3億4千万円が「目的外」 府監査委 政調費返還を勧告
04年、05年度会派分

 大阪府監査委員は15日、府議会各会派・議員に支払われた2004年、05年度の政務調査費にかかわる住民監査請求にもとづく監査結果を発表し、総額約3億4千万円を「目的外」と判断し、会派と議員に返還を求めるよう太田知事に勧告しました。日本共産党大阪府常任委員会は16日、監査報告についての見解(別項)を発表しました。


 政務調査費は府議1人あたり会派分10万円、個人分49万円の合計59万円が支給されています。


 「目的外」使用とされたのは、会派別では日本共産党はゼロ。自民党が約2250万円、公明党が約1530万円、民主党・無所属ネットが約1200万円など8会派で約5千万円。議員分では112人約2億9千万円。「目的外」と認定されたのは、視察として出かけたハワイ旅行、温泉旅館の宿泊費(自民)や2泊3日の韓国訪問、事務所の大型液晶テレビ、空気清浄機などの一括購入(公明)などをあげています。


 日本共産党については会派分はゼロとしながら、各議員が府議団に支出している調査委託(月22万円)の半額、計3100万円の返還を求めています。


 これについて、共産党大阪府委員会は「わが党議員団は、01年の全国議長会見解、府条例の改。正にそって、その内容を踏まえ議会事務局とも相談し、議員団に専任職員を配置し調査研究活動を行ってきた」「日常的・系統的・総合的な調査活動があってこそ、府民要求実現にかなう積極的な提案や府政の監視、チェックが可能になる」と正当性を主張。監査委員の返還請求は「適正さを欠く」との見解を明らかにしています。


大阪府議会の政務調査費に関する監査報告について
日本共産党大阪府常任委員会

 日本共産党大阪府常任委員会が16日に発表した「大阪府議会の政務調査費に関する監査報告について」の見解の全文は、次のとおりです。

 6月15日、住民監査請求にもとづき、監査委員は大阪府議会の政務調査費の目的外支出について、3億4116万円の返還請求を知事に勧告した。これは、「政治とカネしに対する府民の強い関心にこたえ、わが党がこれまで府議会の改革として提案してきた「使途の明確化」や「領収書の添付・公開」など、全体として府民の期待にこたえる積極的な内容が含まれている。

 日本共産党府会議員団に関る政務調査費の監査結果では、目的外支出の認定額がゼロとなっており、全体としてわが党の清潔さが証明されている。自民・公明・民主の各会派や議員の支出では、それぞれ多額の目的外支出が指摘され、不透明さがあらわれている。ハワイヘの海外旅行費、国内温泉宿泊費、事務所の液晶テレビ・空気清浄機・デジタル一眼レフカメラの一括購入など、おどろくべき実態も明らかにされた。すべての会派が使途内容の全貌(ぜんぽう)について府民に公開し、是正をはかることが急務となっている。

 日本共産党所属の府会議員に関って、府会議員団への調査委託(月22万円)の半額の返還請求については、適正さを欠くものである。わが党議員団は、01年の全国議長会見解、府条例の改正にそって、その内容を踏まえ議会事務局とも相談し、議員団に専任職員を配置し調査研究活動を行ってきた。これに対し、監査委員は調査研究活動に充当されている具体的内容を検討するのでなく、拠出の形式に「独自の基準」をもうけて「不適切」としている。大阪府政の膨大な事業に対して、日常的・系統的・総台的な調査活動があってこそ、府民要求実現にかなう積極的な提案や府政の監視、チェックが可能になる。その正当性は、会派支給分については全額適正使用されたとの監査報告から見ても明らかである。その他の各議員の目的外支出とされた分については、なお精査して対応していく予定である。


2007年6月17日付「しんぶん赤旗」より