大阪府政と日本共産党C−−同和行政

終結をきっぱり要求 ものいわぬ「オール与党」

「人権」の名で府は事業継続

 部落差別は基本的に解消したとして国の同和対策事業(「地域改善対策特別事業に係わる国の特別措置に関する法律(地対財特法)」)が終了(2002年3月)してから5年。大阪府はその後も「人権」の名で旧同和事業を継続しています。

 06年度は108項目、55億円を計上。そのひとつとして市町村に「同和間題解決に活用できる一般施策」として示している28事業では18億1千万円も投入しています。

 とくに重大なのは、「解同」(部落解放同盟)が事実上支配する大阪府人権協会を同和行政の協力機関と位置付けていることです。

 07年度予算では、府人権協会など「解同」関係5団体への直接の補助金・委託金4億2千万円、総合生活相談事業など相談4事業での市町村への補助金3億8千万円を計上。「解同」などが主催する人権研修や講座などに06年度は114人の職員を派遣しています。

 06年度にはさらに、小学6年生と中学3年生の全員を対象にした「学力テスト」を使って旧同和地域の子どもたちを抽出し、「一般地域の生徒・児童」との学力を比べる「同和地区」実態調査を府民や教職員の強い反対を押しきって強行しました。

 日本共産党は「すでに法的にも実態的にもなくなっている旧同和地域を特定しておこなうことは同和問題の解決に逆行する」と指摘。特定の住民を「同和地区住民」と行政が指定すること自体が重大な人権侵害だと批判し、中止を求めました。

知事との癒着疑惑も指摘

 府が同和事業継続の根拠にしているのは、01年9月、府同和対策審議会が地対財特法失効後の同和行政のあり方について出した答申や、02年10月に市町村にだした通知などです。通知では「部藩差別が現存するかぎり問題解決のために施策を進める必要がある」とし、「人権協会」を人権施策推進のための協力機関と位置付けるよう市町村に指示しています。

 同和行政のゆがみのなかで、「食肉の帝王」といわれ、牛肉偽装事件で逮捕され、「解同」役員も務めた、大手食肉企業ハンナングループの浅田満元会長と大臣知暮との癒着の疑惑も指摘されています。

 太田知事初当選直後の2000年7月、知事は自民党府議や府幹部らとともに浅田邸で酒食の接待をうけ、「解同」府連との交渉には直接出席。学力テストの実施や07年度予算で計上された「人権ケースワーカー」の養成事業も交渉の席で約束していました。

 知事だけではありません。4年前の府議選で、民主党は「解同」の組織内候補が3人、推薦議員は16人、公明は推薦議員が8人です。これらの党・会派は「解同」にものがいえない関係です。この2月府議会で日本共産党は同和行政の終結をきっぽり要求。「オール与党」各党は、同和行政のゆがみが社会問題になり、マスコミもとりあげるなかでさえ、ただちにやめるよう求めたところはありませんでした。

(つづく)


2007年3月24日付「しんぶん赤旗」より