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大阪維新の会が狙う 小中の学校選択制/序列化・格差 弊害明らかに/党府議団宮原団長が調査報告

 橋下徹大阪市長が率いる「大阪維新の会」は、大阪市などで小・中学校の学校選択制を実施すると主張しています。「行きたい学校を自由に選べる」とのふれこみですが、日本共産党大阪府議団がこのほど実施した東京の教育行政視察では、学校選択制の導入が生み出した弊害が明らかになりました。宮原威団長のリポートです。


東京の教員、保護者、党都議団から聞き取りをする宮原・くち原府議 (3/9・東京都庁内)
 東京都多摩市は2003年度から選択制を実施してきましたが、特定の学校に希望者が集中し、学校規模の格差が拡大しています。
 ある中学校は、06年度に9つあったクラスが12年度は7クラスに減少しました。一方で、校区が隣接している別の中学校では、06年度は同じ9クラスでしたが12年度は12クラスに増え、生徒数は7クラスに減少した中学校の2倍近くになっています。
 生徒数が減った中学校では、メンバー不定で廃部になるクラブも生まれています。

安全確保が課題

 「選ばれる学校と選ばれない学校が固定化し、選ばれない学校は生徒数減に歯止めがかかりません。『学力に差がある』といった風評も広がっています」と多摩市教育委員会の担当者は話します。
 女子生徒の通学や災害時の登下校など、学区外から遠距離通学する生徒の安全確保も大きな課題です。地元校区の青少年協議会の取り組みが学区外に通学している子どもや保護者に伝わらないなど、地域と学校、子どもたちとの関係が疎遠になっていることも報告されています。
 このような状況を受け、多摩市では13年度から現行の選択制を原則廃止する方向です。
 東京都江東区は、02年度から選択制を開始。統廃合がうわさされていた小学校は初年度から11人しか入学しないなど、当初から問題が噴出しました。
 生徒減少が進んだある中学校では、08年度に地元から入学したのは1人のみ、その生徒も途中転校し、1年生は他地域から選択した6人だけとなりました。
 小規模校では、少ない教員数に事務処理や校外活動の仕事が集中、図書費などは学校人数に応じて配分されるため、必要な図書が購入できないといった教育活動の支障も拡大しました。長期休暇中の地域パトロールも保護者が減って縮小せざるをえませんでした。

住民の声を受け

 江東区は、深川など寺社仏閣が多い下町ですが、「よそから来る子どもには声をかけられない。不審者と間違われるから」と地元住民から声が上がりました。このようななか、住民や保護者、教職員の声を受け、日本共産党が区議会で繰り返し見直しを求め、小学校は徒歩通学できる範囲内にするなど、選択範囲を狭める改正が09年度から行われています。
 東京では、新宿区や江戸川区で、学校選択制見直しに向けた検討が始まっています。

全国で見直しへ

 全国でも、前橋市が11年度から江東区同様選択範囲を狭めたことをはじめ、長崎市が11年度末で小中学校選択制を廃止、長野市が12年度までで小学校選択制を廃止する方針です。
 「学校選択制に学力テスト結果公表が結びつき、序列化と生徒数の格差がとめどなく拡大しています」。東京都教職員組合の役員はこう話しました。
 「品川区や文京区では、新入生ゼロの学校も生まれました。足立区は"トップ10校"が固定化し、区は上位校に予算を重点配分しようとさえしました。貧困と格差がより大きい大阪で実施されれば、子どもの"病み"は東京以上に深刻になるのではないか」と語ります。
 党府議団は、東京の状況と住民運動の経験に学びつつ、教育・職員基本条例案ストップ、少人数学級の拡大や教師の正規化など子どものための「教育改革」を掲げ、論戦に挑みます。


「しんぶん赤旗」2012年3月17日付より





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