大阪府知事 太田房江 様

2007年6月20日   
日本共産党大阪府議会議委団
団長 宮原 たけし  

多重債務者救済等の強化を求める要望書

 サラ金などの高金利のために多重債務に陥った人は、200万人を超えると言われています。


 改正貸金業法(上限金利の引き下げ、総量規制の導入等)による貸し手への規制が強化されましたが、3年間の経過措置があり、既存の借り手等を対象にした対策とともに、新たに多重債務者を生み出さない取り組みが必要です。


 政府も、この4月、「多重債務問題改善プログラム」を打ち出しましたが、こうした取り組みをいっそう充実するとともに、業界自身の多重債務者を生み出さない取り組みや業界への規制も必要です。


 多重債務問題の解決は、債務者の救済・生活再建はもとより、自治体財政の改善、地域経済の活性化にも寄与するものであり、自治体として真剣な取り組みが求められます。


 よって以下の対策を講じるよう求めます。


1.多重債務者対策本部を設置すること。


2.具体的解決方法の助言ができるような人材を配置した多重債務者向けの相談窓口を設置、充実・拡大し、広く府民の利用を呼びかけるとともに、多重債務問題について、リーフレットの作成・配布など分かりやすく広報すること。借り手の生活再建のために多重債務に陥った要因の除去、生活スタイルの再建を含めた支援を行う。


3.セーフティネット融資、低所得者向けの融資制度と相談体制の充実、社会保障制度の充実と活用の周知を図ること。市町村には受けられるべき生活保護が申請権の侵害などで受けられないことがないよう市町村に求めること。


4.高校卒業までの段階で、すべての生徒が具体的に多重債務問題を学習すること。府として若者向けのリーフレットなどを作成し、配布すること。


5.弁護士(会)、司法書士(会)等と協力、ホットラインの設置をはじめ、市町村の相談体制を財政面を含めて支援すること。


6.銀行など金融機関の多重債務者を標的にした「おまとめローン」が、「過払い分」を含めた返済とならないよう、国とも協力して指導、対応する。金融機関窓口にも府や市町村などが設置する相談窓口を知らせるリーフレットを配備するなど、多重債務者に積極的に相談を呼びかけることを求める。「過払い分」の返還が容易になるよう国に求める。また、小規模事業者に対しても適正な金利の貸し出しを行うよう求める。


7.消費者金融など貸金業の看板・広告、テレビCMの規制を強めるよう業界、国に求める。クレジットなどの割賦販売なども総量規制の対象とするよう求める。


8.ヤミ金融は違法であり、返還義務がないことを広く知らせるとともに、集中取り締まり本部を設け、摘発を強化すること。