深刻なくらし・経済のもと、いまこそ府民に役立つ府政の実現を 
明るい民主府政をつくる会 知事選にむけたアピール(上)
 
 
   大阪府知事選挙まで、あと半年あまりとなりました。
 この4年間、府民はかつて経験したことのない不況に苦しめられています。小泉内閣の医療や社会保障の改悪、中小企業つぶし、庶民増税の政策は、がまんの限界をこえるものです。
 国の悪政から府民のいのち、健康、くらし、営業を守る大阪府政を、府民は願っているのではないでしょうか。
 ところが、太田房江大阪府知事は、「小泉改革」に同調し国の健保本人3割負担を認めるなど、府民の苦しみを救う立場にたとうとしませんでした。そればかりか、「住民の福祉の増進」という地方自治体の使命を乱暴にふみにじってきました。国いいなりで府民に犠牲をおわせ、市町村に仕事をおしつける−−これでは何のための府政か、その存在意義が根本から問われます。
 いま、府民のあいだでは、くらしや福祉など、府政への切実な要求がうずまいています。府民が声をあげれば政治は変わります。
「明るい会」は、府政を変えたいと願うみなさんと力をあわせ、「府民が府政の主人公」という本来の姿をとりもどすために全力をあげます。
1「逆立ち」した太田府政の4年間

(1)”全国初の女性知事”がしたことは、教育と福祉への「痛み」おしつけ

 太田知事の最初の仕事は、府立高校の授業料を全国一高くしたことでした。さらに、多くの生徒、保護者の反対の声にはいっさい耳をかたむけず府立高校を20校つぶす計画をおしすすめ、府立高校のエアコン使用料徴収を決めました。徴収に賛成した自民党でさえ「おそらく他府県では受益者負担を求めないと思われる」と、全国でも異常な太田知事の”高校生、子どもいじめ”を認めています。太田知事は、新聞インタビューで実績を聞かれ「府立高校の授業料値上げや(保護者負担による)クーラー導入など。・・・教育の分野では思い切ってやった。これからは福祉や他の分野に広げていかなければ。」(「朝日」03年1月25日付)と語りました。
 この言葉どおり、太田知事は、大阪府の福祉医療の水準を全国最低レベルまで切り下げる、老人・障害者・母子家庭の医療費助成の廃止・切りすての検討に着手しています。自民党ですら「大阪府の存在価値はなくなってしまう」(02年12月議会)と懸念を表明するようなことを、「遠からず示すつもりだし、逃げない」(「毎日」03年2月5日付)と公言しています。
 さらに太田知事は、福祉の施策をすべて削りとり府民の願いをふみにじる、冷酷非情な「大阪版構造改革(行財政計画(案)」)の道筋をつくった」(03年2月5日記者会見)ことを最大の実績にしています。
(2)「関空中心主義」の府政陣営は完全に破たん
 その一方で、太田知事は「関空二期事業を強力に推進」(「太田知事『39』の主要実績」)してきました。総事業費1兆4200億円の2期工事は、自民党の中からさえ東京湾アクアライン、本四架橋とともに日本の「三大バカ事業」だという声があがるほどの、壮大なムダづかい事業です。関空の発着回数は、開港当時より少ない約10万8000回(02年度)にまで落ちこみ、年間有利子債務1兆円、累積赤字2000億円をこえ、経営が破たんしています。関空を「国際ハブ空港」「関西活性化の起爆剤」としてバラ色にえがき、一本の滑走路では年間16万回の離発着の限界をこえるから二期事業が必要だとする論拠はまったくうしなわれています。
 太田知事は、通産省の近畿総務企画部長時代から、「国際化」「都市間競争」のかけ声で大阪のベイエリア開発に深くかかわり、「産業インフラとしての社会資本整備をもっと積極的に進めるべきである」「全国に比べてまだ決して高くない」(96年5月13日「第22回ベイエリア・フォーラム」)と巨大開発への府財政の投入をあおりたて、知事になってからもその道をおしすすめました。九〇年代にバブルが崩壊したあとも、関西では関空二期工事をはじめ900件、40兆円ものプロジェクトがすすめられたために、経済の落ちこみと急激な府財政の悪化をまねきました。府債残高(借金)が4兆7000億円(04年3月見込み、府民1人当たり53万円)にまでふくれ、太田知事の就任後だけで9000億円もふやしました。
 りんくうタウンは、企業への分譲価格を6割値下げしても誘致がすすまず、その一方で大銀行だけは関空会社から1日1億円もの金利収入をあげています。「関西活性化の起爆剤」論は完全に破たんし、大阪経済と府民のくらしに暗い影をおとしています。
(3)太田知事の黒い人脈="食肉の帝王"とのゆ着、政治資金パ-ティ-

 太田知事は、就任直後の2000年7月に特定の食肉業者社長宅で酒食の接待をうけたことを府議会で指摘され、その事実を認めました。その後、太田知事は松原食肉公社の破たん処理で巨額の財政支援に固執し、「同和利権」として大問題になりました。
 この業者は、1987年に輸入牛肉の売買利権にからむ畜産振興事業団汚職事件で逮捕された人物です。歴代府議会議長に500万円を贈って問題になり、あっせん収賄容疑で逮捕された鈴木宗男衆議院議員が「私の親戚みたいな人」といい、「同和と暴力を足がかりに巨万の富を築き上げた」(溝口敦『食肉の帝王』)ともいわれています。
 "黒い交友疑惑"にフタをしたままの太田知事は、府政運営の資格が問われています。食肉業界と政治家の黒い疑惑は、BSE感染牛肉大量買い上げや、その証拠隠滅の焼却処分でも浮かび上がっています。
 また、太田知事の選挙母体「21世紀大阪がんぱろう会」は、これまでに3回資金集めパ-ティーを開催し、府と請負関係にある企業がパーティ−券を購入しています。公共事業請負企業からの献金は、自民党長崎県連幹部らが逮捕されるなど公職選挙法で禁止されています。太田知事は、企業・団体献金のかくれみのとなっているパーティー券購入を「寄付とはちがう」といいはり、公共事業を食いものにする「政治とカネ」のゆ着をまったく意に介していません。


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2003年7月18日付
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日本共産党大阪府議会議員団