大阪府政と日本共産党D−−ムダな大型開発

一貫して見直し主張 推進役の自民・公明・民主

 「日本の玄関口にふさわしい活力と魅力ある国際都市」。こううたって超高層ビルやホテルが林立する絵を描き、府が総事業費6954四億円で関西空港の対岸部に造成した「りんくうタウン」(泉佐野市、田尻町、泉南市にまたがる320ヘクタール)。しかし、中心部の「りんくうタウン」駅周辺は空き地があり、人通りはまばらです。

バブル崩壊で予定企業撤退

 分譲開始直後のバブル崩壊で、進出予定企業が相次いで撤退。659億円かけて建設されたゲートタワービルも経営破たんしました。いまも分譲は全体で43.3%、中核部分(商業業務ゾーン)は8.3%です。企業用に58億円をかけてつくったごみ収集の共同溝は使われないまま廃止されます。同事業は分譲代の値下げや定期借地制度の導入で3千円近い収入不足となり、みんな府民負担になりました。

 この事業については「オール与党」が、「24時間都市のモデルとすべき」だ(自民党、1988年年2月議会)などと推進を主張。計画当初から事業が過大であることを指摘し、根本的な見直しを求めてきたのは日本共産党だけです。

 8月に2本目の滑走路(2期事業)が供用開始される関西空港も、94年9月の開港以来、需要の低迷が続いています。日本共産党は「当面必要性がない」と9九年前から2期事業の凍結・中止を求めてきました。

 「オール与党」は「2期工事についてはどんなことがあってもやらねばならない」(公明党、2004年9月議会)と推進を主張してきました。

 国は、07年の年間発着予定を当初の17万8千回から何度も引き下げ、最後は13万回になることを条件に2期事業を容認。府はすでに1141億円を投入していますが、06年も12万回を大きく下回っています。

談合の疑惑がつきまとう

 総事業費985億円をかけて約2900戸の住宅地をつくる「水と緑の健康都市」。完売しても750億円にのぼる赤字は税金で穴埋めされます。この事業は01年に知事が「住宅の需要がない」といったん凍結。ところが自民、民主の地元府議、箕面市議会の自民、公明、屋主がそろって再開を主張しました。813億円かけた関連トンネルで大量の水がわき、箕面の滝が細くなっています。

 利水・治水の必要がない安威川ダム関連(総事業費約1643億円)や、通行台数が計画通り増えない阪神高速道路の延伸など、ムダな大型公共事業に07年度予算では444億円を計上。「オール与党」は賛成しました。

 重大なのは、これらの公共事業に談合の疑惑がつきまとうことです。「水と緑の健康都市」では第1期事業で入札に参加したのは元副知事が天下っていた大林組を代表とする企業グループだけ。契約金額は予定価格の99.8%という異常な高値落札です。大阪府からは100人以上の幹部OBが大手・中堅ゼネコンに天下りしています。

 日本共産党は、ムダな大型開発の見直しとともに談合の疑いを追及。落札率を80%にすれば122億円もの税金が節約できると主張しています。

(つづく)


2007年3月25日付「しんぶん赤旗」より