大阪府政と日本共産党B−−地域経済

中小企業予算はわずかに1.6%
振興条例制定求める

 ものづくりと商いの街、大阪。府内の全企業の99.6%が中小企業です。製造品出荷額の約65%を従業員300人以下の工場が占めています。

企業倒産の多く大阪府に集中

 太田房江知事は、「全国を上回る規模の景気回復」といいますが、中小企業の倒産は2005、06年と連続で増加。資本金100万円以下の企業の倒産は全国の4割近くが大阪です。大阪経済の主役の中小商工業は厳しい状況におかれています。

 一方、資本金100億円以上の大阪に本社をもつ大企業138社の内部留保は33兆5千億円で前年より8兆円以上増え、過去最高です(大阪労連「07年ビクトリーマップ」)。

 府の商工予算はどうでしょうか。中小企業対策費(金融対策費除く)は、07年度は448億6300万円で予算全体の1.6%。900近い商店街の活性化策は1億3千万円、基盤技術の高度化などの中小製造業支援は4億8千万円です。

 一方、大企業誘致のための補助金は、05年度に1社あたりの上限額を10億円から30億円に、07年度に150億円へと5倍に。わずか100人の常用雇用が条件です。

 府が10億円を補助して貝塚市に誘致した三洋電機工場では、従業員360人中210人が請負、社員の新卒採用はわずか11人です。住之江区に新工場を建設する旭硝子には府と大阪市で34億5千万円を補助。社員は40−50人、請負が200−250人となる予定で、「地元企業へ部品等を発注することはない」と地元への波及効果がないことを同社自身が認めています。

大企業優遇の「オール与党」

 こうした大企業優遇に賛成してきたのは「オール与党」各会派です。公明党は、誘致に失敗した武田薬品との交渉にさいし、「限度額を、例えば200億円にしたらその範ちゅうで大阪府が交渉していただける。…30億円という限度額を置いたままで200億円近い交渉をされるから問題になるわけであります」(06年9月議会)と提案しています。

 日本共産党は、大企業優遇でなく中小企業振興と雇用促進、消費拡大でこそ経済再生も府の財政再建も進むと指摘、具体的に提案してきました。

 先の2月府議会では代表質間で「補助金の額の多さを競うのではなく、大企業に正社員をきちんと雇うよう求めるべきだ」と主張。議会のたびに「中小企業振興条例(仮称)」制定を要求するなど奮闘し、府のものづくり応援施策に結びつきました。中小企業向け宮公需発注率65%の早期達成を求め、昨年度はようやく60%台に達しました。

 大型店出店の規制強化とともに商店街活性化のための懇談会設置では専門家や商店主、消費者らも加わるよう求め、実現。その中間報告をもとに06年度から「商店街等いきいき元気づくり事業」がスタートし、引き続き予算増を求めています。

中小企業融資枠拡大を実現

 中小企業向け融資では目標額の増額や無担保・無保証人融資の利用対象者を広げるよう要望し、8千万円までの融資を赤字でも保証人なしで申請できるようになりました(06年度)。返済期間も、資金繰り円滑化特別融資で7年が10年になるなど、一部の融資で延長されました。

(つづく)


2007年3月23日付「しんぶん赤旗」より