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安倍政権と維新府政の暴走ストップ、災害と貧困から府民を守る

党大阪府議団長 宮原たけし

 維新府政が始まって10年、府議会議席の半数近くも維新の会が占めるなかで、多くの府民施策の削減・廃止が強行され、府民の暮らしと営業の悪化が続いています。これ以上の暮らしと教育の破壊を許さず底上げをはかるためには、府議会議員選挙で日本共産党が議席を増やし、代表質問などができる5人以上の議員団が絶対に必要です。
 現在の党府議団は石川たえ議員(吹田市選出)と私(高槻市・島本町選出)の2人ですが、この4年間だけをみても、私たちが果たしてきた役割は府民にとってかけがえのないものです。


1 災害と貧困から府民を守る

大阪府北部地震と台風21号の被災者支援、災害に強い大阪へ

 党府議団の値打ちは、何よりもまず、府民の生活を守り切実な要求を実現することです。
 それを大きく発揮したのが、今夏大阪を襲った2つの災害、大阪府北部地震(6月18日)と台風21号(9月4日)の被災者を支援する活動です。

被災者の切実な声聞き実現めざす

 死者14人をはじめ、2つの災害による府内の被害は、府民生活から商工業・農林業に至るまで甚大です。住宅、商店、工場、農業設備などの損壊に加え、各地で電気・ガスの停止、水道の停止や汚濁、道路の陥没などライフラインの被害が生じました。

党大阪府議団の「府会報告」(18年秋号)

 とりわけ大きな問題は、2つの災害が都市近郊の住宅密集地を直撃したことによる住まいの被害です。「屋根瓦が落ちた」、「家の柱がずれた」、「2階から1階まで大きな亀裂が入った」といった住民の悲鳴が府内全域で今も続いています。11月26日までに大阪府が公表しているだけで、全壊約46件、半壊約918件、一部損壊約11万7081件ですが、実態はさらに大きいと思われます。
 屋根を応急処置するためのブルーシートが極めて不足し、台風21号の直撃を受けた泉州地域では各市役所が配布する際に長い行列ができました。何とか入手できても、各住宅の屋根に掛けるための人手がまったく足らず、いまだに崩れた屋根が剥き出しの住宅もあります。高齢者世帯などでは、放っておくと危険なことを承知で修理を諦めている方も少なくありません。
 私たちは、北部地震発災直後から、緊急対応に追われる自治体職員の手を取らせないよう留意しつつ、地域を歩き被災者の声に耳を傾け実態をつかむ活動を続けました。
 大阪府には地震3日後の6月21日に第1次緊急申し入れをおこない、9月までに4次に渡る申し入れ(第4次は台風21号への対応を兼ねて)をおこなってきました。また、被災地の党支部や市町村議員団、党中央の地震対策本部と連携し、6度に渡る国への要望や各被災市町村への申し入れなどをおこないました。

府全域で全壊・大規模半壊への補助へ

 国の被災者生活再建支援制度が、私の地元・高槻市の北部地震被害に適用され、全壊・大規模半壊住宅に最大300万円まで支援金が支給されることになりました。しかし高槻市以外には支援金はなく、しかも高槻市でも台風21号被害にはありません。さらに住宅被害件数の99%を占める一部損壊には、市町村が独自におこなう数万~十万円程度の補修補助があるだけです。
 9月府議会で私は、府として国支援制度の拡充を要請するとともに、それが実現するまで府独自に支援法と同等の支援金支給と一部損壊補助を全府で実施すべきだと、松井一郎知事に求めました。知事は「大阪版みなし仮設住宅」と「大阪版被災住宅無利子融資」をもって被災者支援をしているという答弁を繰り返すだけでした。しかし議会終了後、知事は支援法と同等の支援金を全府で支給することを表明しました。
 北部地震による高槻市立小学校のブロック塀倒壊で、登校中の小学生が犠牲になりました。このブロック塀は建築基準法違反の建造物だったことが明らかになりましたが、そのような危険ブロック塀がある小中学校は府内の約半数にのぼります。総延長は104.7キロメートル、その3分の1以上の38.4キロメートル分の対策は「来年度以降」とされています。石川議員は9月府議会で、国会で成立した「ブロック塀・冷房設備対応臨時特例交付金」を活用し、全市町村で今年度中に対策をとれるよう府が支援せよと迫りました。
 また、台風21号では、府内森林で甲子園球場189個分の面積で倒木被害が生じています。その8割以上が高槻市です。知らせを聞いた私が、市内を流れる芥川の上流に直行すると、そこは山から谷まで一面が倒木に覆われていました。大雨が降れば倒木が流され、下流で川をせき止め決壊し、高槻の市街地に大被害が及ぶ危険があります。私はただちに党国会議員団に連絡をとり、林野庁と直談判するとともに、府に繰り返し要請して、ようやく倒木撤去工事に着手させることができました。
 その後激甚災害指定がされたのですが、まだ現時点で撤去のめどが立っているのは倒木全体の2割に過ぎません。
 屋根上の破損瓦を「市町村が災害廃棄物と認めれば補助の対象になる」と、辰巳孝太郎参院議員とともに環境省に直談判して認めさせたことも重要な成果です。農家へのビニールハウス再建支援(最大9割補助)や住宅ブロック塀撤去補助も、わが党が要求して実現したものです。
 ただ、12万件近くにのぼる住宅の半壊・一部損壊や、商店、工場の再建は、国も府も拒否したままです。また、今後も起こるであろう災害から府民を守る府の役割が欠かせません。府内56河川が氾濫した場合の想定被害額合計は3兆円を超えます。対策工事には合計1500億円必要ですが、現在の府予算では完了まで40年かかります。スピードアップが必要です。

貧困から子どもと高齢者を守る くらしと営業の底上げへ

全面的な子どもの貧困対策を初めて提案

 16年に府がおこなった調査では、大阪の子どもの貧困率は14.9%、貧困世帯の5割が母子世帯です(図1)。貧困世

図1 大阪の子どもの貧困世帯の内訳


※困窮度1(等価可処分所得が全体の中央値=255万円の半分未満)世帯の内訳

(「大阪府子どもの生活に関する実態調査」から作成)

帯の子どもは、朝食を食べないことが多い、学校外の学習時間が少ない、歯痛や頭痛など体調不良が多いなど、深刻な実態が浮き彫りになりました。
 子どもの貧困問題を大阪府議会で初めて全面的に取り上げ対策を提案したのが、16年10月の石川議員の本会議質問です。中学校給食の全員喫食化、子ども食堂への支援、保育士の処遇改善と認可保育所の増設、少人数学級の拡大と高校統廃合中止などを、財源も示して求めました。なかでも、当時の沖縄の翁長県政による子どもの貧困対策を研究し、就学援助への府独自補助を提案したことは重要です。
 この質問が契機となり、府は今年度、「子どもの貧困緊急対策補助金」(3億円)を新設しました。しかし既存の「新子育て支援交付金(優先配分枠事業)」と合わせても8億円、大阪の子ども1人あたり600円で、抜本増が必要です。

国保料“府内一本化”による大幅値上げストップ

 高齢者の貧困化も深刻です。16年度の75歳以上の1人あたり所得は、全国では8年前の7%減ですが、大阪は17%減と落ち込んでいます。そこに追い討ちをかけているのが、安倍政権と維新府政による医療・福祉の負担増です。
 とりわけ過酷なのが国民健康保険料の負担です。大阪では国保加入者の約半数が60~74歳です。加入者の所得に占

図2 大阪の国保加入者1人あたりの年間所得と国保料

(大阪府資料から)

める国保料の割合は、1997年度は9.3%でしたが16年度は17.1%にまで膨れ上がり、加入者を苦しめています(図2)。
 安倍政権の社会保障削減政策の大きな柱の一つが国保“都道府県化”による医療費抑制です。世論の反撃を受け、国は今年度からの「都道府県ごとの国保料“一本化”」の旗を降ろさざるをえませんでしたが、維新府政は安倍政権の意向を先取りし、今年度当初からの“一本化”と市町村による法定外繰り入れの解消、市町村独自減免の解消を強行しようとしました。国の財政支援強化が十分ではないもとで、法定外繰り入れを解消すれば、多くの市町村で国保料の大幅値上げを招くことは必至です。
 私たちはただちに府や市町村長会に申し入れをおこなうとともに、17年8月には府内すべての党市町村議団と共同で、府に緊急要望をおこないました。府議会では、国保加入者の生活実態に照らして“一本化”による値上げの過酷さを告発するとともに、国・府と市町村が協力すれば国保料は値下げできることを示しました。知事も「法定外繰り入れは適切でない」と言いながらも「解消は『努力目標』」と答弁せざるをえませんでした(17年11月1日)。
 府は国保料を、今年度からではなく、6年間の激変緩和期間を経たのちに“一本化”すると譲歩しました。しかし大幅値上げにつながることは変わりません。知事は私の質問に、「激変緩和期間後も法定外繰り入れをやめさせる権限は府にはない」と答弁した(18年3月16日)にもかかわらず、6年間の年度ごとの法定外繰り入れ解消額など国保料“一本化”へのロードマップを全市町村から提出させるなど、市町村を従わせようとしています。
 高槻市は、今年度は市独自の減免制度を維持したため、今夏の災害による全壊・半壊被災者に加え、一部損壊被災者に対しても11月13日までで6083世帯の国保料を半額に減免しています。一方で、市独自の減免制度をやめ今年度から府の減免基準に合流した守口市や摂津市では、昨年度までの基準なら減免されたはずの一部損壊被災者が減免されませんでした。ここにも“一本化”の弊害が現れています。
 各市町村での運動や論戦で今年度の国保料大幅値上げは回避できましたが、来年度以降どうなるかは、今後のたたかいにかかっています。


2  カジノ開発、森友疑惑を徹底追及 府民の立場で悪政にストップ

 党府議団の値打ちは第2に、府民目線で税金のムダづかいや政治の私物化を告発し追及することです。

森友疑惑“西の本丸”を徹底追及

 森友学園問題の中心は、“靖国派”の特異な教育をおこなう小学校を設置するために安倍政権と維新の会が口裏を合わせ、国有地の破格値引きと府私学審議会での認可をごり押しした疑惑です。疑惑の“東の本丸”が安倍首相なら“西の本丸”は維新の会と松井知事です。国会や豊中市議会、地域の生活相談所など党のネットワークをフルに生かし、私たちは府議会でこの疑惑を徹底追及しました。
 森友側の要求で緩和した基準さえ満たさないままでの私学審での認可ごり押し劇、森友への架空の「2億円の寄付」、森友小学校建設業者による維新の会への献金、契約書偽造による補助金不正受給、森友が経営している幼稚園での補助金不正受給や園児への体罰・虐待、そして松井知事をはじめとする維新の会の政治家の関与など、私たちが明らかにした事実はすべて、府政のあり方が問われる重大問題です。
 私たちの質問後、「もっとやってください」とこっそり耳打ちしてきた保守系の議員もいました。
 松井知事と維新の会は「政治家の関与はない」と百条委員会の設置を拒否し、籠池氏と近畿財務局、府私学課職員にすべての責任を押しつけています。

カジノ誘致にしがみつく維新府政

 府民の暮らしそっちのけで維新府政が熱中しているのがカジノ誘致です。
 安倍政権によるカジノ推進法、実施法の強行と共同歩調で、大阪湾で埋め立て中の夢洲へのカジノ誘致をすすめています。カジノの害悪には触れず、ショッピングやエンターテイメントなど娯楽施設を前面に押し出すとともに、年間1500万人が訪れ、開発で5600億円、開業後は毎年3000億円の経済効果があるなどと、まさにカジノをバラ色に描き出しています。
 ところが私の質問で明らかになったのは、第1に、ギャンブル依存症についての本格的な検討は、今はまだ試行の段階で、治療法も研究段階ということです。大阪府はパチンコ台数が日本一で、今でも多いギャンブル依存症や犯罪をさらに増やす危険があります。
 第2に、見込んでいる来訪者1500万人の8割は日本人です。とりわけ大阪府民の財産がカジノに落とされ、従来の消費に回らなくなります。経済効果はそれらマイナス面を計算に入れていません。
 第3に、夢洲は地盤の不同沈下が進み、地震による液状化の危険があります。コンテナターミナルという夢洲の一部だけの調査でも、6年間で17センチメートルしか沈下していない場所もあれば56センチメートル沈下している場所もあります。台風21号の際には護岸が損傷し、また大型コンテナが転倒するなど風に弱いことも特徴です。南海トラフ地震が起これば津波のおそれもあります。
 カジノ誘致には、世論調査でも府民の多数が反対しています。府と大阪市は断念すべきです。

破たんした“開発型”再現めざす維新府政

 「りんくうタウン」や府内3カ所の「コスモポリス」計画など、1990年代の大型開発が大阪府の財政を危機に陥れました。それを理由に維新府政は多くの府民施策を削減してきたにもかかわらず、現在、当時の自民党以上に大型開発に熱心なのが維新の会です。
 先述のカジノ誘致計画には、鉄道などの大型開発がセットになっています。既存の鉄道をカジノのために夢洲まで伸ばす計画で、地下鉄中央線延伸(総事業費約540億円)、京阪中之島線延伸(同約3500億円)、JR桜島線延伸(同約1700億円)です。
 「関空へのアクセス利便性向上」を名目に、大阪市中心部の地下に建設する新たな地下高速鉄道が、JRと南海の「なにわ筋線」です(同約3300億円)。環状高速道路の「ミッシングリンク解消」として建設するのが阪神高速淀川左岸線延伸部(同約4000億円)です(図3)。

図3 カジノ誘致とセットで計画される大阪の大型開発


 それぞれの需要を府は予測していますが、少子化や人口減で大阪の各交通インフラの利用量は減っており、一定の利用量があったとしてもとても採算は取れません。
 維新府政は、リニア中央新幹線の大阪までの前倒し開業、北陸新幹線の大阪までの延伸も繰り返し国に要望しています。さらに、十年以上前に立ち消えになった「関空南ルート」や「紀淡海峡大橋」建設を、今夏の災害を機に議会で言い出した維新の会の議員もいます。まったく府民の暮らしや安全からかけ離れていると言わざるを得ません。
 2025年万博の大阪開催が決まりました。私たちは万博の理念そのものには賛同しています。しかし現在の大阪での開催計画は、▽カジノとセット、▽大型開発と巨額の府民負担、▽開催地夢洲の安全性、などの点で多くの問題をはらんでおり、見直しが必要です。


3  清潔・公平・透明、府民に開かれたまともな府議会へ

 党府議団の値打ちは第3に、どんな議員特権や癒着も許さず、府民に開かれた議会への道を開くことです。

「身を切る改革」叫ぶ一方で

 維新の会は、大阪での議員定数や公務員の削減などの「実績」を誇りながら、各地で「身を切る改革」を叫んでいます。しかしその陰でさまざまな議員特権を貪っています。
 松井知事は15年に知事退職金を廃止したことをことあるごとに自慢します。しかし実は、同時に毎月の給与を値上げしていて、知事が4年間の任期分で受け取る金額は退職金を差し引いても348万円アップとなっています。これには知事は口をつぐんだままです。
 維新の会府議団が、政務活動費=税金を使って毎年「視察」名目の海外旅行に出かけることも問題です。12年度以後7回、

表 維新の会大阪府議団の海外「視察」(2012年度~)
日程 おもな行先 経費
12年8月 韓国 麗水万博など 1,295,050円
12年8月 ドイツ、フランス カジノ、オルセー美術館など 12,091,450円
13年2月 韓国 カジノなど 945,720円
13年4月 イギリス、オランダ 11,898,930円
16年3月 シンガポール カジノ、ナショナルギャラリー美術館など 4,770,110円
17年3月 アメリカ 14,753,510円
18年3月 オーストラリア カジノ、オペラハウス、和牛レストラン、オーストラリアンフットボール観戦など 9,895,704円

(大阪府議会提出資料から)

欧州・北米・豪州・シンガポール・韓国など世界各地に出かけており、カジノなどを訪れています()。大阪府議会は議会としての海外視察を08年に中止しましたが、万博誘致を名目に今年復活させました。一方で、党府議団は1995年以来だれ一人海外視察はおこなっていません。
 わが党が受け取りを拒否している政党助成金も、維新の会は17年度10億円受け取り、18年度も13億円受け取る予定です。事実上の企業団体献金集めの場になっている政治資金パーティーを17年は府内で58回開催、3億円以上を荒稼ぎしています。

府民のために働いてきた議員は誰か

 現在、党府議団は交渉会派ではなく、代表質問や、議案に対する本会議討論ができないなど、発言機会に多くの制限が課せられています。その制限のもとでも私は15年5月からの3年間で25回議会質問をおこない、質問回数は86人の全府議会議員中ナンバーワンです。石川議員は18回質問しています。一方で維新の会は議員1人平均9.8回、自民は10.8回、公明は12.3回です。
 その質問さえ、維新・自民・公明の議員は原稿を府職員に書かせています。「書き手」と呼ばれる府職員が共産党以外の各会派に配置されているのです。昨年12月、「府職員が維新質問案」などと報道されましたが、私たちは15年にこの事実を会見で明らかにし、廃止を要求してきました。
 府民の切実な要求を議会に届けることも、議員の重要な役割です。子ども医療費補助や少人数学級の拡充、障害者・難病患者の支援などを求める請願が、15年度からの3年間で187万人分が府議会に提出されました。その99.9%、ほとんどすべてが、私たち共産党府議団が紹介議員となったものです。
 府民のために働いてきた議員が誰かは明らかです。


4 共産党の前進で府政を変えよう

 共産党が府議会で前進すれば、必ず大阪府政は大きく変わります。
 現在の2議席が3議席に増えれば、質問時間が増えるだけでなく、予算組み替え案の提案や決算特別委員会での質問が可能になります。5議席になれば交渉会派となり、代表質問、議案への討論、議会運営委員会と政務調査委員会への出席が可能になります。それは、府議会の空気を一変させ、暮らしの願いをより豊かにきめ細かく実現するとともに、安倍政権と維新府政の暴走に歯止めをかけ府民共同を広げる確かな力です。
 私も、選挙区はかつてない厳しい組み合わせですが、絶対に勝ち抜く決意です。




(「議会と自治体」2019年1月号より)



   


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