住宅完売でも赤字膨大 箕面市「水と緑の健康都市」
山下、宮本さんら視察

 日本共産党の山下よしき参院比例候補、宮本だけし参院大阪選挙区候補、堀田文一府議、名手宏樹箕面市議らは19日、「ムダな大型開発」と批判の声が出ている国道423号バイパス(箕面トンネル)と大阪府の「水と緑の健康都市」事業を視察、現状を確認しました。

 トンネルの総事業費は約813億円。区間は箕面市萱野と下止々呂美の約7キロメートルです。トンネルを掘ったため大量の地下水がわきだし、地表の川が水枯れし、箕面の滝の水量が減少しました。現在、滝の上流にポンプで地下水をくみ上げて水を流し、滝の水量を補給しています。

 「水と緑」は、総事業費約985億円。面積は300ヘクタールを超えています。

 赤土が露出している現場では、今秋からの宅地分譲に向け、区画ごとに整地が進められていました。

 しかし、当初の住宅約5千戸・1万6500人居住という計画から、住宅約2900戸・9600人居住に縮小したことなどで、堀田府議は「住宅を完売しても、およそ750億円の赤字になる」とみています。

 視察を終え、堀田府議は「同じような近隣住宅街では人口が減っているのに、『水と緑』は町として成立するのか。砂上の楼閣を造っているにすぎない」と批判します。

 宮本氏は「膨大な事業費を使ってムダ使いする一方で、財政難といって高校授業料の値上げをする政治を改めたい。また、事業としてまともであればまだしも、初めから赤字が分かっている、採算を度外視しているというのはふまじめだ」と語りました。

2007年1月20日付「しんぶん赤旗」より