大阪府議会の民主的改革についての提案

大阪府議会議長 岩 見 星 光 様

2007年6月13日  
日本共産党大阪府議会議員団
団 長  宮 原  威 

大阪府議会の民主的改革についての提案

 今日、府民の暮らしと大阪経済の困難、格差が広がっており、その解決に、大阪府議会がより積極的な役割を果たすことが求められている。大阪府議会は府政を府民の立場からチェックすると同時に府民の声を直接府政に届ける重要な役割をになっている。今日の情勢の下で、府民からその役割をいっそう果たすことが強く求められている。そのためにも民主的運営と府民への情報公開をはじめとする改革をすすめることが求められている。

 府議会は今日まで費用弁償のあり方、5月・12月議会の一般質問の実施、代表質問・一般質問への一問一答方式の導入などの改善を行ってきたが、改選による新役員体制が発足したいま、わが党は府議会のいっそうの民主的改革のために次の事項を提案するものである。
 議長団ならびに各会派が積極的に受けとめていただくことを心から要請する。

一.議会運営の改善

(1)公平な議会運営と審議時間の確保

 議会運営は公正・公平を確保するとともに、少数会派にも十分配慮した民主的運営のもとで審議を十分つくす。

@会派代表質問は、質問時間を各会派平等に最小限1時間を保障する。審議の徹底と府民の要求を反映する。

A5月、12月の定例会においても原則として常任委員会審議を行う。常任委員会は、必要な審議日数を確保し、知事質問を含め、審議を十分行えるようにする。尚、委員長の質問の扱いについても本人の意向を尊重する。

Bすべての特別委員会、各種委員会での十分な審議時間を確保する。

C会派(交渉団体)の構成議員数は、5人以上とする規制を撤廃し、少数会派にも議会運営委員会への参加を認める。

(2)請願及び陳情等審査の改善

 請願・陳情は府民の参政権の重要な行使であり、地方自治法第109条第3項の規定を尊重する立場から請願・陳情の実質審査のあり方を抜本的に改善する。

@各常任委員会での実質審査の時間を設ける。

A審査にあたっては、請願・陳情人の趣旨説明やそれに対する審議の機会を保障する。
B閉会中継続審査となった請願・陳情は、関係常任委員会で閉会中実質審議を行う。

(3)公正な議会役員の選出

@議長・副議長・監査委員の選出は、府民の意志を正当に反映し、公正・民主的に行う。

A議会役員は、公正、公平、少数会派にも配慮し、民主的な議会運営に努める。

B議会構成委員会への少数会派の参加を認める。

二.議会費の節減と冗費の削減

(1)政務調査費

 政務調査費の運用を厳格に行うとともに、府民にすべての使途を領収書・関係書類を添付して公開する。「政務調査費あり方協議会」で府民の信託に応えうる基準と実効性のあるものとする。

(2)海外視察等

 現下の府財政危機のもとでは海外視察は中止する。尚、友好都市との交流も必要最小限にする。

(3)管外視察
 管外視察は、視察目的を明確にし、十分に効果があがるよう、いっそう努める。

(4)費用弁償
 費用弁償の支給については、公共交通機関の交通費の実費弁償とする。

(5)議員報酬
 府財政危機の現状に鑑み、おもいきった削減も含め検討する。

三、議会の情報公開

(1)委員会の直接傍聴の実施

@地方自治法の議会公開の原則により、府民が委員会室で直接傍聴できるよう改善する。

Aテレビによる公開については、テレビ傍聴の部屋とモニターテレビの台数を増やすなどその内容の改善に努める。

(2)議会の情報公開

 府議会の情報公開条例の運用にあたっては、府議会が真に府民に開かれたものになるよう努める。

(3)議会広報

@議会広報誌や議会テレビ放送は、各会派・各議員の発言内容が府民によくわかるものにいっそう改善する。

A本会議のテレビ中継の実施や各会派代表によるテレビ討論は時間の拡充、放映時間帯の改善を行い府民がより視聴しやすくする。

四.議会調査活動の改善

(1)資料の提出

 議員・会派の資料請求には、ただちに提出に応じる。会派に対して差別的対応はさせない。

(2)府民の施策推進のための条例や意見書、提案に積極的にとりくむ。
 ・中小企業振興条例の制定に向け努める。

(3)議会事務局の調査機能の充実

 議員の調査活動に十分対応できるように議会事務局調査課の機能を強化する。議会図書館は、議員の調査に必要な資料の収集・整備に努める。

(4)国会議員の調査権限の一つである「質問主意書」に相当する、他県でも実施している「文書質問」を大阪府議会でも導入する。

(5)党担職員の廃止
 各会派に配属されている党担職員を廃止し、議会事務局全体の機能強化を図る。

五.議会の民主的構成

(1)議員定数は削減しない。

(2)議員の選挙区割りは、いっそう民意を反映できるものにし、1票の格差を少なくとも1対2未満になるよう是正する。

(3)任意合区をすすめ1人区、2人区など事実上の小選挙区をなくすよう努める。

(4)05年国勢調査にもとづいて選挙区の定数の不均衡を是正する。

以 上