府「裏金」調査委員に 不正流用疑惑の元検事長
「資格ない」 党府議団が指摘

 大阪府の裏金問題の外部調査委員会の委員の元福岡高検検事長の加納駿亮弁護士(64)が不正流用を告発されていた人物であることが16日までにわかりました。捜査情報を漏らす見返りに暴力団関係者から接待をうけたとして収賄などの罪に問われた元大阪地検公安部長の三井環被告(62)が告発していた人物で、同被告の大阪高裁判決で、検察庁の「調査活動費」の不正流用が認定されています。

「調査活動翼」は事件の調査や情報収集活動のための経費とされていますが、幹部の私的な飲食費などに流用されているという疑惑が以前から指摘されています。ピーク時は五億5千万円余(1998年度)にのぼりましたが、翌年に「検察の裏金」との内部告発があり、その後急減し、2002年度以降は8千万円台で推移しています。

 加納氏は01年に高知地検と神戸地検の検事正時代に不正流用したとして刑事告発されましたが、「嫌疑なし」として起訴処分とされました。

 加納氏は05年4月に大阪府の顧問弁護士に就任。06年3月に府教育委員会の収賄事件をうけて設置された「大阪府綱紀保持検討委員会」の委員、同年11月に内部通報制度の拡充で設置された「外部ヘルプライン」(通報の事実を粗織に知られたくない府.職員が弁護土などの外部の専門家に直接通報できる窓口)に着任しています。裏金問題の調査委員会は昨年12月に設置されました。

 日本共産党の宮原たけし団長は「自らが裏金の疑惑をもたれている人が、府の外部調査委員会の委員になる資格はない。辞任は当然」と指摘しています。他の会派にも加納氏への疑問や批判の声が出ています。

2007年1月17日付「しんぶん赤旗」より