「同和地区」復活の報告書案 市長会、町村長会

党府議団、撤回申し入れ

 大阪府市長会、町村長会が設置した「研究会」がまとめた、「同和地区」を事実上復活させるなどを内容とした報告書案を、両会が連休明けにも確認しようとしていることに対し、日本共産党府議団は1日、「差別解消に逆行する」として、府に撤回を申し入れました。


 市長会と町村長会は、昨年5月に部落解放同盟(「解同」)府連の要望を受け、6月に「同和地区の位置づけ、呼称問題に関する研究会」を設置。府も加わって検討した結果、「適宜、同和地区の実態を把握する必要がある」などとして、特別対策を実施してきた地域を引き続き「同和地区」と呼び、適切、効果的な取り組みを目指すとする報告案をまとめました。


 市長会は7日、町村長会は9日に、報告書案を確認する予定です。


 同和対策特別法は2002年3月末で終了し、同和行政の法的根拠は失効しています。しかし「解同」府運は、「法が切れたからといって部落差別が解決したとは言えない」「同和地区がなくなったかのように誤解、曲解されている」として、「同和地区」の位置付け、呼称問題について、行政に認識を間い直すとしていました。


 議員団は、「特定の地域に住んでいる人をいつまでも『同和地区住民』として行政が認定することになる」「部落差別が解消に向かっているときに、偏見と差別を逆に残すことになる」などとして、報告書案の撤回を求めました。


 応対した福田昌弘政策企画部長らは、「市長会、町村長会の自主的判断」で、「『同和地区』は、現存しており、同和対策の効果を検証し、効果的な一般施策をしていく」などと答えました。


大東市長「固定化よくない」


 大阪府市長会などでつくる「『同和地区』の位置付け、呼称問題に関する研究会」がまとめた報告書(案)について1日、日本共産党大東市議団は、大東市の実情に合わず、真の部落問題解決にも逆行するものとして、岡本日出士市長に同「報告書」(案)の撤回を求める申し入れをしました。岡本市長は「今の時期、地区を固定化するようなことはよくない」と言明しました。」

 大東市では、勤務実態のない人権啓発団体職員への公金支出が発覚して以降、市民の間で「同和行政の終結」への期待が広がっていました。


 市議会では、2007年度一般会計当初予算のうち、人権地域協にたいする委託事業の予算を半減する減額修正案が全会一致で可決されるなど、同和関運事業の見直しが進んでいます。


2007年5月2日付「しんぶん赤旗」より