行後一年半たたなければ具体的な対策がおこなわれず、「仏つくって、魂いれず」ということになるのではないでしょうか。大阪のようにすでに調査が行われているところは、ただちに計画策定、抜本的対策の実施に入れるように国に対して申し入れるべきだと思いますが見解をお聞かせ下さい。
 私は又、自立支援センターの役割を評価するものですが、大阪の野宿生活者一万五千人に対して三カ所二百八十人の定員ではあまりにも少なすぎます。少なくとも二千人の定員は確保する必要があると思いますが、知事は、自立支援センターの充実についてどう考えておられるか。見解をお聞かせ下さい。
 自立支援センターで就職し退所した、いわゆる就労退所者もその多くが、その後、仕事を失い、やむなく野宿生活に戻らざるをえないケースも生まれてきています。自立支援法にうたわれている「安定した雇用の確保」のために、府はどういうことを考えているのか、答弁を求めます。
 今日の厳しい雇用情勢の下では、民間企業にだけ依拠するには限界があり、再就職出来る人は限られるのが現実です。そこで、「公的雇用」の役割がきわめて重要になってきます。一九九九年六月から「緊急地域雇用特別交付金事業」が始まりました。この旧交付金事業は、事業主に対する助成を柱にするこれまでの対策と異なり、国が強く否定してきた失業者に直接、雇用の場を提供する内容でありました。そして、昨年十月、政府は旧交付金事業をひきつぐ「緊急地域雇用創出特別交付金事業」を実施することを発表し、新たに、都道府県・市町村は、新交付金を財源とする事業に加え、自らの財源による上積み努力が奨励されることになりました。これらの交付金事業を臨時的・応急的なものではなく、「公的雇用制度」として確立することを国に求めるべきだと思いますが、見解を問います。
 同時に、政府に対し「雇用創出特別交付金」の大規模な増額を求めるとともに、府としても自らの財源による上積みをこの際行うつもりはないか、答弁を求めます。
 次に関空問題について質問します。
 今日、関空事業は重大な段階を迎えています。破産寸前の経営、伸び悩む航空需要、深刻な地盤沈下問題など、問題・課題は山積みであります。
 大阪府は関空二期事業を強行し、あくまでも二〇〇七年二本目の滑走路の供用開始をめざそうとしていますが、私の質問は、まずその二期事業についてです。
 わが党は、これまで一貫して二期事業の中止を求めてきました。十二月六日、国土交通省の交通政策審議会答申は、「関空二期事業は需要動向など十分見極めつつ整備する」と述べ、二〇〇七年供用を明記しませんでした。
 それに先だって十月九日付「毎日」新聞は、自民党行革本部の太田誠一本部長が、小泉首相に関空二期事業は、「完成に至らないというのが暗黙の合意になりつつある」と言ったと伝えています。
 また、日本経済団体連合会も「需要予測を改めて見直し関空会社の経営見直し等を勘案した上で二期事業推進のあり方についてさらに検討する」ことを提言しています。
 知事は、昨年の十二月議会でわが党の質問に対し「需要という物差しだけで考えるのは皆様方が間違っている」「二〇〇七年十六万回に達する。平行滑走路供用に向け全力あげてとりくむ」と答弁を繰り返すなど、二期事業推進に躍起になってきましたが、こうした府がすすめてきた方針こそ誤りだったのではありませんか。今日の状況を直視すれば二期事業は中止すべきが道理だと思われませんか、答弁を求めます。
 第二は、関空の管理・運営の問題です。
 交通政策審議会答申は、「関空は、将来の完全民営化にむけて、経営改善につながる条件整備をおこなう」としています。
 現在、特殊法人・株式会社である関空会社を完全民営化するとは具体的にはどういうことになるのか、政府の保有株を全て売却することを意味するのか。それは必然的に大阪府に新たな財政負担を求められることになるのではないか。それぞれについて答弁を求めます。
 わが党は、これまでからも強調してきたように関空はあくまで第一種国際空港として空港整備法にもとづき国の責任で管理・運営すべきだと考えますが、見解を問いたいと思います。
 最後に今議会に「建物の買い入れの件」として提出されている府立インターネットデーターセンターについて質問します。
 わが党は今議会の直前、担当部からこの事業についての説明を受けましたが、本当にこの施策をわざわざ四三億五千万円もかけて整備することが中小企業など大阪経済のためになるのか、もっと慎重に検討すべきで、今回の提案はあまりにも唐突のそしりは免れません。
 同時に、この事業決定に至る経過には二つの重大な疑問があります。第一は、なぜ浪速区のこの土地・建物でなければならないかという問題です。この物件は、もともと旧富士銀行の計算センターだったとのことですが、土地・建物の購入に七億四千万円、改修に十八億三千万円もかかるということです。なぜ、この物件が適切なのか、明確な説明を求めます。
 第二は、今年九月十八日に新日鉄やNTT西日本などのグループの提案コンペが採択されましたが、その後一〇月になって新日鉄が旧富士銀行から買い、それを今回府が買収するというものであります。新日鉄はコンペに参加し、今後の運営についても関与するとされており、その新日鉄がコンペ採択後に自社ビルなどを府に売却するというのは、果たして正当な取引なのかどうか。誰もが疑問に思うところです。なぜ府が直接旧富士銀行から買わずに、新日鉄が一度買ってから府がそれを買い取るという、迂回をしたのか、はっきりとその理由を明らかにしてください。また、旧富士銀行の物件をいくらで新日鉄は買い取ったのか、明らかにするよう求めます。   
 これで一回目の質問を終わります。ご静聴ありがとうございました。

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