裏金調査委員に公金流用委疑惑
太田知事「解任考えず」

 検察庁時代に「調査活動費」を私的に流用したとして刑事告発され、現在、府の顧問弁護土を務める元福岡高検検事長の加納駿亮氏が府の裏金問題の外部調査委員に選任されている問題で、太田房江知事は23日の記者会見で「解任は考えていない」とのべ、加納氏を擁護する立場を示しました。


 太田知事は、加納氏が刑事告発されていたことを「(選任した)昨年の時点では知らなかった」とし、「(選任についての)説明責任の不足や、こういう事態になることが予測できなかった点で私の政治家としてのセンスが乏しかった。その点での私の責任はまぬがれない」と発言。


 しかし、「あと一回で外部委員会の報告書が取りまとめられる。過去の嫌疑については『嫌疑なし』として不起訴処分になっている。職務をまっとうしていただき、よりよい報告書をつくっていただくことが府民の疑問にお答えすることになる。いまの時点で解任は考えていない」とのべました。


 知事の感覚疑う


 宮原たけし日本共産党府議団長の談話 府は加納氏が告訴された人物であることを承知しながら顧問弁護士に採用しており、知事が「知らなかった」というのはありえない。「こんな事態になることが予測できなかった」という点では一昨年2月の一審判決でも検察の「調査活動費の不正流用問題の究明が必要なのは明らか」としており、知事の公金への感覚が著しく欠如しているといわざるを得ない。裏金はまだ調査中で事実の解明も道半ばだ。そんななかであと一回で再発防止策をまとめられるはずがない。早期に幕引きを図ろうとしているといわれても仕方ない。


2007年1月24日付「しんぶん赤旗」より