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命と暮らし守る府政を―大阪府2023年度予算と日本共産党の提案




(図1)

 府が15日に発表した2023年度予算案と、維新府政の現状、日本共産党の提案について、同党の石川たえ・うち海公仁府議に聞きました。

物価高から家計守れ

石川 家計と経済の危機が続く大阪で、「住民の福祉の増進を図る」べき府の役割は大切です。ところが予算案は、生活と健康を守る点でも、経済を立て直す点でも、失格と言わざるを得ません。
 3年に渡るコロナ禍に異常な物価高が襲いかかり、家計は火の車です。1月の大阪市消費者物価指数は前年同月比5.1%増。消費税が15%になったようなものです。 
 しかし予算案には、他県が行っている光熱費補助のような、一般家庭への支援は一切ありません。
 消費税の5%への緊急減税が必要です。所得が低い家庭への幅広い直接支援に踏み出すべきです。私たちは、非正規で働く全世帯への5万円の臨時給付を提案しています。
 府内の実質賃金は、維新府政の間に年44万6千円減、全国より年7万5千円も多く減っています(図1)が、予算案には賃上げへの具体策はなく、雇用対策と呼べるのも民間人材サービスサイト頼みの就職紹介ぐらいです。
 日本共産党は、大企業の内部留保に時限的に課税し賃上げ支援をすること、府も労働者の賃金を上げる中小企業に社会保険料負担増分の半額を補助することを提案しています。

「商売を続けられる」支援を

うち海 中小企業は消費税増税直後にコロナ禍、物価高の“トリプルパンチ”を受け、「ゼロゼロ融資」(コロナで減収の業者への実質無利子・無担保融資)の返済も迫っています。10月からインボイス制度も始まり、零細業者ほど事業継続の瀬戸際に追い込まれています。予算案は「新事業展開」や「創業」支援などのメニューは細かくあるものの、中小企業全体への支援と呼べるのは融資ぐらいです。
 橋下・維新府政前の07年度と比べ、ものづくり支援予算は4分の1、商店街支援(小売商業関連)予算は25分の1まで減額されています。
 維新府政は、岸田政権の経済政策の受け売りで、“実体のない”経済政策に極端に傾斜しています。 「国際金融都市」など海外の金融企業を呼び込む事業に税投入し、大企業減税や規制緩和をさらに推進しようとしています。万博と関連づけ「ライフサイエンス・ヘルスケア」で「成長をけん引」と言いますが、必要な医療や介護が受けられない府民が大勢いる現状は放置したままです。まして「カジノで経済成長」など言語道断です。
 コロナ前、外国観光客の“爆買い”などで一時的な消費拡大がありましたが、その間も低所得者が増えただけでした。 「現在41兆円の府内総生産を2040年に60兆円に」(副首都ビジョン改訂案)と大風呂敷を広げてみても、庶民が買い物に使えるお金が減って内需が冷え込んでいては、大阪は絶対によくなりません。

経済立て直すには

うち海 大阪経済立て直しのためには、まず、店舗や工場の光熱費など固定費補助をはじめ、「商いを続けられる」支援です。実体経済をよくする経済政策で、ものづくりと消費を温める、賃上げや正規化、社会保障や教育の負担軽減と条件整備、コロナから命を守る医療・検査・保健所の大幅強化などがセットで進んでこそ、府民にとっての本当の「大阪の成長」が始まるのではないでしょうか。
 私たちは、中小企業就職者の奨学金返済補助なども、賃上げ支援と併せて府に提案しています。

必要な医療・介護が受けられるように

石川 大阪府のコロナ死者は全国最多、8千人を超えました。ところが府は国に先駆けて、無症状者無料検査や医療機関への補助など12事業を3月末で廃止・縮小します。感染入所者の施設内療養を余儀なくされた老人ホームや障がい者施設などへの補助金の府独自上乗せは1月末で終了しました。
 大阪は人口当たりで保健所数が全国最少、保健師数はワースト2。予算案でもまともな強化方針はありません。
 驚くのは、22年度までのコロナ禍3年間に府内病院の642病床を廃止もしくは回復期病床へ転換させたことです。23年度も、合わせて479床くを廃止・転換する計画です。
 病床削減は中止し、医療機関の役割分担・連携で、高齢者が感染したら入院できる体制を固めることが必要です。職員増員など保健所を徹底的に強化し、保健所増設にも踏み出すときです。
 無症状者無料検査の継続はもちろん、私たちが提案した子どもへの検査キット無料配布も、府は1カ月でやめてしまいましたが、再開し全世帯に広げるべきです。

国保の負担軽減を

石川 国民健康保険料の負担は過酷です。府は24年度から府内一律の保険料率を全市町村に押し付け、独自の財政補助をやめさせようとしています。そうなれば加入者の負担は跳ね上がります。すでに23年度は、府が示した保険料の目安に従えば、府内全市町村で大幅値上げです。府独自の国保への補助も橋下・維新府政前から半減しています。
 負担軽減のためには、国によるさらなる公費投入とともに、府も独自に、「人頭税」のような「均等割」軽減などを行うべきです。府内一律の保険料率押し付けは中止し、各市町村が独自に財政投入や保険料設定ができるようにすべきです。

子どもと教育守ろう

(図2)

石川 文科省の調査では、不登校、いじめ、暴力行為ともに大阪は全国に輪をかけてコロナ前より増えています(図2)。子どもの貧困が拡大・深刻化する下、家庭の負担軽減、学校現場への支援が急務です。しかし予算案では、子どもの貧困緊急対策補助金は3億円から21年度に2.5億円に減らされたまま、新子育て支援交付金も増額なしです。
 子ども医療費補助も、東京や沖縄では県が責任を持って中卒まで無料にしていますが、大阪府は就学前まで。しかも受診1回500円の自己負担です。府の補助予算は少子化などで5年前より2割も減っており、18歳まで完全無料化は十分可能です。
 維新の会は「0歳から大学院まで無償化」と子育ての負担軽減を公約に掲げています。私立高校や大阪公立大の授業料補助の所得制限撤廃、給食無償化などを謳っていますが、予算案には何一つ盛り込まれていません。
 府内全公立小中学校での給食無償化に必要な費用は300億円程度で、府が市町村と協力すればできます。
 多くの都道府県が、少人数学級を30人や25人、また中学生へと独自に進めています。しかし大阪は神奈川や広島、福岡と並び、独自の少人数学級を実施していない数少ない県です。新年度は国が35人学級を小4へ拡大し、府内の教職員定数が小学校では若干増えますが、中・高・支援学校はいずれも減らそうとしています。
 政令市を除く府内全公立小中学校の35人学級化に必要な予算は年55億円程度です。やる気があれば今すぐできます。
 維新府政で府立高校17校の廃校が決められました。今後さらに、27年度までに9校程度の廃校を決める方針です。維新の会はその上、現在160校程度の府立高校を「100校程度にせよ」「公設民営にせよ」とまで主張しています。
 支援学校の過密過大も問題です。文科省の調査で、教室が府内で528室不足していることが分かりました。全国最多です。
 府は、24年春の大阪市西淀川地域での新校開設に加え、4校程度の新設を示しています。一方、かなりの不足教室を、「既存教室を工夫して使う」「通学区域割の変更」などで「解消」するとしています。そうではなく、さらなる新校増設が必要です。

カジノより防災・安全を

うち海 統一選の大争点の1つがカジノです。私たちがカジノに反対するのは、何より府民の財産と健康を奪う賭博だからです。現在でもギャンブル等依存が疑われる府民は府の推計で14万3千人もいます。府民を苦しめる「経済成長」など許されません。
 夢洲を巡る疑惑や知事の出資会社との不適切な関係も指摘されています。「区域整備計画」認定を前提に、府は新年度もカジノ誘致を推進しますが、断念すべきです。
 同じ夢洲で2年後に迫る大阪万博は、いわばカジノの“呼び水”です。
 1250億円だったはずの会場建設費が1850億円(うち府負担308億円)と跳ね上がり、物価高などでさらに増える可能性が高いと思います。「会場へのアクセス強化」の名目で、地下鉄中央線の拡張に府も28億円の税金を投入しようとしています。今からでも会場を含め開催計画を見直すべきです。
 関空まで十数分早く行けるだけのなにわ筋線、通行量が減っている阪神高速道路の淀川左岸線延伸部にも、引き続き府民の税金が投入されます。
 「府市一元化条例」制定時に私が府議会で指摘したように、府のまちづくり事業が、うめきた・新大阪・森ノ宮など大阪市中心部の開発に偏重し、周辺部のまちづくりや防災・安全が後景に追いやられています。
 例えば、府が管理している河川の護岸で改修が必要な部分が約80kmあることが分かり、2011年度から改修を始めていますが、11年間で改修が進んだのは3割弱です。河川改修への府独自の財政支出は18年度24億円でしたが、22年度は14億円に減っています。
 豪雨被害が増えており、対策が必要な渓流や急傾斜地が府内に1千カ所以上ありますが、21年度までに改修に着手できたのはわずか8カ所です。他にも老朽化した道路や橋、水道管や公共施設の改修・耐震化も急がれます。府のまちづくり行政と公共事業の、暮らし密着・防災安全型への転換が必要です。

府営住宅削減やめよ

うち海 府営住宅全体で空室率は2割近くに上ります。
 原因の1つが、退去後、新たに入居できるようにする補修が管理会社任せだということです。補修費用は府が管理者に払うお金に含まれているため、管理者は最小限の補修しかしません。
 府は府営住宅全体を縮小し手放していこうとしています。30年までに管理戸数を10万5千戸に削減、70年代以前の団地は原則集約・廃止する方針を示しています。
 「住まいは人権」の立場で、削減計画は撤回、戸数減なしで建て替え・新築を進め、空室改修と募集増を迫ることが必要だと思っています。

「改革の成果」ではない

うち海 維新の会は「改革で財源を生み出してきた」と言います。借金が減って貯金が増えたのは確かですが、「改革」の成果などではありません。橋下・維新府政スタートとほぼ同時にリーマンショックが起こり、経済も府の税収も落ち込んだところから回復してきたのです。これは大阪だけではありません。
 また14年、19年の消費税増税で、府の分け前も1千億円以上増えています。
 コロナ対策で独自のお金を全く使わなかったことも大きい。20年度から3年間の府のコロナ対策費は4兆円とも言われますが、府独自の財政支出はそのうちわずか1.7%です。

家計と営業守る府政を

石川 橋下知事以来、10年に渡る「行革」が行われました。多くの福祉施策や文化施策が削減されましたが、財政的に最も大きかったのが人件費削減で、10年間の「効果額」の4割を占めます。府職員が、医療・福祉・環境など住民に近い部署ほど減らされています。
 新年度も、行政職40人の削減を掲げ、保健所さえ含む全部署を対象とする一方、万博推進局などは“聖域”扱いです。
 コロナ禍で橋下徹氏は、「改革」で保健所や病院を後退させたことへの反省めいた発言をしています。今こそ誤った「改革」をきっぱり反省し、府民福祉や中小企業支援の部門に府職員を増やすべきです。
 そして、府民施策削減や消費税増税、コロナ対策放棄でため込んだ2200億円の財政調整基金を、府民と子ども、中小業者に還元するときです。
 うち海議員と共に何としても議席を勝ち取り、たつみコータローさんと共に命と暮らしを守る新しい府政をつくる決意です。



「大阪民主新報」2023年2月26日付より



   


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