第4回 経済再生や中小企業対策は(上)

     

 
  
 
 大阪経済の現状は極めて深刻です。完全失業率が沖縄県に次いでワースト2、全国の5.5%より3ポイント近く高いことは第1回目(8月3日付)で触れました。
 また、消費の後退を裏づけるように、1人当たりの府民所得は97年から01年の4年間で11・4%、太田府政後の2年間でも6・6%も減っています。その結果、個人府民税の収入も477億円減少しています(表1)。
 大阪の倒産が全国の13%(02年度)を占めているように事業所数と従業員数の減少も全国や東京と比べても際立って多く、従業員数の減少割合は全国や東京の2倍にものぼっています(表2)。
 今年1月〜3月の完全失業者数は37万6千人といわれており、この5年間の従業者数の減と近い数字で、倒産やリストラが完全失業者の増加の最大要因となっていることを示しています。
 事業所統計では3つの特徴が浮かんできます。
 第1は、新規開業率が減少化傾向をたどり、廃業率が大きく増えて新規開業率を大幅に上回り、最近は事業所数が年間約1万件減り続けていることです(表3)。
 第2は、2001年までの5年間だけでも、大阪にある企業の本所・本社・本店が3分の1も減少したことです。
 言いかえれば、大阪の大企業や中堅企業の本社が東京などに移転したことを示してます。(表4)。
 第3は、東京への「一極集中」や海外への工場移転の影響をうけやすい業種の現象が多いことです。大阪は、産業の「二重の空洞化」の影響をうけているのです(表5)。
 中でも、工業については長期にわたる低落傾向を続け、90年を100とした製造工業生産指数は3分の1も減り、全国の2・6倍の割合で減少しています(表6)。
いわゆる「二重の空洞化」が要因

 結局、大阪で生まれ、大阪で育った事業所が、大阪を脱出あるいは大阪での比重を低め、東京へ、あるいは地方へ、さらには外国へ流出する、いわゆる「二重の空洞化」が、大阪経済の深刻な不況の大きな原因です。
 大阪府がまとめた「産業再生プログラム(案)」は、大阪液剤の深刻な不況の原因を「急激な社会経済潮流の変化に大阪産業が十分に対応しきれなかった」ことに求めていますが、「二重の空港化」は、大阪の多くの大企業が、「社会経済潮流の変化に対応するため」に、自らすすめたことであり、大企業の地域経済に対する社会的責任が鋭く問われており、その規制こそ国や府の責任です。
 国民に痛みを求め、中小企業を切り捨てる自民・公明政治や、採算も取れない大型開発にしがみつき、福祉・教育の後退で府民の負担を拡大する太田府政、さらには少子化などの社会的要因が、悪循環的、複合的に絡み合っているからにほかなりません。
 大阪の不況を打開するには、国政と府政の転換、革新こそ急務です。
(この項つづく)



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2003年8月31日付
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日本共産党大阪府議会議員団