”巨大開発の無駄やめよ” 


 
府議会代表質問 宮原議員、太田知事ただす


写真
代表質問に立つ宮原威府議団長=3日、府議会


 



3日の府議会本会議で、日本共産党の宮原威団長が代表質問にたち、来年の府知事選に出馬を表明している太田房江知事の基本姿勢をただしました。府政の失政による倒産、失業など困難に直面する府民に冷たく財界・大企業が求める無駄な巨大開発に執着する府政運営を厳しく批判。今こそ府民本位の大阪再生の方向をとるべきだと具体策を示し、見解をただしました。太田知事は、現行の施策推進を繰り返し、府民の目線とかけ離れた姿勢がが浮き彫りになりました。
 宮原氏は、太田知事が再選出馬表明などで「大阪再生」は「道半ば」などとしていることに、消費の落ち込み、完全失業率、企業倒産、生活保護率などあらゆる指標が、太田府政のもとで悪化したことを示し、「道はどんどん遠くなっている」と指摘しました。
 
開発執着 府民にツケ
 その原因は、歴代政府の失政、とくに小泉自公保政権がすすめた不良債権の早期最終処理による中小企業つぶしやリストラ促進、医療改悪などにあると強調。あわせて太田知事が、横山府政の「財政再建プログラム案」をひきつぎ、府立高校授業料の全国最高額への値上げや住民税非課税世帯の老人医療費助成の大枠廃止、私学助成の削減、エアコン設置を名目にした高校授業料再値上げなど、府民負担を増やしたことが、消費の冷え込みと将来不安の一因をつくったと批判しました。
 一方で巨大開発に熱心で、見込みを大幅に下回る離着陸回数など、必要性のないことが明白な関空二期事業に異常に執着してきたと指摘。出馬表明で、同事業に一言も触れられないほど行き詰まりは明白とのべ、責任を追及しました。
  
大阪再生へ福祉充実を
 大阪再生について、宮原氏は、大前提は、地方自治の本旨の通り福祉と経済の振興に力をつくす府政に切りかえることだと指摘。「府民の暮らしや営業の苦悩にともに涙し、緊急の支援対策をとりながら、大阪の再生という理想を追求しなければならない」と強調しました。具体的には、
@福祉・医療改悪など府民負担増の中止
A金融支援などの中小企業、雇用、農林振興など経済政策
Bムダな巨大開発の中止と生活福祉型への転換で仕事をつくる
C府立6病院・大学・保健所・公衛研など、府が担うべき分野をしっかり堅持する
D清潔な府政、平和な大阪をつくる姿勢−−を提起。
 このなかで、老人医療費助成制度の大枠廃止について「生活保護受給者よりも低い所得の高齢者に現在の1割負担から3割の医療費負担にすることは、食事をいっそう切りつめても医者に行けないことになりかねない」と指摘、府の「素案」に盛り込まれた障害者医療一部負担とともに撤回を強く求めました。
 府が中小企業に発注する官公需が、京都府67%に比べ、昨年度53.7%と異常に低いと指摘し、20年来の目標である65%達成に取り組むよう求めました。
 8月に決定した府立高の統廃合対象校(案)が、普通科に加えて夜間定時制を14校減らし、工業高は3校減らすなど、大規模な「高校つぶし」で、到底認められないと主張しました。
 危機管理の意識が希薄 府民の安全と危機管理では、今年5月のSARS感染で、知事が、自分の後援会パーティー会場で第一報を受けたものの、対策本部会議を指示しただけで、1時間以上もパーティー会場に残り、対策が遅れ、保健所が関空を調査、消毒したのは、第一報から14時間あまりも経過したと指摘、危機管理意識があまりにも欠けていると批判しました。
 無駄な大型開発では、関空二期事業、阪神高速の都市再生環状道路、安威川ダム、水と緑の健康都市開発、本四架橋の5事業に絞っても、今年度予算で326億円余りの府負担が計上されており、関空二期工事など直ちに中止するよう求めました。
 
国の悪政に追随するな
 府民本位の府政が実行できないのは、知事の政治姿勢にあるとのべ、国の悪政の押し付けや平和を脅かす問題にきっぱりとした態度がとれず悪政に追随していること、府の請負業者に後援会のパーティー券を購入させた問題や、社会的困難な状況にある人たちを罵倒(ばとう)する教育委員をかばう態度など、太田知事の姿勢が府民の目線とあまりにもかけ離れていることを厳しく批判しました。
 答弁のなかで、知事は、福祉・教育の切り捨てや大型公共事業の見直しなどあらためる見解は一切示さず、今後も推進することを表明。再質問で宮原氏から「府民の命と健康を守る姿勢がまったく感じられない」と本質を突かれ、「失礼だ」と言葉を荒らげる場面もありました。

2003年10月4日付
go back to toppage
日本共産党大阪府議会議員団